開発はイギリスのインディーゲーム開発スタジオFuturLab。
PS4、PS5、Nintendo Switch、XboxOne、Xbox SeriesS、Xbox SeriesX、Windows10(Steam)といった様々な媒体でリリースされている。
2023年11月からMetaQuest向けのVR対応版も発売中。
高圧洗浄機による洗浄作業に没頭することによるストレス解消を謳う癒し系シミュレーションゲーム。
買い切り制だが、現在も不定期にDLCが発表され、新ステージが追加され続けている。
オンラインのマルチプレイにも対応しており、最大6人がかりで作業に取り組むことができる。
概要
高圧洗浄機で汚れを全部吹っ飛ばす。以上。
50以上の多様なステージがあるが、やることは上記の一択。FPS風の一人称視点で目を覆いたくなるほど汚れに汚れた車両や建物や場所に手元の機器から高圧水流を噴射し、汚れを残らず消し飛ばして隅々まで綺麗にすればステージクリアとなる。
面倒なルール、妨害要素、複雑な操作は皆無。
エネミーや制限時間はもちろんBGMすら存在しない、ただプレイヤーと洗浄対象だけが存在する静かな空間で、いくらでも時間をかけ、自分のペースでじっくり洗浄作業に取り組むことができる。
ステージによってはクリアまで数時間かかることもザラだが、リアルタイムオートセーブ式のため、いつでも自由に中断と再開が可能。
シンプルすぎるゲームシステムが著しく人を選ぶ単調な作業ゲーだが、延々とひとつの作業に集中できるため、ハマった時の中毒性は極めて高い。
また、常に視点が上下左右に激しく動く都合上、3D酔いを誘発しやすいため、その意味でも人を選ぶ(一応の救済策として、視点を固定して手元だけを動かすモードに瞬時に切り替えられる仕組みがある)。
なお、タイトルではシミュレーターと冠されているものの、リアルな作業を厳密にシミュレートしているわけではない。
実際の洗浄作業で気にしなくてはならない水の使用量や排水処理、ホースの導線、自身の体力、スーツの汚損、周辺への根回しと人避け、水圧による器物損壊、撤収時の片づけといった面倒な要素は軒並みオミットされている。
とにかく水を当てて汚れを洗うこと以外は何も気にしなくていい親切設計のため、気軽に洗浄作業に取り組むことができる。
ストーリー
ラッシュレス山の突然の噴火を受け、火山灰で街中が汚れてしまったマッキンガムの街。
清掃業を開業した主人公は、自身の業務用バンを皮切りにあらゆるものをピカピカに洗い、次々と舞い込む依頼をこなしていくうちに街中で評判となっていく。
しかし、悪い噂の絶えない市長と行方不明になった彼の飼い猫、未だ予断を許さない状況の火山、奇妙な装置がついた怪しい乗り物、得体の知れない依頼人など、裏でひっそりと「何か」が進行しつつあった。
そして本人の与り知らないところで、マッキンガムと世界の運命は主人公の手に委ねられることになる……
*なんか壮大な話になっているが、主人公は最初から最後まで淡々と洗浄依頼をこなすだけである。
ゲームシステム
洗浄対象は細かくパーツで区分けされており、常に表示されている全体の洗浄率に加え、チェックリストとゲージ表記でパーツごとの洗浄率を確認できる。
パーツ洗浄率がほぼ100%に達すると洗浄完了のメッセージとエフェクトが出て報酬を獲得する。
チェックボタンを押せばまだ残っている汚れがハイライト表示されるため、この機能とチェックリストを併用して洗い残しを見つけ出し、体勢変更や持ち運び可能な足場を駆使することで、場に存在する全ての汚れを残らず駆逐する(全体洗浄率を100%にする)と依頼達成となる。
どこから取り掛かるかは完全に自由だが、ステージによっては最初に洗浄するパーツや最後に洗浄するパーツ、特定の動作といった条件が指定されており、この条件を達成すると実績が獲得できることもある。
作業中に時折依頼者や協力者からの雑談通信が入るが、ボイスもなく、キャラの立ち絵はおろか顔グラさえ存在しない硬派な仕様である。
実装されているモード
大別すると、ゲーム本編に相当するキャリアモードと、DLCに相当する特別依頼に分かれている。
キャリアモード
上記のストーリー本編をなす一連の依頼群のほか、本編とは全く異なる新ステージに挑む「ボーナス作業」、ストーリーでクリアしたステージを自由に洗い直せる「フリープレイ」、時間や水の使用量に制限がある「チャレンジモード」がある。
ボーナス作業の一部は無料DLC「マッキンガム事件簿」として配信されている。
特別依頼
