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ぬらりひょんの編集履歴

2019-05-27 20:12:05 バージョン

ぬらりひょん

ぬらりひょん

ぬらりひょんとは、日本の妖怪、もののけである。

概要

ぬうりひょん、滑瓢ともいう。発祥は岡山県や秋田県の伝承という説もある(相模女子大学の文学研究者・志村有弘の著作『日本ミステリアス 妖怪・怪奇・妖人事典』(p.73-p.75)より)、。


発祥

岡山県

備讃瀬戸(備讃灘)で多く出没する海坊主人間の頭ほどの大きさの丸い間に浮遊しているので、引き上げようとすると「ぬらり」と手をすり抜け「ひょん」と浮いてくるといったことを繰り返すので、この名が付けられた(クラゲタコなどを妖怪視したともされる)。

秋田県

旅行家・博物学者の管江真澄の著作『管江真澄遊覧記』に掲載されている。

「男は女に逢ひ女は男に行き会ふ事あり、又ぬらりひょん、おとろし野槌なんど百鬼夜行することありと、化物坂といふ人あり」

京極夏彦と多田克己が「ぬらりひょん」の名を分析し解説した記述によれば、「ぬらり」とは滑らかな様子・状態を表し、「ひょん(な)」は日葡辞書(ポルトガル語の日本語解説辞典)にも記載があり、思いがけない、奇妙だという意味である。


総合してぬらりひょんとは、「要領を得ない掴み所のない妖怪」である。頭の大きな隠居した老人姿で、口元に笑みを浮かべて全体的にきつい印象はないとされている。人々が忙しなくしているところにやって来ては勝手に家に上がりお茶などを飲む。姿は僧のようでもあり、商人のように振る舞う。人々が忙しなくしているものだから、人々はその正体を確かめようとはしない。本来何を目的として人前に現れるのかは、依然として不明である。


文献におけるぬらりひょん

妖怪画の『百鬼図巻』に残されている。同じく『画図百鬼夜行』に辻駕籠から降りて家屋に入ろうとするところも描かれている。乗り物から降りることを「ぬらりん」と言ったことから、名と動作をかけ合わせた図であると共に、「遊里通いの放蕩者」として描かれているという説もある。

『好色敗毒散』では、「その形ぬらりひょんとして、たとえばもないようなもの、******あれこそなれ」とあり、のっぺらぼうのような物の怪として当時の人々に理解されていたと推測されている。

座敷童のような神格や精霊にされた由縁は、作家の佐藤有文や山田野理夫の自著だった。また、民俗学者の藤沢衛彦が「根拠は定かではない」にも関わらず、怪物の親玉と自著で説明した(『地獄先生ぬ~べ~』では佐藤・山田・藤沢の説をイメージし、客人神として描かれている)。これらは村上健司、多田により、故なき創作であるとも指摘され、伝承は本来の意味から時に遠く離れ、人為的に捻じ曲げられつつあるとされる。

それらを概ね踏まえていた水木しげるは、『妖怪事典』等にて妖怪の総大将だが特に悪い妖怪ではないと記述した。そして以下の様に、『ゲゲゲの鬼太郎』で妖怪の纏め役としても登場させた。


ゲゲゲの鬼太郎』のぬらりひょん

ぬらりひょんの陰謀

原作とアニメの間に若干の設定の相違は存在するものの、多くの作品で「妖怪による人間支配」を目論む同作最大の敵として登場。卑怯で狡猾な手口で悪事を働き、鬼太郎と対立する。

アニメ版は、青野武氏が第3期と第5期の2シリーズで長期に担当したため、妖怪総大将としてのイメージでは青野氏の声が一番定着している感もある。

腰巾着として朱の盆を引き連れている事も多い。どこか間抜けなコメディータッチな面もある。

基本的に他者を利用するのが得意な悪参謀タイプ。強い妖怪を雇ったり騙したりして、あの手この手で鬼太郎達を倒そうと画策。

多彩な妖力の他、爆弾や仕込杖などの扱いにも長じる。4期101話の冒頭においては、原典の「人々が気づかないうちに民家に上がり込んでいる」能力を応用し、言霊使いの屋敷に入り口から侵入して誰にも気づかれずに一刻堂の部屋まで忍び込むといった芸当も披露した。

