概要
社会福祉制度が非常に整った国として知られ、世界各国の注目を浴びる国。かの有名なアルフレッド・ノーベルの出身国でもあり、ノーベル賞の受賞式も行われる。
また軍事面では、小国ながら『自前で兵器を開発する』国である。
無論、そんな国が普通なわけもなく...
軍事部門
陸軍
- UDES XX20:『コンパクトにまとめたいけどどうしても必要なものが車体に収まりきらない...』→『じゃあもう車体一つじゃなくてもいいんじゃない?』という斜め上の発想で二両が連結して一両分の役割を果たす試作駆逐戦車。不整地走破能力は高く、動力と弾薬庫は後ろの車体にあるので前が大破しても逃げられるが、肝心の乗員は前に乗っている。
- クランヴァグン:米英に続き、ソ連のIS-3に対抗してKRV(EMIL)計画で試作された重戦車。何を思ったのかパンターとAMX-13を参考にしてしまったため、あの奇っ怪な揺動砲塔を受け継いでしまった。おまけに自動装填装置は受け継ぐかと思いきや自己開発すると言い出す始末。しかし正面装甲厚250mmに15cm砲を搭載した砲塔という無茶苦茶な要求をした結果、砲塔担当のボフォース社が『努力はする(けど多分ムリ)』と匙を投げてしまい、さらにイギリスからセンチュリオンを導入したのもあって開発できても運用コストが高すぎる為、中止に。すでに試作していた二両分の車体はそれぞれStrv.103とバンドカノン1の開発に生かされたとか。
- Strv.103:別名Sタンク。防衛主体の発想で開発された砲塔のない主力戦車。油気圧サスペンションを搭載した最初期の戦車でもある。なお設計案段階では砲塔をつける案もあったのだがわざわざつけない方を選んでいるとか。
- Strv.2000:Strv.103の後継として開発されていた主力戦車。砲塔をつけたと思ったら今度は武装に140mm滑腔砲と40mm機関砲を搭載し超火力を発揮...するはずだったが採用されなかった。開発期間は脅威の10年
- バンドカノン1:上記クランヴァグンの車体を流用して作られた、世界で最も重い自走砲。
- Strf 9040:歩兵戦闘車...なのだが見た目が主力戦車そっくり。遠めだと勘違いするレベル。
- ボフォース 12cm自動対空砲4501:重量23t、120mm砲弾を発射速度70発/分で連射する怪物級の自動対空砲。最終的に対空ではなく艦載用に改造され艦砲として運用されたとか。
海軍
- 戦列艦ヴァーサ:1628年竣工の木造戦列艦。当初の予定から甲板やら武装やらがどんどん追加され、「さいきょう」の戦列艦になるはずだったが、トップヘビーになりすぎて処女航海で横転沈没。そしてあろうことか三世紀を経て1961年に引き揚げられ現在も博物館にて展示中。
- ゴトランド:巡洋艦。着水した水上機を航行しながら回収するために、耐水性マットレスを海面に浮かべて曳航し、水上機が乗ったところでマットを巻き取りながらクレーンで回収する『ハイン・マット』なる独特の回収システムを採用していた。ちなみに日本海軍でも水上機母艦の神威や瑞穂で試験された他、あの戦艦大和にも搭載するか検討されたことがあったとか。
- フギン級哨戒艇:哨戒艇なのに対艦ミサイルを搭載している。
- オリオン:情報収集艦。レドームの形がカマボコ。
- ヴィスビュー級コルベット:ズムウォルト級に負けず劣らずのステルス思想丸出しな形状のコルベット。1000tにも満たない排水量で対艦ミサイルやROVまで搭載している。
空軍
- サーブ社製軍用機の数々:戦前から連綿と続く独自発展の産物。戦後世代戦闘機は毎回翼が特異な形状になる。
- サーブ T 18B:爆撃機サーブ18を雷撃機へ...と思ったらいつの間にか地上攻撃機になっていた機体。対戦車でも想定したのか57mm機関砲を搭載している。
- サーブ21:第二次世界大戦の発生に伴い、戦闘機の輸入が不可能となったため、独自開発した結果誕生した双胴・推進式戦闘機。しかも戦後ジェットエンジンに換装している。
- サーブ29 トゥンナン:初期のジェット戦闘機。樽のような丸っこい胴体が特徴。唯一実戦参加したコンゴ動乱では先進国のジェット機にも負けない活躍を見せた。
- サーブ32 ランセン:多用途機。全天候戦闘機型は30mm機関砲4門を搭載...お前絶対攻撃機だろ!
