萌え

もえ

人や物、キャラクターに対して強く心惹かれたり、いとおしく思う気持ち。

概要

pixivではほとんど2.の意味で用いられる。

元々は漫画やアニメの特定のキャラクターに対する強い感情を表すスラングとして自然発生した言葉らしいが、1990年代から2000年代にかけて徐々に一般にも浸透した言葉である。

使う人によってその意味や規模・範囲が違うが、多くは「対象に対してたまらなくいとおしい」感情を抱くことを意味する。

「萌え」の単語の由来は諸説あるが（萌の記事参照）、遥か昔から「萌え」に相当する感情（萌え袖の記事参照）や、何かを愛しく思う感情を芽が萌え出る様子、何かを愛でる様子を芽に水をやる様子に例える表現はあったとされている。

萌え絵で描かれる「美少女」キャラに感じる感情を指すことが多いが、渋いオッサン、漢女な女の子、ブサかわいいペットなどに感じる萌えも存在している。

世界観萌え、雰囲気萌え、無機物萌えのように、キャラクター以外に使われることもある。

お年寄りに萌える感情を表す「枯れ」という単語もあるが、あまり人前では使わない（「萌えに僅かな枯れが混ざっている＝若々しい」というのが、よくあるお年寄り単体萌えの解釈である）。

萌える対象はなんでもありだが、「萌え」は女性的なもの・女性性を感じさせるもの、保護欲をそそられるものに使われることが圧倒的に多い。

例えば、女子供、小動物、平和そうな風景、ファンシー・メルヘンなデザインなどの、一般的に綺麗、繊細、かわいい、か弱いと形容されるものを連想されやすい。

自分が萌える萌えないに関係なく、多くの人が萌えがちなデザインそのものを「萌え」ということもある（前述の萌え絵もその定義でできたもので、大きい目、華やかなアクセサリー、メイド服や巫女服などの、多くの人が理想としがちなデザインが挙げられる）。

乙女系やBLのイケメンのキャラクターに感じる感情が「萌え」なのか「燃え」（格好いいものに憧れて、心がエネルギッシュに燃え上がる気持ち）なのかはよく議論され、前述の美少女キャラに感じる「燃え」もわずかながらに存在しているという。

女性性＝萌え、男性性＝燃えな理由は諸説あり、草食系と肉食系の関係である説、お洒落（花の香水）と運動（アミノ酸の燃焼）の関係である説、地母神（地球）と太陽神（宇宙）の関係である説、回復魔法と武器の関係である説、生命と科学の関係である説など、枚挙にいとまがない。

「萌え」は恋愛感情に似ているが、一般的に言う恋愛感情ではない（対象がお年頃の異性以外、人間以外、露出度の低いかわいい衣装に及んでいることも多い為）。

製作者が人工的に作り出した「萌え」と、自分自身が第六感で感じる「萌え」は別の定義であることが多い。

一般にもこの言葉が浸透し「萌え」という概念が「オタク」や「アキバ系」の代名詞となって行くにつれて、ネットスラングとしての「萌え」の利用は徐々に減少・敬遠されるようになり、2010年代後半以降はほぼ死語状態となっている。

現在のネット上では、「このイラストは萌える(動詞用法)」「萌え〜！(感嘆詞用法)」「メガネっ子萌え(ポジティブな意味での付加語)」などと利用することは少なくなりつつあり、逆に「萌え豚」など、(少なからず侮蔑的な意味合いを含む)ネガティブな意味での付加語として使われる事がほとんどになった。

死語化した理由については未だほとんど考察がされておらず、今後の議論が待たれるところである。

ネット上で「萌え」が、ルッキズム、エロス、児童ポルノ（特にロリコン）、動物虐待、あまり公にしてはいけない性的嗜好、精神的に成長しないガキっぽい人をそのままの状態で甘やかすこと、人の見た目だけをかわいがって中身を無視し、人形のように愛でることと混同されることが多いが、誤用。

「見た目が好きな上に、性格も好き」という一粒で二粒美味しい「萌え」も十分ありなのだ（創作分野のオリジナルキャラクター作成において有効。好きな性格は自分や友人知人がモデルであることが多いはず？）。

自分にとっての萌えが他人にとっての萎えであることも多いし、その逆も多いこともお忘れなきよう。