BATSUGUN
ばつぐん
DOWN WITH THEM!
2人同時プレイ 途中参加OK!!
概要
本作品は『究極タイガー』や『飛翔鮫』、『TATSUJIN』、(AYBABTUで有名な)『ゼロウイング』など、ゲームの歴史上燦然と輝くシューティングゲーム(以下「STG」と呼称)を世に送り出した東亜プラン最後のSTGであり、後の東方プロジェクトシリーズやCAVEのSTGなどの弾幕STGの祖として、STGの歴史にその名を残す。
「ゲーム必勝ガイド」という雑誌ではコミックも連載されており、一時は休刊の憂き目に遭うも、後に同人誌化された。
ストーリーや世界観はまったく異なるが、作風やコンセプト(他セルフパロディ等)を同社スタッフの『V・Ⅴ』(ブイ・ファイブ)から多く受け継いでいる。
ゲームシステム
レベルアップシステム
敵を倒す事で経験値(撃破後にポイントが表示される)が溜まり、ゲージがフルになると自機がレベルアップし、機体の形状が変化。
それに伴いショットがより強力かつハデになり、ミサイルやビット等のサブウェポンが装備されるようになる。
レベルは最高で3段階あり、レベル3の状態でゲージを溜めるとボムアイテムが出現する。
ボンバーシステム
きわめてオーソドックスな緊急回避と決めボム、どちらにも使用出来る無敵時間発生効果と弾消し効果を併せ持つ昨今のSTGではおなじみの有限武装である。
二人同時プレイ時に1P・2P同時に使用すると二倍の威力になるが、SPバージョン(後述)では一人プレイ時でも発動するようになっている。
稼ぎ関係
本作を語る上で外せないのがこれらの隠しボーナス。
ブタ砲台(仮称)ボーナス
一定の条件を満たす事で出現。ブタ砲台に近づく、また重なると、得点は60/1秒ごとに110点加算。
STAGE2
滑走路の横の管制塔を、レバー右上、右、右下方向に入れながら破壊
STAGE3
スクロールが遅くなる所で出てくる砲台がいくつか繋がっている中央のコアを、
レバー左下、下、右下方向に入れながら破壊
STAGE5
開始直後の左側の建物を、レバー左上、左、左下方向に入れながら破壊(このポイントでは2匹出現)
自機
TYPE-A:スカイミラージュ(大空の幻影)
隠密に開発された究極進化システムを搭載した戦闘機。
比較的操縦しやすく、広角マシンガンは前方全ての敵にダメージを与える。
進化システムが戦局においてどの様な進化を遂げるのか不明だが、自らの力で考え成長し、敵の強さに合わせて更に強力な進化を遂げる第6世代戦闘兵器を『神々の翼』と呼ぶ。
メガウェイショット
矢のようなショットを前方に連射。パワーアップとレベルアップを重ねるとショットが扇状に散り、ミサイルも同時に発射される。
TYPE-B:ドラゴンズウィスパー(竜の吐息)
この戦闘機もまた究極進化システム「神々の翼」を搭載している。
2枚の磁力放射版からエレクトリックサンダーを発生させ、3基のフラストフラッシャーで前方にエネルギー弾として発射する”サンダースパークレーザー”を装備し、集中的にダメージを与える。
サンダースパークレーザー
雷のようなレーザーを前方一直線に撃ち、ボタンを連打する事によって強力なスパークが同時に発射される。
パワーアップとレベルアップによっては、前方斜めへの攻撃と追尾弾の発射が可能となる。
TYPE-C:ジャッジメントフラッシャー(審判の閃光)
宇宙戦闘用に開発された究極進化システム『神々の翼』を搭載した戦闘機。
今回の作戦では1機でも多くの友軍機が必要だった為、成層圏内でも使用可能にし戦場に赴く事になった。
自由に変化するエネルギー弾を発射し、成長は遅いが最も強力な進化を遂げる人類の最終兵器である。
スプレッドウェーブ
ボタンを押したままでウェーブショットを連射し、連打すると分裂した拡散ショットを撃つ。
