※他の用例は「フィリップス」を参照。
概要
オランダのアムステルダムに本社を置く電機メーカー。オランダ国王から「コーニンクレッカ」の称号を与えられた老舗企業であり、正式名称は『コーニンクレッカ フィリップス』。英語圏では『Royal Philips』を名乗る。
CTスキャン・MRI・AED等の医療機器分野で高い技術力を発揮している。
Pixivにはフィリップス製ヘッドホンのイラストが投稿されており、Fidelio(フィデリオ)は人気のシリーズ。他に液晶ディスプレイなど映像機器に強みを持つ。
近年は油を使わずに揚げ物ができる「ノンフライヤー」、家庭用製麺機「ヌードルメーカー」など調理用の家電も手掛けている。
1891年に、オランダのザルトボメル出身の技術者ヘラルド・フィリップスがアイントホーフェンに設立した電球工場が源流であり、現在も登記上の本店はアイントホーフェンに置かれている。
第二次世界大戦前後を通して事業の多角化を進め、照明だけではなくオーディオ・家電・医療機器なども手掛ける総合電機メーカーに成長していった。
1962年にオーディオ用テープメディア規格「コンパクトカセット」を開発。フィリップスが互換性厳守を条件に特許公開したため多数のメーカーが参入し、事実上の標準規格となった。現在では単に「カセットテープ」と言った場合はこのコンパクトカセットのことを指す。
1974年にMCAと共に光ディスク規格「レーザーディスク」を開発。パイオニアと提携し一定の普及を見た。
1980年にはソニーと共同で光ディスク規格「CD」を開発した。
1991年にコンパクトカセットの後継規格として松下電器(現:Panasonic)と共同開発した「DCC」は同時期にソニーが開発した「MD」に圧倒され姿を消していったが、程無くしてMDはCDに置き換えられたため、オーディオメディア主流の座は引き続き堅持していた。
光ディスク事業ではその後もソニーと協力しており、後継規格のDVD・Blu-rayにおいてもソニーと提携していた。
世界初の家庭用ゲーム機・オデッセイを発売したマグナボックスの民生部門を1974年に買収しており、フィリップス自身もゲーム事業に着手したことがある。
ソニーと共同開発した「CD-i」規格の普及を狙って任天堂と提携し、スーパーファミコン用CDアダプタを開発していたが中止となった。
それでもフィリップスはCD-i普及を諦めておらず、1991年末にマルチメディア機(ゲーム機)「Philips CD-i」を発売。任天堂からキャラクター使用許可を得ていたフィリップスは同機種向けに「ホテルマリオ」等のゲームソフトを開発したが、フィリップスのゲームはいずれも非常に出来が悪く、CD-iは商業的失敗に終わった。
関連タグ
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