概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する否定者(ひていしゃ:否定能力が移行した人間)、および否定能力(超能力)の一つ。
UNAVOIDABLE-不可避-(アンアボイダブル)は、他の「避(さける・よける)」を否定する。
因みに「Avoidable(アボイダブル、アヴォイダブル)」とは、回避できる、避けられる、防がれる、転じて無効にできる等の「回避可能」を意味する英単語。
「不可避」の理(ルール)
他対象 強制発動型(※推定)
避の器(否定者:ひていしゃ、否定能力が移行した人間)が特定の条件を行う事で他の「避(さ)ける・避(よ)ける)」を否定する超能力。
その詳細は避の器になった者によって異なり、本稿では「戦闘」と「安康」に分けて解説していく。
※以下みたいに避の器によって発現能力へ差異があり、本稿では登場頻度が多い【他対象 強制発動型(推定)】で表記する。
攻撃を避けれない
格闘者にUNAVOIDABLE-不可避-(アンアボイダブル)が移行した例では、対戦者の「逃避・退避(※)」を否定し一種の拘束状態を発生させる。本作で活用場面が多い実例。
否定能力の発動条件は、避の器が攻撃態勢をとる簡易な行動で成立する。即ち攻撃の瞬間に否定能力は発動し、そのまま打撃を繰り出す連携技により、相手の「逃避・退避(※)」が不可能な拘束状態へ大打撃を与えられる。
※退避:たいひ。安全な場所に移動して危険を避けること。
この拘束状態は「相手の筋肉の動きを止めている」という原理によって生じており、対象の生理現象などは効果適用外。つまり避の器と対峙した者は、意識がある状態-きっと瞼を閉じる筋肉が動かず攻撃が迫ってくる様子を見続ける-で格闘技を防御できず受ける恐ろしい事態となる。
なお反撃は効果適用外。そして上記の性質から、否定能力を発動しようとすれば防御態勢に変わる=構えを解くと能力解除になるため、避の器自身も回避行動が出来ない難点がある。
もし対戦者も格闘者ならば、避の器と防護の構え無しな壮絶極まる闘いになると予想される。
格闘者のUNAVOIDABLE-不可避-(アンアボイダブル)が用いられる場面によっては、目前の命運を左右するといっても過言ではない潜在能力を秘めている。
幸運を避けない
安康者(あんこうもの:平和で安らかな世界の生活者)にUNAVOIDABLE-不可避-(アンアボイダブル)が移行した例では、目前の事象にある「回避・待避(※)」を否定し一種の幸運状態を到来させる。本作で実例が一件しかない不確定な原理。
※待避:たいひ。対象が通り過ぎるのを脇によけて待つこと。
具体例が僅かなため不確証であるが、くじ引きといった運任せの場面にて、特定の事態が避けるのを否定する性質である模様。発動条件も不鮮明だが、避の器が心で念じた結果を否定する描写が確認される。
用途により、一等は『避けるなよ』と念じることで的中させるという応用の効く能力使用がみられる。
安康者のUNAVOIDABLE-不可避-(アンアボイダブル)が用いられる場面によっては、目前の運命を左右するといっても過言ではない潜在能力を秘めている。
「避」の器
「不可避」の理(ルール)はどれも汎用性が高く、ある意味で「避」の器となった者たちは只者でない素質を秘めている。
また便宜に、作中で「不可避」の理と類似性があるも不成立な器も解説する。
元ボクシングのヘビー級王者であるアメリカ人男性。肩書に相応しい偉丈夫。競技者(ボクサー)としてサービス精神旺盛な好人物と、拳闘者(ファイター)として飢えた凶暴性も併せ持つ。
そしてボクシングの防衛戦中に否定能力が移行し、対戦相手を撲殺する悲劇から性格は粗暴になってしまう。後に組織(ユニオン)へ加入してからは、存分に否定能力を使用できる生きがいをみつけていく。
その他、詳細は【ボイド=ボルクス】を参照。
除津健二(よけづ けんじ)
日本の埼玉在住で御年98歳になるお爺ちゃん。これ以外の詳しい素性は不明。
意識的かは不明だが、否定能力を使い福引で一等の玉を避けない使い方をしているといった、極めて平和な安穏(あんのん:何事もなく穏やかなこと)に暮らしていた模様。
組織(ユニオン)の監視報告から察するに、本作では稀有で健全に天寿を全した否定者であるようだ。
不成立な器
重野力(しげの ちから)
否定能力は「対峙した相手を身動き出来ないようにする」という「不可避」の理(ルール)と類似性がある。しかしチカラの場合は『視認範囲にある万物を停止させる理屈』というUNMOVE-不動-(アンムーブ)であり「避」の器ではない。そして、こちらも潜在能力(ポテンシャル)は強い。