パワーアップとレベルアップによっては分裂したショットが広範囲に撃て、2機のビットからはサイドレーザーが発射される。
ShootingStar内のBATSUGUN・自機・登場キャラクターより転載
ストーリー
遠い宇宙の果て…
その宇宙のひとつのある惑星が存在していた。そして現在、同盟国内で予想も出来なかった革命が起きようとしていた。
政府に反抗するグレイドバラン革命軍は、ついにイプシロン計画を実行。革命軍はわずか9日間で政府の全基地を制圧した。目的のためなら手段を選ばない革命軍。
その魔の手によって、1千万もの罪なき命が失われてしまったのだ。
恐るべきグレイドバラン…しかし、政府軍にはもう立ち向かえる戦艦や戦闘機は1機たりとも残ってはいなかった。
「このまま殺られてしまうのだろうか…」
そう誰もが希望を失いかけていた時、政府に通信が届いた。偶然にもイプシロン計画の被害を受けていない海底秘密基地に無事最新の特殊戦闘機が残っているというのだ。
そこで政府は、残存部隊の中からスカルホーネット隊を選抜し、世界を救うべく任務を与えられた。
しかし、この通信はすでに革命軍によって盗聴されていたのだった…
海底秘密基地に向かったスカルホーネット隊。その後をグレイドバラン革命軍が追う。
今まさに世界の運命をかけた戦いが始まろうとしていた…
イプシロン計画とは…
増えすぎた人口と破壊された自然に危機感を覚えたレノセルバ=A・グレイドバランが全人類を宇宙に移民させるという壮大な計画。
しかし、政府はそんな計画に耳を傾けず、遂に業を煮やしたグレイドバランはクーデターを起こしてしまった。
ShootingStar内のBATSUGUNより転載
キャラクター
特殊戦闘機搭乗者(自機パイロット)たち
TYPE-A スカイミラージュ
ジーノ=リムルシュテット
オレにはむかうたァ100万年早いぜ!!
スカルホーネット隊隊長で、ダメなものは酒の下戸。
趣味は手段を問わず飛ぶ事であり(どうやって?)、暇さえあればいつでも空を飛んでいる特攻野郎。
激戦の末に瀕死の重傷を負うも、ドクターガブリエルの手によって人造人間として生まれ変わり、九死に一生を得て宇宙仕事人になるとエンディングで明言されているが、その後日談となる『アウトゾーン』の彼(プレイヤー)は燃費が非常に悪い事で知られており、縦シューティングゲームでは珍しく地形の影響を受けやすく、足場から転落したり、シャッターにはさまれる等、弱点が多い(が、ゲーム自体の難易度はぬるい)。
ファンの間では時に、そういう彼の改悪ぶりが語り草になり、『宇宙仕事人=ジーノの成れ果て』などとあんまりな事を言われる。
ジーノかわいそう。
ロム=シュナイダー
冒険とは男のロマン!! うむ!!
元政府軍兵士。
現在の職業は探検家で、『ジョジョの奇妙な冒険』第三部のジョセフ・ジョースターやインディ・ジョーンズ等にキャラクター造形やイメージを借りている。
海底基地をうろついていた所を警備中の兵士に捕縛され、「過去に飛行機(レシプロ機)のパイロットをしていた」というだけで、特殊戦闘機に無理やり乗せられるという今作品で一番とばっちりを受けたであろう部外者。
あんまりすぎる。
余談になるが、東亜プランの過去作、『飛翔鮫』の自機パイロットが年老いた姿であるといわれているが、これは公式設定ではなく、井上淳哉氏が東亜プラン倒産後に『ゲーム必勝ガイド』で連載したコミカライズ版での創作(リップサービス)である。事実、2017年に単行本化された際はその記述が改変されて、無かった事になっている。
EDではバツグンなミュージックを聴いているが、東亜節がよく響く楽曲だろうか。
ゲーパロ4コマグランプリにて『BATSUGUNが格闘ゲームだったら誰が一番強いのか?』というネタでは拳銃を使用する。
TYPE-B ドラゴンズウィスパー
ベルティアナ=ディバイン
弟の仇をとるまではへこたれてなんかいられないわ!!
