概要
本作における主要人物の集う悪の秘密結社。シンボルマークは五角形と「A」の文字、そして大木を組み合わせたもの。
オフィスビルの地下に本社を構えている。
地球征服を目的とする点は他の悪の秘密結社と同じだが、予算不足(と変なボス)に悩まされており、なかなか結果を出せないでいる。
また、アニメでは、他の悪の秘密結社の情報を仕入れている様子が描かれている。
しかしながら、単なる悪の組織というわけではなく、経営方針はホワイト寄り。有給もあるし、特別手当も出る。地下本部には「焦らずゆっくり 世界征服」のスローガンが掲げられている。
失敗した部下を処刑する事もなく、反省文と今後の改善案に関する書類の提出に留め、戦闘用だけではない多様性の実現に尽力している。
しかも悪の組織なのに一般人へのテロ行為を固く禁じている(殴る事すらも禁止されている)。それどころか幹部や所属してる怪人の言動を見る限り保護対象として認識している節すらあり、休暇先で騒ぎやトラブルになるのを極力避けている。 剣神ブレイダーからも「本気で悪事をやる気があるのか」と疑問を持たれている(というより、剣神ブレイダーや全国のローカルヒーロー達は兎も角、ピリアマギアや獣勇士といった鬼畜ヒーローのせいで、アガスティアの方がまともに見える始末である)。
あくまで狙いは一般人の拠り所であるヒーロー・ヒロインのみという事なのだろう。実際、悪の秘密結社はヒーローであれば子供相手でも戦うと明言している(その一方で、その子供を潜入捜査に向かわせるヒーロー側を「まともではない」と断じている)。
怪人のモチーフは諸国の伝承・神話上の怪物で統一されている(メルティのような例外はあるが)。一般人に危害を加えない信条なので人間を改造するのではなく、1から怪人を作り出している。ボディを作成している間、怪人の意識には電子頭脳によるVR訓練を行わせている。
劇中では弱小企業のように描かれているが、実際の所メインターゲットである剣神ブレイダーがやたらと強すぎるだけであり、実際個々の怪人の性能等はずっと大きな予算の下に作られたブラックロアの怪人を上回っている。
恐らく、予算不足なりに工夫を凝らしているのだろう。
また、悪の組織でありながらフロント企業や系列会社を抱えており、ゲームアプリや女性用の化粧品等を開発・販売している(しかも、幹部のメギストスが直々に体験し、問題点がないか確認している)。更には遊園地まで経営しており、怪人達がスタッフとして働いている(怪人と認識した途端、問答無用で襲ってくるヒーローもいるので、きぐるみのフリをして怪人反応を出さないようにしている)。
ただし、自称ライバルであるブラックロアも表向きは会社を運営している他、正義運営協会などヒーロー・ヒロイン側の組織も商業展開に関する描写が存在していたので、この世界では不思議なことではないようだ。
未成年っぽい見た目の怪人がいるものの、アガスティアの怪人はアルコールに酔わない体質に作られているので、飲酒ができる(場の雰囲気に酔う事はある)。
関連人物
怪人開発部
秘密結社アガスティアの一員で怪人開発部に勤める主人公。
上司の無茶ぶりに振り回されながらも健気に働く社会人。
燈香のお手伝いをしている狼怪人。
本来狼男になるはずが首領アカシックの気まぐれで狼娘になってしまった、ある意味気の毒な怪人。
黒井津の上司で怪人開発部の主任。
マッドサイエンティストらしくたいていはARゴーグルを目のあたりに装着しているが、実はそれを外したらなかなかのルックスの持ち主だったりする。
仕事はできるが結果を出せない残念なイケメン。
実は、とある人物と兄弟関係にあるが、互いに敵対関係にある事に気付いていない。というより、弟には大手の研究機関に就職していると伝えている。
首領
秘密結社アガスティアの首領。
参謀
秘密結社アガスティアの絶対零度参謀。
部下の面倒見はいいがボスの無茶振りに悩まされている。
大幹部
万能細胞型大幹部。究極万能細胞なるものを体に仕込んである吸血鬼の女性。
体を蝙蝠やムカデなどに変えて相手を攻撃する。吸血鬼怪人だが日光の下を平気で出歩くことができる(それどころか真夏のビーチを水着姿で歩き回れる)。
経済概念がものすごくしっかりしているドルヲタ。万能細胞を騙し取られた経験から黒井津の事が苦手だが、開発部とはフランクに接している。
