概要
本作における主要人物の集う悪の秘密結社。シンボルマークは五角形と「A」の文字、そして大木を組み合わせたもの。
征服方針は「限りあるリソースは力あるものが手にし最大限有効に活用する」とのこと。
オフィスビルの地下に本社を構えている。
地球征服を目的とする点は他の悪の秘密結社と同じだが、予算不足(と変なボス)に悩まされており、なかなか結果を出せないでいる。
また、アニメでは、他の悪の秘密結社の情報を仕入れている様子が描かれている。
しかしながら、単なる悪の組織というわけではなく、経営方針はホワイト寄り。有給もあるし、特別手当も出る。地下本部には「焦らずゆっくり 世界征服」のスローガンが掲げられている(企業実態を見た他の組織の怪人が嫉妬で怒り狂い、その後一斉にアガスティアに転職しようとしたほど)。
失敗した部下を処刑する事もなく、反省文と今後の改善案に関する書類の提出に留め、戦闘用だけではない多様性の実現に尽力している。
しかも悪の組織なのに一般人へのテロ行為を固く禁じている(殴る事すらも禁止されている)。それどころか幹部や所属してる怪人の言動を見る限り保護対象として認識している節すらあり、休暇先で騒ぎやトラブルになるのを極力避けている。 剣神ブレイダーからも「本気で悪事をやる気があるのか」と疑問を持たれている(というより、ブレイダーや全国のローカルヒーロー達は兎も角、ピリアマギアや獣勇士といった鬼畜ヒーローのせいで、アガスティアの方がまともに見える始末である)。
あくまで狙いは一般人の拠り所であるヒーロー・ヒロインのみという事なのだろう。実際、悪の秘密結社はヒーローであれば子供相手でも戦うと明言している(その一方で、その子供を潜入捜査に向かわせるヒーロー側を「まともではない」と断じている)。
怪人のモチーフは諸国の伝承・神話上の怪物で統一されている(メルティのような例外や児童文学、都市伝説も含んでいる)。一般人に危害を加えない信条なので人間を改造するのではなく、1から怪人を作り出している。ボディを作成している間、怪人の意識には電子頭脳によるVR訓練を行わせている。
劇中では弱小企業のように描かれているが、実際の所メインターゲットである剣神ブレイダーがやたらと強すぎるだけであり、実際個々の怪人の性能等はずっと大きな予算の下に作られたブラックロアの怪人を上回っている。
恐らく、予算不足なりに工夫を凝らしているのだろう。
また、悪の組織でありながらフロント企業や系列会社を抱えており、ゲームアプリや女性用の化粧品等を開発・販売している(しかも、幹部のメギストスが直々に体験し、問題点がないか確認している)。更には遊園地まで経営しており、怪人達がスタッフとして働いている(怪人と認識した途端、問答無用で襲ってくるヒーローもいるので、きぐるみのフリをして怪人反応を出さないようにしている)。
ただし、自称ライバルであるブラックロアも表向きは会社を運営している他、正義運営協会などヒーロー・ヒロイン側の組織も商業展開に関する描写が存在していたので、この世界では不思議なことではないようだ。
なお、構成員の経歴についても寛容であり、元ヒーローだったとしても雇う。
未成年っぽい見た目の怪人がいるものの、アガスティアの怪人はアルコールに酔わない体質に作られているので、飲酒ができる(場の雰囲気に酔う事はある)。
関連人物
怪人開発部
主人公の黒井津燈香が属する部署。
本作の主要人物が揃う。
首領
秘密結社アガスティアの首領。
参謀
秘密結社アガスティアの絶対零度参謀。
部下の面倒見はいいがボスの無茶振りに悩まされている。
名前の由来は恐らく伝説の錬金術師ヘルメス・トリスメギストス。
エイド・キュクロプス
メギストスの補佐(というか秘書)を務める、頭にカチューシャを付け、左目を眼帯で隠した女性型怪人。
メギストスが忙しくて相手できない時は、彼女が代わりに相手になる。有給で温泉旅行に行くことを楽しみにしている。
名前の由来はギリシャ神話の単眼の巨人・サイクロプス。
大幹部
万能細胞型大幹部。究極万能細胞なるものを体に仕込んである吸血鬼の女性。
