※本記事ではJR西日本の路線について説明する。
近畿日本鉄道の鉄道路線(大阪と奈良を結ぶ)については近鉄奈良線を参照。
概要
JR西日本が運行する路線のひとつ。京都府南部(山城地方)で完結し、京都駅(京都市下京区)〜木津駅(木津川市)間を結ぶ。同様に京都府で完結するJR線には他に北部(両丹地方)の舞鶴線がある。
路線名の割には奈良県に入らないが、最初に奈良鉄道として京都駅から奈良駅まで開業し、国有化ののちに木津駅以南を関西本線(大和路線)に編入したという歴史的経緯がある。このため旅客案内上は奈良駅までを奈良線として扱う。
全線にわたり近鉄京都線と競合するほか、1980年代まではさらに京阪バス・近鉄バス(当時は近鉄自動車局の直営)による国道24号線経由のバスとも競合していた(このバス路線は1997年度末で事実上廃止)。
また京都から見れば放射路線だが、大阪から見ると環状路線となる(京都が横浜に、大阪が東京に置き換わる横浜線と同様)などの理由から、国鉄末期に電化されて以降設備の強化が進められ、特に民営化後は多くの新駅が設置されたり、大半の区間が単線であることから複線化工事が行われている(現在はJR藤森-宇治、新田-城陽で実施中)。
電車特定区間には入っておらずJR幹線運賃が適用されているが、特定運賃が京都駅-城陽駅・奈良駅区間に設定されている。
但し、近鉄や京阪の競合などもある為、電車特定区間の適用は京都駅~城陽駅複線後には必須となるだろう。
尚、JR藤森駅~宇治駅及び新田駅~城陽駅の複線化は2022年(令和4年)度に完成予定とされている。
城陽駅以南も複線化対象とみなされているが、山城多賀駅~玉水駅を除いて具体化していない。
その山城多賀駅~玉水駅間は2020年(令和2年)12月5日に複線化され、2022年(令和4年)2月27日に新田駅~城陽駅間が、5月22日に六地蔵駅〜黄檗駅が複線化された。
更に、城陽駅以南の駅に関しても1線スルー運転や行き違い設備の新設工事などを予定されている。
但し、城陽以北の複線化工事の際に懸念されるのが複線化後、城陽以北で待避できる駅が宇治駅のみの問題点も潜んでいる。
故に、他の駅でも複線化後は島式2面4線化が課題とされる。
路線データ
営業距離 | 34.7km |
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軌間 | 1067mm |
駅数 | 19駅(平城山駅、奈良駅を除く) |
複線区間 | 京都駅~JR藤森駅、宇治駅~新田駅、山城多賀駅~玉水駅 |
電化区間 | 全線(直流1500V) |
閉塞方式 | 自動閉塞式 |
保安装置 | ATS-P及びATS-SW |
運転指令所 | 大阪総合指令所 |
最高速度 |
|
歴史
一番最初に開業した京都駅〜稲荷駅間は1879年(明治12年)に東海道本線の一部だった。
1895年(明治28年)、奈良鉄道が京都駅〜伏見駅間を開業、徐々に延伸し1896年(明治29年)に京都駅〜奈良駅間が全通。
1905年(明治38年)、路線を関西鉄道に譲渡、二年後に国有化。
1909年(明治42年)、京都〜木津間まで奈良線、木津以南が関西本線に編入。
1921年(大正10年)、京都駅〜伏見駅間を廃止、伏見駅〜桃山駅間の旅客営業を廃止(1928年全廃)。同時に東海道本線が現在のルートに変更、京都駅〜稲荷駅と新線の稲荷駅〜桃山駅を奈良線に編入。
(京都駅〜伏見駅の旧線区間はのちに奈良電気鉄道に払い下げられ、現在の近鉄京都線の一部となる。)
1955年(昭和30年)、全列車気動車に統一。
1984年(昭和59年)10月1日、京都駅〜奈良駅間が電化。奈良線を走っていた最後の定期優等列車の急行紀ノ川が廃止。以降は電車による普通、快速のみとなる。
2001年(平成13年)3月3日、京都駅~JR藤森駅間及び、宇治駅~新田駅の複線化。同時にみやこ路快速の運転開始。
以後、概要の通り複線化など改良がおこなわれている。
2020年(令和2年)12月5日、山城多賀駅~玉水駅間が複線化。
2022年(令和4年)2月27日、新田駅~城陽駅間が複線化。
駅一覧
●…停車、▲…正月三が日と1月4日のみ停車、※…奈良線快速は通過。ㇾ…通過
駅番号 | 駅名 | 区間快速 | 快速 | みやこ路快速 | 乗り換え路線 | 線路 |
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JR-D01 | 京都 | ● | ● | ● | ∥ | |
JR-D02 | 東福寺 | ● | ● | ● | 京阪本線 | ∥ |
JR-D03 | 稲荷 | ㇾ | ㇾ | ▲ | ∥ | |
JR-D04 | JR藤森 | ㇾ | ㇾ | ㇾ | ∨ | |
JR-D05 | 桃山 | ㇾ | ㇾ | ㇾ | ◇ | |
JR-D06 | 六地蔵 | ● | ● | ● | ◇ | |
JR-D07 | 木幡 | ㇾ | ㇾ | ㇾ | ◇ | |
JR-D08 | 黄檗 | ㇾ | ㇾ | ㇾ | 京阪宇治線 | ◇ |
JR-D09 | 宇治 | ● | ● | ● | ∧ | |
JR-D10 | JR小倉 | ● | ● | ㇾ | ∥ | |
JR-D11 | 新田 | ● | ● | ㇾ | 近鉄京都線(大久保駅) | ∥ |
JR-D12 | 城陽 | ● | ● | ● | ∨ | |
JR-D13 | 長池 | ● | ㇾ | ㇾ | ◇ | |
JR-D14 | 山城青谷 | ● | ㇾ | ㇾ | ◇ | |
JR-D15 | 山城多賀 | ● | ㇾ | ㇾ | ∧ | |
JR-D16 | 玉水 | ● | ● | ● | ∨ | |
JR-D17 | 棚倉 | ● | ㇾ | ㇾ | ◇ | |
JR-D18 | 上狛 | ● | ㇾ | ㇾ | ◇ | |
| 木津 | ● | ● | ● | ∧ | |
| 平城山 | ● | ※ | ㇾ | ∥ | |
| 奈良 | ● | ● | ● | ∥ |
車両
通勤型
阪和線の225系投入に伴い転入。103系を置き換えた。
近郊型
大和路線、おおさか東線と車両を共有している。
全車種とも吹田総合車両所奈良支所所属。
過去
定期列車のみ
和田岬線と共にかなり改造されているが、原形に近い車両が走る線区だった。
2018年から阪和線で余剰となった205系による老朽更新が始まり、同車の大半を置き換えたのだが、あと一歩の所でストップ。サッカーのロスタイム状態でしばらく2編成が運用入りしていた。
最終的に2022年ダイヤ改正でおおさか東線201系と共に定期運用を離脱した。