概要
種族 | 邪仙 |
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二つ名 | 壁抜けの邪仙(神、求)・無理非道な仙人(茨) |
能力 | 壁をすり抜けられる程度の能力 |
危険度 | 高 |
人間友好度 | 高(人間好き) |
主な活動場所 | 人間の里等 |
登場作品 | 神霊廟 4面ボス・弾アマ 四日目 |
テーマ曲 | 古きユアンシェン |
※ただし危険度や人間友好度等の評価は作中登場人物の稗田阿求による。
霍青娥は、通称青娥娘々であるが、青娥が自分を名乗る際は「霍青娥」を用いている。
結婚して夫がいたという、まさかの元人妻属性である。ちなみに「霍」は夫の苗字。
なお、人妻キャラに関しては後に後輩が出てくることになった。
種族は邪仙。
仙人になるべく修業を重ねた人間だったが、邪仙へと堕ちている。しかし仙人としての力をある程度は身につけており、複数の仙術を扱える。千数百年以上若さを保ち続けている。
キョンシーである宮古芳香の操り主。芳香をとても可愛がっている。
東方神霊廟ではStage 4のボスとして、命蓮寺墓場の地下にあった洞窟の奥、夢殿大祀廟につづく扉の前に登場。青娥の部下である宮古芳香がStage 3で撃退された事の怨みを共に晴らすために襲い掛かってくる。Stage 4ボス戦時には、なんと芳香が青娥のオプションとして常に戦闘に加わる。最前線で弾幕を放ち、時には敵の攻撃を受けて倒れてしまう芳香を青娥は完全に盾扱いするが、芳香が倒されるとすぐさま攻撃の手を止めて芳香のもとに駆け寄り、被弾も顧みずせっせと回復(蘇生)する姿が見られる。とある弾幕では、芳香が倒されても蘇生はさせないが青娥の攻撃が普段より激しくなる。
青娥のテーマ曲「古きユアンシェン」は、様々な術が出てきて何が飛び出すかわからない手品師のような彼女をイメージして作ったとの事。4面からスピード感を出したくてノリノリにしたいのでトランスっぽい曲にもなっている、とZUN氏は語り、気に入っているようである。
バックストーリー
彼女は元々、普通の人間だった。幼い時、父親が仙人になると言い残して家を出て行く。その後を追うように父の本を読み、道士や仙人(特に道教八仙人のひとり「何仙姑」)に憧れを抱くように。そしていつか自分も仙人になって父と再会するという夢を持つのだった。
成長した彼女は、名家である霍家に嫁いだ。しかし仙人になる夢を諦めきれず、結婚後も本から仙術を独学で勉強する。その間は引き籠って鬱々と暮らしていたため、家族とは口も利かずだんだん疎遠になっていく。8年後、学んだ仙術で自らを死んだものと家族を欺き、憧れの仙人の世界へと旅立つ。
その後は再び仙人として修行したらしく、仙人の力によって見た目は若いままの不老長寿に至る。
だがその、目的のためなら家族を平気で欺き、そのうえ人目に憚るような行いも厭わないという彼女の性格が災いし、天からは「仙人」と認められずに「邪仙」へと堕ちてしまった。それでも本人は自らのことは頭脳明晰、金剛不壊、不老長寿の「仙人」であると謳っている。
道教を広めるという建前で、自分の力を他人に見せびらかす事が趣味。しかし地元の国(出身国名は書かれていないが、名前・文化・スペルカード名から中国だと思われる)には自分くらいのレベルの仙人や道士が珍しくないので、自らの能力を披露したいという考えから、仙人のいない1400年前の日本に渡来した。そこで才能を見込んだ当時の権力者、豊聡耳神子に道教を勧める。しかし道教による国の平定は神子には政治向きでないと断られてしまう。そこで青娥は「政治には、表向きに仏教を広めて国民を大人しくすればいい。権力者は、道教で超人的な力を身に付けるといい」と提案し、神子を納得させた。本当は、自分の願いを叶えたいだけの青娥には、国の政治などどうでも良かったのだが。