名前の由来は恐らくホラー小説に登場する女性吸血鬼のカーミラ。
近接戦闘型大幹部。ウルフ・ベートと同類の怪人だが、こちらは真っ当な狼男。
執事服を着こなし、鼻眼鏡をかけたダンディなオヤジ(だが頭部は誰がどう見ても狼)。
同じく近接戦闘に特化したジャガーからはライバル視されている。ジャガーと卓球しながら暗殺者の攻撃を躱し、高速の鉄拳で返り討ちにするほどの実力を持っている。
カノン同様、悪の組織の大幹部とは思えない爽やかな武人キャラであり、そのことをジャガーにツッコまれている。更に仲間思いであり、幹部同士で連携できたらいいと望んでいる。ヒーローが巨大ロボを持ち出してきた際、すぐに一般人の避難誘導をしようとした。
徒手空拳なのに技名が剣の名前なのは「かっこいいから」。
ウォーリア・オブ・ジャガー(CV:置鮎龍太郎)
強襲型大幹部。埼玉県内のどこかにある(らしい)ジャガーベースという秘密基地の管理を任されている、ジャガー型の怪人。
武闘派故か考えなしで行動してしまう、こんな人に大幹部任せて大丈夫?と言いたくなる性格の持ち主。自分が一番でないと気が済まないタイプ。
ただし、フェンリルの悪の組織の大幹部らしくない性格にツッコんだり、黒井津に発言がコンプライアンス違反だと責められると謝るなど、良識的な部分は持ち合わせている。また、手合わせした事もあり、黒井津の腕っぷしを評価している。
フェンリルと卓球勝負に熱中しても、後ろから投げられた手裏剣を後手で受け止めて投げ返すなど、大幹部に相応しい実力を持っている。
飲み会では無礼講と言いつつ、無礼なのは自分だけのタイプ。
元ネタはジャガーの戦士(ウォーリアー・オブ・ジャガー)。アステカの戦士団の一つでジャガーはテスカトリポカに関連づけられる生物であった。
科学顧問型大幹部。フランクな話し方をする仮面の青年怪人。アラクネ曰く『科学系陽キャ』。
認識阻害の能力を持ち、ひとたび姿を消せば長くて1週間は干渉すらできない。または不具合で記憶を失うというデメリットを持つ。
実は大幹部でありながら怪人開発部を直接担当していた事があるが、ことあるごとに自分の体で実験しようとして止められていたとのこと(本人曰く、幹部たるもの身を惜しんでは下に示しがつかない、とのこと)。
名前の由来は恐らくアメリカ海軍の駆逐艦エルドリッジ。この船はフィラデルフィア実験に使われたとされ、上述の能力もこれが由来だろう…ってこれでは伝承は伝承でも都市"伝説"である。
拠点防衛型大幹部。拠点防衛用の怪人。
大幹部も参加する社員旅行を企画されても、拠点を留守にはできないからと留守番を買って出るほどの神経質な仕事人間。
元ネタは日本神話においてアマテラスが引きこもったとされる天の岩戸から。
海戦型大幹部。頭足類に近い形をしている怪人だが、頭足類独特の足の他に人間の足の形をした足が2脚生えており、地面に立つ時はそれを使う。
小笠原沖にある海底監視所を任されている。
不気味な見た目とは裏腹に、実は海底監視所の訪問客に対しわざわざアンケートをとる(しかも項目がかなり細かい)ほどのビビり。そのため、社員旅行にも参加しなかった。
飲み会では無礼講と言って流すが、翌日には目が笑っていないタイプ。
元ネタは北欧に伝わる海の魔物クラーケン。
地調査型大幹部。極地調査用の怪人。
怪人企画会議での怪人態の他、社員旅行で見せたマスコットキャラクターのような見た目の姿を持つ。
マスコット形態は、その可愛らしい見た目故に女子供に人気だが、本人は辟易している(黒井津にも愛玩動物扱いされている)。
モチーフに違わず、高熱や炎に強い。彼が操る炎は周囲環境をフラットに調整する能力があり、敵の精神攻撃から味方を守るだけでなく、火の鳥の形になって人を載せて運ぶこともできる。
元ネタは火の精霊サラマンダーから。
蜘蛛の糸を操り、相手を拘束する事ができる。
自作フィールドに全自動農場を作ったり、某テーマパークを再現して暮らしている。自作フィールド内で力を発揮するタイプであるため、フィールド外では運動音痴。
