概要
宇宙戦艦ヤマトシリーズにおいて、敵との兵力差がありすぎたり、攻撃が全く通じなかったりした場合、指揮官クラスの人物が叫ぶ言葉。「180度反転」や「180度回頭」と言う場合もある。
艦を180度反転=全力で撤退という事なのだろうが、敵は逃がすまいと容赦なく追い打ちをかけてくる。
察しの良い人なら気付いているだろうが、これは例えるならダンジョンで転がってくる大岩から逃げる的なアレである。この手のシチュエーションにおいて追いかけてくるものと同じ方向に逃げるというのはそれだけで死亡フラグと言える(生存フラグを立てたければ「横に避けてやり過ごす」が必要)。そうでなくとも180度も回頭していたらそれだけでタイムロスになるので、逃げ切れる可能性は下がる。
なのでヤマトシリーズにおいて(逃走を目的とする)反転180度が成功した試しはほぼ無い。艦隊ならまとめて全滅、単艦なら撃沈の死亡フラグである(ヤマトだけは主人公補正でなんとか生き延びるがやはり大ピンチにはなる)。
事例
『さらば宇宙戦艦ヤマト』の地球防衛艦隊
「反転180度! 全艦離脱!!」
敵の本丸である白色彗星に全艦で拡散波動砲発射!→全く効かずに反転180度するも彗星に飲み込まれて全滅。
ヤマトで反転180度と言ったら大体このシーンが挙げられる。
ちなみにその後ヤマトが白色彗星に波動砲を撃った際は、反転120度で退避している。
『宇宙戦艦ヤマト2』のズォーダー
「テ、テレサ……! い、生きていたのか! 攻撃止め! 反転180度!」
調子こいて超巨大戦艦で地球を攻撃してたらテレサがやってきた→全力で反転180度するも逃げ切れず。
『宇宙戦艦ヤマト完結編』のヤマト
「反転180度! 波動エンジンフルパワー!」
敵の本拠地である都市衛星ウルクに接近した際、敵がニュートリノビーム防禦幕を展開してきた。接触すれば艦が丸ごと溶かされてしまうため、反転180度で回避する。
防禦幕自体は回避できたが、敵がニュートリノビームをヤマト目掛けて直接撃ち出してきたため、逃げ切れなかった。
『宇宙戦艦ヤマト2202』のヤマト
「反転180度。全艦…うわっ!」
白色彗星が正面にワープアウトした際、反転180度で逃げようとするが、反転する間もなく重力に囚われた。
成功した反転180度
実は成功した反転180度もある。
『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦
「撤退する。針路、反転180度!」
記念すべき第一作第1話で登場した最初の反転180度。沖田艦がガミラス艦隊との戦闘から撤退する際に沖田十三が指示している。
古代守の駆逐艦ゆきかぜが撤退を拒否し、仲間の敵討ちと沖田艦を逃がすためにガミラス艦隊に突撃したため、沖田艦は撤退に成功した。
『さらば宇宙戦艦ヤマト』のヤマト
「よーし、反転だ。左反転180度! 脱出!」
宇宙の墓場(サルガッソー)へと続く宇宙気流に巻き込まれたヤマト。気流の外では敵艦隊が手ぐすね引いて待ち構えていたため、あえて気流に流されて有利な位置まで誘い出そうとする。
そして脱出不能なところへ到達する寸前で反転180度を行い、エンジン出力全開で脱出した。相手が動かないサルガッソーだったのが幸いだった。
『宇宙戦艦ヤマト2202』のアンドロメダ
「反転、全艦離脱!」
宇宙戦艦ヤマト2202では、目前に白色彗星のワープアウトを受けたヤマトにて古代が、破滅ミサイルによる攻撃を受けたアンドロメダにて山南艦長が発するも、どちらの艦もこの場面で生き延びており扱いの変化が見られる・・・のかもしれない。
その他の反転180度
逃げる以外の反転180度もある。この場合は大体成功する。
『ヤマトよ永遠に』のヤマト
「ヤマト、180度反転! 目標、敵母星!」
敵の母星から地球へ帰還する途上でとある事実が発覚し、再度敵母星へ向かうべく反転180度を行った。
『宇宙戦艦ヤマト完結編』のヤマト(その2)
「よーし反転180度! 波動砲口よりエネルギーをリークして、敵衛星中心部へ強行着陸!」
上記のニュートリノビームから逃げきれなかったヤマトだったが、波動エネルギーがニュートリノビームの働きを抑制することが判明し、再度反転180度してウルクへ突撃した。
『宇宙戦艦ヤマト2199』のヤマト
「取り舵回頭180度。発射弁開け!」
バラン星突破作戦に置いて、大マゼラン銀河へ繋がる亜空間ゲートの前で180度回頭し、ゲートを背にした状態でバラン星のコアを波動砲で破壊。そのまま波動砲の反動を吸収する重力アンカーを解除し、波動砲の勢いで高速逆進してゲートに飛び込んで逃げた。
反転したうえでバックするという珍しい例。