解説
日本のロックバンド。バンド名はフランス語で虹を表す。通称は「ラルク」。ファンの愛称は「ドエル」。
メンバーの一人一人が持つ高い演奏技術やバラエティに富む楽曲センス、hydeによる詞世界などが特徴。メンバーそれぞれの趣向と作曲力を反映して楽曲のレンジも非常に幅広い。初期は幻想的・ノスタルジックな楽曲が多かったが現在はラルクらしい叙情曲はもちろんポップスからハードロック、打ち込み系まであらゆるジャンルをこなす。
アニメやゲームとのタイアップも割と多く、有名どころでは『るろうに剣心』『鋼の錬金術師』『機動戦士ガンダム00』辺りだろうか。
経歴
1991年tetsuを中心に大阪にて結成、93年のファーストアルバム『DUNE』でいきなりオリコンインディーズチャート1位を獲得。94年にメジャーデビュー。
96年の初のミリオンヒットとなるアルバム『True』辺りから爆発的な人気を得るが、sakuraの脱退でバンド活動が危機に瀕するも97年に東京ドームライブにて復活。そのチケットは当時の最速記録・4分で完売。当時終焉しつつあったバンドブームの中でも人気はうなぎのぼりであった。
98年、yukihiroがドラマーとして正式加入。シングル『winter fall』の発売を皮切りに、連続かつ集中的なリリースパターンを取り、ミリオンヒットを連発。7月に『HONEY』『花葬』『浸食 〜lose control〜』の3枚同時シングル発売や、それによるオリコンシングル1位と2位の独占、10月には2枚2週連続シングル発売による2度目のシングル1位と2位の独占。1999年7月には『ark』『ray』の2枚同時アルバム発売によるオリコンアルバム2週連続1位と2位の独占などで大きな注目を浴び、音楽賞も総ナメに。デビューがほぼ同時期であるGLAYとともに邦楽2大ロックバンドなどと呼称されることもあった。
また、博報堂と組んでのバラエティに富んだユーモア溢れる広告展開も注目を集める。
2000年バンドが活動休止し、解散も噂されたが2003年に復活。
現在も根強いファンが存在し、芸人では狩野英孝や中田敦彦(オリエンタルラジオ)、漫画家では冨樫義博や新條まゆ、同じ音楽業界ではyasu(元Janne_Da_Arc・AcidBlackCherry)や小室哲哉、ジャニーズ出身では赤西仁(元KAT-TUN)や手越祐也(元NEWS)、声優では原由実や楠木ともりなど著名人にもファンを公言する者は多い。
活動歴の長さゆえに大きく分けてインディーズ時代からの世代、yukihiro加入前後の全盛期からの世代、「READY STEADY GO」以降の活動再開期からの世代とファンの年齢層さえも大きく分かれがち。
近年はソロ活動とバンド活動を交互に行っている。
2012年には、日本人初のMADISON_SQUARE_GARDEN単独公演や、ロックバンドとして初となる国立競技場公演を含むワールドツアーを成功させる。
なお、2014年にも国立競技場公演を開催した。
補足
読みをラルクアン「シェル」と間違えられやすいがラルクアン「シエル」が正しい。
なお、tetsuyaを中心にL'Arc〜en〜Cielが「ヴィジュアル系」と言われる事を嫌った事もあるため、そのジャンルに関しての話題はタブーのようになっているが、長年のファンの殆どは繰り返されるその論争に飽き飽きしている。
pixivではその長いかつ記号が入るバンド名ゆえ表記揺れが激しいが、「ラルク」が一番ヒット数が多い。
メンバー
個々が他の楽器を演奏できるスキルを持っているためパートチェンジをする事もある。
hyde(Vo/Vo&Gt)
1969年1月29日生まれのO型。
ラルクの作詞は殆どが彼による。作曲も行う。比喩に比喩を重ねた抽象的な表現(特に初〜中期)を用いた詞には定評があり、その豊かな世界観でラルクの広い楽曲ジャンルに対応し人気を集めてきた。長らく生年月日を伏せていたが、ソロ活動時の2002年〜2003年辺りから雑誌やオリコンなどのサイトで公表されるようになった。
音域が広く、裏声も含めるとhihiA~hihiB辺りまで出せる。一方で低音の方も長けており、出せる最低音はlowCと一般男性の低音域よりもかなり低い。
ファルセットを多用した女性的な歌い方からドスの効いたシャウトまでかなり幅広い歌声をもつ。
tetsuya(Ba)
1969年10月3日生まれのA型。通称てっちゃん。最年少ながらラルクのリーダー(他の3人は彼より1学年上)。
2009年、長年tetsuだったアーティスト名をtetsuyaに変更。
いつもカラフルでオサレな人。柄on柄もお手の物。