初登場では長髪だったが、海水浴で久々に外を出る際には散髪して髪が短くなっており、カミュラから「意外に乙女だな」と言われている。
下記のスキュラに執着された経験があり、ウルフに忠告した。カミュラと仲がいい。
元ネタはギリシャ神話に登場するクモに変えられた女性アラクネから。
ロングレンジ・アンクル(CV:三木眞一郎)
戦略諜報型大幹部。見た目はなかなか厳ついが、性格は何ともつかみ所がない怪人。
触れた相手の筋肉を操り、動けなくする他、的確にマッサージする事ができる。
資産運用が得意だがおネェちゃんに目がない。とはいえ、態度はとても紳士的であり、セクハラに怒った女性からの制裁も甘んじて受け入れている。
社員旅行でアガスティア抹殺を企むヒーローの存在を察知し、幹部たちに連絡を回していた。
元ネタは恐らく「あしながおじさん」から。コレは伝承ではなく、児童文学である…。
黒獣変化型大幹部。妖艶な少女の姿をした怪人。気分屋な性格。
下半身から黒い狼の姿をした複数の獣を出現させ、相手に襲いかからせる。
ウルフ・ベートのコンセプトに関わっており、そのためかウルフを妹のように溺愛……もとい執着している。
男をケダモノと呼んで嫌っているが、ウルフが元男性であることを知らず、ウルフも彼女の前では元男性だと知られないようにしている。
元ネタはギリシャ神話に登場する怪物スキュラから。タコ娘系が有名なスキュラ界においては珍しい元ネタに準じたデザインとなっている。
凍結戦型大幹部。凍結能力を持つ怪人。
戦略物資を管理しており、その名目で食べ歩きが趣味。
元ネタはベルゼブブ配下の悪魔を纏めるとされる悪魔・フルーレティからであろう。凍結能力も雹を降らせる伝承が由来か。
密偵型大幹部。隠密のような姿と喋り方をする怪人。
忍者や隠密に強いこだわりを持っており、自分のスペックを公開する事に疑問を抱く秘匿主義。
その一方で、アンクルにお手性の兵糧丸を酷評されたのを気にして改良に勤しむなど、かなり粘着質な凝り性。
中の人は忍者モチーフの光の巨人を演じた事がある。
元ネタはアトランティス大陸に住むとされた怪鳥ぺリュトンから。
呪竜型大幹部。巨大なドラゴンの姿をした怪人。
呪物や危険な代物を保管する任務のため、人里離れた山奥に隠れ住んでいる。
中古とはいえヒーローが所有する巨大ロボットを、口から吐く呪竜光線で瞬殺するほどの力を持っている。
厳つい見た目に反して、社員旅行に行きたがるなどかわいい一面を持っている(巨体のせいで、動くと運用費用がかかる)。
元ネタは北欧神話やゲルマン民族の伝承に語られる魔竜ファフニールから。
ローカルヒーローの敵対組織向けの戦闘員派遣アルバイト「デススタッフ」で日雇いで働いていた。当初は別の派遣を受けるつもりだったが、松山が「水本」と「水木」を間違えてしまい、仕方なく人数合わせに強引に同行された。
戦闘員派遣だけでなく居酒屋のバイトもしており、小料理屋味音で松山とバイトしていた。
第8話ではアガスティアの戦闘員募集を受けに来たが、メギストスが閉口するほどの自傷気味な発言をし、結局は自分を探しに来た松山に連れて行かれた。
第11話のCパートで社員旅行に行けなかった為に拗ねていたアカシック首領と偶然町で会い、その場で仲良くなった結果、後日アカシック首領の権限で大幹部として正規雇用される。
大幹部としての仕事は、アカシック首領のゲームの付き合いなどが主となっている。
なお、第5話で蒼竜神マヴェルに一撃当ててから、彼のTwitterにて宿敵認定されている(マヴェルは本作アニメの実況ツイートをしている)。
上記の水木香恋の先輩でパートリーダーだった人物。水木のアドレスには「松山キケン」と登録されている。
手違いとはいえ、一緒に戦闘員派遣バイトをした水木を気に入っており、あの手この手で水木を戦闘員派遣に連れて行くが、ヒーローに勝ちたいという彼女の願望を聞き協力する事もある。
彼女も戦闘員派遣以外のバイトをしており、水木と共に味音で働いていた。
アカシックが水木に「友達居ないの?」と聞いた際にバイトの先輩と答えた為、水木とセットでアガスティアに就職する事となる。