- サーブ35 ドラケン:ダブルデルタ翼という特徴的な翼をもつ戦闘機。地味に大型ストレーキを搭載してたり、チャイン、ドーサルフィン(補助垂直尾翼)、ブレンデッドウィングボディ形式を採用するなど先進的な面も多数。
- サーブ37 ビゲン:今度はカナードデルタ翼を採用。
- サーブ36:時は1950年代。スウェーデン軍内にも核兵器開発の計画が提案されていた。しかし開発できても既存の爆撃機・攻撃機ではどう考えても敵国進入・核攻撃は不可能...そこで提案された北欧製超音速爆撃機計画。当然そんなノウハウのないサーブが計画した設計図は二つ。一つはエンジンの埋め込まれたデルタ翼機、しかも水平・垂直尾翼付き。もう一つはエアインテークが胴体上部に取り付けられた、どっかの合衆国の戦闘機で見たような機体。もちろん最終的にはデルタ翼こそ残しつつ無尾翼・エアインテーク下部配置にまとまっていたようだが、1960年には超音速爆撃機も核兵器も『荷が重すぎる』として中止された。
民間部門
- カール・グスタフ・フォン・ローゼン:スウェーデンの貴族で飛行家、ヘルマン・ゲーリングとも縁がある(彼の妻の甥にあたる)。 冬戦争開戦を聞くやいなや職を投げだし、ダグラスDC-2旅客機を購入し爆撃機に改造、勤めていた会社に死蔵されていたFK52戦闘機と共にフィンランド軍に加わり、ソ連軍飛行場に単独で爆撃を敢行。 戦後アフリカに渡った後、ビアフラ内戦ではビアフラ共和国の援助を行っていたが、空軍によって救援飛行にたびたび妨害をくわえてきたナイジェリア政府に対して腹に据えかねたので、フランスの情報当局と協同し民間の単発機5機を購入し攻撃機に改造、仲間と共にナイジェリア空軍飛行場を攻撃し同軍の貴重なジェット軍用機を破壊して一泡吹かせた。 貴族とは思えない戦歴(?)である...。
- ハンシン・ユッカ号:改造されたDC-2がこれ。改造に時間がかかったため、護衛に使う予定だったFK52戦闘機は先にフィンランドへ送られた。戦後はカフェになった他、最近レストアされ、公開されているとか。
- マルメ MFI-9 ビアフラ・ベイビー:ビアフラで攻撃機に改造された練習機がこれ。主翼下にロケットポッドを懸架している。一応こちらは元から軽攻撃機への転用を考慮した設計だった。
- ボルボ 240ターボ:あのスカイラインすらブチ抜いた「空飛ぶレンガ」「走る弁当箱」。空力抵抗? なにそれ?
- シュールストレミング:スウェーデンの誇る生物兵器・・・じゃなくて缶詰め。 絶対に室内で開けてはいけない。ガチで。
瑞国面(北欧)が世界を変えた例
- アルフレッド・ノーベル:ダイナマイトの発明者にしてノーベル賞の創設者。ダイナマイトの発明とその成功が有名になりすぎて、新聞社がノーベルの兄の死を本人の死と勘違いした際、「死の商人、死す」と書かれたのをきっかけに死後の評価を気にするようになり、ノーベル賞を創設するとした遺言状に署名したとされる。
- 因みにノーベル賞のうち「ノーベル経済学賞」は彼のひ孫の依頼で他から分離する形で作られたもので、創設当初はなかった賞である。
- ボフォース社:元は鉄工所に過ぎなかった小さな会社だったが、アルフレッド・ノーベルが資金力で経営を立て直してあげたついでに研究開発を重視する方針に転換させたのが大きな転機となった。(ノーベル自身は経営再建の2年ほどしか関わっていない) 現在はミサイル部門が間接的にサーブに買収されサーブ・ボフォース・ダイナミクスに、重火器部門は紆余曲折を経て現在はBAEシステムズの一部となっている。
関連タグ
芬国面:お隣さん