飲み会では無礼講と言いつつ、場酔いして泣き上戸になるタイプ。厳しい言葉も部下を思っての発言であり、自分の発言で部下から避けられている事を気にする程。
同じ女性怪人幹部のアラクネとは仲がいい。
近接戦闘型大幹部。ウルフ・ベートと同類の怪人だが、こちらは真っ当な狼男。
執事服を着こなし、鼻眼鏡をかけたダンディなオヤジ(だが頭部は誰がどう見ても狼)。
同じく近接戦闘に特化したジャガーからはライバル視されている。ジャガーと卓球しながら暗殺者の攻撃を躱し、高速の鉄拳で返り討ちにするほどの実力を持っている。
カノン同様、悪の組織の大幹部とは思えない爽やかな武人キャラであり、そのことをジャガーにツッコまれている。更に仲間思いであり、幹部同士で連携できたらいいと望んでいる。ヒーローが巨大ロボを持ち出してきた際、すぐに一般人の避難誘導をしようとした。
ウォーリア・オブ・ジャガー(CV:置鮎龍太郎)
強襲型大幹部。埼玉県内のどこかにある(らしい)ジャガーベースという秘密基地の管理を任されている、ジャガー型の怪人。
武闘派故か考えなしで行動してしまう、こんな人に大幹部任せて大丈夫?と言いたくなる性格の持ち主。自分が一番でないと気が済まないタイプ。
ただし、フェンリルの悪の組織の大幹部らしくない性格にツッコんだり、黒井津に発言がコンプライアンス違反だと責められると謝るなど、良識的な部分は持ち合わせている。また、手合わせした事もあり、黒井津の腕っぷしを評価している。
フェンリルと卓球勝負に熱中しても、後ろから投げられた手裏剣を後手で受け止めて投げ返すなど、大幹部に相応しい実力を持っている。
飲み会では無礼講と言いつつ、無礼なのは自分だけのタイプ。
科学顧問型大幹部。フランクな話し方をする仮面の青年怪人。アラクネ曰く『科学系陽キャ』。
認識阻害の能力を持ち、ひとたび姿を消せば長くて1週間は干渉すらできない。または不具合で記憶を失うというデメリットを持つ。
拠点防衛型大幹部。拠点防衛用の怪人。
大幹部も参加する社員旅行を企画されても、拠点を留守にはできないからと留守番を買って出るほどの神経質な仕事人間。
海戦型大幹部。頭足類に近い形をしている怪人だが、頭足類独特の足の他に人間の足の形をした足が2脚生えており、地面に立つ時はそれを使う。
小笠原沖にある海底監視所を任されている。
不気味な見た目とは裏腹に、実は海底監視所の訪問客に対しわざわざアンケートをとる(しかも項目がかなり細かい)ほどのビビり。そのため、社員旅行にも参加しなかった。
飲み会では無礼講と言って流すが、翌日には目が笑っていないタイプ。
地調査型大幹部。極地調査用の怪人。
怪人企画会議での怪人態の他、社員旅行で見せたマスコットキャラクターのような見た目の姿を持つ。
マスコット形態は、その可愛らしい見た目故に女子供に人気だが、本人は辟易している(黒井津にも愛玩動物扱いされている)。
モチーフに違わず、高熱や炎に強い。
蜘蛛の糸を操り、相手を拘束する事ができる。
自作フィールドに全自動農場を作ったり、某テーマパークを再現して暮らしている。自作フィールド内で力を発揮するタイプであるため、フィールド外では運動音痴。
初登場では長髪だったが、海水浴で久々に外を出る際には散髪して髪が短くなっており、カミュラから「意外に乙女だな」と言われている。
下記のスキュラに執着された経験があり、ウルフに忠告した。カミュラと仲がいい。
ロングレンジ・アンクル(CV:三木眞一郎)
戦略諜報型大幹部。見た目はなかなか厳ついが、性格は何ともつかみ所がない怪人。
触れた相手の筋肉を操り、動けなくする他、的確にマッサージする事ができる。
資産運用が得意だがおネェちゃんに目がない。とはいえ、態度はとても紳士的であり、セクハラに怒った女性からの制裁も甘んじて受け入れている。
社員旅行でアガスティア抹殺を企むヒーローの存在を察知し、幹部たちに連絡を回していた。
黒獣変化型大幹部。妖艶な少女の姿をした怪人。気分屋な性格。
下半身から黒い狼の姿をした複数の獣を出現させ、相手に襲いかからせる。
ウルフ・ベートのコンセプトに関わっており、そのためかウルフを妹のように溺愛……もとい執着している。
男をケダモノと呼んで嫌っているが、ウルフが元男性であることを知らず、ウルフも彼女の前では元男性だと知られないようにしている。
凍結戦型大幹部。凍結能力を持つ怪人。
戦略物資を管理しており、その名目で食べ歩きが趣味。
密偵型大幹部。隠密のような姿と喋り方をする怪人。