「歌うベース」と言われる、メロディアスなベースを弾く。2006年以降は5弦ベースを主に扱うが、曲によっては6弦ベースも使用している。ぴょんぴょんと跳ねるようなステージングが印象的。
彼が作る曲は明るくポップな楽曲が多いが、反面詞の方はかなり毒の利いた内容が多い。また、特にバラード曲には定評がある。
サブカルチャーに造詣が深く、何気にガンダムが大好きだったりする。
hydeよりも声が高いといわれており、それを生かしてかコーラスはほぼ彼が担当している。
ken(Gt)
1968年11月28日生まれのAB型。通称kenちゃん。
火を付けたシガレットを加えながらギターを弾く人。
ストラトキャスターをこよなく愛し、現在はフェンダー社とアーティスト契約を結んでいる。
彼が作る曲はどこか幻想的・情緒的で、tetsuyaと比べ暗い雰囲気の物が多い。
ダムが大好きで、バンドをやらなかった場合は大手ゼネコンの内定を受け、建設の仕事に就くつもりでいた。
tetsuyaも声が高いが、彼もかなり声が甲高い。
yukihiro(Dr)
1968年11月24日生まれのA型。通称ユッキー。
1997年に脱退したsakuraに代わりサポートで入っていたが、1998年正式加入。
曲のリミックスなども担当し、インスト楽曲や過去の楽曲のリミックスも手掛けていた。
2000年6月には過去のリミックスやインストをさらにアレンジした「ectomorphed works」が発売され、22万のヒットを記録。
なお、他メンバー共々「エヴァンゲリオン」のファンであり、yukihiroとhydeは綾波レイが、tetsuyaは惣流・アスカ・ラングレーが大好きである。
主な楽曲
・flower
ラルクの出世作であり、sakura在籍時代の代表曲。ファン人気も非常に高く、ファン投票の上位曲で構成されたベストアルバム『Clicked Singles Best13』で新曲「Anemone」を除く12曲の中では最も多くの票を獲得している。
・虹
hyde・ken・tetsuyaの3人時代に出した唯一のシングル。ちなみに、yukihiroはサポートドラマーとして演奏に参加している。「虹」という曲名に反してややダークな曲調。
・winter fall
yukihiro加入後初のシングルであり、こちらも代表曲。「winter fall」はhydeが作った造語であり、「冬の終わり」を意味するそう。ちなみに、ファン投票では上記「flower」に続く2位であり、人気の高さがうかがえる。
・HONEY
ラルク最大のヒットシングルであり、初のミリオンを達成。hydeがギターを弾きながら歌う数少ない曲でもある。上述にもある通り、ラルクは「HONEY」「花葬」「浸食 ~lose control~」を同時発売。ベースラインが非常に特徴的な「花葬」もミリオンヒットし、変拍子がふんだんに盛り込まれた「浸食」もミリオン手前の大ヒットを記録している。
・snow drop
歌い出し前などのドラムが特徴的な、「winter fall」とはまた違ったラルクの冬曲。この曲もミリオンヒットを達成している。
・Driver’s High
ラルクのYouTubeチャンネルで最もMVが再生されている曲であり、ライブで盛り上がる1曲。アップテンポで明るい曲調である反面、歌詞は意外と暗く、MVのラストは...
・NEO UNIVERSE
ラルク5枚目のミリオン達成シングルの1曲。本曲は「finale」と共に両A面シングルという形を取っている。ラルク曲の中でも高音が頻発するため、原曲キーで歌いこなすのはかなり難しい。
・STAY AWAY
上記「NEO UNIVERSE」とは反対に、ラルク曲の中では歌いやすい部類に入る曲。MVの転調後ラスサビで繰り出されているダンスが非常に特徴的である(ラルクの4人も踊っているがCGで合成してある)。
・READY STEADY GO
2000年代のラルクの代表曲。鋼の錬金術師第2期のオープニング曲となったこともあり、この曲でラルクは新たな層のファンを獲得した。ちなみに、シングルにはhydeless(ボーカル無し)、kenless(ギター・キーボード無し)、tetsuyaless(ベース・コーラス無し)、yukihiroless(ドラム無し)となっている別バージョンの「READY STEADY GO」が収録されている。
・瞳の住人
壮大なバラード曲にして、ラルクの中でもトップクラスの超高音曲。2回目のサビとラスサビではhihiAという男性どころか女性でも出すのが困難なレベルの超高音の裏声が登場する。ちなみに、シングルにはken・tetsuya・yukihiroがそれぞれ歌った「READY STEADY GO」が収録されている。