その結果、道教の秘術で尸解仙となり、聖人として蘇った世で信仰を得ようとしたとした神子と、その企みを見抜いて神子の復活を阻止しようとする仏教徒との宗教戦争・・・を引き起こしたすべての大本は、この女性ということになる。
だが彼女に悪気は無かったようである。その理由は、強い者に純粋に惹かれる性質があり、神子に道教を伝えたのもそのためだという。霊夢の所に来た時も、何かを企んでいるのではなく実のところは純粋に霊夢の力に魅入られただけと解説されているおり、神子の事も同じ事であると言われている。強者にへつらうといった様子はない。
主人公達は皆、今回の異変は彼女が遠因と気づかず幕を閉じる。
余談ではあるが、彼女のエピソードにはとにかく空白が多い。
聖白蓮を「ついこの間復活した悪の大王」と語っている事から、白蓮が復活した経緯、霊廟が封印された理由を全て知っているようである。同様に霊夢の事も予め知っていた。(尸解仙の術で復活したばかりの物部布都は幻想郷の内情を知らなかった。豊聡耳神子は能力で知ったようである。)
この事や「ついこの間」という発言から、青娥は以前から幻想郷にいるのかと思いきや「さすが幻想郷の人は腕が立つ」とも発言。まるで封印されておらず、つい最近になってから幻想郷に入ってきたかのような口ぶりである。
それまで1400年間いったい何をしていたのか。そもそも仙人として旅立った後、どういう経緯でなぜ邪仙となってしまったのか。宮古芳香との出会いとは。どれも一切語られていない部分が多い。テキストが1400年前で止まっている事と、仙人は鍛え続けなければ生きていけない種族のためということもあり、彼女の今の力は分からない。
謎多き女性である。
また、4面ボスであるにも関わらず今作品中の色々な箇所で彼女の姿を確認することができる。普通のEDでは豊聡耳神子が何度も出てくるのに対し、パラレルEDでは彼女が登場。また神霊廟CDパッケージも表は神子のシルエットであるが、中身を開けるとCDのはめ込み口右下に「あらあら手に 取ってしまったのですね? 」と明らかに彼女の口調のメッセージが書いてあるなど面白い仕掛けとなっている。他にも彼女のステージの道中曲「デザイアドライブ」がアレンジされ、EDテーマ曲「デザイアドリーム」になるなど彼女の姿が散見される。
容姿
髪、目から服まで全身、名の通り青で統一されたデザインである。
髪は、ウェーブのかかったボブの青髪。髪の一部を頭頂部で∞の形に結い(稚児髷、唐子髷)、結い目にはかんざし代わりに鑿(のみ)(元ネタで登場した、どんなに硬い壁にも穴を開けられる不思議な道具。原典では「鑱」)を挿している。この鑿は、元々薬石を削るためのもので、石であろうが煉瓦であろうが岩壁であろうが、まるで腐ったものを切るようにスパスパ切れたという。
瞳は青目。
水色の、袖が膨らんだ半袖のワンピースを着ている。裾と袖と胸元はフリル。(服の全体的に赤・黄色の点で出来た帯状模様が描かれている。この模様は錬丹術(外丹術)の不老不死の仙薬である金液を作る際 金を溶かすために使われる青酸を含む覆盆子(トックリイチゴ)の未成熟果実ではないかと思われる。覆盆子の果実は完熟すると赤から黒紫に変わるため黒と紫の果実を抜くと赤と黄色の実となり模様が果実とよく似た色合いになる→参考リンク。普通に食用ともなる果実で酒や漢方薬にも使われる。)
ワンピースの下には、ワンピースと同じような形の、白い薄手の服を着ている。よく見ないと分かりにくいが、胸元と袖と裾から端が覗いている。撃破後のボロ絵では袖が露わになる。
腰には黒いベルト。その前面には、白くて中央が赤い花と、緑の葉の飾りを付けている。(桃の花?)
