「わがいじろにようこそ」
（SFC『ナイトガンダム物語 大いなる遺産』より）
CV:池田勝
概要
スダ・ドアカワールド征服を目論むジオン族の皇帝にして、旧SDガンダム外伝シリーズにおける黒幕である。
黄金神スペリオルドラゴンの新たな依代（操手）に選ばれた武者頑駄無真悪参の召喚を覇界神バロックガンが妨害したことで真悪参から分裂して火の玉となって落ちてきた悪の心を、魔王サタンガンダムに仕立てた張本人で、スペリオルドラゴンにとっては怨敵でもある。更には三種の神器を守る一族の一人である騎士シャアに呪いをかけて獣人にした為、シャアから怨まれている。
後にSDコマンド戦記のフューラーザタリオンがスダ・ドアカワールドに落ちてきた影響で、バロックガンの封印が弱まった際に発生した闇の力より生まれた事が明らかになった。またジオン族を率いる以前にも月の悪ジークドミヌスの遺産を受け継ぐデラーズ王国を操って月の国セレネスを滅ぼしている。
普段はメイン画像のエンブレムのような姿の幻影で部下達に指示を出したり敵の前に現れたりするがその正体は巨大なモンスターである。
自身は異世界ムーア界に隠れて暗躍し、サタンガンダム（ブラックドラゴン）を表向きの魔王として利用していたり、ノア地方ムンゾ帝国のコンスコン王を唆してアルガス王国への侵略を行わせたりしたが、ムーア界に攻め込んできたバーサル騎士ガンダムやアルガス騎士団を苦しめるも、騎士ガンダムとネオブラックドラゴンは戦いの最中に本来の記憶を取り戻し融合（ユナイト）。騎士シャアが所持していたサイコゴーレムの核による妨害もあり、スペリオルドラゴンが現世に復活し、手も足も出ずに倒されたかに見えたのだが…
ネオジオン族を操っての復活
実は「ジークジオン編」での姿は、スダドアカワールド十二神が地上で活動する際に操手の肉体を使うのと同じく、迫害されて怨念を抱くモンスターザクレロキャットの肉体を利用したもので、ジークジオン本体は「魔の盾」と呼ばれるアイテムに封印されていて健在だった。
「聖機兵物語」では、機兵技術を持つロナ家の当主カロッゾを手駒としてネオジオン族を立ち上げさせ、ネオジオン族の総帥ジークカロッゾとして君臨させた。
紆余曲折を経て魔の盾はダバート王国の重騎士ガンダムGP02の手に渡り、邪念を増幅させて重騎士アトミックガンダムにして裏で暗躍するが、ネオジオン族の旗色が悪くなり潜伏してしまい、結局、ルーンカロッゾに変貌したジークカロッゾも聖機兵ガンレックスとスペリオルドラゴンの活躍で倒され、ネオジオン族はほぼ壊滅してしまう。
３年後の「機甲神伝説」ではデラーズ王国がネオジオン残党を吸収合併したことで、重騎士から重魔騎士になったアトミックガンダムも所属。さらに盾の魔力で巨大化させて大魔騎士アトミックガンダムにすることもできる。アバロン山の神を畏れ敬うエギーユ王の命令を無視して実質的なリーダーとして振る舞うアトミックガンダムに、エギーユ王は憎しみを募らせる。憎しみの力により魔の盾は割れ、封印から開放されたジークジオンは今度はエギーユ王に憑依した。
エギーユ王は「グレンモンスタージークジオン」に変貌していき、モンスタージオンシードを生み出し、体内から出現したジークジオンのコア「ジークブレイン」が最強形態「ジークジオン・マブーゼ」に生まれ変わり、それに伴い自分に従ってきたネオジオン族を切り捨てて、全生命体共々スダ・ドアカワールドその物を破壊しようとする。
しかしセレネスの生き残りであるネオガンダムやスペリオルドラゴンEX、超機甲神ガンジェネシス、真聖機兵ガンレックス、そして敵味方を問わず多くの騎士、戦士達の奮闘により撃破される。
殺られたフリをして逃亡を図るも、スペリオルドラゴンの命を受け、十字架の剣を携えた軍師クワトロこと騎士シャアによってトドメをさされ遂に滅び去った。
その後、彼の支配から解放されたネオジオン族はユニオン族と共存するようになった。
ジークジオンを発端とした物語は幕を下ろし、物語は次の世代へと移っていく。新SDガンダム外伝「黄金神話」ではスペリオルドラゴンの体内に残っていた強敵との記憶が暗黒神デビルスペリオルの一部として実体化し、ジークジオンヘッドとマブーゼヘッドと呼称するガンダムヘッドもどきが登場する。
性懲りもない復活
数十年後の「新約SDガンダム外伝救世騎士伝承」では、純白騎士シナンジュ・スタインを殺害し深紅騎士シナンジュになりすましていたシナンジュ・リバウンド(その正体は、ジオン三魔団の騎士バウ)が冥府の聖杯を使い、冥府の門を開放。冥府の底にいた多くのジオン族が新たな姿になって復活した(ザビロニア帝国やヘルアクシズ団の面々も含んでいる)。その中でジークジオンは再び敗れた怨念たちを取り込み、更に純白騎士シナンジュ・スタインに敗れたシナンジュ・リバウンドも取り込み「炎獄皇帝ジークジオン・イグニス」になって復活したが、キングガンダムV世率いる円卓の騎士達によって倒された。