季節をテーマにした追加ステージや多作品とのコラボレーションステージに挑むモード。コラボの詳細は当該項目にて。
季節ステージとコラボステージの第2弾までは無料配信、コラボステージの第3弾以降は有料配信となっている。
ステージ
大別して、建物や場所などのロケーション全体が対象となっているステージと、車両等の乗り物が対象になっているステージに二分される。
ロケーション洗浄ステージ(一例)
- 公園:アスレチック塔やステゴサウルス型滑り台が設置された公園。それらの遊具に加えて、地面・ベンチ・ゴミ箱を丸ごと洗浄する必要がある。初見では広さにびっくりするが、以後のステージに比べるとこれでもまだ狭い方。
- ツリーハウス:森の中の大樹の上に足場を広げて建てられたログハウス。樹上の建物本体のほか、テラス部分の設備や柵・階段、床板とその裏側まで洗浄必須となっており、かなり大がかりな作業となる。
- 市長宅:暴徒によって大量の卵を投げつけられた豪邸。敷地内への立ち入りができないため、門の外側から長射程の装備で汚れを狙撃する必要がある。
- 洗面所:かなり大きな男子トイレ。あまりに汚すぎてとても使用できない有様となっているが、幸いにして普通の汚れであり汚物にまみれているわけではない。
- メリーゴーランド:移動遊園地に設置された電動遊具。7頭立て。なぜか愉快な音楽とともに稼働中なので、停止させずに洗浄作業に取りかかれる。
- 地下鉄のホーム:数十年前に整備されたが、とある不祥事の煽りを食って閉鎖されていた地下鉄のホーム。ホーム上のみならず線路やトンネル部分も対象となっているため、数あるステージの中でも洗浄範囲が広い。
車両洗浄ステージ(一例)
- 業務用バン:自身が仕事に利用するロゴ入りのバン。チュートリアルステージとして最初に洗浄することになる。のっぺりした車体のため難易度は低い。以後の依頼は全てこのバンで駆けつけている様子が確認できる。
- 消防車:派手にすすけたハシゴ車。単純に車体がデカいだけなく、車上のハシゴや操作盤のような金属部分に頑固な汚れがこびりついている。
- モンスタートラック:猫を模した愉快なデザインの四輪駆動大型マシン。走破性に優れていそうな巨大タイヤがとにかく目立つ。このタイヤは溝の凹凸が激しく、あらゆる方向から水を当てなければ完全に汚れを落とせない。
- 釣り船:地上に引き上げられた小型船舶。船としては小型でも洗浄対象としてはかなり大きく、マスト部分から船体下の竜骨まで、縦横無尽に駆け回らなくてはならない。
- プライベートジェット:個人用の小型ジェット機。ただの飛行機と思いきや……。
装備
パーツ洗浄完了やステージクリアで獲得した報酬で購入できる装備。一部はストーリーの進行やDLCの導入が購入条件となっている。
パワーウォッシャー
水流のパワーを決定する高圧洗浄機の本体部分。現状で4種類のモデルがあり、いずれも下位モデルの単純上位互換となっている。露骨に洗浄力が変化するため、最優先で買い替えていきたい。
アタッチメント
本体に取り付ける付属パーツ。水流の性質が変化する。ノズルと拡張部品の2カテゴリがあり、作業中はいつでも自由に付け替えることが可能。
4種の基本ノズルはどの本体でも共通して使えるが、特殊なノズルと拡張部品には本体に対する互換性がないので、本体を新調すると新たに専用のものを買い揃える必要がある。
ノズル
水流の放出範囲(拡散角度)を変える部品。基本のノズルには0度・15度・25度・40度の4種類があり、数字が小さいほど水流が集中して洗浄範囲が狭くなるが、その分洗浄力がアップする。
また、0度ノズルの水流を小さな円を描くように動かすターボノズル、材質ごとの洗浄液を使用可能になる洗浄ノズル、0度ノズルの水流を3本同時に撃つ3連ノズルといった特殊なものもある。
拡張部品
水流の射程距離を変える部品。短・長・極長の3種があり、洗浄力を維持したままより遠くまで水流を届かせることができるが、至近距離には使えないという短所がある。
一部はストーリーを進行させなければ入手できない。
洗浄液
特定の材質の洗浄に特化した液体。使用するには洗浄ノズルを装着する必要がある。
ガラス・金属・プラスチック・石材・多目的・木材の6種類があり、対応する材質に非常に高い洗浄力を発揮する。なお多目的洗浄液は全材質に対応しているわけではなく、他5種でフォローしていないその他の材質に効果がある。
どのパーツにどの洗浄液が有効かは画面左上に表示される。
しかし、有償の消耗品であること、入手量が限られること、必ずしも使用する必要がない(どんな汚れも水だけで落とせる)ことといった仕様がマイナス方向に働いているため、現状では影が薄い。