ワンピースの上からは、襟のある白いベスト(青い模様が施されている)を羽織る。
両足のすねに茶色の紐を結ぶ。左足の紐には白い紙に赤い文字を書いた御札が付いている。
半透明の羽衣を纏っている。両端は重力に逆らうように浮いているが、真ん中の部分はあまり浮かんでいない。立ち絵では羽衣に青娥が座っているからそう見えるのかもしれない。
ゲーム中ではこの羽衣に腰掛けて空を飛ぶ。そのため、青娥の登場時&逃走時のドット絵移動モーションは、S字を描くようにゆったりと飛翔する独特のものになっている。
この羽衣は安物であるらしい。ただ、本人は名家である霍家で何不自由ない生活をしていたため、普通の金銭感覚なのかは不明。
姿がZUN氏が所属していたTAITOのサウンド制作チーム・ZUNTATAの現在のロゴに良く似ている。(元のロゴは簪はしていないが)
ZUN氏は彼女をオードソックスに仙女的にデザインしたと語っている。
ちなみに東方シリーズに登場する他の仙人として茨木華扇がいる。彼女のイメージカラーは赤であり、青娥の青いイメージとは正反対になっている。なにか意図するところがあったのだろうか?
能力
幽霊のように壁を通り抜ける能力ではなく、物理的に壁を切り抜いて穴を開ける能力である。
具体的には、
- 髪に挿しているかんざしで壁を切って、丸い穴を開ける。
- その穴の中を通って壁の向こう側に侵入する。切り抜かれた壁の破片はぶち抜く。
- 壁に開けた穴は、いつの間にか穴が消えるという形で元に戻る。
まるでレトロゲームの「ロードランナー」のよう。
一見チートのような能力だが実は弱点があり、柔らかい物で出来ている壁はすり抜けられない
青娥にとってこの能力は、人に驚いてもらう以外あまり意味は無いそうである。この能力を使うとぬりかべに致命傷を与えられるらしい。(ぬりかべの「通せん坊」という存在意義が失われるからか、それとも単に破壊ダメージか。)
この能力は、彼女の元ネタの話に登場する「不思議な鑿(のみ)」が由来であると推測できる。(ただし使用するのは終始、青娥ではなく夫のほう。)元ネタの話だと、壁に開けた穴は元に戻らずそのまま。
戦闘能力
仙術を、攻撃技としてぶつけたり、自らの補助に使用して戦う。
錬丹で鍛えた頑強な肉体を持ち、戦闘でも傷付きにくい。(自前の丹を服用している仙人は、体を鋼より硬くすることが出来る)。ほか、壁抜け・幻術・死体の蘇生とその使役(キョンシーの術)等を始めとする、数々の仙術を操る。古代日本人の死体である宮古芳香をキョンシーにして、僕とする。芳香を倒されても即座に復活させることができる。
大抵芳香の後ろに控え芳香を盾にしている事から近接は不向きと思われがちだが、「生身の人間が私と戦えるなんて凄い」と発言しているので、戦闘には自信がある様子。
青娥は豊聡耳神子に道教を伝えたり、霊夢の使う力(陰陽玉・お札・霊界トランスなど)を道教そのものの力であると見抜くなど、正規の術の知識や技術も修めている模様。
種族
邪仙。
仙人の一種だが、仙道からは外れてしまっている。悪事を重ねることで力を強める仙人。
青娥は元々は古代の、道教・仙人が広まっていた国(中国だろう)の普通の人間であった。俗世を捨て道士として修業を重ねた結果、仙人としての力を身に付けることに成功した。ところが、彼女の性格ゆえの行いは天には認められず、邪仙となってしまった。
ストーリーでは妖夢に対してだけ自らのことを「仙人」だと名乗ったが、その妖夢には一目で邪仙と見抜かれてしまっている。EDの霊夢とのやりとりの件から、ZUN氏も「邪仙は企むもの」だと捉えている節がある。
「仙人(せんにん)」とは、道教の修業を極め、仙境で暮らし、仙術を操り、不老不死となった人間を指す。
仙人は超人的な能力を得た人間で様々な妖術を身に付け 妖怪に匹敵する力を持っている。
