柳生宗矩(Fate)
やぎゅうむねのり
抜かせるな。一度抜けば、斬らねばならぬ
真名 | 柳生但馬守宗矩 |
---|---|
クラス | セイバー |
性別 | 男性 |
身長 | 181cm |
体重 | 71kg |
出典 | 史実 |
地域 | 日本 |
属性 | 秩序・中庸・人 |
好きなもの | 好悪の念、我が道に不要也 |
嫌いなもの | 厭う訳では無いが、不要な物は不要 |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 古海鐘一 |
CV | 山路和弘 |
※ 三代将軍・家光が宗矩を呼ぶ際の愛称は「柳但(りゅうたん)」であったと
記録されている。柳生と但馬から一文字ずつを取っての愛称である。
『Fate/Grand Order』に登場するセイバークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
初登場自体は『宮本武蔵体験クエスト』であり、冒頭にて彼女を襲撃した人物。一端の剣豪である武蔵をして「弱い者いじめ」と言わしめるほどの剣士であり、既に剣聖に近い域に達してるとも言われる。このクエストでは正体が明かされることは無かったが、ユーザーからは彼が口にした江戸柳生やオトメ(御留)流などの言葉から、既に真名が「柳生宗矩」ではないかと予想されていた。
第1.5部亜種特異点Ⅲ(亜種並行世界)『屍山血河舞台 下総国』ではサーヴァントではなくその時代を生きた人間として登場。幕府から怪異討伐の公儀を受け島原の乱を平定した五百余名の部下を引き連れ下総国に参上した。どうやら武蔵が以前平行世界で出会った宗矩と同一人物らしく、二度と出会わない筈の2人だったが下総で再会。やはりその剣気は凄まじく眼光のみで主人公が身動きできなくなってしまうほど。今回は下総国の国の姫を守るべく、部下達と共に城に常駐しながら武蔵と主人公一行に各地で暴れる英霊剣豪達や魑魅魍魎の討伐を指示する立場となる。それ以降は後方支援をしているのだが……
第2部3.5章にあたるイベント『徳川廻天迷宮 大奥』では、舞台がちょうど彼が仕えていた当時の江戸城ということもあり、メインキャラの1人として活躍する。当初は黒幕の手によって囚われていたが、無事解放されてからは主人公側の頼もしい味方となり、最終決戦では大立ち回りを見せる。
江戸柳生家の開祖にして、徳川将軍家の剣術指南役を務めた武士、『柳生但馬守宗矩』。
大坂の陣などで貢献し、大和国に存在した極小の藩である柳生藩の初代藩主ともなった。
基本的に感情を交えず、氷の理性で全てを見据える合理性の鬼たる男。
術理とは合理であり、即ち剣きわまれば、自ずと無駄なくすべてが叶う――
自ら情熱を口にせず、逸(はや)らず、そして焦る事もない。
目的へ到達するための最善、最短の手段を至極冷静に突き詰める。
味方となれば頼もしいが、敵となればあまりに恐ろしい、氷にして鋼鉄の男。
柳生石舟斎の息子にして柳生十兵衛の父親として知られる、剣の天才。
大坂夏の陣(1615年)では将軍秀忠を守り、武者7名を瞬時に斬り捨てたという。
晩年に仕えた江戸幕府3代将軍・徳川家光からは死後「剣術無双」と讃えられた。
兵法家にして政治家でもあり、諸大名やその子弟に新陰流を指南しており、自らの弟子を有力な大名の剣術師範として送り込むなどした。同時に思想家でもあり、それまで戦闘技術でしかなかった剣術に精神的・社会的側面からもアプローチし、所謂「心法」や「活人剣」、禅僧・沢庵宗彭の定義した「剣禅一致」等の概念を取り入れて論理的に体系化した新たな兵法思想を確立している。後世における武術・武道、ひいては武士道という在り方そのものに多大なる影響を与えた存在である。
肩書こそ兵法指南役ではあったが、家光にとっては私的な相談役としても重用されていた。元々は繊細でナイーブな性格だった家光に、剣術を通して禅や政治を説いて人間的に大きく成長させた功労者であり、宗矩の教育が家光による徳川の支配体制の盤石化の遠因となったという評もある。
他にも先読みに長けており、島原の乱の拡大をいち早く見抜いていたとも語られる。
寛永十四年(1637年)、キリシタン宗徒による反乱の報せが届いて間も無い頃、宗矩は追討使の任を受けた総大将・板倉内膳正重昌を必死に引き留めようとした。何故だと問い掛けた将軍家光に対して、宗矩は「宗教徒のいくさはすべて大事」「重昌殿は討ち死にするでしょう」と答えたという。
