演:菊地謙三郎
概要
『仮面ライダー龍騎』の登場人物。
25歳。1977年9月29日生まれ。ヒロインである神崎優衣の実兄。
ミラーワールドの存在であるため、通常の人間とは異なり現実世界での活動に制限があり、どの鏡面からもミラーワールドから現実世界に出ることが出来る。
ライダーシステムの開発者であり、ライダーバトルの主催者といえる存在。
12人の仮面ライダーにカードデッキを与え、自身もオーディンを通じてライダーバトルに参加している。オーディンについては浮浪者を洗脳(?)してライダーに仕立てる描写がある。
優衣とはかつて両親を失った際に別々の家に引き取られたきり、劇中に再会するまでまともに会っていなかった。
養子として引き取られた際の旧姓は高見(たかみ)。
過去にアメリカに移り、そこで死亡したことになっている。
しかしその後に清明院大学の江島均教授の江島研究室に所属し、ミラーモンスターやカードデッキを開発したという不可解な点が生じている。
このころの同僚がオルタナティブこと仲村創や、秋山蓮の恋人である小川恵里である。
優衣のことを最優先した行動をとり、彼女のためなら他の人間がどうなろうと意に介さない。
モンスターの犠牲者や脱落していくライダーが増え続けてもなお、"ある日"までにライダーバトルの決着をつけさせようとするが、その真意は……
ネタバレ
実際は幼少期に優衣を喪っており、直後にミラーワールドとその中の優衣が出現、鏡像の命によって優衣は一時的に蘇ることとなる。しかし彼女が手に入れたのは仮初めの命であり、20歳になれば消滅する運命にあることを知ってしまう。その際、妹を喪うこと・孤独への恐れから一時的な蘇生を勢いで了承したものの、優衣を現実世界で存命させるための方法を探すことを諦めなかった。
そしてアメリカでの実験の結果ミラーワールドの存在と化し、何らかの形でライダーバトルという方法にたどり着く。
江島研究室でミラーモンスターやそれをコントロールする手段、カードデッキのシステムを開発して、13人の命を元に優衣の蘇生に乗り出した。
(ライダーバトルを行った理由に関しては、「生死を懸けた争いを行うことによって、最も生命力の強い命を残せるからではないか」と劇場版で推測されている)
しかし城戸真司や手塚海之といった戦いに消極的なライダーの出現で思うようにライダーバトルは進まず、タイムリミットである優衣の20歳の誕生日が近づいてしまう。
真相を知ってしまった優衣自身が蘇生を拒否したこともあり、最後はオーディンを消滅させて蓮に新しき命を与えた。
その後また駄目だったと神崎邸で顔を歪めるも、鏡の破片の中から姿を現した優衣に「また繰り返すの最初から? もう終わりにしよう」と諭され、いつの間にか幼い頃の姿に戻った彼は、同じく幼い頃の姿に戻った優衣とどこかの空間で絵を描き始めた。
そこに成長した姿の士郎と優衣が現れ、一緒に絵を描き始める。
彼らが描く絵はどれも、かつてのようなモンスターではなく、消滅する間際に優衣が願っていたような、皆が楽しく暮らしている風景であった。
楽しげに笑い合いつつ、彼らは絵を描き続けていく。
ここまでがTV版ラスト直前の展開であり、この後の描写(ライダーだったものたちが生存し、花鶏にある兄妹の写真が幼少期のものに変わっている世界)が何を表しているかについて明確な説明はない。
ファンの解釈では、「タイムベント」のカードの存在から、「神崎は幾度も一定の時間を繰り返して優衣の蘇生を試みるも、最終的に諦めたことでミラーワールドのない世界が実現した」という説が長年有力だったが、『仮面ライダージオウ』にて東映公式においてもほぼ同様の見解である事が判明した(EP21・EP22のアナザーリュウガ編やRIDER TIME 龍騎での描写的にも間違いないと思われる)。
劇場版では優衣が自ら命を絶ったことで絶望し消え去ったが、それによってミラーモンスターのハイドラグーンの大群が現実世界に飛び出してしまうという最悪の事態になった。
TVSPでは、語り部としてのみ登場している。城戸真司の決断を見た後に、答えはもう一つの物語が教えてくれるという語りで幕を閉じている。
本編から約17年後のスピンオフでは登場しないが、ジオウとゲイツに倒されたオーディン(CV:小山剛志)の最期の言葉が「優衣」であり、本人もしくはその残留思念がオーディンに変身していたととれる描写になっている。
余談
EPISODE_FINALにて彼が廃教会のオルガンで弾いている曲の名前はそのものズバリ「神崎士郎」である。本作を代表するBGMとして人気のあるBGMであり、絶望感を煽るような壮大な曲調が特徴。
なお、TVCMで使用されているのはこの曲のサビ部分である。
また、13という数に何かと縁があり、ライダーバトルの定員が13人、優衣を失った時の年齢は13歳、彼が操る仮面ライダーオーディンの名前の由来であるオーディンは死神としての側面を持っており、タロットカードでは『死神』が13番目のカードに当たるとされる。
関連タグ
関連・類似項目
- ガルドサンダー、ガルドミラージュ、ガルドストーム:配下のミラーモンスター。
- 小川恵里、仲村創、香川英行、東條悟:同じく清明院大学関係者。
- サリス変異体…4作後に現れたそっくりさん。
- 水城史朗:同じくファーストネームが「しろう」である仮面ライダーシリーズの登場人物。
- 死郎:同上。もちろん彼と同じように愛する人を失いたくないという理由から似たようなことを考えていた者繋がり。
- 笛木奏…シリーズ第14作における全ての元凶仲間。こちらも自分の大切な人を救うのが目的であった。
- エス(仮面ライダーゼロワン)、佐久間龍一、葵連…彼と同様に亡くなった者を蘇らせたい一心から彼とは異なる歪んだやり方で暴走してしまった者たち。ただし前者は愛する人を幸せにしたい気持ちから他者の命どころか魂まで仮想世界に移してしまうという極悪ぶりを見せた。
- アナザー龍騎…本編から約17年後のスピンオフに登場。こちらも神崎と同じく、自分の大切な人を救う為に他人を犠牲にしていた為か力を貸していた。
- DJサガラ…仮面ライダー鎧武におけるデウス・エクス・マキナ的存在
- 我修院サレナ…14才の誕生日に消滅する娘を救うため他人を犠牲にし、暗躍した科学者繋がり。但し、結末は全く違ったものになった。
- 碇ゲンドウ:こちらも愛する人を生き返らせるためなら手段を選ばなかった人物繋がり。ただし、彼と違い新劇場版においては考えを変え改心することもある。