忍者や隠密に強いこだわりを持っており、自分のスペックを公開する事に疑問を抱く秘匿主義。
その一方で、アンクルにお手性の兵糧丸を酷評されたのを気にして改良に勤しむなど、かなり粘着質な凝り性。
中の人は忍者モチーフの光の巨人を演じた事がある。
呪竜型大幹部。巨大なドラゴンの姿をした怪人。
呪物や危険な代物を保管する任務のため、人里離れた山奥に隠れ住んでいる。
中古とはいえヒーローが所有する巨大ロボットを、口から吐く呪竜光線で瞬殺するほどの力を持っている。
厳つい見た目に反して、社員旅行に行きたがるなどかわいい一面を持っている(巨体のせいで、動くと運用費用がかかる)。
その他 / 怪人
戦闘員
第2話やコミック2巻の表紙などに登場する、アガスティアの戦闘員。赤い葉っぱ(アガスティアの葉がモチーフと思われる)のようなデザインの仮面をつけている。
劇中では剣神ブレイダーと怪人の一騎打ちであるため戦闘描写は無いが、戦闘不能になった怪人を本部まで護送するのがほとんどである。
中身は人間であり、メギストス直々の面接で、戦闘員を募集している。
カノン・サンダーバード(CV:土岐隼一)
紆余曲折の末生み出された、巨大なヒヨコ型の怪鳥。
見た目によらず長距離攻撃と超火力攻撃を得意とする一方、性格はなかなか善良。
背中に4頭の水蛇(CV:松田姉妹)を仕込んでいる少女型怪人。
クラーケン並み(或いはそれ以上)の怖がり。
チョコレート型怪人。
バレンタインデーには強大な力を発揮するとのことだが、完成直後に致命的な問題が判明してしまい……。
原作では今の所一度きりの登場だが、アニメでは飲み会に参加しているなど出番が増えている。
磁力鉱石怪人。カミュラの直属の部下。
磁力を操る能力を持ち、剣神ブレイダーのバスターブレイドを封じるという快挙を成し遂げた。……成し遂げたのだが。
後に、アイドルになったマミーのマネージャーとなる。
ネスオ
第1話の怪人企画会議にて話題にされたネッシー怪人。
見た目がネッシーのきぐるみを着たおっさんというなんとも言えないデザインであり、その実、佐田巻始が企画提出期限ギリギリの10分ででっち上げた産物である。武器のネッシーブレードも、不採用された怪人の武器を使いまわしただけである。
当然、幹部には不評の嵐(アカシックだけ好評)であり、メギストスからも「具体的な数値が提出されていない以上、なんとでも言える」、「(ネッシーブレードが)ネッシーと関連があるものかね?」(アニメでは「剣が武器なのは剣神ブレイダーと被っている」とも指摘されている)、「そもそも女性型にして「ネスコ」とでもしたほうがネス湖との関連性も出せたのでは?」という至極ごもっともな指摘を受ける。
それでも黒井津のでっち上げで幹部達から関心を得たが、メギストスに「提出されている怪人の予算ではとても実現が可能とは言えまい」「企画書に書いていない苦し紛れの仕様を通す訳にもいかない」とバッサリ論破され、不採用となった。
しかし、この黒井津の出任せが、後述のバンダースナッチのコンセプトとして実現された。
ちなみにその後、黒井津がネスコに扮してブレイダーと戦う羽目になったが、結構善戦できたらしい。
サハギン
タツノオトシゴ型の水棲怪人。
アガスティアが経営する遊園地のアトラクションのスタッフを勤めている。
メンタルが弱く、トラブルが起こるたびに胃痛を感じ、胆石だけでなくストレス性の胃潰瘍を患っている。
バンダースナッチ
剣神ブレイダーとの戦闘データと、アガスティア怪人過去最大の予算を元に作り出した、対ブレイダーに特化した怪人。コンセプトは第1話での黒井津の出任せを実現したもの。
鈍重な岩獣形態(アニメ版は岩でできた卵に手足をつけたデザイン)を倒した相手に対応して、第二形態に変身する。大剣が武器のブレイダーが相手なので、スピードに優れた4足獣の姿となり、以降はその姿で登場している。
その実力は本物で、ブレイダーの必殺技が通用せず彼を追い詰めるが……。
人間の言葉で喋れないが、黒井津達から愛玩犬のように可愛がられている。
マミー
黒髪のおさげに、全身包帯姿のオッドアイな少女怪人。
刃が通らないほど頑丈な体と、体内に無数の武器を隠し持つ、対ブレイダーに特化した怪人第二弾。通常形態はおろか、マスターブレイダーにも互角に渡り合えるほどの実力を持つ。その代わり声帯がないので、サイン色紙による筆談でコミュニケーションを取る。
