概要
1969年スタートの『カルピスまんが劇場』を前身とする。作品傾向としては海外の古典的な童話や児童文学をアレンジした作品が中心。
定義
厳密には日本アニメーションが製作し、フジテレビ系列で放送された児童文学ベースのアニメシリーズを指す。
枠の名称としての『世界名作劇場』が最初に使用されたのは『赤毛のアン』からとなるが、日アニの公式カウントとしては『フランダースの犬』以降の作品が該当する。
大きな流れとして語られる場合には『まんが劇場』の内『山ねずみロッキーチャック』及び『アルプスの少女ハイジ』を含める場合もあるが、ズイヨー映像の制作部門が日アニ、権利管理部門が瑞鷹へと分裂した際、この二作の版権が瑞鷹側に残った事もあって公式カウントの対象外となっている。
本記事においては『まんが劇場』についても併せて取り扱う。
作品一覧
通番 | タイトル(放送年度) | 枠冠 | 制作会社 | 備考 |
---|---|---|---|---|
どろろと百鬼丸('69) | カルピスまんが劇場 | 瑞鷹エンタープライズ&虫プロダクション | 唯一の漫画原作 | |
ムーミン('69) | 瑞鷹&東京ムービー⇒虫プロ※1 | 初の海外文学原作 | ||
アンデルセン物語('71) | 瑞鷹&虫プロ | |||
ムーミン(新)('72) | ||||
山ねずみロッキーチャック('73) | ズイヨー映像 | |||
アルプスの少女ハイジ('74) | ||||
1 | フランダースの犬('75)☆ | カルピスこども劇場※2 | 日本アニメーション | ここから公式な『世界名作劇場』 |
2 | 母をたずねて三千里☆('76) | |||
3 | あらいぐまラスカル('77) | |||
4 | ペリーヌ物語('78) | カルピスファミリー劇場 | 最後のカルピス1社提供 | |
5 | 赤毛のアン('79) | 世界名作劇場 | ||
6 | トム・ソーヤーの冒険('80) | |||
7 | ふしぎな島のフローネ('81) | |||
8 | 南の虹のルーシー('82) | |||
9 | わたしのアンネット('83) | |||
10 | 牧場の少女カトリ('84) | |||
11 | 小公女セーラ('85) | ハウス食品世界名作劇場 | ハウス食品1社提供開始 | |
12 | 愛少女ポリアンナ物語('86) | |||
13 | 愛の若草物語('87) | |||
14 | 小公子セディ('88) | |||
15 | ピーターパンの冒険('89) | |||
16 | 私のあしながおじさん('90) | |||
17 | トラップ一家物語('91) | |||
18 | ブッシュベイビー('92) | |||
19 | ナンとジョー先生('93) | 原作は第13作のそれの続編だが、アニメとしては相違点あり | ||
20 | 七つの海のティコ('94) | 世界名作劇場※3 | 唯一のアニメオリジナル作品 | |
21 | ロミオの青い空('95) | |||
22 | 名犬ラッシー('96) | |||
23 | 家なき子レミ('97) | |||
24 | 少女コゼット('07) | ハウス食品世界名作劇場 | ここからBSフジへ移行、ハイビジョン制作開始、ハウス食品1社提供復活 | |
25 | ポルフィの長い旅('08) | |||
26 | こんにちはアン('09) | 世界名作劇場 | 第5作の前日譚。2015年時点での最終作、複数社提供 |
※1 … 26話まで東京ムービー、27話以降虫プロ。
※2 … 26話まで『まんが劇場』。
※3 … 9話までは『ハウス~』。10話以降複数社提供に。
※「☆」は劇場版あり。
※枠冠及び制作会社は変更が生じた場合のみ記載。
『世界名作劇場 完結版』
2000年12月から2001年8月にかけ、BSフジ開局記念企画の一環として『家なき子レミ』までの23作品を各45分の前後編2部へ再構成した総集編が『世界名作劇場 完結版』と銘打たれて放送された。
本放送終了後、描き下ろしのカラーイラストをジャケットに使用したDVDソフトが発売されている他、キッズステーション、アニマックス、カートゥーンネットワーク等CS放送局での再放送や、『少女コゼット』放送直前の記念企画としてBIGLOBEでの動画配信が行われた。
『コゼット』以降の作品についても先の23作と同じスタイルでOVAとして制作され、各作単独のDVDソフトの他、先の23作と合わせた「完結編」DVD-BOXが発売されている。
シリーズ外の『名作劇場』
日本のTVアニメーション史上における一大ブランドと言える存在でもあるが、しばしば本シリーズとは無関係に、オリジナル作品ではあるが牧歌的な雰囲気を持ち合わせたアニメや、雰囲気は異なるが海外文学を基にしたアニメ等もしばしば『~~世界名作劇場』と呼ばれる事がある。
前者の例としては、ファンタジー寄りの作品では『とんがり帽子のメモル』や『ちっちゃな雪使いシュガー』等、またSF系作品でも『銀河漂流バイファム』や『∀ガンダム』等が挙げられる事が多い。
後者の例としては『まんが劇場』時代に一時的に関わった東京ムービーの『家なき子』『宝島』『名探偵ホームズ』等や、日本アニメーション自身が手掛けた『未来少年コナン』『愛の学校クオレ物語』等がある。中でも『クオレ』はカルピス1社提供という事も相まって公式じゃない方がむしろおかしい(放送局がTBS系だった、というだけの違い)。
また、ダークファンタジーとして大胆にアレンジされたGONZO制作の『巌窟王』や『ロミオ×ジュリエット』は「黒い名作劇場」と呼ばれたりする事も。
関連タグ
カルピス … 前身を含めて69年から78年まで一社提供。
ハウス食品 … 85年から94年まで一社提供。番組名もこの間『ハウス食品世界名作劇場』に。
世界迷作劇場 … pixiv上のイラストとしてはパロディ全般、SS速報の小説としてはシリアス目のエロ。
世界めーさく劇場 … 本シリーズと東方projectにおけるキャラクター・カップリングタグであるめーさくを引っ掛けた洒落。
関連イラスト
外部リンク
世界名作劇場アートギャラリー - 日本アニメーション公式サイト内