未成、軽量級の豹
VK1602は、第二次世界大戦期のドイツで計画されていた『レオパルト』(豹、ヒョウ)の名を冠する戦闘偵察車(Gefechtsaufklärer)で、事実上の軽戦車。
『II号戦車の発展型』とされることは多いが、その設計・外見および性質・性能はまるで似通っていない。
1941年中期から計画開始で、砲塔がダイムラーベンツ社、車体がMAN社の担当。
当時のMAN社で開発途上にあったV号戦車パンター試作案に倣い、車体設計には傾斜装甲が取り入れられている。
1942年5月末にモックアップが完成、9月には量産計画も立案されていたが、その後にパンターとの統合案など紆余曲折を経てから、1943年1月には『1944年という将来を見据えた場合には性能不足』などとされて開発中止。
その後、VK1602の砲塔はSd.kfz.234/2型装輪装甲車の開発に際して参考とされている。
性能
- 火力:搭載が予定されたKwK 39 L/60 5cm砲はIII号戦車後期型のものと同型。ソ連主力のT-34中戦車相手には威力不足だったが、それより貧弱なT-60やT-70といった軽戦車が相手なら十分に有力だった。
- 防御力:車体正面装甲は50mm厚だが、垂直から50°傾いた傾斜装甲となっているため実質的に80mm厚級の防御力を発揮。これは戦闘距離でT-34の76mm砲を防ぐのに十分なものと考えられる。
- 機動力:車重21.9トンで出力550馬力のエンジンを搭載、サスペンションがトーションバー方式というのは総じて戦後のアメリカ軽戦車M41にも匹敵し、計画された最高速度は60km/hに到達。走破性や登坂能力に関しても良好なものが確保されたと考えられる。
登場作品
- World_of_Tanks・World_of_Tanks_Blitz
- ドイツTier5軽戦車。ゲーム中で最も低tierな計画車輌の一つ。
- blitzではなぜか3cm機関砲しか搭載できず正面戦闘は不利だが、機動力を活かして側面攻撃を徹底すれば凶悪な手数で活躍できる。
ゲーム『アッシュアームズ』のキャラクター
pixiv内の作品でVK1602タグがつけられているものはほとんどがこれを主題とする。