ただし無制限に使い放題となるフリープレイや、迅速な洗浄を求められるタイムチャレンジでは非常に強力な味方となってくれる。
服装
自身のアバターの見た目を変更できる。ガワが変わるだけで能力は何も変化しない。
スーツと手袋の2カテゴリがあり、手袋は常に画面上に表示されるが、スーツはソロプレイだとクリア時のタイムラプス画面くらいでしか拝む機会がない。
マルチプレイでは自身の個性を発揮する数少ないアピールポイントになる。
カスタマイズ
高圧洗浄機本体の外装カバーを変更できる。こちらも変化は見た目だけで性能は据え置き。手袋と合わせて常に画面上に表示されるので、プレイ中はほとんど視界内に存在する。
コラボレーション
DLCとして、他作品に登場するオブジェクトやロケーションを洗浄できる特別依頼が配信されている。
作業中は各作品のキャラクターから通信が入り、世界観に沿った話を聞くことができる。
また、一部の特別依頼では専用の特別衣装とウォッシャーで作業に当たる。専用ウォッシャーは作品によって異なるが、いずれも本編最上位品と同等の強力なものとなっている。
第1弾のトゥームレイダーと第2弾のFF7は無料、第3弾以降は有料。
ゲーム・映画・アニメ・小説等、コラボの対象は幅広い。
トゥームレイダー
「クロフト邸」「ララ・クロフトの障害物コースとクアッドバイク」「ララ・クロフトの小型トラックとモーターボート」「クロフト邸の迷路」「クロフト邸の宝物庫」の5ステージ。
宝物庫ではララが過去の冒険で入手したお宝のいくつかを拝める。中には外部の人間にホイホイ見せたら明らかにまずいものも……。
ファイナルファンタジー7
「ハーディ=デイトナ&神羅sA-37式自動3輪」「ガードスコーピオン」「セブンスヘブン」「魔晄炉のジオラマ」「エアバスター」の5ステージ。
リーブ、ハイデッカー、ティファの3人からの依頼をこなしてゆく。
時期的には本編冒頭の壱番魔晄炉テロ直前~伍番魔晄炉テロ直前に相当する。苦労して洗浄した神羅のロボット兵器は、直後にアバランチとの戦闘に投入されたようだ。
スポンジ・ボブ
「巻貝通り」「ビキニボトムバス」「カニカーニ」「バーガーカー」「透明ボート」「秘密基地」の6ステージ。
海底都市ビキニタウンに出張し、水中世界で清掃作業を行う。水中だがキャラクターの挙動やゲームの仕様は地上と全く同じ。
この特別依頼のみ、専用衣装「ビキニタウンの町人 - ブルー」と専用ウォッシャー「ディープクリーナー4000」を用いる。
バック・トゥ・ザ・フューチャー
「ドク・ブラウンのバン」「タイムマシン」「ヒルバレーの時計台」「ホロマックスシアター」「ドクの機関車型タイムマシン」の5ステージ。
映画の撮影現場にお邪魔して清掃を行うという設定だが、タイムマシンが例の挙動で本当に消えたり現れたり飛んだりする。映画の撮影じゃなかったの……?
ウォーハンマー40000
「ランドレイダー」「リデンプター・ドレッドノート」「ローガル・ドルン・バトルタンク」「インペリアル・ナイト・パラディン」「サンダーホーク」の5ステージ。
万機神を崇める火星の宗教団体アデプトゥス・メカニクスの一員として、帝国に提供された数々の兵器の洗浄作業に奉仕する。いずれも車両ステージだが、巨大ビークルばかりなのでロケーションステージに負けないボリュームがある。
この特別依頼のみ、専用衣装「帝国直属テックプリースト・エンジンシーア」と専用ウォッシャー「MKⅡアクアサンティカ・アルケプス」を用いる。
不思議の国のアリス
「不思議の国のエントランスホール」「白ウサギの家」「イモムシのキノコ」「狂ったお茶会」「ハートの女王の裁判所」の5ステージ。
先に乗り込んだアリスが派手にやらかした諸々の後始末を行うという設定。このゲームでは非常に希少な、プレイヤー以外のキャラクターとしてチェシャ猫がステージ内に出現する。
シュレック
「デュロック」「ヘンゼルのお宿」「シュレックの沼」「フェアリー・ゴッドマザーの魔法薬工場」「ドラゴンの巣」の5ステージ。
ファークアード卿、シュレック、フェアリー・ゴッドマザーなど様々な立場の人々からの依頼をボーダーレスにこなしてゆく。
この特別依頼のみ、専用衣装「ウォシャロット」と専用ウォッシャー「マクスカリバー」を用いる。
余談
オックスフォード大学により、本当にメンタル改善に効果があったという研究結果が報告されている。
外部リンク
関連タグ
パワーウォッシュ パワーウォッシュシミュレーター(表記ゆれ)