欲は少ないが完全に欲は捨ててはいない。歳は数百から数千歳というほど長寿だが 不老不死ではない。修行を怠るとすぐに体が維持できなくなってしまう。妖怪に対して天人は食べると猛毒であるが仙人は妖怪の大好物である。食らうと妖怪としての格が上がる
さらに普通の獣でさえも妖獣となる事があり、数多の妖怪やそれを知った獣から狙われるようになる。
(妖獣になるには他にも僧などの修行を積んだ徳のある人間を食べ過ぎるとなる。)
それ以外にも災禍の多い仙人であるが、その中でも最たるものは、百年に一度来る地獄からのお迎えの死神である。
小野塚小町の言によれば彼女は管轄外らしいが、お迎えの死神は天人や仙人の元に百年に一度現れ心の隙間を突いた精神攻撃を行うという。勝てなければ寿命が伸びないため、逃げることはできないらしい。
彼女はそれはただの人間では勝てず、今いる仙人や天人は大抵勝ち続けた人間であると語っている。またその間少しでも修行を怠ったりして能力が鈍っていれば、追い返すことができず地獄に落ちる。また死神でも船頭とお迎えは違うらしく何度もお迎えの死神を撃退している比那名居天子は小町に勝った場合「所詮船頭 不思議な精神攻撃をしてくるお迎えとは違う」と評する。
つまり仙人は天人になれない場合、己を心身ともに常に修行で高め続けなければならないばかりか災害だらけの過酷な生活を送る事になる。そのため仙人は変わり者が多いという。彼女はその生活を長きに渡り生き抜き続けた事になる。
また仙人同士の繋がりは深く、新たに仙人候補が現れると、雑用係も兼ねた弟子入りを積極的にさせ独り立ちできるまで面倒を見る事や、人間に危険が迫るとすぐに助けてくれる親切な面もあるという。
一日数個の木の実をかじるだけで生活でき、五百歳を超えると食事は殆ど不要となり霞を食べるだけで暮らせるらしい。
余談だが、青娥は豊聡耳神子や物部布都と同じ尸解仙であるとも考えられる。理由は家を出る際に用いた方法。
青娥は幻術で竹の棒を自分の死体に見せて、それを家族に埋葬させた=死んだフリをしたことになる。
尸解仙となるには、一度死ぬ、または死んだフリをする必要がある。死んだフリをする方法では、自らの身を託して身替わりとする物品が必要となる。その際に刀剣を身替わりに用いると、尸解仙としての力は最も高くなる。逆に、一番力の低い尸解仙となるのは、竹の棒を使った場合。尸解仙にも上下がある。
仙人の格には天仙・地仙・尸解仙の3種があり、尸解仙はその一番下のランク。
とはいえ彼女の種族は今は邪仙となっており、テキストが千四百年以前で止まっているため現在のランクは不明。
性格
ゆったりとしていて、掴みどころの無い物腰。陽気で穏やかである。
基本的には「~わね」「~でしょ?」「~だもん」とさばけた口調で話し、時折軽い丁寧語が出る。よく「あら」と口にする。話していても人当たりは良く、邪仙である感じはしない。霊夢の所へ訪れた際も「YEAH」と挨拶して壁から現れるなど、意外と陽気である。
そんな彼女の本質的な性格は、設定にも記されている通り、人間としての道徳から大きく外れている。自分の目的が達成さえすれば、周りの者などどうなってもいい。非常に自己中心的な人物。そのためには権力者も、国の民も、挙句の果てには自分の家族すらも欺くことは厭わない。
反面、自分の事となると非常に純粋で、意志が強い。結果を見据えて行動する。ひたすら自分の欲に正直な自由人とも言えるだろう。それゆえ手段を善悪基準では選ばず、頓着せず、最適な道を選ぶ。仙人になる為として、人前では憚られる様な事も色々してきた。子供っぽい行動原理と大人の強かさを併せ持つ女性と言えるだろう。神子に第一案を断られるとすぐに次の提案を出せる、という頭の回転の速さも見せる。神子のケースなどを見ても相手のニーズを把握しているようである。異教の仏教の事をしっかり理解している事や、本来道教を教える立場であるにもかかわらず霊夢に道(タオ)の教えを乞うため弟子入り志願しに行く事などから、向上心豊かでもあるようだ。
