もしかして⇒ゴルゴメスの実
概要
超人系悪魔の実のひとつ、主人公のモンキー・D・ルフィが食べたことで有名。
元々はシャンクスら赤髪海賊団が戦利品として持っていた物だが、後述する経緯によりルフィが食べてしまった。
紫色のメロンのような形をしており、果皮に唐草模様がある。ルフィは「まずかった」と述懐しているが(悪魔の実は総じて非常にまずい)、それでもきっちり完食している。
食べると永遠に泳げなくなる事と引き換えに体中がゴムのように伸び縮みする体質になり、打撃や圧迫、関節技、通常の銃弾や砲弾が通用しなくなる。
そして全身が絶縁体となり、電撃によるダメージを一切受けない。実際のゴムは電気を全く通さないというわけではないが、これは恐らく《ゴムは電気を通さないもの》という概念的なものだと思われる。似たような概念を体現した能力は他にもある
当然、高所から落下しても変形するだけで一切のダメージが無い。
しかし鋭利な物に対する耐性はそのままのため、刀剣による斬撃、針やトゲなど先端が鋭く尖った物による刺突は防げない。特殊な技能や道具によって衝撃自体を与えられる場合も防御できずにダメージを受けてしまう。
また、(全ての能力者に言える事だが)武装色の覇気による攻撃や海楼石製の武器による攻撃も無効化出来ない。
能力者
当初はただ伸び縮みするだけのオモシロ人間になっただけだったが、高い身体能力と鍛錬により実戦に堪えうるレベルに至った。
四肢を伸ばすことで遠距離の敵を攻撃する、複数の敵を薙ぎ払う、反動をつけて威力を増すなどの技を身に着けただけでなく、骨や血管もゴム状になる事を活かした芸当も可能に。
体をポンプのようにして血流を加速させる事で身体能力(特に速力)を高めるギア2、骨に空気を吹き込んで巨人化させるギア3、武装色の覇気を纏い硬化させた腕に空気を吹き込み膨らませ、莫大な量の赤く纏う覇気で皮膚を固めて張力を倍以上に引き上げるギア4といった具合。
念のため言うがゴムゴムの実を食べて得られる能力はゴムの性質だけであり、多彩かつ強力な技のラインナップはルフィ自身の強さと鍛練の成果なので、もし常人が食べてもよほど鍛えない限りは当初のルフィのような面白マンになるだけと思って良い。一応打撃・銃撃・圧迫・関節技・電撃が無効などの超人系トップクラスの多種多様な耐性は常人でも獲得可能である。
能力者になった経緯
- 原作およびエピソードオブルフィ&東の海
山賊のヒグマ達に侮辱されても怒らないシャンクス達に呆れて帰ろうとしたルフィの腕をシャンクスが掴んだ際、その腕が伸びた事でルフィがゴムゴムの実を食べた事が判明。問い質すとデザートに食べてしまったと白状した(実際、酒場にヒグマ達がやって来たシーンと、シャンクスが差し出した酒瓶をヒグマが叩き割ったシーンで、ルフィが食いかけの実を手にしているコマがある)。
- アニメ
山賊に侮辱されても怒らないシャンクス達に呆れたルフィがゴムゴムの実を見つけてやけ食いし始め、それを見たシャンクスがすぐさまルフィを逆さまに持ち上げて吐き出させようとするが時すでに遅く、ルフィの体が伸びた。
本編外での登場
「ROMANCE DAWN」
- 『WANTED! 尾田栄一郎短編集』版(いわゆる「WJ版」)
海賊団の船長であるルフィの祖父(ガープにそっくり)がルフィにゴムゴムの実を見せびらかした途端、ルフィが食べた。
- 『ONE PIECE RED: GRAND CHARACTERS』版(いわゆる「SS版」)
シャンクスが海賊について講義中にルフィが見つけたゴムゴムの実を食べた。
両津勘吉
アニメオリジナルストーリー「ゴムゴムの両さん」。
東京湾で釣りをしていた両津が偶然ゴムゴムの実を見つけて食べてしまい、次の日にゴム人間になってしまう。常人が食べれば、ただ伸び縮みするだけのオモシロ人間になって終わるのがオチだが、ギャグキャラということも相まって、鍛錬を行わなくても日本からブラジルまで体を伸ばす事が出来る。
その能力を使って大活躍するが、ギャグ補正もあって能力のあまりの便利さに段々と出不精になりメタボに能力に依存し過ぎたせいで、能力をコントロールできるだけの力量が不足していき、上手くいかないこともあった。
もちろんカナヅチになっている。本編のゴムゴムの実と違って色は緑。
『世にも奇妙な物語』
「ここ、なんて島だ?」「・・・島?」
阿部寛が出演の「ゴムゴムの男」