平時の大幹部としての仕事は、アカシックの雑用係として働いており、二人合わせて実質上の秘書のような業務をしている。大幹部として疑問に持つ水木に対し、「気にしちゃダメ」とウィンク付きで答えている。
しかし、緊急時には戦闘員派遣アルバイト「デススタッフ」で培ったコネを使い日本各地のローカルヒーロー及びローカルヒーローの敵対組織への救援依頼などをたった二人で行える実力を持った縁の下の力持ち的な存在。
アニオリの二名を幹部怪人としてカウントするのであれば、モチーフは『スーパー戦隊』という伝承そのものか。
その他 / 怪人
戦闘員
第2話やコミック2巻の表紙などに登場する、アガスティアの戦闘員。赤い葉っぱ(アガスティアの葉がモチーフと思われる)のようなデザインの仮面をつけている。
劇中では剣神ブレイダーと怪人の一騎打ちであるため戦闘描写は無いが、戦闘不能になった怪人を本部まで護送するのがほとんどである。
中身は人間であり、メギストス直々の面接で、戦闘員を募集している。
カノン・サンダーバード(CV:土岐隼一)
紆余曲折の末生み出された、巨大なヒヨコ型の怪鳥。
見た目によらず長距離攻撃と超火力攻撃を得意とする一方、性格はなかなか善良。
元ネタはアメリカ伝承の神鳥サンダーバードから。
背中に4頭の水蛇(CV:松田姉妹)を仕込んでいる少女型怪人。
クラーケン並み(或いはそれ以上)の怖がり。
元ネタはギリシャ神話に登場する大蛇ヒュドラから。
チョコレート型怪人。
バレンタインデーには強大な力を発揮するとのことだが、完成直後に致命的な問題が判明してしまい……。
原作では今の所一度きりの登場だが、アニメでは飲み会に参加しているなど出番が増えている。
彼女だけ伝承がモデルではない…が、実はバレンタインという行事自体が聖ウァレンティヌスの伝承が由来である為、広義では伝承由来に則っている。
磁力鉱石怪人。カミュラの直属の部下。
磁力を操る能力を持ち、剣神ブレイダーのバスターブレイドを封じるという快挙を成し遂げた。……成し遂げたのだが。
後に、アイドルになったマミーのマネージャーとなる。
名前の由来はダイヤモンドの異称であるアダマント。語源はギリシャ神話に登場するクロノスの鎌の素材から。
ネスオ
着ぐるみ特化型怪人
ネスオ (NESUO)
過去最高速度で企画書が制作された
着ぐるみに特化した怪人。
ネッシーが選ばれた理由は定かではないが
持っている剣は以前の怪人案でボツった装備
の使い回しである。
実際にはただの着ぐるみとして黒井津が使用
した。
特殊能力:ダメージが蓄積されると、内側からその攻撃に対する耐性を持った新怪人が現れる。
(アニメ第1話より)
第1話の怪人企画会議にて話題にされたネッシー怪人。
見た目がネッシーのきぐるみを着たおっさんというなんとも言えないデザインであり、その実、佐田巻始が企画提出期限ギリギリの10分ででっち上げた産物である。武器のネッシーブレードも、不採用された怪人の武器を使いまわしただけである。
当然、幹部には不評の嵐(アカシックだけ好評)であり、メギストスからも「具体的な数値が提出されていない以上、なんとでも言える」、「(ネッシーブレードが)ネッシーと関連があるものかね?」(アニメでは「剣が武器なのは剣神ブレイダーと被っている」とも指摘されている)、「そもそも女性型にして「ネスコ」とでもしたほうがネス湖との関連性も出せたのでは?」という至極ごもっともな指摘を受ける。
それでも黒井津のでっち上げで幹部達から関心を得たが、メギストスに「提出されている怪人の予算ではとても実現が可能とは言えまい」「企画書に書いていない苦し紛れの仕様を通す訳にもいかない」とバッサリ論破され、不採用となった。
しかし、この黒井津の出任せが、後述のバンダースナッチのコンセプトとして実現され、アニメ最終回にてきぐるみを着て戦うコンセプトを後述のブラックブレイダーに生かされている。
ちなみにその後、黒井津がネスコに扮してブレイダーと戦う羽目になったが、結構善戦できたらしい。
名前の由来はスコットランドに伝わるUMAネッシー。