その性格にも関わらず、話術には非常に長けており、他人に都合の良いことを吹き込んで言いくるめるのが得意。自分の目的の為ならばさらりと相手を欺くが、特に悪意はない模様。
現に違う未来では魔理沙が彼女に道教の最終目標は不老不死と、秘密を聞き方法までは聞いていないものの(魔理沙がしたのは我流の気功体操)一時道教の虜になり、早苗は一旦「改宗すれば良い仙人になれる」という彼女の勧めを断るが、自身の信仰模索と神子の圧倒的なカリスマに当てられたのもあるが結局神子の道場に行き、一時改宗して修行してしまう。
妖夢も神子と布都の壮大な勘違いがあったとはいえ、彼女の「生死を超越していて仙人と似たような者」と言われた事もあり、自分を仙人と完全に思い込んでしまい幽々子に仙人と言いふらされ後の黒歴史となる。
彼女の自覚無自覚に関わらず、相手を乗せて引き込む力を感じさせる。
自分の力を見せびらかす事が趣味、というくらい自己顕示欲が強い。
その趣味のためだけに、日本に渡来し当時の権力者(神子)に取り入って道教を伝え、ついでに民衆には仏教を広めるという案を出して日本の宗教観を変えた。
死体を素晴らしいものだと絶賛しており、ネクロフィリア(死体愛好家)の気がある。
そのためか自分のキョンシー宮古芳香を溺愛しており、猫可愛がりしている。芳香にはケガを防ぐためとして柔軟体操を勧めている。芳香を「腐ってて可愛いでしょ」「死体はもう死なないから素敵でしょ」と、子供のような明るい笑顔で無邪気に笑いながら、死体の機能自慢をする様から彼女の倫理観がうかがい知れる。霊夢や魔理沙にキョンシーを「悪趣味、死体遺棄」などと言われてもまるで堪えていない。
力の強い者に純粋に惚れ込む癖があるようで、助言などをして入れ込むようである。
実際、ある未来では霊夢の力に惚れ、神社を直接訪れてタオ(=陰陽道)を教えてもらうため弟子入り志願する。道教に携わっていない者でも、見込みを感じたら(異教徒であっても)とりあえず道教を勧めてみる。彼女に善悪や宗教や敵味方の区別のこだわりはあまり無いようである。また勝利後自分と戦えるなんて凄いと多少の自画自賛も入るが相手に惜しみない賞賛を送る。
ZUN氏は彼女を、ちょっとリアリティはあるが調子がいい風で、気に入った人なら割と誰にでもついて行く。それについて特に野望があるわけではない、単にそういう人格の「いい性格」をした人物だと評している。
元ネタ
中国の怪異譚を纏めた短編小説集『聊斎志異(りょうさいしい)』に収録されている物語のひとつ『青娥』。
この話が、「霍 青娥」の名前と苗字、人間時代の生い立ち、能力、かんざしのデザイン、これら全ての元ネタだと考えられる。
この物語『青娥』は、
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評事(裁判官)を勤めていた武(ぶ)姓の男がいて、彼は道教に凝り、山に入って籠ってしまった。
彼には娘、青娥がいた。
青娥は十四の娘で、その美しさは類がなく村では評判であった。しかし彼女は、終世誰にも嫁がないと心に決めていた。彼女は幼いときから父親の書物を盗み読んでおり、仙人である何仙姑のことを慕っていた。そして自分も仙人になる決意をしていた。父親が山中に籠ってしまったこともあり、その決意は非常に硬く彼女の母親ですらも変えさせることが出来ずにいた。
霍桓(かくかん)という、同じ村に住む少年が青娥に一目惚れし、是非とも妻にしたいと望むようになる。
彼は、とある道士から譲り受けた「硬い石でも腐ったものを斬るかのように簡単に穴を空けられる、一尺ほどの不思議な鑿(のみ)」で、青娥の家の壁に穴を空けて忍び込む。
それから紆余曲折はあったものの翌年二人は夫婦となる。二人の間には息子を1人を授かる。
