概要
ガルガスタン王国出身の屍術師。雷竜の月20日生まれ。50歳。
騎士のデボルド・オブデロードを息子に、僧侶のオリアス・オブデロードを娘に持つ2児の父。
人物
星運によって未来を予見する『ロードマンサー』の称号を持つウォーレン・ムーンと並び立つ世界屈指の賢者であり、降霊術によって未来を予見する『ネクロマンサー』の称号を持つ高位魔術師。
しかし、いつからか生命の因果律を超越した先にのみ存在する不老不死の実現を渇望するようになり、屍術を極めるためにあらゆる犠牲を厭わずに黙々と研究を進めていった結果、妻の死にさえ目もくれず、王国過激派による粛清の被害者となったデボルドの遺骸を微塵の躊躇も無く研究材料に利用し、偽りの命で死者の肉体と魂を現世に縛り付ける行為に反発して家を飛び出したオリアスを「真理の追求という崇高な行為に目を背ける愚者」と罵るなど、倫理的思考が破綻した外道と成り果てる。
後にガルガスタン領アルモリカ地方監督官の重席に就くものの、これは民族衝突などによって発生する新鮮な死体や強い無念を抱く霊魂の獲得に利を見出してのことであり、表向きの任務や政務の執行は全て部下の手に委ねている。
特徴
敵対するキャラクターの中でも極めて異彩を放つ存在であり、その歪んだ思想と行動の全貌が語られることとなるN（ニュートラル）ルートは寧ろ「ニバスルート」と呼ぶほうが正しい。
魔術師であるために肉弾戦を得意とせず、大抵の場合は相手に対して極端に有利な地形を利用した暗黒魔法による遠距離攻撃、または専用の特殊技能『サモンダークネス』（敵キャラクターによって多少の差異があり、ニバスが使うのは死霊系統）で召喚するゴーストやスケルトンの派兵を中心とし、自らの意志で冥王デムンザの眷属となって以降は前述の2つに加えて失敗作のゾンビ、さらには肉体のみを完全に再生させたデスナイトで混成された屍霊軍団を引き連れて襲い掛かる。
運命の輪
リメイク作品である『運命の輪』で大幅な設定変更が加えられた一人であり、原版以上に緻密、且つ複雑な家族関係が浮き彫りとなる。
- 夫：ニバス・オブデロード
大筋は原版と変わらないものの、実はニバスの血統を受け継ぐ系譜が2つ存在した事実が明かされ、さらにC（カオス）ルートで明らかとなるスルバラン一族の正体こそが一切の禁忌を犯してまでも屍術研究に取り組み続ける理由である旨が示された。
オブデロード一族
原版Nルートから登場するニバスの血族。
- 妻：名称不明
ニバスと結ばれ、デボルドとオリアスを授かる。寝食を忘れて研究に没頭するニバスを支えたが体を患い、夫に看取られること無く病没する。
- 長男：デボルド・オブデロード（テラーナイト）
ガルガスタン王国騎士として務めに励んでいたが、武力による強硬姿勢を堅持するレーウンダ・バルバトス率いる急進派に異を唱える穏健派に属して抵抗し、勝利を収めたバルバトス派によって粛清の名の下に処刑される。この遺骸をニバスが引き取って持てる屍術の全てを注ぎ込んだ結果、不完全ながら記憶と肉体の同時再生に成功した最高傑作として蘇るも、これに底知れぬ怒りを覚えた妹のオリアスに連れ去られる形でオブデロード家と決別する。
Nルートでは助太刀に入ったデニム・パウエルの問いに対して流暢な返答を披露し、「遺骸の損傷があまりに激しく首から下は他人の遺骸を繋ぎ合わせた作り物」「かろうじて体と魂を繋ぎ止めている秘術の効果が無くなれば再び死ぬ」という恐るべき秘密を明かすが、Cルートでは『デボルド・レーン』の偽名のまま登場し、ウォルスタ解放軍であれば見境い無く怨恨をぶつける異形の屍霊騎士として襲い掛かる。
- 長女：オリアス・オブデロード（プリースト）
