概要
“魔界の王子(プリンス)”と謳われる悪魔超人のエリート。
悪魔六騎士の一人で“竜巻地獄”の肩書を持つ。
阿修羅像の如く、三つの顔と六本の腕を持っているクモの化身超人であるアシュラ一族の王家の生まれ。
顔はそれぞれ「笑い面」「冷血面」「怒り面」の三種類があり、それぞれの顔を入れ替えることでファイトスタイルを変えているが、実はその三面すべてがマスク(覆面)であり、マスクの下には「泣き面」が隠されている。
六本の腕は超人レスラーとしてデビュー後に激闘で失っており、その後は闘いの中で血に染めた超人の腕を奪っていた(それは一族の能力なのかアシュラマン個人の能力なのかは不明)。
このため、試合中に腕を失っても再生が可能。応用で既に死亡または仮死状態の超人の腕も霊力で自分の者にできる。ただし、悪魔将軍に一度吸収されたことでエネルギーを与えられて六本とも自分本来の腕が再生した事もある(夢の超人タッグ編では左の3本を失うが、魔界に帰還した後は縫合したのか、包帯が巻かれた状態で3本とも従来通りにあった)。
必殺技は「阿修羅バスター」「阿修羅稲綱落とし」「阿修羅魚雷」「竜巻地獄」等。
容姿
上記の通り阿修羅のような姿が特徴。
原作初登場は無機的な感じで話が進むうちに落ち着いた。
原作及びアニメⅡ世では青い肌色をしているが、アニメでは普通の肌色。
アニメでは最初三つの顔と4本のうでを隠していた。
また王冠の下は螺髪ヘアー。
作中での活躍
黄金のマスク編
悪魔六騎士5番目の刺客として、ウォーズマンの体内にてテリーマンと対峙。
ここで初めて六本腕を初披露し、それらの腕はかつてキン肉マンたちが戦った7人の悪魔超人から奪ったものだった。さらに試合中にテリーマンの両腕を奪い、彼の攻撃パターンを大幅に封じるが、テリーマンが死んだはずのバッファローマンの両腕などに助けられたこともあり、両者リングアウトという結果で試合は終了する。
悪魔将軍登場後、六騎士唯一の生存者として同じバスター使いであるキン肉マンと対戦。六本の腕によりキン肉バスター以上に強力な必殺技「阿修羅バスター」でキン肉マンを圧倒するが、首のロックの甘さを見抜かれ、さらに試合終盤キン肉マンがとっさの判断で繰り出した変形ツームストン・ドライバー(後のキン肉ドライバー)を喰らい敗北を喫した。テリーマンの両腕は本人の元へ戻った。
夢の超人タッグ編
悪魔将軍の敗北をキッカケに、サンシャインとともに六騎士を離反し“はぐれ悪魔超人コンビ”を結成。正義超人から奪った友情が封じられた「呪いの人形」を使い正義超人たちの強さの源である友情を崩壊させようと暗躍し超人タッグトーナメント優勝の栄冠を狙う。コスチュームも一新し、サンシャインと密かに特訓を積んでパワーアップも果たした。
正式な参加チームだったビッグ・ボンバーズを瞬殺してトーナメントに参加表明し、1回戦ではかつてお互いが苦渋を飲まされたジェロニモとテリーマンのタッグ「ニュー・マシンガンズ」と対決。サンシャインの呪いのローラーによる弱点克服や、改良した阿修羅バスターの他にお互いの能力を活かしたコンビネーションによるツープラトンを見せつけて、その雪辱を果たした。
しかし、準決勝でマッスルブラザーズと対戦することになるが、彼らの友情を目の当たりにする内に悪魔コンビは徐々に士気が下がっていき、アシュラマンはかつて悪魔である自身に愛や友情を説いた家庭教師サムソン・ティーチャーとの記憶が蘇り、とうとう公衆の面前で本来の素顔である「泣き面」を晒してしまう。試合に破れ改心するが、敗北後にヘル・ミッショネルズにより呪いの人形を奪われ、アシュラマンは三つの面をマスクと悟られてしまい、剥がされる。
