「江戸の民草の多くが死ぬだろう――悪しき事、許されぬ事だ。」
プロフィール
氏名 | 宮本伊織 |
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性別 | 男性 |
身長 | 175cm |
体重 | 65kg |
出典 | 史実、Fate/Samurai Remnant |
地域 | 日本 |
属性 | 中立・中庸 |
魔術回路 | 質:C / 量:C / 編成:正常 |
設定担当 | 桜井光、奈須きのこ |
ILLUST | 渡れい |
CV | 河西健吾 |
常に、他者を……目の前の相手を理解しようと意識している節がある。
概要
『Fate/Samurai Remnant』に登場するキャラクターにして同作の主人公。
剣聖・宮本武蔵の弟子にして彼の養子でもあった剣客の青年。本作では英霊としてではなく、その時代を生きた人間の剣士として登場する。ある夜、サーヴァントに襲われた際に運命的な出会いをしたセイバーと契約し、血塗られた「盈月の儀」を共に戦い抜いていく事に。
過去作においては女武蔵が諸事情で力が半減していた時に偽名の呼び名として使われていたものが初出だった。また、水着武蔵の書籍マテリアルでも存在が言及されていた。
史実において
養父である武蔵の功績を記した顕彰碑である『小倉碑文』の作者としても知られ、彼の名を一躍有名にする立役者となった。
出自や養子となった経緯には諸説あるが、近年の研究で発見された系図により、武蔵の兄である田原久光の息子という説が有力とされている。そうなると2人は甥・叔父という関係となる。
田原氏は第62代天皇である村上天皇の皇子を祖とする村上源氏の流れを汲む赤松氏の家系で、庶流・春日部家の3代目当主である赤松持貞の子である家貞が田原姓を名乗ったのが始まりとされる。
ちなみに、史実での伊織の生まれは慶長17年(1612年)であり、本作の舞台である慶安4年(1651年)なら39歳と既に壮年の年齢であるが、本作の伊織は20代前半の若い姿となっている。
職業に関しても、明石藩へ仕官した15歳の時は寛永3年(1626年)で、後に小倉藩へ移封し家老となったのが寛永8年(1631年)のことであり、劇中時間軸からするととっくに昔のことである。
更に島原の乱で活躍し、その戦功が認められ同藩の筆頭家老にまで上り詰める立身出世を果たし、以降も藩士として働いていたと考えられているが、本作ではそもそも仕官しておらず、浪人として剣の腕を鍛える日々を過ごしていると、史実の経歴とは全く異なる人生を歩んでいる。
人物
一人称は「俺」。
浪人ではあるが身なりはそれなりに整っている青年。
基本的には表情の起伏や我欲に乏しい冷静沈着な性格であり、理不尽なトラブルや未知の事象・人物に遭遇しても割とすぐにすんなり呑み込んで対応出来てしまうほどの順応性の高さを持つ。
この姿勢は"他者を知ること"に意欲的なためでもあり、そのおかげか観察眼にも優れている。同時に史実では政治家としても優秀だったためか、浪人にしては教養もあり歴史や伝承にも明るい。
養父同様に剣の道と魔術の道を生きてはいるが、江戸に住む無辜の住民が騒乱に巻き込まれるのを良しとしない善良な方針で「盈月の儀」へ参加を決めたのもその被害を防ぐため。
一方で養父の武蔵と同様に「剣の道を極める」ことには並々ならない拘りと執心を持ち、剣術に関しては一切の妥協を許さないストイックな人物。その点に関しては自分の身も顧みないなど何かと無茶をしがちなので、妹のカヤを初めとした周囲の人間からは心配されている。
史実通り師匠の武蔵から剣を教わっているが、こちらの世界では奥義を修得する前に師が亡くなっており、独学で道を極めようと苦労している。これにより二天一流の後継を名乗るわけにはいかないと決め、史実と異なり仕官の道を固辞した模様。故に浪人暮らしで生活に困っているのだが、奉行所の役人である助之進から斡旋される形で、揉め事を解決し収入を得ている。
手遊びに師である武蔵の真似事と称して木彫仏を嗜んでおり、腕前もなかなか。条件を満たせばある人物の像を彫らされる羽目にも。
能力
養父である宮本武蔵に習って自己流で編み出した独自の二天一流を使って戦い、史実通り、師に勝るとも劣らぬ並外れた剣才の持ち主。それぞれ特徴がある複数の型を使い分けての戦闘が可能であり、浪人や忍者程度なら一蹴可能どころか、幻想種とも渡り合える腕前を持っている。