事態は宗矩の読み通りに推移した。一万五千石の大名である重昌では、諸国の西国大名を率いるのには不足であり、結果として苦戦を強いられたのである。状況を重く見た将軍家光は重臣・松平信綱を総大将として送り込んだが、重昌はそれを知って焦り、信綱が到着するよりも前にと敵陣へ突撃した結果、あえなく討ち死にを遂げたのだった。そして乱は信綱によって鎮められたのだった。
その一方で、時代小説や時代劇では稀代の陰謀家とされている。江戸時代初期に、先の太閤検地による所領の没収で、浪人の身にまで落ちぶれていた柳生家の地位をたった一代で一万二千五百石の大名にまで押し上げてみせたからには、清廉潔白なだけでは有り得ないと考えられたのだろう。
曰く、各地の大名に対して自らの息がかかった高弟を指南役として送り込むことで独自の情報網を築き上げ、表沙汰に出来ない幕府の汚れ仕事を秘密裏に処理する、闇のフィクサーだったのだと。
曰く、柳生の剣を心身鍛錬の思想としてまとめ上げたのは、その後の太平の世では実戦的剣術は無用の物となることをいち早く察知して、天下人に取り入って生き残りを図るためであったのだと。
無論、後世の憶測や俗説、創作に過ぎず、宗矩が陰謀家であったという確たる証拠は無い。
だが、宗矩が時代の趨勢を見抜くことに長けた文武両道の傑物であったことは確かである。
一人称は「私(わたし)」、または「拙者」。
幕臣の1人という経歴に違わず、基本的には堅物で面白味のない人物。人を解体する術に長けていると評されており、本人もそれを認めている。手加減下手を自認しており、敵以外では滅多なことでは本気を出さない。十兵衛の目の逸話通り、本気を出すと冗談では済まない事態になるからだ。
父親の石舟斎より習ってきた剣術を愉しむと思ったことは一度もなく、合理主義故に剣は所詮殺人の道と思ってきた。新陰流を継いで弟子を取り育て、江戸幕府3代将軍徳川家光に忠義を誓い、江戸柳生を御留流(おとめりゅう)として天下人に伝えながら、そのまま平時の人生を過ごしていた。
サーヴァントとなった彼は自身を柳生宗矩の影法師と定義しており、生前の自分とは分けて考えている。そのために生来の堅物さこそ残しているものの、生前のしがらみや因縁は心の隅に追いやり、あらゆる状況を是として新しいものには積極的に触れ、それを楽しもうとする好々爺として振る舞っている。ある意味、スカサハ同様サーヴァントとしてのセカンドライフを満喫している1人。また横文字が苦手なようで、英語等の言葉はカタカナではなくひらがなで表現される。また、幕間の物語のエピソードでは時にはカルデアのシミュレーターを活用して侵入した敵の存在を追跡しつつも、その傍らで行く先々で食べ歩きを楽しむなど、現代の技術にも柔軟に対応、適応している。
マスターに対しては生前の徳川家に向けるような絶対の忠誠心を向けている。もしマスターが望むのであれば、生前のように礼節を尽くすこともあるが、そうでないのなら新たな自分として好々爺として振る舞うことを望んでいる。此度のマスターは後者なので、ややフランクな態度である。
……とまあ、そんな風に年功者として泰然自若に振舞っているだけなら良かったのだが……その実態はカルデアにおける日本出身サーヴァント屈指のハッチャケキャラであり、ややもとするとぐだぐだ組以上にファンキーかつロックな言動を見せており、他のサーヴァントたちのみならずマスター一同からも総ツッコミを入れられる程に、ものすごくカルデアライフをエンジョイしている。
勿論、節度は心得ているし、剣術・政治・兵法の達者として締めるところはキッチリ締めてくれるので頼もしい限りなのであるが、いざコミカルなシナリオに登場してくると、途端に率先してボケに回ってくるので、ツッコミ側も対応に困る有り様だったりする。自由過ぎるぞ、この剣聖……
史上初の敏捷A++ランク保有者。このステータスは、あのギリシャ最速の英霊をも上回る。とはいえさすがにあちらより(足の速さが)速いとは考えにくいので、あくまで反応速度や剣速等に関する評価だと思われる。
剣術無双の異名に違わぬ高いステータスを誇るが、魔力だけは門外漢だからかEランクとなっている。
本格的な参戦となった『下総国』において登場した時においても、サーヴァントではない生きた人間の身であったにもかかわらず、並の怪異であれば難無く斬り伏せてしまうほどの実力者であった。