モチーフ
名前はガンダム作中でジオン公国にて使われる『ジオン万歳』を意味するセリフ『ジークジオン』からきている。エンブレム姿はジオン公国の国章がモチーフとなっているがとある作品に登場する敵組織の総裁も入っているらしい。
尚、ジークジオン編での真の姿はスペリオルドラゴンのモチーフの1つの対になる怪獣王とザクレロ、グレンモンスタージークジオンもザクレロ、ジークジオンマブーゼはノイエ・ジール、ジークジオン・イグニスはネオ・ジオングがそれぞれモチーフになっている。
ゲームでの活躍
FCソフト『騎士ガンダム物語2 光の騎士』とSFCソフト『騎士ガンダム物語 大いなる遺産』で登場。どちらもラスボスである。
FC版では全体攻撃の地響きと単体高威力攻撃のカマ攻撃。
こちらの強化効果を無効化する紋章と金縛りにする睨みを駆使するが、ラスボスでありながら「不気味な笑みを浮かべる」だけの無駄行動も行う。このゲームプレイヤーの語ぐさとなっているのが、本作のジークジオンは攻撃行動以上に驚愕のHPお化けという事。こちらの与ダメが一人当たりせいぜい100ちょっと、最強装備で固めたスペリオルドラゴンですら220前後だと言うのにジークジオンのHPは驚愕の32000という凄まじいタフさを持つ。イベント戦闘で強制終了されるネオブラックドラゴンと同値の一位であり、次点が3章ボス・ジオダンテの2600なので2位と比較して12倍以上と圧倒的大差をつけており、このHPがいかにトチ狂っているかが伝わると思われる。工夫をしないと適正レベル帯ではこちらが全員通常攻撃して与えられるダメージはせいぜい1ターンで700ちょっとなので32000もの膨大なHPを削り切るのに最低でも45ターンはかかる。しかもコレは回復を一切はさまず、金縛りで誰か行動不能にされない事が前提である。こちらの攻撃回数を上げる装備「かそくのうでわ」や攻撃回数を増やすアムロの魔法「ツイン」などを駆使して手早く倒さないとMPも回復アイテムも切れてジリ貧になってしまうのでなんとか手早く倒すべし。幸い攻撃はそこまで苛烈では無いのでHP管理に気をつけつつ、余計なMPを使わないように立ち回れば勝ち筋は見えて来る。
なおスペリオルドラゴンの必殺技「閃光斬」を使えば約650程のダメージを与えられるがHPを50%も消費してしまう為、基本的に使ってはいけない。無駄に回復魔法にMPを割いてしまうだけである。とにかく通常攻撃あるのみ。
SFC版ではページトップのセリフでプレイヤーの失笑を買う。
HPは8000とFC版の1/4にまで低下してるが、最大4回行動で通常攻撃と炎による全体攻撃に加え超音波による気絶と手数で押して来るようになっている。特に回復役のゼータとアレックスが同時に気絶してしまうと一気に追い詰められてしまうので回復アイテムは多めに用意しておこう。カードダスを実体化する「コール」の魔法で回復役を召還しておくと安定度が増す。また本作ではたとえ最大HPである8000以上のダメージを与えていてもスペリオルドラゴンの攻撃でないと止めを刺せないという仕様があるのでスペリオルドラゴンだけは必ず生存させる必要がある点に注意。しかしクリティカルに関係する技を上昇させるマグネの魔法のオーバーフローにより防御力がガタ落ちするという致命的な弱点も持っている。
スパロボでは
『スーパーロボット大戦BX』で登場。（戦略ゲームでは過去にSDガンダムガチャポン戦士4でもラスボスを務めていた）
アニメから参戦したので技が火炎放射しかない（MAP兵器版もある）が、当たると攻撃力が低減してしまう。
かつては暗黒大将軍とも肩を並べるほどの強さと邪悪さを有していたらしい。皇帝ワルーサとは表向きは不干渉を貫いていたが、ワルーサからは目の上の瘤扱いされていた。
武装が一つなので火力は低いものの、『技量差で与ダメアップ&被ダメ軽減』効果のスキル、「プレッシャー」を持つので意外に侮れない火力が出ることもあるが、何より武器の追加効果による攻撃力低下効果に加え、被ダメ軽減のプレッシャーと底力LV9による圧倒的な耐久力が恐怖である。武器改造ランクが低い場合、スーパー系でもまともにダメージが通らないので底力の効果が上がる前に一気に倒し切るべし。なお原作では山のように巨大な姿と言われているが、ＳＤガンダムの世界のキャラゆえか機体サイズは普通のモビルスーツやマジンガー系と同じMサイズと小型である。
関連タグ
月刊OUT:85年8月号のネタ記事にて、上記「とある作品に登場する敵組織の総裁」の画像を「ジオン大帝」として紛れ込ませるというジョークをやったことがある。
暴走皇帝エグゾス：自分が散々利用していた組織を切り捨てた結果、切り捨てたメンバーが原因で敗れ去ると言うところは『機甲神伝説』の時のジークジオンと同じである。