その一方で、アイドルに憧れ、アイドルになりたいという願望を持っており、その夢を叶えさせるために黒井津たちが奮闘することになった。
打倒ブレイダーに特化して作られた反面、本人は戦いをつまらないと感じている。一方で、自分のわがままに付き合ってくれた黒井津達に感謝したり、喋れないからウルフの声で代用する案を持ちかけられた際に「それはお客さんを騙す事になるから」と拒否したり、意図せず相手を傷つけてしまい泣き出してしまうなど、善良な性格。また、倒れそうになってもダンスの練習を続けようとするほどの努力家でもある。
ウルフを「ウルフお兄さま」と呼び慕っている。また、バンダースナッチとも仲が良く、よく一緒にいる。
バンシー
ゴスロリ衣装の女性怪人。マミーとは逆に、戦闘能力はないが、様々な波長の音を放つ。そのため、喋れないバンダースナッチと会話できる。
基本的に癒やし系ボイスで礼儀正しい口調だが、業務の範囲内で頑張り、早期リタイアしてボーナスを得て働かなくてもいい生活を望むなど、自分の欲望に正直な性格。どんな状況であれ自分のことを優先し、残業や休日出勤はしたくない主義と語っており、ある意味融通が効かないタイプ。
殺人音波でブレイダーを倒すことを想定されており、あと一歩まで追い詰めたものの、退社時間が来たため帰ってしまった。
ナイトメア
褐色肌で馬耳を生やした少年型の怪人。他人の過去の記憶に入り込み、直接攻撃ができる記憶潜航怪人。かなりフランクな性格。
黒井津がブラックロアの峰円小春との飲み会という名の腹の探り合いから得た精神介入の技術を元に作られた。
ナイトメアの語源である「夜の馬(正確には夜の雌馬)」の通り、馬の姿をした全力態を持ち、剣神ブレイダーの記憶に潜り込んで倒そうとする……が、ブレイダーの鎧には精神耐性があったため、リソースが削られて仔馬形態に弱体化。ブレイダーの記憶の中を走り回って何とか人型まで戻るが、その間に忘れていた自分の過去を思い出したブレイダーに八つ当たり同然に倒された。
ウルフを「姐さん」「兄姐(にーねー)さん」と呼んでいる。
ケセラン・パサラン
第24話の最後のコマに登場した、自己増殖怪人。
コミックでのおまけページによると、小型化と機能のシンプル化が実現し、周囲の成分から分身態を生成する。
ただし、分身の生成に時間がかかるという弱点を持つ。
蓄電能力から、非常用の電源装置の効果を期待されている。
アルプ
諜報部からの依頼で開発された怪人の試作態。カビのような不定型の体を持つ半機械怪人。
内部監査やスパイ活動などのステルス性に特化しており、PCに接続することで記録した映像を見ることができる。
別の班から怪人開発部に引き継ぎされたが、引き継ぎミスで脱走してしまい、捕獲のためにウルフが奮闘する羽目になった。
その他 / 人間
二階堂貴臣(CV:岩澤俊樹)
戦略推進部プロジェクトリーダー。メガネを付けた堅物の人物。
カノン・サンダーバード開発におけるプロジェクトリーダーを務めた。以前から怪人開発部の体たらくには我慢の限界が来ていたらしい。
風祭真矢(CV:新祐樹)
デザイン部所属。クリエイター気質で美しさを何より優先するオネエ口調の人物。
佐々木芽衣(CV:上田瞳)
システム制御部長。ボブカットが特徴的。安全を何より重視する性格。
久我逹徳(CV:佳月大人)
直営工場の工場長。
怪人が現実的に作れるかどうかを重視する人物。無茶振りしつつも自分たちに寄り添う黒井津には割と悪くない印象を抱いている。
余談
登場キャラの担当声優の多くが特撮番組への出演経験がある。怪人開発部の黒井津さん×ヒーローを参照。
関連タグ
ヤバイ仮面:アニメ版第2話Aパートで、アガスティアの取引先として登場。彼が社長を務める会社も悪の秘密結社なので、同業者である。
フロシャイム:悪の組織なのだが、ホワイト寄りな組織繋がり。しかも、ご近所付き合いを大事にしているのでヒーローより一般市民に慕われている。
秘密結社鷹の爪:こちらも悪の組織だがアットホームな秘密結社。そして、予算不足に悩まされていると同時に人や環境に危害を加えることを禁止している。
尚、上述の組織同様ヒーローより一般市民に慕われている(というか本作のヒーローが余りにも評判が良くないだけなのだが)。
GOD機関 / バンドーラ一味 / 地底冥府インフェルシア:怪人モチーフが神話の怪物や神で構成された悪の組織繋がり。特に真ん中はアットホームな関係である事も共通。