ぬらりひょんが創作において妖怪のボスとして扱われるようになったのはアニメ版鬼太郎の影響が大きいが、実は漫画版の「ゲゲゲの鬼太郎スポーツ狂時代」で墓の下高校校長として登場したのがボス妖怪として扱われた最初の事例だったりする。当初は妖怪の存在を世間に認知させるために墓の下高校野球部を高校野球に進出させようと尽力する好々爺的なキャラクターだったが、物語後半になって実は人間達と野球勝負して土地を奪い妖怪の国を打ち立てようと企てる邪悪な本性を現した。人間から魂を奪ったり、マリリン・モンロー柳田國男などの死人を蘇らせて配下として操るなど妖術に長けている。だが最後は人間側の味方についた鬼太郎に地獄流しにされた。


『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では、夜行さんよりも下の立場だったが、鬼太郎には原作およびアニメ第1期、3期の単独エピソード中の「先祖流し」によって二億年前に飛ばされ、そこから生き続けたこともあり、閻魔大王様とも張り合うほどのとんでもない力を身に付けた(参照)。巨大化や念力爆弾、たんたん坊ばりのタン攻撃、テレビからの出現アパラチャノモゲータトスイガータルポなどの能力も得た。アニメ第3期では「妖怪皇帝」(第4期では「妖怪王」に改称)を名乗り、異次元妖怪を率いて東京を混乱に陥れた。鬼太郎が左目を開けた回では、鬼太郎を「ぶりっこ妖怪」と呼び、幽霊族の悲運を伝え、鬼太郎に人間と戦うために共闘しようと持ちかけたこともある(参照)。


京極夏彦が脚本、キャラクターデザインを行ったアニメ第4期の第101話「言霊使いの罠」では、500年前に先祖と契約を交わしていたことから陰陽道いかるが流陰陽師である一刻堂に鬼太郎の抹殺を依頼した。妖怪を言霊で伝承の元になった事象に戻してしまう一刻堂には、最後にが正体であると言われてしまった。

※これより前のエピソード・妖怪王編で死亡する予定だったが、この回があったために生き延びることになったという。


実写版でも黒幕として登場しており、1985年に放映された月曜ドラマランド版ではボディコンの女性姿(演:夏樹陽子)という斜め上の人間態をとっていた。(正体は着ぐるみで表現され桑原たけしが声を担当)

1987年の悪魔くんとコラボしたビデオ作品『妖怪奇伝ゲゲゲの鬼太郎 魔笛エロイムエッサイム』では妖怪皇帝姿で汐路章が、2008年の『千年呪い歌』では妖怪の総大将として緒形拳が演じた。


部下一覧

蛇骨婆…ぬらりひょんの部下というより仲間。参謀役。初登場は原作からと実は以外に長い。

朱の盆…ご存知アニメから登場したぬらりひょんのレギュラー部下。まぬけでちょっとドジ。

夜行さん…鬼太郎の仲間だが、初登場の1980年代の「最新版」やアニメ第3作ではぬらりひょんの部下として登場した。

がしゃどくろ…アニメ第3作の映画や実写2作目で部下として登場。

再生妖怪軍団…ぬらりひょんが妖怪香炉を使って再生した妖怪。「最新版」とアニメ第3作に登場。

見上げ入道…アニメ第3作と4作、「最新版」に登場。

濡女…テレビと映画の実写に登場。

百々目鬼…アニメ5期での部下、人間に化けている時の名前はひとみ。元々は人間の少女だったが盗みを働いた天罰で妖怪になってしまい、ぬらりひょんの世話になっていた。ぬらりひょんの命令で人間の少女に成りすまして鬼太郎に接近して罠に嵌めるのだが……。

