羽兜とは、兜の装飾による分類の一種である。
概要
古くはギリシャ神話の伝令神ヘルメスのもの、またローマの擬人化であるローマ神話の女神ローマのものまで存在する。
しかし文化としてはケルト・北欧の印象が根付くようになり、古代海賊であるバイキングたちが身に付けたとされるイメージが定着している。またそれに引っ張られるように、北欧神話の神々の戦装束にも羽兜が描かれる機会が多い。
実物の多くは「アッティカ式兜」と呼ばれるローマ帝国の成立以前に土着していた民族が着用していたもので、兜の側面に小さな板状の青銅の羽が飾られていた。
肝心の北欧・ケルト方面での実証例は少なく、3世紀ごろのものと思われる“ワタリガラスが兜を掴むように飾られた”装備者の動きに応じて羽ばたくからくりのある凝った羽兜が出土している。しかしこれ以外に目立った羽兜の存在は確認されておらず、ほとんどは円錐形の兜を着用していたと推察されている。
創作における羽兜
上記の印象から、中近世でも北欧神話・ケルト神話の神々の装備として頻繁に用いられている。
アメコミ(DCコミック)のザ・フラッシュの羽飾りは、俊足を誇るヘルメスの羽兜に由来する。
日本ではバンダイナムコのファミコンゲームソフト『ワルキューレの冒険』に登場したワルキューレをはじめ、戦乙女などのバトルヒロインの装備として根付いている。
またサークレット、カチューシャに寄せた形で、女児向けで使われていることもある。