加えて、紅玉の書からの手解きによって宝石魔術を扱える魔法剣士でもあり、蛍火を始めとした炎を扱う魔術や強化・回復の魔術を駆使する(汎人類史の彼がこれを扱えたかどうかは不明)。
実は師である武蔵の死後に佐々木小次郎からも稽古を受けており、彼の巌流と師の二天一流とを組み合わせた「二刀流の燕返し」という無茶苦茶な独自秘剣を完成させる事も伊織の悲願。
生身の人間としては破格に強い部類だが、流石に超常的な存在のサーヴァント相手には太刀打ちできず、自分基準で強さを測りがちなセイバーからは度々弱いと言われている。
しかし、盈月の儀に巻き込まれて早々に襲ってきたライダーを相手に防戦一方ながらもまともな打ち合いを繰り広げており、その後も前線で戦い続け剣技を磨き続ける中で、少しずつ相手のサーヴァントとの差が縮まっていくなど、一介の剣士としては異常な側面も垣間見せている。
生前の英霊と考えれば当然だが基本的に戦闘力と言う点では下から数えた方が早い型月主人公の中ではかなり強い部類であるといえる。
剣技
戦闘においては最大5つの「型」を駆使して戦っていく。
5つともそれぞれ特徴があり、状況に合わせた戦法を取っていく。さらに戦闘中に1つの型で戦っていると「残光」が発生し、この状態で型を切り替えると追加効果をえられるようになる。
地の型
一刀の構えによる型。初期から使用可能。
堅牢ゲージによるアーマーが付与される。相手の重い一撃も耐えられるため、多少のゴリ押しが可能。成長させることでガードをしながら攻撃できるようになり、敵の動きを把握しながら立ち回る事ができる。
しかし集団戦では隙の多さが目につき、殲滅力は極端に落ちる。そのため、強者との戦いにおいて出方を窺う際に適している。また、極めることで一度だけ体力が0になっても復活できるという効果が得られるため、より高難易度な戦いも攻略しやすくなる。
残光により、次の型の攻撃中に怯むことがなくなる。
水の型
二刀の構えによる型。初期から使用可能。
攻撃速度は五つの中でも最速で、集団戦特化となっている。成長させることで相手の動きを遅くしたり、周囲を巻き込めるようになる。攻撃力は控えめだが、対人戦なら気にならず、むしろ相手がワラワラ出てくる戦闘では間髪入れない攻撃により一網打尽にできる。
残光により、次の型の攻撃速度が上昇する。
風の型
一刀の構えによる型。ストーリーを進めると開放される。
魔術を行使しながらのいわゆる魔法剣士スタイル。長距離まで攻撃が届く技が多いのが特徴で、独自の魔術ゲージを消費して怪異に有効打を与えることができる。MAT値が大きく影響するため、成長すればするほどその成果が如実に表れる。しかし、対人戦では役に立たない。
残光により、次の型の攻撃に火遁の追加効果を与える。
火の型
二刀の構えによる型。ストーリーを進めると開放される。
攻撃力と攻撃範囲に優れた、まさに火の如き型(エフェクトも一番派手)。
体力が減れば減るほどその威力が増し、技の出も速くなっていく。そのため最大火力で挑むには体力を調整しないといかず、さらに必然的に瀕死の綱渡り状態になるため、ゴリ押しは効かない。
残光により、次の型の攻撃力上昇と、外殻から直接ダメージが通る効果を得る。
空の型
居合の構えによる型。ストーリーを進めると開放される。
高い水準でバランスが取れた型で、相手を選ばず、中距離からの抜刀術による攻撃で敵を寄せ付けない。
体力が減っていくと攻撃の合間に隙が発生するようになり、ほぼほぼ満タンの状態でなければパフォーマンスが発揮されないのが弱点。だが、裏を返すと応刀などで相手の攻撃を見切れるのであれば一方的な戦いができるようになる。また、残光により、次の型の攻撃時に衝撃波を飛ばす。
秘剣
型ごとに存在する伊織の必殺奥義。
地・風では一刀による高速突進「光芒一閃」、水・火・空は二刀をそろえた横薙ぎ「二河白道」。
秘剣・燕返し−比翼の段
バーサーカーとの一騎討ちで使った伊織の秘剣。
その後は「空の型」の秘剣がこちらに変化する。小次郎の「全く同時に3つの斬撃を繰り出す」燕返しに二天一流を組み合わせ、二刀流の状態で繰り出し、6つの不可避の斬撃を放つ。