血を分けた息子の遺骸を丁重に葬るどころか研究材料に用い、不確かな屍術で死者を冒涜するニバスを見限ってデボルドと共にオブデロード家を離れ、光神イシュタルに仕える僧侶となる。以降は無残な仕打ちを受けた母と兄の復讐を誓って忌々しいオブデロード姓を捨て、戦乱で傷付き疲れ果てた人々を癒して回る諸国放浪を続けながらニバスの行方を追う。
Nルートでは助太刀に入ったデニム率いる解放軍への参加を懇願し、身の潔白と強固な決意を示すために敢えてオブデロード姓に名乗り直すが、Cルートでは『オリアス・メランデル』の偽名のまま登場し、癒やしを施していた旅先で正体不明のゾンビに襲われた末に致命傷を負って世を去る。
スルバラン一族
『運命の輪』Cルートで追加されたニバスの血族。
- 妻：カサンドラ・オブデロード（ネクロマンサー）
ニバスと結ばれ、モルドバとクレシダを授かる。同じネクロマンサーでありながら途方も無い知識を有するニバスに娘共々師事するが、カサンドラ自身は「ネクロマンシーとは現世に無念を残した死者の願いを叶えて魂を救う術である」とするネクロマンシーの本質である降霊術に重きを置いており、その思想はクレシダに色濃く受け継がれる。高度な知識を修めた魔術師にしては蛮族顔負けの荒々しい口調と気性の持ち主であり、ブリガンテス城に続く要衝のレイゼン街道で愛娘モルドバの命を奪った解放軍に弔い合戦を挑む。
Nルートでは「ニバスを師と崇める弟子の一人」という立場から本来の姓である『カサンドラ・L（ラウヤ）・スルバラン』を名乗って登場し、ニバスの行方を追ってヘドン山を進む解放軍にモルドバの弔い合戦を挑む。
- 長女：モルドバ・オブデロード（ネクロマンサー）
父であり、上官であり、絶対の師であるニバスに忠誠を誓い、アルモリカ地方監督官の実務代行者としてクリザローに駐留し、ドナルト・プレザンス率いるニバス討伐隊を壊滅状態に追い込むもデニム率いる救援部隊との交戦で戦死する。モルドバ自身はカサンドラよりもニバスの「死を回避する唯一の方法は死の全容を解明する以外に無い」とする思想に共鳴し、屍術に重きを置いていた。
原版ではニバスの指揮下にあってクリザローの守備を任されたウィッチ『恍惚のモルドバ』として登場し、血縁関係は無い。
- 次女：クレシダ・オブデロード（ネクロマンサー）
母のカサンドラ、姉のモルドバ、義兄のヘクターを次々と亡き者にした解放軍にこの上なく深い怨みを抱きつつ、仕方なくニバスの命令に従って徐々に戦線から遠ざかる苦悩の日々を送っていたが、その渦中で目の当たりにした凄惨な事件を通じてニバスから離反する決意を固める。この時に条件を満たしていれば、目前の憎悪を乗り越えて利害が一致するデニムに共闘の意を示した上で神竜騎士団への参加を申し出る。
Nルートではカサンドラと同じ理由から『クレシダ・L・スルバラン』を名乗り、ダムサ砦に急ぐ解放軍の前に師匠ニバスを付け狙う怨敵、加えて前述の3人の命を奪った憎々しい仇敵として立ちはだかり、無人のバンハムーバ神殿で命を賭けた決戦に臨む。
- 義息：ヘクター・ディダーロ（ナイト）
忠義と武勇でガルガスタン王国にその名を馳せる名家の当主であり、モルドバの婚約者。騎士道に凝り固まった無骨者ではあるが、人柄の良さと勤勉実直な様子から部下として付き従う兵士一同に愛され、L（ロウ）ルートではガルガスタン人の未来を繋ぐために捨て石となり、Nルートでは義妹クレシダを救うために解放軍を惹き付ける囮役となり、Cルートでは王国への忠義を貫くために解放軍に一切の情報を漏らさぬまま極刑に処されると言ったように、それぞれのルートで「大切な者を守る大義のためならば喜んで命を捧げる」という作中屈指の人格者でもある。
原版ではザエボス・ローゼンバッハの指揮下にあってブリガンテス城の守備を任されたナイト『無念のディダーロ』として登場し、縁戚関係は無い。