かまいたち…アニメ5期での部下。元々はフリーの殺し屋だったが、鬼太郎に負けた雪辱を晴らすためにぬらりひょんと行動を共にする。

旧鼠…アニメ5期での部下。全身にあらゆる毒や病原菌をため込んでおり、爪を突き立てて相手に毒を送り込むのが得意。

蟹坊主…アニメ5期での部下。巨漢で怪力の持ち主で、口から泡を吹いて相手を固める事もできる。旧鼠とコンビを組む事が多い。

本所七不思議…ぬらりひょんが鬼太郎を抹殺するために目玉おやじを人質に取り本所七不思議で待ち伏せした妖怪軍団。メンバーは、狸ばやし、送り提灯、雷獣、足洗い、板鬼、狐者異(こわい)、足洗い、おいてけ掘、草かまいたち。「最新版」とアニメ3作の最終回に登場。

逆柱…「最新版」とアニメ4作で部下になった。「最新版」では野衾を使って複製人間を作った。4作ではぬらりひょんに騙された。

ダイダラボッチ…アニメ3作と4作に登場。


その他の創作作品におけるぬらりひょん

妖怪ウォッチ

ぬらりひょん

当初はドケチングがその風貌から、ぬらりひょんが変化したものではないかと考える人もいたが、映画妖怪ウォッチの「エンマ大王と5つの物語だニャン!」および、「妖怪ウォッチバスターズ月兎組」から初めて登場する。詳細は→ぬらりひょん(妖怪ウォッチ)


ぬらりひょんの孫

総大将

主人公・奴良リクオの祖父で、関東妖怪総元締「奴良組」の初代組長。 いつの間にか家に上がりこむという性質は、他者の視覚認識に干渉する特殊能力としてアレンジされている。

詳細はぬらりひょん(ぬら孫)で説明。pixivでは総大将タグが使われることが多い。また、大半が若いころの美男子姿で描かれている。


GANTZ

センシティブな作品

大阪編のボスキャラクターとして登場。1体で100点という高得点が設定されており、それに見合う恐るべき戦闘能力を誇っている。

意識の外からの攻撃(つまり不意打ち)でないと決定打を与えられないという特性を持ち、何度倒しても(倒したように見えても)すぐに再生してパワーアップしてしまう。登場直後は一般的なぬらりひょんのイメージに沿う老人姿だったが、戦いの中で再生や変身を繰り返すうちに禍々しい怪物姿へと変貌していく。

目から放つ怪光線、触れることなく人体を破壊する念力、自分の体を自由自在に変形・増殖させる変身能力、GANTZハードスーツと互角に殴り合うパワーなどで大阪及び東京のGANTZチームを苦しめた。


忍者戦隊カクレンジャー

第1話「忍者でござる」に登場。400年前に妖怪忍者の頭領ヌラリヒョンとして暗躍していたが、先代カクレンジャーに封印されていた。頭部は遠目には妖怪画にあるような形に見えるが、大きな怪物の顔になっている。なお妖怪軍団の支配者として妖怪大魔王が登場したため、回想シーンにしか登場せずに本編のカクレンジャーとは交戦していない。


あやかし天馬

野球チームの監督として登場。物語の終盤に正体を明らかにする。


鬼灯の冷徹

ナマズのようなヒゲをはやした小柄な老人。異様なほど影が薄く、飲食店に入っても店員に気付かれない。本人は内気な性格で、「妖怪の総大将」として描かれているぬらりひょんに憧れている。


関連タグ

妖怪 海坊主 タコ クラゲ 伝承

民俗学


効率の良い検索を行うため、版権作品に登場するぬらりひょんには作品名タグの併用を推奨したい。

ゲゲゲの鬼太郎

ぬらりひょんの孫ぬらりひょん(ぬら孫)

GANTZ

妖怪のお医者さん

爆笑妖怪ぬらりにょん

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