魔界へ帰還して治療しながら決勝戦を観戦していたが、マッスルブラザーズ改めザ・マシンガンズの危機を見かねて、応援するため再び会場に駆け付ける。ミッショネルズに奪われた呪いの人形の事を話して「お前たち正義超人の友情は、そんな人形如きでは崩れなかった」とマシンガンズを叱咤激励。結果はマシンガンズがミッショネルズを降して優勝した。
キン肉星王位争奪編
超人タッグ終了後は正義超人とも協調する関係となっていた矢先に、キン肉マンソルジャー(キン肉アタル)の男気に惹かれ彼のチーム超人血盟軍の一員となる。スーパーフェニックス率いる知性チームのサタンクロス(正体は子供時代に格闘技を教えた家庭教師サムソンティーチャー)と対戦することになる。この試合は結局引き分けに終わったが、アニメ版ではこの試合がカットされた(一説には腕と足が両者合わせて16本にもなり、作画が面倒なためとか)。
その後、決勝戦で知性チームの罠に苦戦するキン肉マンチームの助けとなり、「血縄縛りの門」で絶命したが、最終回でキン肉マンのフェイス・フラッシュにより復活している。
完璧超人始祖編
王位争奪戦が終了した後、超人委員会により正義・悪魔・完璧の三勢力間の平和条約が制定され、アシュラマンは悪魔超人代表として条約に署名する。正義超人代表のテリーマン、完璧超人代表のネプチューンマンと、奇しくもかつて激闘を繰り広げた両雄と堅い握手を交わし、魔界へと帰っていった。
しかしその後、正義超人たちの開いた式典に突如「完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)」が乱入し、完璧超人たちの主領格である完璧超人始祖の存在と悪魔将軍(ゴールドマン)との関係が明かされる。
アシュラマンはザ・ニンジャと共に、再び悪魔六騎士として将軍の下に集結し、始祖たちの拠点である超人墓場に先行して入った将軍に続き、仲間たちとともに墓場へ侵攻する。
各々が始祖の一人を追いワープトンネルを突き進むが、アシュラマンが進んだその先は彼の故郷である魔界に繋がっていた。家臣たちやアシュラマン本人すらも困惑する中、その上空から「裁きの神ジャスティス」こと完璧・陸式ジャスティスマンが出現する。
ジャスティスマン曰く、そもそも魔界は悪魔将軍が超人墓場を模して作ったものであることが語られる。更に、アシュラマンの一族も元は他の超人たち同様2本腕しか持たない超人であったが、祖先の一人がジャスティスマンの弟子・ミロスマンとの決闘で勝利し、その際に彼の腕を奪い現在の4本腕(アシュラマンたち王族は6本腕)になったという。そのため、両者の試合はある種の因縁の対決という見方も出来るが、ジャスティスマンはそうした因縁自体には感心はなく、飽くまでも「あやつ」の築いた始祖を中心とするパワーバランスを保つ目的である様子。
しかしながら、試合においては先のミロスマンの経緯からアシュラマンの腕にはミロスマンの遺伝子が浸み込んでおり、彼を教授したジャスティスマンはアシュラマンの攻撃をことごとく見切ってみせ、アシュラマンは良いようにあしらわれた挙句に4本の腕をもぎ取られてしまう。それでも阿修羅稲綱落としを仕掛けるも、4本の腕を失った状態では威力は半減しジャスティスマンには通用しなかった。
心折れかけたアシュラマンだったが、バッファローマンの激励で立ち上がり、残った2本の腕をあえて捨てて、先の戦いで死んでいった悪魔超人達(プラネットマン・ステカセキング・アトランティス・スプリングマン・スニゲーター・ミスターカーメン)の腕を得てジャスティスマンに立ち向かう。しかしその力をもってしてもジャスティスマンには通じず、完璧・陸式奥義ジャッジメントペナルティを受けて敗北。逆にジャスティスマンの圧倒的な力を知らしめられる結果となってしまった。
しかし、試合の決着が付いた後でもジャスティスマンの「裁きの天秤」は有罪か無罪かを決めかねており、試合には完勝したジャスティスマンの心を揺るがせている。
サタン編