別世界において一度小次郎との死闘に打ち勝った女武蔵ですら(予想外だったこともあり)回避する事が出来ずに一本取られてしまい「まさに絶巧絶技、天晴れな天衣無縫」と讃えた。
Fate/Grand Order
※サーヴァント化した際に「中立・中庸」から変化している。記憶の欠如と関係があるようだ。
コラボイベント『盈月剣風帖』にて、配布サーヴァントとして早くも参戦。
上記の通り、英霊になっても可笑しくない歴史上の人物なのだが、一応は両儀式やプリヤのような、コラボ元における現世の人間のサーヴァント化に近い扱いとなっている。
一方、今回は「盈月の儀」に関する記憶がない状態で特異点に迷い込んでおり、令呪も持たない。シナリオの都合上、他人物への反応台詞も少なく、四幕後半クリア前の状態では宝具使用不可。
配布なので霊基再臨による容姿の変化は無いものの、最終再臨時のセイントグラフにおけるイラストは「赫い月夜に抜刀する姿」という迫力ある構図に仕上がっている。『SR』全編をクリアしたプレイヤーなら別の意味で納得出来るものであるが、全ては本章の顛末を観て頂きたい。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | C | C | A | B | B | - |
保有スキル
対魔力(B) | セイバーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法等を以ってしても、傷付けるのは難しい。 |
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騎乗(B) | セイバーのクラススキル。乗り物を乗りこなす能力。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、幻想種或いは魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなす事が不可能。 |
氷の如し(B) | 剣の術理を極めんが為、一切の感情を交える事無く澄み渡った精神性がスキル化した。本来は「沈着冷静」スキルの亜種。後述の宝具の要となるスキルと言える。 |
紅玉の書(B) | 宮本伊織は師・宮本武蔵の遺産である魔術書「紅玉の書」を有している。「紅玉の書」は疑似人格を持つ“知性ある本”であり、素養を有していた伊織に西洋魔術を叩き込んだ。言わば魔術の師である。伊織が得意とする術式は宝石魔術で、これを伊織は火遁と呼んでいるものの、道術・仙術としての火遁とは全く異なる代物である。伊織は既知の知識で魔術を捉えており、例えば魔術回路も経絡と呼んでいる。 |
五輪の刃(A) | 自らアレンジを加えて修練した二天一流。5つの型を適宜柔軟に使い分ける事で、あらゆる戦闘状況に対応し得る。師である武蔵のそれとは既に異なる術理ではあるが、師の遺した五輪の書の精神こそが根底にあるのだと伊織は強く信じている。 |
宝具
秘剣・比翼閃耀(ひけん・ひよくせんよう)
- ランク:なし
- 種別:対人魔剣
- レンジ:1~2
- 最大捕捉:1人
「終わらせよう。」
「御目に掛ける。『秘剣・比翼閃耀(ひけん・ひよくせんよう)』!!――未熟にて、御免。」
上記「燕返し−比翼の段」の宝具としての名義。
恐るべき殺人剣ではあるものの、オリジナルの技を必ずしも超え得るものではない、と伊織は考える。ただ、剣客・宮本伊織にとっての究極の秘剣がこの形態であったというだけだ。
ゲーム上での性能
自己強化に特化したアタッカーとなっている。攻防共にバランスの良いスキル構成で占められており、中でもクリティカル攻撃を行うためのスターを供給する手段を3つも持つ。サポーターとして適しているのはマーリンやアンデルセン、そして同時実装の正雪あたりか。
モーションでは、原作の忠実再現として上述した五つの型を用いて戦っており、これまた引き続き使用する「蛍火」で炎上させる、掌から風の魔力弾を発射するなどの魔術攻撃も披露している。
関連人物
史実
養父にして師匠、劇中では既に故人。
元々は戦乱の世が過ぎて剣を振るう機会を失いつつある中で、剣の才能があった伊織に二天一流を覚えさせて死合う相手として育てるつもりだったが、結局奥義を伝授する前に老衰死している。