サハギン
水棲怪人
サハギン(SAHUAGIN)
水陸両用怪人のプロトタイプモデル。
初期型なのでとりあえず水中で活動できる以外の
能力はない。
健康状態の悪化は本人の不摂生のため。
特殊能力:水中呼吸能力
(アニメ第4話より)
タツノオトシゴ型の水棲怪人。
アガスティアが経営する遊園地のアトラクションのスタッフを勤めている。
メンタルが弱く、トラブルが起こるたびに胃痛を感じ、胆石だけでなくストレス性の胃潰瘍を患っている。
アニメ最終回では、ロボット怪人の頭を握り潰す程の怪力を持っていることが判明した。
名前の由来はRPGにおける半魚人系モンスターの呼び名の一つサハギンから。
バンダースナッチ
覚醒狂獣怪人
バンダースナッチ(BANDERSNATCH)
黒井津の斬新なアイデアに基づいて
設計中の新機軸の怪人
一見鈍重な岩獣形態からとある画期的な変態を
行う覚醒獣怪人である。
特殊能力:覚醒能力
(アニメ第8話より)
剣神ブレイダーとの戦闘データと、アガスティア怪人過去最大の予算を元に作り出した、対ブレイダーに特化した怪人。コンセプトは第1話での黒井津の出任せを実現したもの。
鈍重な岩獣形態(アニメ版は岩でできた卵に手足をつけたデザイン)を倒した相手に対応して、第二形態に変身する。大剣が武器のブレイダーが相手なので、スピードに優れた4足獣の姿となり、以降はその姿で登場している。
その実力は本物で、ブレイダーの必殺技が通用せず彼を追い詰めるが……。
人間の言葉で喋れないが、黒井津達から愛玩犬のように可愛がられている。
名前の由来は『鏡の国のアリス』にて語られる正体不明のモンスターバンダースナッチから。
黒髪のおさげに、全身包帯姿のオッドアイな少女怪人。
刃が通らないほど頑丈な体と、体内に無数の武器を隠し持つ、対ブレイダーに特化した怪人第二弾。通常形態はおろか、マスターブレイダーにも互角に渡り合えるほどの実力を持つ。その代わり声帯がないので、サイン色紙による筆談でコミュニケーションを取る。
その一方で、アイドルに憧れ、アイドルになりたいという願望を持っており、その夢を叶えさせるために黒井津たちが奮闘することになった。
打倒ブレイダーに特化して作られた反面、本人は戦いをつまらないと感じている。一方で、自分のわがままに付き合ってくれた黒井津達に感謝したり、喋れないからウルフの声で代用する案を持ちかけられた際に「それはお客さんを騙す事になるから」と拒否したり、意図せず相手を傷つけてしまい泣き出してしまうなど、善良な性格。また、倒れそうになってもダンスの練習を続けようとするほどの努力家でもある。
ウルフを「ウルフお兄さま」と呼び慕っている。また、バンダースナッチとも仲が良く、よく一緒にいる。
声優を担当したYURiKA氏は本職の歌手であり、リトルウィッチアカデミアの主題歌などを担当している。
元ネタはミイラであるが、ミイラがモンスター視されるようになったのは近世からである。
バンシー
ゴスロリ衣装の女性怪人。マミーとは逆に、戦闘能力はないが、様々な波長の音を放つ。そのため、喋れないバンダースナッチと会話できる。
基本的に癒やし系ボイスで礼儀正しい口調だが、業務の範囲内で頑張り、早期リタイアしてボーナスを得て働かなくてもいい生活を望むなど、自分の欲望に正直な性格。どんな状況であれ自分のことを優先し、残業や休日出勤はしたくない主義と語っており、ある意味融通が利かないタイプ。
殺人音波でブレイダーを倒すことを想定されており、あと一歩まで追い詰めたものの、退社時間が来たため帰ってしまった。
元ネタはイギリスなどに伝わる妖精バンシーから。
ナイトメア
褐色肌で馬耳を生やした少年型の怪人。他人の過去の記憶に入り込み、直接攻撃ができる記憶潜航怪人。かなりフランクな性格。
黒井津がブラックロアの峰円小春との飲み会という名の腹の探り合いから得た精神介入の技術を元に作られた。