先の戦いで重傷を負いつつも生存しており、三つの面に包帯を巻いた状態で再登場。失った6本の腕も元の状態に戻り、鉄アレイを用いて鍛錬を行なっていた。
突如として魔界を襲った異変に動揺する仲間たちを尻目に、真っ先に「結界で閉じ込められたようだ」と現状を把握した。
『キン肉マンⅡ世』でのアシュラマン
魔界にて結婚し子供を授かっており、妻はイボンヌ、一人息子はシバという。
アシュラマンは、シバを「立派な正義超人に」育て上げようと、厳しくも優しく息子の成長を見守り指導を続けていた。結果、シバは立派な超人ファイターとして成長するが、次第に悪魔超人としての残虐性に目覚めていき、ついに実の母を手に掛けてしまう。アシュラマンは魔界の長としてすぐにシバを処刑するが、愛する我が子を自らの手で粛清したこと、同時に「悪魔として高い素質を持ちながら、己が正義超人であるが故に彼の命を絶ってしまった」ことから自責の念にかられ、以降は再び悪魔として生きようと決意した。
その後は長い年月により他の伝説超人同様老いさらばえていたが、恐怖の将から受け取った「ジェネラル・ストーン」の力により、老獪なベテラン超人レスラーの頭脳と若々しい20代の肉体を合わせ持つ再生(リボーン)・アシュラマンとして復活し、「悪魔の種子(デーモンシード)」最後の刺客として、ミートの体奪還を目指す新世代超人たちの前に立ちはだかる。
改良・阿修羅バスターからさらに進化を遂げた新必殺技「アルティメット・阿修羅バスター」を引っさげ、更にはパートナーであるボルトマンとのコンビネーションを駆使し、かつてのライバルであるキン肉マンの息子・キン肉万太郎や、同じくロビンマスクの息子であるケビンマスク、両者を苦しめたかつての難敵スカーフェイスといった新世代の猛者たちを物ともしない力量差で圧倒した。
万太郎の攻撃によって顔が真っ二つに割られようと物ともせず、不気味な笑みを浮かべて直ぐに体勢を立て直すなど狂気染みた姿もみられた。更には自らの右脚を切り落とし、サタンのジェネラル・ストーンの力で悪魔将軍の脚を再生し、彼の必殺技「地獄の断頭台」まで再現してみせた。
しかし、失った我が子を偲ぶ人間の姿やキン肉親子の信頼し合う関係に過去のトラウマがフラッシュバックし徐々にその態勢に綻びが生じ、ついには試合中にも拘らず愛息子の名を叫びながら落涙。最後は万太郎の新技“マッスルG(グラビティ)”を見舞って敗北した。
その後、悪魔超人側が全員敗北したら手を引くと言う約束を無視してミートの頭部を奪い再生を果たそうとする恐怖の将を、自らの脚を投げつけて阻止。目的が地球支配であり、どんなに悪事を働いても、最低限試合に則って定められたルールについては、誇りある超人レスラーとしてフェアに従うのが悪魔超人としての矜持のはずだと訴えた。しかし、これが卑劣な恐怖の将の逆鱗に触れ、消滅する間際にジェネラルストーンを剥奪・破壊され元の老人の姿に戻されてしまった。
ミートの復活と万太郎たちとの再会を見て安堵した笑みを浮かべるも、全てを失い孤独となってしまうが、かつての同志サンシャインに「悪魔にも友情はあるんだぜ」と、何時ぞやと同じ言葉と共に手を差し伸べられる。その言葉に迎えられたアシュラマンはサンシャインとの友情を復活させ、改めて好敵手として正義超人打倒を誓い共に去って行った。
担当声優
- 郷里大輔(アニメ初代)
- 二又一成(アニメ初代少年時代)
- 石森達幸(アニメキン肉星王位争奪戦2代目)
- 山口健(アニメキン肉星王位争奪戦3代目)
- 平松晶子(アニメキン肉星王位争奪戦少年時代)
- 大友龍三郎(郷里氏没後の一部メディア)
関連キャラクター
悪魔六騎士
関連項目
悪魔超人/悪魔六騎士 ザ・ニンジャ スニゲーター プラネットマン 悪魔将軍
超人血盟軍 キン肉マンソルジャー バッファローマン ブロッケンJr.
悪魔の種子(デーモンシード) ザ・デモリッションズ