最期は伊織に対し「おまえは、生まれる時代を、間違えたのだ」と意味深な言葉を残している。
武蔵と伊織の親子が最も長く仕えた大名。
信濃国松本藩、播磨国明石藩、豊前国小倉藩の藩主を歴任した人物で、茶人でもある文化人。
苗字からすると、恐らく後述のカヤを引き取って養子としたのは彼と思われる。
Fate/Samurai Remnant
盈月の儀において契約したサーヴァント。
初めの内はあちら側が伊織のことを弱いと軽んじていたが、行動を共にしていくにつれ信頼関係が構築されていく。『FGO』ではその記憶を持っていないが何だかんだやり取りは変わらない。
同じく武蔵に拾われた義妹。
小笠原家に引き取られた現在でも、甲斐甲斐しく伊織の世話をしている。
亡き師と瓜二つな名前・太刀筋・雰囲気を持つ女剣士。
姿形も性別も違うのだが、その太刀筋から師匠と同一人物と確信した。
向こう曰く、彼女の世界線の伊織も全く変わらない人柄な模様。そのためか男武蔵同様伊織の生き方に思うところがあるようであり「生まれる時代を間違えたのね」と呟いている。
武蔵の残した遺物の1つで、意志を持つ魔導書。
個人として「爺さん」と呼ぶなど尊重し、魔術や盈月の儀のアドバイザーとして頼りにしている。
敵対者の1人であり、ライダーのマスター。
盈月の儀の序盤においてマスターの資格を持っていたことから、襲撃されるも結果としてマスターとして覚醒する。その後は対立しつつも互いに協力関係を結ぶことになる。
かつて武蔵と巌流島で死闘を繰り広げた相手。
資料では老齢の頃に武蔵と巌流島で決闘を行ったとされているが、本作では武蔵と年齢が近いばかりか決闘で敗死せず存命であり、宿敵の死を知りその墓前に花を備えていた。
数年前伊織から師事を頼まれ鍛え上げており、彼のもう1人の師匠と言うべき人物。回想時の姿及びCVは同じ剣技を持つ農民と同じだが、本作の彼は別人にして正真正銘の本物である。
紆余屈折あって同盟を結んだ逸れのサーヴァント。
強制的にキュケオーンを食べさせられた結果、豚に変えられてしまった。
なおこの姿「ピグレット(伊織)」は本作の発売翌年にぬいぐるみとして発売が決まった。
縮緬問屋「巴比倫弐屋」の若旦那として振る舞う盈月の儀の関係者。
彼としては異例な事に伊織をかなり気に入っている模様である。
DLC第1弾『断章・慶安神前試合』にて対峙した神霊サーヴァント。
戦いを通して伊織の深遠を見抜いているかのような態度を示す。
DLC第2弾『断章・柳生秘剣帖』にて出会ったサーヴァント。
劇中の数年前亡くなった江戸の有名人である為、流石に驚きを隠せなかった。
新井助之進
同心。仕事を斡旋してくれる知人で生活の糧になるため持ちつ持たれつの関係。
たまに仕事の内容を細かく精査しなかったが為にトラブルを引き起こすこともある。
Fate/Grand Order
日本出身で中の人繋がりでもあるマスター。
彼は現代において生まれる時代を間違えたという、ある意味似たもの同士。
こちらも大人の方で中の人が同じサーヴァント。
子供の頃と違って大人しい性格になっている為、上記の彼と違って声のトーンがよく似ている。
未来から訪れ、共闘のち契約したマスター。
師匠の残影に導かれ託される形で、彼/彼女の剣となることを決めた。
江戸時代出身のサーヴァント仲間。後者2人はセイバークラス仲間でもある。
歴史に名を刻んだ数多の英傑達を前に、本編でも見たことの無いテンションになっている。
タマモアリアとは起源を同じくする存在。
伊織の対応力でも彼女を理解するのは不可能で、セイバー共々宇宙猫状態に陥った。
余談
前述の通り『Fate』シリーズで伊織の名前が初めて出たのは武蔵の偽名としてであるが、これは、イベント本開催当時の段階で本作の構想が存在していたためであると、ファミ通インタビューで語られている。水着武蔵の書籍マテリアルには因縁キャラとして伊織の名があり、そこで記載された人物像(あっけらかんと非人間になれなかった)と本作の人物像(公開されている情報や動画からの推測ではあるが)が概ね一致しているのも、そういった事情故だと思われる。
某魔女にピグレットにされた姿の立体化は彼が初であり、本製品の予約開始日は3月29日(肉の日)である。また、相棒のセイバーは最初の立体グッズとしてねんどろいど化が発表されている。