柴田源蔵
しばたげんぞう
CV:小西克幸
覆面レスラー“ケモナーマスク”として活動するプロレスラーの青年。そのリングネーム通り大のケモノ好きであり、動物・獣人を前にすると嬉々とした表情で興奮するという気質の持ち主でもある。
最強のプロレスラーとして花道を歩んでいた源蔵は、第二の人生として「ペットショップを開いて動物たちに囲まれながら暮らすと共に、人々に動物の素晴らしさを伝える」ことを夢見ており、その日出場する試合を最後にレスラー引退を考えていた。
しかしその試合の日、「魔王を倒す勇者」として多くの魔獣たちが蔓延る異世界に召喚されてしまう。状況も掴めぬまま、召喚魔法を発動した張本人であるエドガルド王国の王女アルテナから「人々を苦しめるおぞましい魔獣たちを駆逐してほしい」と懇願されるが、ケモノをこよなく愛する源蔵はその言葉に怒り、彼女に問答無用のジャーマンスープレックスを極めて逃亡する。
その後、城下町でひょんなことから知り合った狼の獣人少女シグレの案内を受け、当面はギルドで賞金稼ぎをしながら生計を立てることになる。
ギルドに次々と担ぎ込まれる魔獣討伐の任務を見るなり、そのケモノたちの物珍しい生態や愛らしい姿(?)に大興奮し、討伐しようとするハンターたちを制してケモノたちを次々に手懐けてみせ、いつしか周囲からは(女殺し的な意味合いで)「魔獣殺し」と渾名され羨望を集めることになる。
…ただし、当人はこの「ケモノを殺す」とも取れる渾名を非常に嫌っており、その名で呼ばれるたびに容赦のない制裁を加えている。
こうした世界の現状を目の当たりにした源蔵は、この世界では初にして彼自身の予てからの夢であったペットショップ「けものみち」を開業し、人間とケモノの架け橋となるべくに邁進するようになる。
ネコ科動物をおもわせるアーモンド型の瞳の三白眼と、右目を前髪で隠しているのが特徴。
黙っていれば貴婦人などからの女性ウケは悪くない。
日本生まれのれっきとした人間のはずだが、鑑定魔法ではプロレスラーと出た。この世界唯一のレア種族とされる。
体重198ポンド(約90kg)という、レスラーらしい屈強な体躯の持ち主であり、更にギャグ補正が加わることで竜種とも渡り合える膂力と不死身と言えるほどの防御力・回復力を持っている。
それこそ獰猛な魔獣たちの猛襲や、オークの長であるオークキングの全力の拳を体で受けても動じないほど。
最強のレスラーという肩書きに違わずその技量も確かなもので、魔族たちとの闘いでは武器を一切使わずに徒手空拳のみで捻じ伏せる。…というよりは、レスラーとして凶器を用いての闘いはしないというポリシーを持っており、ハンターの一人がナイフを貸そうと差し伸べた際には怒声と共にそれを拒絶している。
また、レスラーらしく攻撃されても基本的にガードはせずその肉体で受け止める。ただしごく一部反射的にガードしたことがある。
生物ゆえの弱点なのか金的は(当たりさえすれば)大ダメージを受けるらしい(反則技なのでその後激昂する)。
ケモノへの情愛と知識は非常に幅広く、ヒトでなければ哺乳類から鳥類、両生類、爬虫類に至るまであらゆる動物を愛することが出来るとともに、
彼らを正確に追跡したり手懐ける(会話すら可能)人間離れした能力も持っている。
ちなみにオスもメス関係なく愛している。
反面、彼のあらゆる行動基準はケモノに由来しており、上述の渾名に対する制裁もさることながら、関心・好意を抱く対象もよりケモノ成分が高いものに照準を向けられることが多い等、一見快男児に見えて実は結構自分本位な性格。
実際、金貸しエドガー一味のミーシャとヴォルフガングコンビが絡んできた際には、ケモミミ少女風のミーシャよりもワーウルフ風のヴォルフガングを優先して飛びついている(もちろんミーシャのほうも直後にモフるつもりでいた)。
そのため、ケモノに関連しない任務では露骨にテンションが下がったり、飼育するケモノたちの面倒を見る名目で任務をサボろうとすることもある。
たとえ相手が女性であっても容赦はなく、先のアルテナ姫への制裁だけでなく、花子の従者であるカーミラに対しては、力比べで背骨を圧し折ったり、吸血鬼である彼女の弱点である聖水やにんにくで苦しめたりなどしている。
あらゆる物事をプロレス的に例えることが多く、ギルドでの任務を「試合」と称したり、魔族との交渉も肉体言語で語り合っている。また、覆面レスラーとしてのギミックも大事にしており、人前でのマスクの着脱は避けるなど、あくまで柴田源蔵とケモナーマスクは別人として振る舞っている。(シグレには真っ先にバレていたが)。
なお唯一ケモノ趣味を共有できる友人(フレンズ)としてアマンダさんがいる。
TVアニメ『旗揚!けものみち』での源蔵
アニメ版では原作とは物語の展開が異なり、資金不足からペットショップの開業には至っておらず、シグレはじめ同居人の面々と共にギルドやアルバイトに邁進して資金稼ぎをおこなうものの、源蔵の捕まえてきた魔獣の飼育費や破壊した公共物の修理代、花子の膨大な食費、カーミラの遊興費などで散財してしまい、一向に資金が貯まらずジリ貧の生活が続いている。
ちなみに原作ではシグレに趣味で「ご主人様」と呼ばせているが、大人の事情か「源蔵さん」に変更されている。
原作だと魔獣の飼育費を気にかける一面もあったのだが、アニメでは全く頓着しなくなっており、際限なく最高級のエサを上げるなど、ケモノ愛がより深くなった代わりに金銭感覚は更にガバガバに。
戦闘力も原作より更に高くなっているフシがあり、オークキングやコボルト旦那らに勝ち、エドガルド城の精鋭騎士達すら簡単に一蹴している。
また、製作協力にDDTプロレスリングが関わってることもあってか原作以上に各所でプロレス技を披露しており、異世界転移前の動向も「世界タイトルマッチの試合中」に変更され、直前までライバルのマカデミアンオーガ(通称MAO)と華麗な技の応酬を展開していた。ついにはその妙技が銀行員のクラウスの目に止まり、両者主導で闘技(プロレス)大会が開催されるまでに至る。コボルト旦那(コボルト妻の夫)、オークキング、ハンターの陽炎やセリス、カーミラなども彼の指導を受けて試合に出場している。後に、魔族の手によって同じく異世界に転移したMAOと再会し、先日果たせなかった決着を今度こそつけるため、魔王チームVS勇者チームによる団体戦5番勝負まで開催されることになった。
また、本作では「てめぇらの血は何色だーっ!!」「オレ、わくわくしてきたぞ!」など、どこかで聞いたような台詞が出てくることも多いが、何気に元ネタの両作品とも源蔵役の小西氏が過去に関連作品に出演していたことがある。