ところが結婚から八年後。
突然、青娥が家族に別れの言葉を告げ、自分の寝床で死んでしまう。
家族は彼女の遺体を埋葬して弔った。
その一年後。
山中で遭難した霍桓は、偶然青娥と再会する。
なんと青娥は仙人となって、彼女の父親の元に来ていた。一年前青娥は、仙術を用いて竹の棒を自分の遺体に見せ、家族に死んだように思わせて家を抜けた後、おなじく仙人となっていた父親が暮らす仙界の洞窟で隠棲していたのだ。
此処で霍桓が青娥に対して不埒な所行に及ぼうとすると「わしの洞府を汚すとはけしからん」と洞窟から追い出され、洞窟の入口は岩の壁で閉ざされてしまう。
逆上した霍桓は、持っていた不思議な鑿を使い、岩の壁を壊して、中にいた青娥を引っ張り出す。
結局、霍桓と青娥は二人で元の村に戻ることになる。
二人はそれからさらに娘1人(後に嫁入りさせた)、そして息子1人をもうけた。
その後。霍桓もまた仙人となり、成人した子らを家に残して夫婦二人、何処とも知れずに姿を消す。
*****
……という具合に、設定と一致する点が非常に多い。
ちなみに、霜を降らせる「青娥」という天女が登場する別の話もあり、こちらの青娥は青女とも呼ばれる。また「青」という漢字のいろんな意味の中には若いという意味があり、「娥」はきわ立って美しいという意味を持つ漢字であるため、中国語で「青娥」は美少女という意味でも使われる言葉である。
神霊廟4面ボスステージの背景にそびえる扉のグラフィックには人物像や文字が書かれた写真素材が使われているが、これは台湾台北の霞海城隍廟の三川殿の中門。
スペルカード
道教の呪術や用語を弾幕のモチーフにしている。邪仙の称号に違わず、大半は外道の邪術の類。
東方神霊廟
- 邪符「ヤンシャオグイ」
- 邪符「グーフンイエグイ」
- 入魔「ゾウフォルゥモォ」
- 降霊「死人タンキー」
- 通霊「トンリン芳香」
- 道符「タオ胎動」
OVERDRIVE
- 道符「TAO胎動 ~道~」
弾幕アマノジャク
- 入魔「過剰ゾウフォルゥモォ」
- 仙術「ウォールランナー」
- 仙術「壁抜けワームホール」
二次創作
おもに注目される点は、
「黒幕(自覚有または無自覚の元凶)」、「邪仙」、「彼女の性格」、「死体を扱う能力」、「芳香の扱い方」、「仙人の力」、「仙人の修業法」、「壁抜け」、「スペルカード」、「結婚経験の有る来歴」、「清楚さを思わせるデザイン」、「髪型」、「にゃんにゃん」…など。
基本的には邪仙ゆえ、他の登場人物をからかったり、イタズラをしたりするトリックスターの役割が多い。
一部作品では、原作以上に腹黒さや邪悪さが増し、悪の野望を抱いた憎まれ役に徹していることも。
もちろん、芳香や神子らと純粋にほのぼのしている雰囲気の作品も多い。
「娘々(にゃんにゃん)」の響きから、猫耳しっぽの青娥や、青娥を模したデザインの猫が描かれている。
なお、本家猫キャラとは芳香のことで攻防戦をやっていることも多い。
カップリング相手としては、原作でタッグ戦出場して会話シーンもある自分の部下、宮古芳香(せいよし)が主流。その他、青娥が道教を教えて助言し幻想郷でも協力した豊聡耳神子(せいみこ)、神子に仕える身であり道教仲間の物部布都(せいふと)や同じく神子に仕える身の蘇我屠自古(にゃんとじ)、そしてEDで青娥が接触を試みていた博麗霊夢(青霊)。あとは、仙人繋がりなうえ対比箇所の多い茨木華扇(ふたりは仙キュア)など。
関連イラスト
関連タグ
彼女の絵を検索する際は、名前と通称のどちらか片方しかタグが付いてない場合が多いので、一度「青娥」と検索し、タグ欄の「部分一致」を選択して再検索すると良い。
壁抜けの邪仙 壁をすり抜けられる程度の能力 古きユアンシェン デザイアドライブ
イラスト・二次創作
にゃんにゃんは清楚可憐 邪仙青娥 青娥娘々がみてる よしかよしよし
カップリングタグ