ナイトメアの語源の通り、馬の姿をした全力態を持ち、剣神ブレイダーの記憶に潜り込んで倒そうとする……が、ブレイダーの鎧には精神耐性があったため、リソースが削られて仔馬形態に弱体化。ブレイダーの記憶の中を走り回って何とか人型まで戻るが、その間に忘れていた自分の過去を思い出したブレイダーに八つ当たり同然に倒された(ただし、一応帰してくれたことには感謝している)。
ウルフを「姐さん」「兄姐(にーねー)さん」と呼んでいる。
元ネタは夢魔の一種であるナイトメアから。上述にもあるが、馬の要素があるのは元ネタが黒い馬の姿であるからだが、語源だと「夜の牝馬(つまり雌)」である。
ケセラン・パサラン
第24話の最後のコマに登場した、自己増殖怪人。
コミックでのおまけページによると、小型化と機能のシンプル化が実現し、周囲の成分から分身態を生成する。
ただし、分身の生成に時間がかかるという弱点を持つ。
蓄電能力から、非常用の電源装置の効果を期待されている。
元ネタは日本に伝わる不思議な毛玉であるケサランパサランから。
アルプ
諜報部からの依頼で開発された怪人の試作態。カビのような不定型の体を持つ半機械怪人。
内部監査やスパイ活動などのステルス性に特化しており、PCに接続することで記録した映像を見ることができる。
別の班から怪人開発部に引き継ぎされたが、引き継ぎミスで脱走してしまい、捕獲のためにウルフが奮闘する羽目になった。
元ネタがドイツ伝承の夢魔であるアルプ。透明化能力を持っており、コレがステルス性が高い理由であろう。
窮奇
コミック4巻のおまけ漫画に登場。背中に鳥の翼が付いた虎の姿をしている。
アカシックから「今年は寅年だから虎の怪人」というリクエストを受けて、開発された怪人。最初は伝承上の虎の怪物で最もポピュラーな白虎が選ばれそうになったが、それだと「やっぱり四神は揃えないと」という無茶振りが来る事が目に見えているため、却下された(玄武だと硬度の確保と運動性の両立の難、朱雀だと素材の選定の難、青龍に至っては個性が出し辛いという有様)。
その後、黒井津の案でややマイナーな四凶から窮奇が選ばれ、アカシックも気に入ったのだが、結局バレて四凶を揃える羽目になった。
ブギーマン
機械部分を装備のみに留めることでコストと整備性の悪さを改善したハイブリッド怪人。武器はバズソー。
語尾が「〜だZE」「〜じゃNE?」などアルファベットで表記されるチャラ男な性格で、ウルフを女性として見ておりナンパしている。
戦闘用の武装だけでなく安全装備バージョンも備えられており、アガスティア本部内の託児所では大人気である。
元ネタは、西洋における「いい子にしてないとお化けに攫われて食べられてしまうよ」と子供の躾に使われる幽霊・ブギーマン。
ある意味、託児所にぴったりな怪人である。
エビーロブ・クリスター1世
アニメ最終回に登場。特別企画「アガスティア新怪人アイデアコンペ」アガスティア賞作品。
伊勢エビをモチーフにした怪人。詳しい設定はアニメ公式サイトを参照。
ブラックブレイダー
CV:赤羽根健治(システムAI)
アニメ最終回に登場。剣神ブレイダーをモチーフとした女性型戦闘スーツ型怪人であり、アニメオリジナルキャラクター。特撮ヒーロー作品でお馴染みの悪のヒーロー。
着ぐるみ特化型怪人ネスコ(旧名ネスオ)の怪人が怪人を着込むというコンセプトを元に着ぐるみを戦闘スーツに変更し、装着者の能力向上と支援に特化した身に着ける怪人。
当初は開発に難航していたが、Zet Arcの襲撃を受けてブラックロアの峰円小春と共同開発して完成した。
ウルフが装着者になる予定だったが重傷だったため、黒井津が変身し、剣神ブレイダーと共に怪人ゼットアハトと対決する。
しかし、急ごしらえだったため変身解除機能が未実装であり、アップデートされるまで黒井津はブラックブレイダーのまま生活する羽目になった(当然、通勤ルートなどで遭遇する人々からは奇異の目で見られることとなった)。
ホワイト企業のアガスティア開発なだけあってか、装着者の健康管理も完璧に行うなど、ルックスを除けば日常生活での装着も問題ないのが唯一の救いか。(なお、急ごしらえだった故にプログラムがスパゲッティコード状態で開発に携わったメンバー全員でプログラムの解読と最適化作業の同時進行を余儀なくされており、システムAIによる健康管理を受けている黒井津以外は全員目にクマが有る状態となっている。)
