のび太1「違うってば!!この問題はそうじゃなくてこうすれば...」
のび太2「いーや、絶対に僕の方が正しい」
のび太3「お前強情だぞ!!」
のび太4「うるさい、黙れ、ちび!!」
しずか「自分どうしで喧嘩するのは止めて!!」
概要
てんとう虫コミックス43巻及び、藤子・F・不二雄大全集16巻に収録「半分の半分のまた半分...」に登場。
この刀で物を切ると、2つに増やすことができる。ただし、増えた物は大きさが半分になって小さくなる。
ちなみに分割されたのび太の声は2018年版のみ普通通りだったが、これ以外の2バージョンは少しエコーがかかったような声になっていた。
ストーリー
野球中継を見たいというのび太と、全日本キャットショーを見たいというドラえもんは、日本中の素晴らしい猫が、今シーズンの優勝をかけたと、互いに意見を譲らずついに取っ組み合いの喧嘩をし始めた。だがママの仲裁によって何とか収まり、呆れた彼女から「テレビを半分こしたら!?」と言われたことで、ドラえもんは閃き「半分こ刀」を取り出す。
これでテレビを真っ二つにして2つにし、2人はそれぞれ好きな番組を見ることができたが、その時しずかから電話がかかって来て、のび太は宿題をする約束をしていたことを思い出した。すぐに向かいたいのび太だったが、中継も見たいしけど、約束を破ったら彼女が怒ってしまうと、「じゃあ行くの止めれば」「好きにすれば」と呆れるドラえもんをよそに、一人焦り出してしまう。
そこで自分に半分こ刀を使うという大胆な閃きをし、使用して2人となったが、どっちが残るか行くかで取っ組み合いになり、ドラえもんから提案されたくじ引きで決めることに。宿題に行く方になったのび太は最初こそ同じ自分なのに不公平だと、ぶつぶつ言っていたが、しずかと一緒だし、ひょっとしたらおやつももらえるかもと、先に進んだ。
だが早々ジャイアンとスネ夫に野球に誘われてしまったので、再び半分こ刀を使用し、ジャンケンをしてどちらが野球に行くかを決めた。そしてノートを背負った方ののび太は途中、安雄とはる夫から小さくなったことを聞かれるも、先を急いでいたため説明はせず先を進んだが、のび朗からコンタクトを落としてしまったことをきかされ、一緒に探して欲しいと懇願されたため、またも半分こ刀を使うことに。
そしてノートを背負った方はノートの重さに耐えきれず途中で倒れてしまい、子犬に舐められたり追いかけられたりするはめに。更に女子のスカートの中に逃げ込んでしまい、エッチではなく命に関わる問題だからと説明しても聞いてもらえず、木の枝に引っ掛けられてしまった。その後コンタクトを見つけ終え、のび朗からのお礼も断った方に助けられ、共にしずかの方に向かった。
一方野球をしていた方はボールを上手く投げられなかったりして、ジャイアンとスネ夫から散々言われた挙句、くびも宣告されたことで、やっと抜け出すことができていた。そして中継を見ていた方も中継が降雨で中止になったので、しずかの家に向かうこよにしたが、ドラえもんがまだテレビを見ていたので、先に向かうことにした。
そしてしずかの家では、大勢になったのび太が一気に訪ねてきていて、これにより宿題の答えは食い違って全くまとまらず、大勢ののび太が口論する中、しずかはまいってしまい、様子を見に来たドラえもんはこの光景に開いた口がふさがらなかった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1989年12月1日に、水田版は2009年1月23日及び、2018年7月27日にそれぞれ放送している。
1989年版
- サブタイトルが「半分こ刀」に変更
- のび太が見ようとしていた中継はサッカーで、2人の立ち位置は原作とは逆になっていた。ちなみにドラえもんが見たがった理由は可愛い猫が出るからで、2人が注意しても聞かないので、ママは大声で怒鳴って黙らせていて、また喧嘩をしたら夕ご飯を抜きにするとも言っていた。
- 野比家の電話はボタン式の緑のものになっていて、のび太は中継に夢中になるあまり、ママの呼び声が聞こえていなかった。そしてママものび太を呼び来た際、テレビが2つになったことを確認にしている。
- ドラえもんがくじ引きを提案したのは。2人ののび太が喧嘩を始めた際、ドラえもんは「決着つくはずないよ。どっちもドジなのび太くんなんだから」と言ってしまって、2人に睨まれたからだった。
- のび太を野球に誘った際、ジャイアンとスネ夫はどちらも私服で帽子もかぶっていなかった。
- のび太を遠くに放った女子はスネ夫に似た顔つきになっていて、子犬の飼い主だった。
- 木から落ちた際、2人のび太はどっちがドジかで喧嘩になったが、すぐ本来の目的を思い出し先を急いだ。一方野球をしていた方もバットを上手く振れなかったり、ボールをキャッチできなかったりしてくびになっていた。
- 雨は降り出していなかったので、中継は無事最後まで放映され、これによりドラえもんが、こちらと大阪で天気の違いがあることを説明する下りは描かれていない。
- しずかが大勢ののび太を出迎える下りはカットされ、ラストでドラえもんはのび太が4人になっていることに困惑し、「あれじゃあまとまりっこないよ」と呆れている。ちなみに口論の中で「ちび」は言われていなかった。
2009年版
- のび太が見ようとしていたのは『オシシ仮面』だった。
- のび太は宿題をカバンに入れていた。
- 宿題をしに向かったのび太のセリフのうち、おかしをもらえるかもしれないの部分はカットされていた。また、のび太を野球に誘った際、ジャイアンとスネ夫は私服だった。
- 女の子は子犬に手綱をつけて散歩していた。
- のび郎のコンタクトは自動販売機同士の隙間に落ちていた。
- のび太が見ていたのは『オシシ仮面』だったため、雨で中止になる下りは描かれていない。
- ラスト似てのび太達は、しずかの叫びに驚いていた。
2018年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面では、ドラえもんは半分こ刀をノートを持ったのび太の頭に当てている。そしてドラえもんは左目を閉じてにんまり、のび太は少し衝撃を受けたような表情に変化している。
- のび太はリモコンを奪ってドラえもんに対抗している。また、ドラえもんは斜めにテレビを真っ二つにしていて、時代に合わせ野比家のテレビもデジタル対応型になっていたため、斬ったのはテレビの部分だけだった。
- 去り際、スネ夫はのび太が少し小さくなったかもと疑問に思っていたが、ジャイアンからいつもあんなもんと言われ納得した。
- コンタクトを落としたはのび太のいとこの五郎で、場所は近道のために通った公園だった。またのび太を追いかけたのは大人の柴犬で、この後の一連の下りもこの公園内で描かれている。
- 木の枝が折れたのは、登って来たのび太があまりの高さに怖がってしまったからで、この下に先ほどの犬が昼寝をしていたため、真上に落ちて来た2人に驚いて悲鳴を上げながら走り去って行った
- のび太がくびを宣告されるシーンは、スネ夫がのび太から半分こ刀を奪い、自分のおもちゃを持ってこさせ、この刀で半分にしようとしたジャイアンを、同じくこの刀で小さくしてやっつけようとしたが、返り討ちにあってしまう下りに変更されている。