禅による修行でいかなる状況においても常に平常心を保ち、敵との心理的な駆け引きを制する心法も重視した新陰流の達人だけあって、剣の天才であると同時に鋼鉄の不動心の持ち主でもある。それは高い魔力への耐性として表れており、実際に、少し話しただけで感染するレベルの呪詛を受けて平然としていたり、無念無想の精神で悲鳴を無視してマンドラゴラを引っこ抜いたりしている。
大奥イベントでは、封印から救出された直後に敵を無刀取りで退ける、生前は妖術を物理的に斬れたと語る、分身体だとは言えビーストをバッサバッサと斬り倒すなど、その技量を見せつけた。
生涯の最後まで己の剣と向き合い続けたその魂は「零に至った武蔵」でさえまともに立ち会えば勝てないと評せるほどの極地にまで至っており、所謂「剣聖」に近い域に達しているとも言われる。
モーション中では、様々な柳生新陰流の剣術を披露しており、上段からの剣撃を得意とする他、剣気を刀身に集中させることで強力な斬撃を放ったり、抜刀術で瞬時に斬り捨てたりもしている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | B | D | A++ | E | B | B |
保有スキル
対魔力(C) | 詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法のような大掛かりなものは防げない筈だが、剣聖は妖怪魔術をしばしば一閃する。物理で魔術を無効化するのは天元の花と共通。 |
---|---|
騎乗(B) | 大抵の乗り物を乗りこなす事が可能。幻想種については乗りこなすことができない。 |
新陰流(A++) | しんかげりゅう。柳生新陰流の奥義を修めている。幼少期から二十四才までの年月、宗矩は父・宗厳(石舟斎)から直接剣を学び、育った。本スキルをAランク以上で有する宗矩は、剣の技のみならず、精神攻撃(マンドラゴラの絶叫など)への耐性をも有している。参禅を必須とする新陰流の達人は、惑わず、迷わない。 |
水月(B→B++) | 柳生新陰流に於ける極意の一つ。立ち向かふ その目をすぐに 緩むまじ これぞまことの 水月の影。 |
無刀取り(A) | 剣聖・上泉信綱が考案し、柳生石舟斎が解明した奥義。例え刀を持たずとも、新陰流の達人は武装した相手に勝つという。大奥イベントでは実際に披露した。 |
剣術無双・剣禅一如(けんじゅつむそう・けんぜんいちにょ)
- ランク:A→A+
- 種別:対人奥義
- レンジ:0~10
- 最大捕捉:1人
「仰せのままに。」
「参る。我が心は不動。しかして自由に在らねばならぬ。即ち是、無念無想の境地なり。『剣術無双・剣禅一如(けんじゅつむそう・けんぜんいちにょ)』」
不動の心を持ちながら、同時に、自由に在れ――
沢庵和尚がかつて語った剣の極意は、ついに、柳生宗矩の中で完成を迎えた。
剣は生死の狭間にて大活し、禅は静思黙考のうち大悟へ至る。
無念無想の域から放たれる剣禅一如の一刀は、ただ一撃にて、必殺を為す。
演出的には、ただ相手一体を居合斬りで両断するだけというものである。しかし斬られた相手の血が吹き出るのは自身が刀をしまってからであるため、かなりの高速で斬っていると推測できる。
特筆すべきはその最大レンジが実は呪腕のハサンの宝具より長いという点。
つまり、敵まで距離を詰める→敵を斬る→再び距離を取る、という一連の行動を、敵の肉体が「斬られた」ということを認識するより速い一瞬でこなしているということになる(ただし、宝具レンジの設定は実際の射程距離の描写と合っていない事例も多数有り、あてにならないために注意)。
生前
実の息子であり、本来の名は「三厳」。剣の道を求めて彷徨う放蕩息子であるらしい。
三厳が隻眼となったのは宗矩の行き過ぎた修行によるものという伝説があるが、本作においては宗矩が微妙にぼかした言い回しで語っているため、詳細は不明(ちなみに史実では三厳が隻眼であったという記録は存在しない)。しかし、苦笑いしながら「あれは幼い頃より強かった。稽古をつけるのも一苦労であったよ」とも述べており、型月世界での親子仲はさほど悪くなかった様子である。
作中では村正や武蔵も面識があるようで、二人とも彼について言及している。
実の父親であり、別名の「石舟斎」として知られる。自身の剣の師匠でもある。
剣に楽しみを覚えない宗矩に新陰流を継がせずに「柳生新陰流」を名乗らせた。
実の甥にして、尾張柳生家の始祖。通称「兵庫助」の名でも知られる。
江戸柳生家を継ぎ、自身を上回る剣の実力を持つ宗矩を目の敵にしていた。
