概要
『舞-乙HiME』は、「舞-HiMEプロジェクト」の第2弾として制作された。
第1弾作品の『舞-HiME』とはストーリー的な関連はほぼ一切ない(時系列上のつながりがあり、とある人物の子孫や同一人物が登場し、その関連設定が反映されている程度)。同様に、アニメ版と漫画版では登場人物の立ち位置が異なっており、展開も違っている。その最たるものは、漫画版の主人公であるマシロは暗殺された本物のマシロの影武者の男の娘という設定である。
テレビアニメ『舞-乙HiME』は、2005年から2006年にかけてテレビ東京系で放送された。全26話。
0VA『舞-乙HiME Zwei』は、2006年11月より2007年8月にかけてリリースされた。全4巻。TVシリーズから1年後のストーリーである。
0VA『舞-乙HiME 0~S.ifr~』は、2008年2月より同年11月にかけて発売された。全3巻。TVシリーズより過去の時代のストーリーである。
2006年11月には対戦格闘ゲーム『舞-乙HiME 乙女舞闘史!!』が発売された。
同年、漫画版『舞-乙HiME Zwei』が、作画:阿倍野ちゃこにより「チャンピオンRED」にて連載されている。
漫画版は2005年8月から2006年6月まで、「週刊少年チャンピオン」において連載(シナリオ:吉野弘幸、樋口達人・作画:佐藤健悦)。さらに2007年18号からは漫画版の続編『舞-乙HiME嵐』の短期連載が行われた。
また、漫画版の番外編として、「チャンピオンRED」2006年3月号に『舞-乙HiME SuperH』が、「チャンピオンRED いちご」Vol.1の付録小冊子「舞-乙HiME Zwei コミックブック」に『舞-乙HiME SuperH2』が掲載された。
乙HiME(オトメ)とは
乙Type Highly-advanced Materialising Equipment(乙式高次物質化能力)のことであり、王侯貴族や大統領等特定の人物一人に付き、職務の相談役や身の回りの世話、護衛に至るまで、様々な局面において全面的にサポートする全世界の少女憧れの未婚の女性限定エリート職である。
ただし「マイスター」の称号を持つこの要職につける者はほんの一握りで、素養を兼ね備えた者のみがマイスターの称号を得る事ができる。
マイスターオトメの力は強大で、その力は一国の軍事力にも相当する。一個人が国家の抑止力として機能するゆえに、兵隊や戦車、戦艦を増やすよりも予算を抑えることが可能なため、各国はマイスターオトメを手に入れるために自国のオトメ候補をガルデローベに送り込んでいる。
またマイスターとして主(マスター)に仕えるようになった者は、主のために命を懸けることが使命とされ、恋を諦め、女としての幸せを捨てる覚悟が必要とされる。
マイスターとマスターは主従の契約を経て、GEMと呼ばれる一対の宝石で結ばれており、非常時にはマスターの認証(ピアスに取り付けられているマイスター側のGEMにキス)を受け、「マテリアライズ」の掛け声でローブと呼ばれるナノマシンで生成されたボディスーツを着用することが可能である。ローブを着用していると戦闘能力が大きく向上する他、GEMそれぞれ独特の得物を行使することが可能である。また(ブースターが必要となるものの)成層圏あたりまで行くことすら可能となっている。
またマイスターオトメと主(マスター)の関係は一心同体で、片方が傷つくともう片方もダメージを受け、片方が死ぬともう片方も死ぬことになり、両者の身体は光となり消滅する。マイスターはひとりのマスターしかいただけないが、マスターは所有GEMのぶんだけマイスターを従えることができる。複数契約をしているマスターのダメージ累積および死亡時の扱いについては特に説明はされていない。
なお、マイスターGEMの数が有限で製造技術も失われているがゆえにマイスターが狭き門となっているのである。ただし何かの理由でどこかに埋もれてしまったGEMが見つかることもある。
マイスターの任期は様々な状況によるが、数年から10年程度務めることが多いようだ。マイスターを引退する大きな理由としては寿退職が挙げられる(結婚して処女を喪失すると二度と高次物質化能力を行使できなくなるため)。しかし本編では寿退職が決まって契約も解除していたが、戦時になったために撤回させられ別途再契約させられて現役続行を余儀なくされた者もいる。またマイスターとしては引退しても、そのまま奉公先に勤め続ける者もいる。
ストーリー
アニメ版
ある夜、ヴィントブルーム王国の風華宮に賊が侵入して国王と王妃が殺害され、国王に仕えていた乙HiMEが行方不明となる事件が起こった。それから14年後、少女アリカ・ユメミヤは、生まれてすぐ生き別れた母親を捜すため、かつて母が乙HiMEであったという情報を頼りに、世界唯一のオトメ養成専門学校ガルデローベを目指し、ヴィントブルーム王国へやって来たのだった。
漫画版
ある日の夜、ヴィントブルーム王国の風華宮で一人の少女が殺された。
少女の名はヴィントブルーム王国次期女王であるマシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム(真白姫)。
彼女が死んだことが公にされれば王国は致命的な打撃を受けるのは明白であった。
そこで王国政府は死んだ真白姫と瓜二つの容姿を持つ影武者の少年(マシロくん、以下「マシロ」)を呼ぶこととなった。
王国の政治を取り仕切るセルゲイ・オーギュスト大佐はマシロに「真白姫になりオトメ養成学校ガルデローベ学園に入学しろ」と強制する。
そしてマシロをガルデローベ学園に案内するために派遣された二人のコーラルオトメ、アリカ・ユメミヤとニナ・ウォン。マシロと彼女たちの出会いから物語は始まる。
登場人物
ガルデローベ
トモエ・マルグリット(CV:田中理恵)
ミーヤ・クロシェット(CV:伊月ゆい)
ジュリエット・ナオ・チャン(CV:南里侑香)
ユカリコ・シュタインベルグ(CV:井上喜久子)
マリア・グレイスバート(CV:松岡洋子)
ヴィントブルーム王国
サコミズ・カージナル(CV:陶山章央)
アルタイ公国
ナギ・ダイ・アルタイ(CV:石田彰)
エアリーズ共和国
ハルカ・アーミテージ(CV:柚木涼香)
ワッタール・イシガーミン(CV:三木眞一郎)
カルデア帝国
フロリンス
シャルル・ギュネール・ロイ・デ・フロリンス八世(CV:岩尾万太郎)
ロザリー・クローデル(CV:高橋美佳子)
ルーテシア連合王国
アンナン
ジパング
アスワド
黒い谷
シュヴァルツ
その他
漫画版のみの登場人物(名義または立ち位置の違う人物のみ記載)
ヴィントブルーム王国
アルタイ公国
エアリーズ共和国
カルデア帝国
シュヴァルツ(黒い谷)
その他
主題歌
オープニングテーマ
「Dream☆Wing」(1話~15話)
作詞・作曲・歌 - 栗林みな実 / 編曲 - 飯塚昌明
「Crystal Energy」(16話~25話)
作詞・作曲・歌 - 栗林みな実 / 編曲 - 飯塚昌明
エンディングテーマ
「乙女はDO MY BESTでしょ?」
歌 - 菊地美香&小清水亜美 / 作詞 - 畑亜貴 / 作曲 - 羽場仁志 / 編曲 - 大久保薫
挿入歌
「風と星に抱かれて…」(24話)
作詞・作曲・歌 - 栗林みな実 / 編曲 - 大久保薫
関連タグ
舞-乙HiME