壊滅した前スカルホーネット隊の生き残りであり、現役軍人。女だてらに気が強く負けん気も強い。
見た目とは裏腹にひねくれ者らしいが、ステージクリア時の掛け合いではそのような面はあまり見せていない。
実弟バージニア(愛称:バージ、ジーノの部下でもある)を元上官グレイドバランに殺されて以来、彼に復讐を誓う美女。
余談だが、髪飾りが某横STGの無敵オプションに見える。
仇敵であるレノセルバと対峙するEDでは、相打ちか、復讐を果たすか、あるいは弟の二の舞となるかでプレイヤーの解釈と彼女の未来が分かれる。
だがしかし、上記の重々しい過去、そして現役の職業軍人、その上成人(身体は美女、中身は子供なのか?)という責任ある立場でありながら、いたずらが趣味。
その上、好きな食べ物がヘルシーな美人丼…(因みに「美人丼」という名の料理は実際にあり、地域による内容の違いこそあれど低カロリーでヘルシーな健康食という点では共通している)
ゲーパロ4コマグランプリにて『BATSUGUNが格闘ゲームだったら誰が一番強いのか?』というネタでは空手を使用する。
アルティーノ=トリューデュ
あたしにたてつくと解体(バラ)しちゃうぞ!!
特殊戦闘機が格納され、出撃していく海底基地で整備員をしている女の子。おやっさん(本名不詳)という上司がいる。
ゲーム版では血生臭く、人の命が簡単に消されていく戦争であるというのにパイロットに憧れており、「スカッとする事が大好きだから」という理由だけで勝手に戦闘機に乗り込んでしまう。
恐らくアイスマン以上にストーリーの本筋との関係が薄いキャラだろう。
因みに、好きな動物:何でも好き、嫌いな動物:あえて人間(特に偉そうな奴)
とプロフィールには明記されているが…、
…………まさか。
漫画版では至極まともな方向に改めており、同僚たちを黒騎士たちに傷つけられ、自分はその餌食にならず逃げ延びたが、同僚たちに申し訳ないと思い復讐を決心する…というものになっている。
特技は、色んな物(主に機械類?)を分解(バラ)す事で、車の場合、30分でそれを完全に終わらせる事が出来るという。どうやら、整備士や機械技師、更に飛行機操縦(パイロット)技術など機械方面の才能はそこそこあるようだ。
作中、ドラゴンウィスパーの正規パイロット・ワイズメル大尉の代わりに、玄人裸足で戦火の空を駆け抜けた彼女であるが、実のところ戦闘機(+飛行機)パイロットより、その世話役を務めている整備士の方がマシン性能や操縦技術に詳しい。というのは、ザラにあるという…
ゲーパロ4コマグランプリにて『BATSUGUNが格闘ゲームだったら誰が一番強いのか?』というネタではスパナを投げて戦うらしい。
TYPE-C ジャッジメントフラッシャー
アイスマン(本名不詳)
狙った獲物は必ずしとめる オレを人は空のハンターと呼ぶ!!