若い自分が『SR』のDLC2弾『断章・柳生秘剣帖』にて亡霊の彼と共演する。
当時の時代を代表する臨済宗の禅僧であり、古くからの友人と言える存在。
旧友である宗矩の求めに応じ、剣禅一如の境地を説いた。この境地を記した『不動智神妙録』は、禅を以って武道の極意を説いた最初の書物であり、武術から武道への流れを開く端緒になった。
晩年に仕えた徳川将軍家第三代将軍。指南役として、彼に剣と禅、政道の有り様を導いた。
そんなわけでプライベートにおいては「余の柳但は最強なんだ!!」と豪語するほど、大恩人にして師匠の宗矩のことを崇敬していたらしく、先の大奥イベントにおいてはその旨が語られている。
3人合わせて「鼎の脚」として将軍家光を支えた、いわば朋友。
第2部3.5章にて再会を果たし、終盤黒幕の企てを共に打ち砕く。
上記する息子・十兵衛とはお馴染みの『魔界転生』に登場した者同士である他、当人も同時代を生き、上述した通りに島原の乱にも関わりがある(幕府軍の1人として、十兵衛が参戦していた)。
Fate/Grand Order
彼女の初登場クエストや異界の下総で、少なくない因縁を作った女剣豪。しかしカルデアに召喚された正史の彼は、それら異分史の記憶を持ち合わせてはいない。IFの存在である彼女の腕と在り方を認めているのだが、自らの世界の「武蔵」についてどう思っているかは、今もって不明である。
契約したマスター。基本的には「主殿」と呼んでいる。
基本忠実に仕えるが、偶にはっちゃけて驚かれることも。
第1.5部3章において共演した、同じく日本において名を馳せた女傑達。彼女達からは生前の身分の違いから若干謙遜されつつも気は合うようで、イベントや幕間の物語でも行動を共にしている。
イベント『閻魔亭繁盛記』では、閻魔亭の宴会で酔ったあまりにエリちゃんの『恋はドラクル』を歌って踊った荊軻に合わせてノリノリで手拍子をしていた。「とーすと ひとつでは 足りもうさん」
両者それぞれの幕間において共演しており、時おり剣の手習いをしている事が窺える。
セイバーの彼は武蔵と縁がある者繋がりでもあり、その縁でカルデアに訪れている。
ジル・ド・レェ(術)、コヤンスカヤ、オベロン、クリストファー・コロンブス、殺生院キアラ
大悪事を犯したことを知っているため「外道」と呼び、密かに警戒しているサーヴァント達。
特に後者2名は、今なおマスターへの害意を隠し持っている確信犯のため、尚のことだろうか。
亜種特異点において、諸々の因果を作った張本人で自身の幕間で対峙。
上記とは別ベクトルで警戒+忌み嫌っており「獣」と吐き捨ててる程。
上述した武蔵の弟子であり、若い自分が共演したセイバー仲間の剣豪。
彼の「剣鬼」としての面を見抜いたようで、驚いたような反応だった。
DANCE MANIA MUNENORI
堅物な人物なのは上述の通りだが、『FGO』ではメインで取り上げられるたびにお茶目な御爺様としてファンを魅了する愉快な仁でもあったりする。実際に史実もこんなお人であり、このお茶目さは設定としてどこまで反映されているかはわからないが、意外にも陽気な人物だったようである。
有名なのは彼の犬公方に負けず劣らずの能マニアとしての一面であり、立ち眩みするまで踊り明かしたり、然る大名の祝いの席に押しかけて気が済むまで能を舞い続けて沢庵上人から苦言を呈されたりと、なかなかに愉快なことをやってのけている。それにしてもこの剣聖、ノリノリである。
因みに徳川家は代々能好きの血縁なのだが、もしかすると5代将軍・綱吉を「能狂」とまで言わしめる能マニアに仕立てた礎は、彼が原因だったのかも……それにしてもこの剣聖、ノリノリである。
ほかにも色々
ペットとして猿を飼っていたと伝わっている。一応かなりしっかりと躾けられてはいたのだが、何を思ったのか稀に門弟に差し向けては彼らをコテンパンにのしていたという。どんなSARUだ。
まだ煙草が輸入されて浅い時代ながら結構な喫煙家であり、反対に煙草嫌いだった沢庵上人からしばしば注意されていた。しかしある時、いつものように煙管を蒸しているところを注意されると、家臣にわざわざ特注のとても長〜〜ぁい煙管を持って来させて「これならそちらに煙は届きますまい」と頓知を披露して、上人に呆れられている。一応この時代は、煙草に薬効があると信じられており、喫煙も健康の一環と認知されていた……のだが、やはりそこはなんか違うだろう但馬守。
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