やくざの鬼頭は入院の見舞い品のゴムゴムの実を食べてしまいゴム人間になってしまう。するとテレビから何とルフィが現れた。なお、鬼頭を演じた阿部寛はドラマ『Trick』でもゴムゴムの実と思われる能力を使う描写が描かれている。
因みに話のラストではナミが船から《迎えに来た》と呼んでくれるが、放送年代がドレスローザ編である(ナミ自身はアニメから消えていた時期だった)。
余談
- インターネット上の噂
まとめサイトなどの見出しで、「作者はゴムゴムの実かバラバラの実で死ぬほど悩んだ」と言われることがあるが、少なくともSBSで述べられたことはない。
SBSでは、 35巻にて「ルフィにゴムゴムの実以外を食べさせればよかったと思ったことはありますか?」という質問に対し、尾田栄一郎は「そういうのは連載前に、死ぬほど悩んだから、ぜんぜんないです。ゴム人間が好きです。」と述べている。
65巻では、ゴムゴムの実を選んだ理由は「一番ふざけた能力を選んだのです」「まっすぐに強くてかっこいい主人公だと、僕はこんなに長くつき合えてないと思います。どんなに話が深刻になっても、ルフィは伸びたり膨らんだり。いつでもふざけるチャンスをくれます。そういう漫画を描きたかったんです」とも述べた。
そのため、「バラバラの実は主人公候補」の話は、まとめサイトによる伝聞が原因と思われる。
関連タグ
Mr.インクレディブルのイラスティガール:ゴムのような軟体人間能力者。
ファンタスティックフォーのミスター・ファンタスティック:アメコミゴム能力者。実写映画の際は「CGの手間から当初活躍が少ないはずだったが、映画『Mr.インクレディブル』の評判(似た能力である「伸縮自在のヒロイン・イラスティガール」が登場する)から能力を使う出番が増えた」逸話がある。
衝撃の事実
以下、コミックス派やアニメ派はネタバレ注意!
ワノ国編の鬼ヶ島での死闘にて、ジンベエと交戦中の百獣海賊団の幹部格の一人、フーズ・フーによってある事実が明かされる。
13年前、当時CP9の一人であったフーズ・フーはある悪魔の実を政府の船で護送中に奪われてしまったのだが、その悪魔の実こそゴムゴムの実だったのだ。
もちろん、ゴムゴムの実に限らず悪魔の実は「海の秘宝」と呼ばれる程の貴重品であり、政府が厳重に護送するのはおかしな事ではない。
だが、その護送に海兵ではなく世界政府直轄の秘密組織であるCP9を用いた、と言うのは妙な話。
というのも、〝究極の悪魔の実〟と称されるオペオペの実の取引でさえ護送を担ったのは海軍である。
また、作中で描かれたCP9の任務が「古代兵器プルトンの設計図の入手」「歴史の本文の解読を試みたオハラの調査」等「空白の100年」に関係するものであることを考えると、それらに匹敵する重要性がゴムゴムの実に秘められている可能性がある。
更に、「(あくまで彼の自称であるが)天才ロブ・ルッチに引けを取らぬ有望株」であったフーズ・フーが、そのたった一度の失敗のせいで、CP9および政府から追われ、あまつさえ投獄されたという。
なお、現在でこそ百獣海賊団の幹部と言うポジションを満喫している彼だが、この事は「辛い過去」と思っている様子。そしてゴムゴムの実を食べたルフィが名を挙げていく様には注目し、驚いていたようだ。
本人はルフィを恨んではおらず、本当に恨んでいるのは自身がそれを護送していた船から戦利品として奪い去ったシャンクスの方である。
また、フーズ・フーが実を奪われた時期がジャンプ掲載時には「12年前」だったのが単行本では「13年前」に直されたため、「奪ってからルフィに食べられるまでの約1年間、赤髪海賊団はなぜ誰かが食べることも売って金に換えることもせず、実のまま持っていたのか」という新たな謎も生まれている。(更に、実を入れておいた宝箱に鍵をかけていなかったという凡ミスのせいでルフィに食べられてしまうという結果になったが、わざわざ酒場にまで持ち込んでいたことから「常に自分達の目が届く所に置いていた」という事実もある)
更に五老星によって「現在の名称が元々の名前を隠すために名付けられたものである悪魔の実」の存在が語られた。
ゴムゴムの実はいつの時代においても世界政府が常に探し求めているほど、悪魔の実の中でも重要かつ800年もの間、常に探し求めている程に貴重な存在である。
五老星曰く、「我々(五老星含む世界政府)から逃げている。」
上述からしてこの失態が政府にとってかなりの被害が及ぶことが窺えると同時に政府がCP9を派遣してまで護送させたのも納得できる。
そして、1044話で明らかになったゴムゴムの実の真の名前は……。