今作最大の傑物。
生家は財閥だが、別荘での療養中に誘拐され、異国の島にあるジャングルに漂着するも無事に救出され、新大陸に渡っての生活の後海軍に入るがわびしさに耐え切れず、一流ビジネスマンに転職。そこでようやく成功を収めるが最終的に傭兵業の道を歩む、という波が荒すぎる生い立ち。
……が、その割には上記の波乱に満ちた過去を決して匂わせない、陽気でハジけすぎな性格の持ち主であり(と同時に、自らを「氷のように冷酷な男」と評するくらいの厨二っ気も併せ持つ)、好きな色が漆黒、趣味が火遊び、子供舌かつ根っからの甘党、そのくせゲーム中のストーリーやドラマには9割方無関係。
挙句の果てにEDではおふざけが過ぎるギミックを披露…という非常に濃い諸々の設定から、その要素は十分伺えるだろう…。
なお、セガサターン版では上記の波乱万丈かつ荒唐無稽な生い立ちが(説明書に載せきれない為か)変更されて、パイロットに志願した傭兵という設定になっている。
他のキャラクター同様ゲーパロ4コマグランプリにも登場…というか、実はゲームよりも前にこの『究極タイガー』の4コマネタがデビューで、それが内輪で大受けした為、後述のワイズメル中尉からパイロットの座を奪って『BATSUGUN』のプレイヤーキャラに昇格した事実がある。他にも
『BATSUGUNが格闘ゲームだったら誰が一番強いのか?』というネタでは「ジャングルと海軍で鍛えたこの肉体が」と言い放ち、パンツ一丁姿を披露する。
某織田さんに雰囲気やデザインが似ている。
オリシス=R・グレイドバラン
父はまちがっている!私が父の野望を阻止せねば・・・
一見すると女性のようだが、れっきとした二十歳の男性である。ナルシストかつ薔薇が大好きな、割と高貴な王子様。
『オシリス』ではなく『オリシス』である事に注意。
グレイドバランの苗字とミドルネーム(のイニシャル)持ちという点で分かると思うが、ラスボスのレノセルバ=A・グレイドバランとは血縁関係にあり、ナルシスと言う名の実兄がいるが、影が薄い(これも某傭兵の所為)。
父の強権的なやり方に疑問を抱き、革命軍から離反して政府軍に着くが、EDでは父の後を継ぎ、グレイドバラン8世となる。
その時に発した王位継承宣言を聞いた革命軍の兵士は「とほほ…」と発言している。
先述の通り、彼は革命軍に反旗を翻した末に父と兄を倒して最終的に自ら王の座に就いている事から「BATSUGUNの根幹主題=グレイドバラン家の王位継承権争奪戦争」と見る向きもある。
だが、アクの強い上記のメンバーの所為で…
ゲーパロ4コマグランプリにて『BATSUGUNが格闘ゲームだったら誰が一番強いのか?』というネタでは剣を使用する。因みに実兄ナルシスはピストル(拳銃)使いだという。
周辺人物
敵側を含む
バージ
本名バージアナ=ディバイン。
ジーノの部下であり、ベルティアナの実弟。階級は軍曹。
ゲーム中ではベルティアナの台詞によりにわかに存在が確認出来る程度であるが、漫画版では本人が登場している。
作中第一話でレノセルバ=A=グレイドバランによって斬殺される。
エリアス
漫画版のみ登場。
本名はエリアス=D=レイザー。ジーノの部下であり、ベルティアナの弟であるバージの同僚。
階級は軍曹。ジーノの事を「ジーノさん」と呼び全く敬語を使わない。
ナルシスの銃撃で負傷し、海底基地の病室にて治療を受けていたが、突如海底基地に乱入した黒騎士に対抗するためナイフを持って襲い掛かる。
が、再び銃撃により反撃を受け、瀕死状態になるなど、若干計画性のない(どちらかというと無計画な)人物である。
だが、決死の覚悟で特殊戦闘機6機の発進レバーを動かし、ジーノ達を発進させた功労者でもある。
後にアルティーノの同僚クリスに助けられ、それがきっかけで彼女と「良い仲」になったらしい。
クリス
漫画版のみ登場。
アルティーノの同僚達の一人。アルティーノと同じ服装だが、こちらは長ズボンである。