ジャージーデビル
『汎用試験型怪人』
次世代の怪人たちのひな型となるようにというコンセプトで生まれた汎用特化型怪人
企画者はウルフで初めての採用となった。性格は製作者であるウルフに似ている。
ウブな性格で女の子に弱い。
元ネタは、アメリカ・ニュージャージー州で目撃された怪物であるジャージー・デビル。……正確にはUMAだが。
ジャージを着た悪魔ではない。
ア・バオ・ア・クゥー
『装着型怪人(プロトタイプ)』
『ブラックブレイダー』のプロトタイプにあたる怪人
サイズの問題を解決出来なかった為急遽人型に改修される。
ウルフに背負われる形で戦闘を支援し、ブレイダーを窮地に追いやる事に成功している。
なお、女子二人との戦闘に見えるが、心の性はどちらも女性ではない(ウルフは男、ア・バオ・ア・クゥーは無性)。その為ウルフは「おれとお前が組むと何かフクザツになっちゃうなぁ」、「見た目だけは女子ふたりなんだけどな~」とややぼやいている。
元ネタは、幻獣辞典で言及される怪物で、勝利の塔に潜むと謂われる不可視の幻獣であるア・バオ・ア・クゥー。
某機動戦士に登場する空中要塞の元ネタでもある。
その他 / 人間
二階堂貴臣(CV:岩澤俊樹)
戦略推進部プロジェクトリーダー。メガネを付けた堅物の人物。
カノン・サンダーバード開発におけるプロジェクトリーダーを務めた。以前から怪人開発部の体たらくには我慢の限界が来ていたらしい。
風祭真矢(CV:新祐樹)
デザイン部所属。クリエイター気質で美しさを何より優先するオネエ口調の人物。
佐々木芽衣(CV:上田瞳)
システム制御部長。ボブカットが特徴的。安全を何より重視する性格。
久我逹徳(CV:佳月大人)
直営工場の工場長。
怪人が現実的に作れるかどうかを重視する人物。無茶振りしつつも自分たちに寄り添う黒井津には割と悪くない印象を抱いている。
氷見川さき(ペンネーム)
怪人記憶作家。
交通事故で瀕死状態となるが、人命救助の名目の元行われた怪人化により死者蘇生に近い形で生還をとげるも救命処置を行っていた悪の秘密結社がヒーローにより解体された為途方に暮れていたが、アガスティアに偶然発見され保護される。
即死事故だった為、社会的には故人扱いとなっている為本部で生活している。
ウルフを含め多くの怪人達の記憶の作成を担当している。
余談
登場キャラの担当声優の多くが特撮番組への出演経験がある。怪人開発部の黒井津さん×ヒーローを参照。
関連タグ
ヤバイ仮面:アニメ版第2話Aパートで、アガスティアの取引先として登場。彼が社長を務める会社も悪の秘密結社なので、同業者である。(アニメ最終話にも登場している)
フロシャイム:悪の組織なのだが、ホワイト寄りな組織繋がり。しかも、ご近所付き合いを大事にしているのでヒーローより一般市民に慕われている。アニメ第11話にて、サンレッドとかよ子共々カメオ出演した。
鷹の爪団:こちらも悪の組織なのだが。ホワイト企業寄りの組織繋がり。そしてこちらは予算不足と同時に人や環境に危害を加える事を頑なに禁止している。尚、上述の組織同様、ヒーローより一般市民に慕われている(というか本作のヒーローが余りにも評判が芳しくないだけなんだが)。
ニトロ博士:NHKで放送された国際共同制作アニメ『モンタナ・ジョーンズ』に登場するマッドサイエンティスト。予算不足の問題で実力を発揮出来ていないという共通点がある。しかしこちらは、ブラックな雇い主である金持ちのゼロ卿の短すぎる納期とあり得ない程のケチケチ予算が原因であり、実質納期が無期限で経営難による予算不足なアガスティアとは真逆な関係ではある(ニコニコ動画で「予算があればな」という黒井津さんの嘆きにたいして「今少し時間と予算をいただければ・・・」「弁解は罪悪と知りたまえ!!」などのニトロ博士とゼロ卿のやり取りのコメントが流れるようになっており、少なからずニトロ博士を連想させる視聴者が少なからずいる模様)。