逆柱(さかばしら)または逆さ柱(さかさばしら)は、日本の木造建築における俗信の一つで、木材を建物の柱にする際、木が本来生えていた方向と上下逆にして柱を立てることをいう。
逆柱がある家は、夜中になると家鳴りを起こし、火災などの不吉なことが起きるといわれ忌み嫌われていた。
創作での扱い
- 画図百鬼夜行
江戸時代に鳥山石燕によって描かれた妖怪画集で、逆さに建てられた木から精霊のようなものが出ている絵が掲載されている。
- 西鶴織留
井原西鶴による手記。京都六角堂の前の家にはこの逆柱があり、梁が崩れるような音が毎晩起こるので、住んでいた夫婦は引っ越してしまったという。また小田原の商家では、祝い事中に「首が苦しい」という声が聞こえてきたため調べると座敷の柱が逆柱だった。
- 水木しげる作品
妖怪画では石燕のものを元に描かれている。木の葉、もしくは柱自体が妖怪化するという解釈で『ゲゲゲの鬼太郎』に登場した。
CV 1期:北川国彦 3期:矢田耕司 4期:高木渉 5期:稲田徹
1期の44話「ゲタ合戦」で初登場。丸毛を操って泥棒をさせており、調査に訪れた鬼太郎の下駄を偽物とすり替え、それを履いた鬼太郎とねずみ男とくっつけて踊り狂わせた。目玉おやじに解放された本物の下駄に偽下駄は破壊され、実はそれこそが本体であったため倒された。
3期の52話「燃えるねずみ男 げた合戦」は、ねずみ男を騙して丸毛が入った招きネコの貯金箱を使って泥棒していたが、その動機は没落した自身が使われていた旧家の復興だった。偽下駄の被害者はねずみ男ではなく鬼太郎ファミリーに変更された。真相を知ったねずみ男によって本物のリモコン下駄を解放され、ねずみ男を人質にするが鬼太郎に懲らしめられた。
4期の第83話「ゲタ合戦!妖怪逆柱」では工事現場から発掘された逆柱からぬらりひょんが偽のリモコン下駄を作り、本物とすり替え鬼太郎の妖力を吸い取ってしまう(1期同様、ねずみ男とくっついてしまった)。ぬらりひょんに「鬼太郎を倒せば元の状態に戻してやる」という甘言に乗って鬼太郎とねずみ男を丸呑みにするが、騙されて鬼太郎ごと始末するべく燃やされた。騙されたと知ってもなお、鬼太郎とねずみ男を道連れにしようとしたが、猫娘の活躍で本物のリモコン下駄が解放され、鬼太郎とねずみ男は脱出し、ぬらりひょんは反撃を受けて退散した。逆柱は既に手遅れだったが鬼太郎に「お前が灰になったら故郷の森に返す」と言われ、故郷の森のことを想って焼け落ちた。その後、灰の近くで新芽となって生まれ変わり、約束通り鬼太郎によって故郷の森に連れて行ってもらった。
5期では15話「働く!目玉おやじ」に登場。1期、3期と同じく丸毛を使って盗みを働き、自身の使われた妖怪寺をすべて逆さになるように改築しようとした、最後は鬼太郎によって蝋燭の火で燃やされ、パニックになって暴れて普通の位置に戻ったことで妖力と悪意が消え去り、元の普通の柱に戻った。40話「大フィーバー!鬼太郎グッズ」で再登場、ねずみ男によって再び上下逆さにされて復活し、鬼太郎グッズの売り上げで再び寺の改築を目論む。しかし、商品を奪われて怒り心頭の小豆洗いとつるべ落としの体当たりを受けて再び普通の位置に戻り(ねずみ男は回転する逆柱にふっ飛ばされた)、「あれ?また私、何かやっちゃいました?」と言って普通の柱に戻った。
『最新版ゲゲゲの鬼太郎』では野衾軍団を操って人間を捕まえ、そっくりな偽物を創り出し混乱を引き起こす妖怪として登場した。砂かけ婆と子泣き爺は同時に吸い込まれ、砂かけ爺・子泣き婆という偽物が出てきて気味悪がられた。
鬼太郎たちは根切り虫を呼んで倒そうとしたが、実はやし落としのように地下の根のほうにある頭が本体だった。
16話「柱が動く?何だかヘンなツトム君」に妖怪軍団のサカサバシラとして登場した。樹齢三百年の樹木が木材にされ、上下逆さに建てると1ヶ月後に生まれる妖怪。ツトム君に八つ当たりで叩かれたことを根にもち、家族に呪いをかける。
「さか柱妖怪の巻」に登場。
関連イラスト
関連項目
日光東照宮:「完全なものは崩壊する」という迷信から魔除けとしてわざと逆柱にしてあり、妖怪との関連は無い
何でもひっくり返す程度の能力:この能力を有しているキャラ「鬼人正邪」は天邪鬼。