黒騎士に襲撃された時、アルティーノに逃げるように叫び、彼女を逃すのを成功させた。
後に瀕死状態となっていたエリアスを看護する。
ワイズメル中尉
アルティーノが搭乗した緑のドラゴンズウィスパーに本来搭乗する予定だった正規パイロットで、ジーノ達やアイスマンを海底基地に呼び寄せた。
海底基地に突如乱入した黒騎士達との銃撃戦により、戦闘機のコクピットに移動する事が出来ず、何の因果か宿命かドラゴンズウィスパーに搭乗出来なかった残念な人。
ゲーム版でもプレイヤーキャラとして上記とは異なり、ジャッジメントフラッシャーに登場する予定だったが、諸事情(理由の一部はアイスマンの項を参照)で没キャラとなってしまった。漫画版では本人が登場している。
おやっさん
海底基地整備士であるアルティーノ達の上司。本名は不明。
漫画版では黒騎士の襲撃により負傷(生存不明)。
だが、ゲーム版ではアルティーノのエンディングに登場し、海底基地の一整備士でありながら、本来のパイロットを差し置いて正規パイロットとして活躍してしまった彼女を叱咤する。
レノセルバ=A・グレイドバラン
今作のラスボスであり、反乱と戦争の元凶。オリシスとナルシスの実父。
人類と惑星の諸問題にいつまでも手をこまねいている政府に業を煮やし、反乱(クーデター)を起こす。
外見や性格は『ワールドヒーローズ』のゼウスや『北斗の拳』に登場するラオウやファルコに限りなく近い。
一家全体の立場や思惑から察するに、王位を世襲制のセオリー通りに、(嫡男と思わしき)ナルシスに継がせるつもりでいたようだ。
ゲームではベルティアナのエンディングで姿を現し、彼女と対峙する。
ナルシス=J・グレイドバラン
漫画版のみの登場。
刈り込んだ髪と大柄な体格、それに不釣合いな瓔珞と正装でその身を飾る高貴な身分の青年。
レノセルバの息子であり、オリシスの実兄、グレイドバラン家の嫡男(と思われる)。
2面BOSS摩是羅(マゼラ:ゲーム中は『MADZELLA』表記)に搭乗する。
ナルシスの名はギリシャ神話に登場する美少年(もしくは水仙)が由来だが、それを受けてか本人はかなりの美形(イケメン)である。
因みに、オリシスは摩是羅の搭乗者が実の兄ナルシスだとは知らなかったらしく、クリア後の台詞でもそれを伺わせるような発言は一切していない。
黒騎士
漫画版にのみ登場。グレイドバラン軍幹部の一人。
名前からして黒色の鎧とマントに身を包んでいるが、仮面と髪型の所為で、某赤い彗星の人を連想させる外見をしている。
海底基地に乱入し、6機の特殊戦闘機の設計図を奪取、ジーノ達を基地に閉じ込め巨大潜水艦ディープパープル(ゲームの1面BOSS)の魚雷攻撃で基地を破壊しようとした。
だが、エリアスにハッチを開けられ、作戦は失敗に終わる。
また、アイスマンとは過去に面識があるらしい。
東亜プラン過去作品との繋がり
前述の項で挙げた通り、ジーノ=リムルシュテットは後の『アウトゾーン』の主人公という設定であり、パイロットから宇宙仕事人に転職している事が彼自身のEDで明らかになる。
また、コミカライズ版のロム=シュナイダーの発言で、『BATSUGUN』は『飛翔鮫』の未来の設定と思われがちであるが、先述の通り、公式ではその記述は存在せず、単行本化の際でも修正されている。
更に、アイスマンも本作よりも前に上記の通り『究極タイガー』の4コマ漫画に登場しており、(戦車に乗っているモブ役だが…)
彼の台詞にも「ショータイム!」、「見せてやろう、最高のショータイムを!」といった『V・Ⅴ』のセルフパロディが随所に見受けられる。
音楽
坂本義達氏が担当。初期~中期作品によく見られた独特の作風で知られる東亜節は東亜プラン内のプログラマー兼コンポーザーによるものだったが、『大旋風』以降、音楽専門スタッフやその中の一人である彼には、サウンド専属として勤めてもらうようにしていたという。
