宇宙帝国ザンギャックの第一部隊が34のスーパー戦隊の力を使い果たせていたためもあるが、劇中、ゴセイジャーとゴーカイジャー以外のスーパー戦隊の力を（宿敵ゴレンジャー含めて）手中に治め、さらに各作品の敵組織の幹部（作品によってはラスボス）を配下にし、ザンギャックとも協力関係にあった状況は、『海賊戦隊ゴーカイジャー』作中でもかなりのピンチだったと言える。

バスコもゴーカイジャー含むレンジャーキーを手中に治めたこともあり、変身不能という状況ではバスコとの対決の方が不利ではあったが、こちらは、ザンギャックとの関係が悪化した後であり、配下も乏しい状況となっていた。

また、蛮機族ガイアークも囮を用意し、ゴーカイジャーを別ワールド（別次元）に閉じ込めていたが、ザンギャックの存在を忘れていたために対立にまで発展し、チャンスを逃している。

黒十字軍がザンギャックと組めたのは、復讐が全てで利害が一致していたからもあるが、ゴーカイジャー（とゴセイジャー）と戦う前に、ザンギャックと協力関係を築き上げるなど、手順的にも戦力的にもかなり勝利に近かったと言えなくもない。

メカへドリアン

『199ヒーロー大決戦』の初期案では、黒十字王ではなく復活したへドリアン女王をメカへドリアンとして登場させる案が存在した。

なお、

ブラジラがチュパカブラの武レドランとして潜入していた幽魔獣や、蛮機族ガイアークは、へドリアン女王が率いていたベーダー一族と同じ「地球汚染」を目的としていて、

ブラジラがサイボーグのブレドRUNとして潜入していた機械禦鏖帝国マトリンティスと、へドリアン女王が所属していた機械帝国ブラックマグマも、「機械帝国」という共通点を持つ（さらに、「機械生命体」という面でいえば、先のガイアークとも共通点を持つことになる）。

そして、説明するまでもなく、地底冥府インフェルシアの登場する『魔法戦隊マジレンジャー』には、へドリアン女王を演じた曽我町子氏が出演している。

さらに、宇宙虐滅軍団ウォースターとベーダー一族とヘルサターン総統（機械帝国ブラックマグマ）は、『スター・ウォーズ』関連というつながりがあり、

ブラジラ自身とへドリアン女王も、「組織をまたがった敵幹部」「組織乗っ取りを企てた」「機械帝国に復活させてもらった」と共通点が多く、『ゴセイジャー』が全てメカへドリアン登場の伏線……とまでは言い過ぎではあるが、これらの共通点からメカへドリアンという案に至った可能性は高い。

メンバーがこの初期案を元に構成されたかは不明だが、メカへドリアン女王が率いていた組織だった場合、しっくりくる点が多い（前作品の敵ブレドランことブラジラを含めるのは当然だったとして、なぜ、時系列的に既に大いなる力の譲渡が終わっている『魔法戦隊マジレンジャー』の敵が含まれているのか、なぜ、物語の中心で活動する最古参のレジェンドが『電子戦隊デンジマン』の青梅大五郎なのかなど）。

もちろん、黒十字王も、彼らを束ねていても違和感の無い器の持ち主であるが、黒十字軍として共通点の多そうなのは、上記の中では宇宙虐滅軍団ウォースターや機械禦鏖帝国マトリンティスなどの宇宙関連組織であり、登場したレジェンドから逆算すると暗黒科学帝国デスダークやアリエナイザーなどの方が共通点も多かったりする。