解説
「立場成り代わり」とは、二次創作における主人公設定の一つを指す属性名、並びにそうした設定の主人公が登場する二次創作作品を指すジャンル名である。
作者の定めた主人公が既存キャラクターに取って代わる、成り代わりの下位分類、あるいは派生形。
昨今の成り代わり作品の主流である「成り代わり対象キャラの肉体(容姿)や名前、境遇を得た主人公」を用いた作品に対し、成り代わる対象の既存キャラクターから貰い受ける要素が少ないのが特徴。
- 容姿・名前・年齢・経歴・境遇等の諸条件において成り代わり対象の原作キャラと大きく異なる点が多い主人公が対象キャラのポジションに収まる
- 成り代わり対象の原作キャラが主人公と同じ世界に生まれ同時に存在する状態で(あるいはその状態を経て)、対象キャラの本来の立ち位置や役目のみを主人公が得る
上記のいずれか、あるいは両方が該当する場合、こちらのタグが使用できる。
主人公には筆者のオリジナルキャラクターは勿論、別の既存キャラクターを用いる場合も考えられる。
既存キャラをそのままの形で主人公に用いた場合は夢向け作品とは別の分類になり、同じ原作内のキャラを別のキャラのポジションに置くものはif設定や入れ替わり(立場交換/人生交換)、別の版権作品からキャラクターを連れてくるものはクロスオーバーの区分に入る。
また、特定の既存キャラの成り代わり(身体や名前を貰った状態)かつ他の既存キャラの立場成り代わり、というパターンも成立する。
<成り代わり対象キャラと主人公を絡ませる場合の具体例>
- 原作キャラの双子の片割れとして生まれた主人公が、何らかのアクシデントで死亡ないし行方不明になった片割れの代わりになる
- 兄弟姉妹の居る原作キャラの位置に主人公が生まれ、本来のキャラは別の順番で生まれて立場や在り方が変わったり別の家に生まれたりする
- 原作キャラの友人や家族、恋人になった主人公が、何らかのアクシデントで死亡ないし行動不能になった相手の志や役目を引き継ぐ
このように、「立場成り代わり」では成り代わり対象の原作キャラを主人公と同時に存在させ、関係を築くこともできる。
そのため、成り代わり対象キャラとの関係性、成り代わるまでの経緯や成り代わる動機、成り代わり対象キャラを知る他のキャラとの関係等の面でドラマ性を持たせやすく、憑依転生型やキャラ改変型の成り代わりとは違う味を出せる。
一方、本来ならその役目を立派に果たせた原作キャラを役目から逃げ出すような人物に貶める、活躍できる立場を主人公に与えるために原作キャラを殺す、殺さないまでも追いやりその先得られるはずだった全てを奪う、といった手法は読者からキャラヘイトと捉えられる場合が有る。
また、描写の仕方がどうあれ原作キャラの死がストーリーに関わる設定は好みが分かれる要素であることにも留意が必要。
いずれにせよ、原作キャラの居場所や立場を本来そこに居なかった者が奪う、原作キャラの在り方を第三者が変質させるという内容は原作やキャラ関連に思い入れがあるファンからの反発を買いやすい。
加えて言えばそもそも原作に登場しないキャラクターを話の主要人物に据える二次創作自体が好みの分かれる物であるため、投稿時はキャプションやタグ設定に細心の注意を払う必要が有る。
二次創作は原作ありきの作品であり、執筆者は原作(世界観、キャラクター等の既存の設定)を「お借り」している立場であることを忘れてはいけない。扱いは敬意を持って丁寧に。
なお、原作キャラの死や過酷な境遇を主人公が肩代わりして原作キャラを逃がす、主人公が周囲から「居なくなった誰か」の代わりとして担ぎ上げられたり面影を重ねられたりするというシチュエーションには身代わりタグも使える。
投稿時の注意点
前述の通りユーザーからの好悪が大きく分かれるジャンルなので、棲み分けが必須である。
キャプション等による事前の注意書き、及びマイナス検索がしやすいタグ付けを心掛けよう。
基本的な投稿マナーは夢向け(夢小説あるいは夢絵・夢漫画)、二次オリ、成り代わりと共通するので各記事を参照してほしい。
<最低限明示しておくべき事>
- ファンが私的な趣味の範囲で創作した非公式の作品である点(創作に疎い者による公式凸行為・公表などの炎上への巻き込まれやトラブル回避のため)
- 原作に登場しないキャラクターを主要人物として登場させている点、あるいは特定の原作キャラクターの立場を変更している点
- 原作における特定の原作キャラクターのポジションが異なるキャラクターに取って代わられる点
- 成り代わられるキャラクターが誰か、成り代わられたキャラがどう扱われるか
- 主人公と原作キャラクターの関係(恋愛要素の有無等)(成り代わり対象もそれ以外も)
- その他特殊嗜好要素(死ネタ、嫌われ、厳しめ、腐向け、クロスオーバー等)
また、主人公が自らの意志で原作キャラクターを殺害したり追い落としたりして相手の地位や身分を手に入れる場合はその点を必ず明記し、シチュエーションに合わせて厳しめやキャラヘイト、乗っ取りや下克上等のタグも使おう。
<避けた方が良い事>
- 主人公(オリ主・夢主・別作品の版権キャラクター)と原作キャラクターの恋愛要素が有る作品を原作別腐タグ・原作別男女カップリングタグ・原作別百合タグで投稿
- 成り代わり対象の原作キャラが作中に登場しない(名前しか登場しないものも含む)場合に、「原作キャラクター名」タグを「そのキャラクター自身が登場する作品」や「他の登場キャラクター」と区別できない形で使用
※1
二次創作でのオリキャラの干渉を嫌うユーザーのため、「原作キャラとオリキャラ(夢主)のカップリング」は「原作キャラ同士のカップリング」とは別にまとめるのがマナー。
キャプションで「主人公と原作キャラの恋愛要素が有ること、及びその種類(BL・腐向け/GL・百合/男女・NL・HL)」を明示し、以下のタグを使おう。
- BL夢(BLD・腐向け)/百合夢(GLD)/男女カプ(NL・HL)
- 攻主/受主
- 男主人公(男主)/女主人公(女主)/人外主人公(人外主)
- 版権キャラ×オリキャラ/オリキャラ×版権キャラ
- 既存キャラ×オリキャラ/オリキャラ×既存キャラ
- 原作キャラ×オリキャラ/オリキャラ×原作キャラ
勿論、クロスオーバーによる別作品版権キャラ同士のカップリングも好みが分かれる捏造カプなので扱いは慎重に。この場合は以下のタグが使える。
※2
キャプションやタイトルでの対象明記だけでは検索システムや視認性の面で限界が有るため、「立場成り代わり(対象キャラクター名)」とタグに書くと識別性が高い(提案)。
関連タグ
オリジナルキャラクター(オリキャラ) 版権系オリジナルキャラ 二次オリ オリ主
異世界転生(転生・転生トリップ) 異世界転移(異世界トリップ・トリップ)
悪徳転生者:主人公以外の転生者が原作キャラに成り代わった上で、あるいは成り代わるために迷惑行為や悪事を働いている場合はコレ。
転生ヒドイン:上記の内、特に原作ヒロインへの成り代わりに成功したものはこう称する。