後に坂本氏は東亜プラン倒産後にガゼルへ移籍し、『アクウギャレット』の作曲を担当。
SPバージョン
ゲームの仕様を一部変更したバージョン。
当初はロケテスト及びAOUショー限定だったが、東亜プラン倒産後に一般流通している。
基本的な部分はノーマルバージョンと同じだが、下記の内容が異なっている。
漫画版
1993年~1995年に『ゲーム必勝ガイド』(白夜書房)にて連載されていた、井上淳哉自ら描いたコミカライズ作品。後に同人誌にて加筆分が頒布されたが、STAGE3の途中で未完となっていた。
それに加えて長らく絶版が続いており、ファンの間では幻の作品とされていたが、2017年に徳間書店よりさらなる加筆分を加えた書籍が発行され、手軽に読めるようになった。⇒Amazonへのリンク
漫画単品としても完成度は高く、井上淳哉の手による迫力ある戦闘機バトルはファンなら必見である。
また、ゲームには無いオリジナル要素も盛り込まれており、人型機動兵器のパンツァードール(装甲人形)は後の『三極ジャスティス』などを彷彿とさせる。
更には本作や東亜ファンならニヤリとできる小ネタも随所に散りばめられている。
その後…
『BATSUGUN』リリース後の翌年、ファンに惜しまれつつも東亜プランは倒産。
スタッフは新たにCAVEやガゼル、タクミコーポレーションといったゲーム開発会社を設立したり、タイトー等の既存のゲーム開発会社等に散っていった。
その中でも東亜プランの血筋を色濃く残しているのがCAVEであり、弾幕シューティングの先駆け作品である『首領蜂』シリーズと『BATSUGUN』のスタッフはほぼ同じメンバーであるため、『BATSUGUN』から最新作『怒首領蜂最大往生』まで一貫して使われ続けているホーネット(スズメバチ)の意匠をはじめ、グラフィックやゲームシステム等は非常に似通っており、『怒首領蜂』シリーズで採用された高速移動時のショットは『BATSUGUN』の派手な広範囲ショットを、低速移動時の攻撃・前方集中レーザーは、ドラゴンズウィスパーの攻撃をより洗練させたものであろう事が想像出来る。
IKD氏は本作と『首領蜂』のプロデューサーを務めているが、氏はその手腕と技能を生かして、その後も多くの名作STGと数々の伝説や逸話を創り上げた。
同じく、ジュンヤーこと井上淳哉氏はガゼル解散後にCAVEへと移籍し、同社がリリースしたSTGの製作やキャラクターデザイン等を手がけるが、現在はCAVEでのデザイナー職を離れ、漫画家として独立し活動中。
氏の描いた漫画のキャラクターデザインには、同作品を含む多くのセルフパロディが見受けられる。
弾幕シューティングは『バトルガレッガ』、『沙羅曼蛇』(高次面)等の名作がそのルーツであると言われているが、本作品と『V・Ⅴ』も例外ではないと言えるだろう。
東亜プランの残した遺産は実に金塊の山にも匹敵する価値がある。
しかしその反面、光り輝く価値がある故に多くのマイナス面やネガティブな現象をも生じさせる。そう、すべては陰と陽。
留まる所を知らないSTGの高難易度化、弾幕STGに迎合した敵弾の高密度化に加えて『撃つ』よりも『避ける』事へとシフトしていく『シューティングゲーム』の名とは相反するゲーム内容、STG全体の歴史と諸作品の風化、旧態前としたゲームシステムの廃止、ゲーマー層の軽薄(オルテガの言う『大衆的ライト層の台頭』)化、ゲーム性やゲームで完結する遊びそのものよりもキャラクターとストーリー性ありきなキャラゲー化…STGの世界にも原点回帰(ルネサンス)とリバイバル(復活)が必要だろう。
…あれから20年もの月日が流れ、この『BATSUGUN』もSPバージョンの一般流通化やセガサターンへの移植、漫画版の同人誌化…更に正式に単行本化、再サントラ化を経て現在に至る。
さて、現行機での移植or配信はいつになるのだろうか…
―私はキミを永遠の友と呼ぶだろう。