概要
『とどのつまり…(IN THE END)』とは押井守監督が原作を担当した漫画作品で、アニメ版『うる星やつら』のメインアニメーターであった森山ゆうじ氏作画で、1984年から1985年にかけて徳間書店の『アニメージュ』誌上に アニメの絵コンテの要領でレイアウトを押井が描き、森山が清書する形式で連載された。全1巻。
旧版は『幻の押井守版ルパン三世』の監督から降板になり、問題作『天使のたまご』を世に出した1985年に発売され、旧版に編集者として関わったプロデューサー鈴木敏夫氏による『イノセンス』の宣伝の一環で2004年に新装版が発売された。
物語は『不思議の国のアリス』をベースにしているが、スタジオジブリの合宿で宮崎駿氏や高畑勲氏らと、ヒロインを美少女にするか不細工にするかで口論になり中止となった『アンカー』や、悪夢のような展開の『トワイライトQ』『紅い眼鏡』、アニメ業界を舞台とした押井の妄想が炸裂した『トーキング・ヘッド』などの原点ともいうべき作品である。
2004年に発売された、押井のメカニック論エッセイ集『押井守・映像機械論[メカフィリア]』においても本作に登場したティルトローター機が解説され、メカニックデザイナー竹内敦志によってスペード型にリファインされたものが掲載された。
あらすじ
ひょんなことから、どこからともなく現れる「未登録児童・アリス」を保護することになった腕利きアニメーターである主人公「オレ」は、アリスを駆除しようとする「首都圏公安警察機構特殊武装警邏隊・トランプ」に追われ、色指定の自称元アリスである彼女やアニメスタジオ「三月兎」「時計堂」の面々、彼らが秘密裏に結成した「未登録児童逃亡援助組織・CATS(Committee for Alice Tactical System)」とともに戦いに巻き込まれていき…