『別冊少女コミック』1975年9月号から11月号に連載された。
1976年「第21回小学館漫画賞少年少女部門」受賞。
宮藤官九郎の「11人もいる!」など、タイトル含め様々なパロディの元ネタになっている普遍的な名作である。
作品解説
1970年代に発表されたSF漫画としては画期的な背景設定や、緻密なストーリー構成、魅力的なキャラクターで高い評価を受けた。
閉鎖状況の中で疑心暗鬼に陥る巧みな心理描写、犯人捜しのミステリー要素、登場人物同士の友情、淡いラブストーリー要素まで盛り込まれており、爽やかなラストを含め、中編漫画の教科書というか手本のような作品である。
これまでにNHKによりドラマ化(1977年)、アニメ映画化(1986年)、舞台化(2004,2011年)されている。
ストーリー
宇宙最高峰の大学『コスモ・アカデミー』の入学試験に臨む全宇宙の受験生達。
超難関となる試験の最終課題は、10人1組で宇宙船に乗り挑み、一定期間の間、外部との接触・補給・通信無しで過ごすサバイバルだった。
最終テストは、チーム別に異なる課題が与えられる。
優れた直感力を持つ主人公の少年タダも、この最終試験に臨むべく宇宙船に移動。
ところが宇宙船に到着した人間は11人いた!
誰が、本来いるはずのない11人目なのか?目的はなんなのか?
宇宙船内では様々な事故やトラブルが起き、疑心暗鬼がつのっていく。
彼等は生きて合格できるのか?
アニメ映画
1986年11月、キティ・フィルムによりアニメーション映画化。
タダ - CV:神谷明
王様 - CV:田中秀幸
四世 - CV:古川登志夫
ガンガ - CV:玄田哲章
アマゾン - CV:鈴置洋孝
ヌー - CV:若本規夫
石頭 - CV:池水通洋
赤鼻 - CV:塩屋浩三
トト -CV:TARAKO
チャコ - CV:柏倉つとむ
続・11人いる! 「東の地平・西の永遠」
「11人いる!」の3ヶ月後を描いた続編。宇宙大学に入学後の物語となる。
作中で政変や戦争が発生、主要登場人物に死者が出るなど、作品の雰囲気は「11人いる!」とは全く異なる。
ストーリー
「11人いる!」のキャラの内、故郷に帰って王位を継いだバセスカ。
彼の招待でタダトス・レーンとフロルベリチェリ・フロルの2人がバセスカの星を訪れる。
だがバセスカは謀略によって王位を追われ、隣国との戦争も起きてしまう。
関連イラスト
感動のラストシーン(に近いもの)
余談
- 本作は「これほどのSFとしての傑作が星雲賞を受賞できないのは、いかがなものか?」という理由から星雲賞にコミック部門が出来る切っ掛けとなった。