「鬼にならないなら殺す」
血鬼術 『破壊殺(はかいさつ)』
自身の身体能力を強化し、その状態から徒手空拳による技を放つ。ただそれだけ。
他の上弦の鬼が毒を使ったり、呼吸に対するメタをはったり、尋常じゃない距離と範囲の斬撃を振り回してきたり、そもそも自身は逃げ隠れに徹し、分身体をぶつけて消耗させたりと凄まじく厄介な血鬼術を使用するのに比べると、単純明快な血鬼術と言える。
しかしながら、上弦に位列される程の強さ・鍛え抜かれた武術の粋を以て"理の極限"に到達している猗窩座が全能力を向上させるという事は、即ちヒトの力の及ぶ領域を逸脱した“災厄”の降臨を意味する。
極めて単純明快に“最強”である猗窩座には、テリトリーを構築して敵を待ち構えたり、相手に対して厄介な搦め手を仕掛けたりする必要性が、そもそもにして存在しないのである。
「破壊して殺す」といういかにも物騒な名前の血鬼術だが……
元ネタは五大凶方のひとつであり、方殺、凶方位のひとつでもある、干支の示す方角とは反対側の方角である破壊殺から。
一覧
羅針(らしん)
『術式展開』と称し武道に従う構えをとり、足元に自らを中心とした雪の結晶を模した陣を出現させる。
相手が放つ"闘気"を感知して動きを読み取る事で迅速な攻防に繋げることができ、炭治郎は「闘いの羅針盤」と評する。
また、基本的に鬼は突出して強い人間でもなければ個々の人間の強弱など識別できないのだが、彼だけは例外として闘気によって人間の強さを極めて正確に識別する事ができる。加えて頸を落とされ頭部が消滅した状態(詳しくは後述)でも炭治郎を捕捉し攻撃を加えたところを見るに、脳とは別に視覚機能を補助して情報を処理できる能力もあると思われる。
なおこの技はあくまで闘気に反応するのみであり、敵の技を捌きながら強力かつ正確な返し技を繰り出せるのは、彼自身の高い技量あっての事である。
空式(くうしき)
中距離面制圧に用いられる技。拳撃を虚空へと打ち込む事で衝撃波(拳圧)を発生させ、距離の離れた対象を砕く。
インパクトから衝撃の到達までのタイムラグもほぼゼロであり、あくまでただの衝撃なので当然ながら肉眼で視認する事も不可能である為に、並みの隊士では反応する事も近づく事もできない。
乱式(らんしき)
無数の拳打による連携・乱打。いわゆる近距離乱舞技。
杏寿郎の「炎の呼吸・伍ノ型 炎虎」と打ち合った。
脚式(きゃくしき)
- 冠先割(かむろさきわり)…背後の相手を下から蹴り上げる。ほんの僅かに掠っただけでも出血を免れない威力で、炭治郎は勢いよく鼻血を噴き出した。
- 流閃群光(りゅうせんぐんこう)…中段から上段にかけての連続蹴り。受けた相手をはるか彼方にまで吹き飛ばす。
- 飛遊星千輪(ひゅうせいせんりん)…近距離から上に向かって蹴り上げる。冠先割と同様、防御しても吐血は免れない。
鬼芯八重芯(きしんやえしん)
左右四発づつ、合計八発の乱打を放つ。
砕式(さいしき)
- 万葉閃柳(まんようせんやなぎ)…振りかぶった拳を叩きつけるように振り下ろす力業。その破壊力は絶大で、地面を蜘蛛の巣の如くヒビ割り、砕く。
滅式(めっしき)
絶技。煉獄杏寿郎が全身全霊を込めて放った奥義に正面から激突し打ち破るほどの威力と疾さを誇る。だが、彼がこの技を打ち込んだのは煉獄だけではなく……
終式(しゅうしき)
- 青銀乱残光(あおぎんらんざんこう)…全方向に百発の乱れ打ちを放つ。受けを得意とする“水の呼吸”を極めた冨岡義勇の奥義「拾壱ノ型 凪」を以てしても不可避と言わしめる程の破壊力と範囲を持つ大技で、同様に無数の打撃を撃ち込む「乱式」の強化版とも言える。
鈴割り(すずわり)
振り下ろされる刃を側面から拳で打ち叩き、真っ二つに折る。
刀の「側面から叩けば容易に折れる」という弱点を突いた技で、義勇の日輪刀をも破壊した。なおこの技は血鬼術ではなく、純粋に彼個人の技量によるもの。人間時代から得意としていた。
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