概要
新潟県新潟市出身の演歌歌手。女優、タレントとしても活動している。
1953年(昭和28年)12月5日生まれ。血液型はA型。サチコプレミアレコード所属。
愛称は「さっちゃん」。ネット上では「ラスボス」とも(後述)。
1963年、わずか10歳で歌手デビュー。当時は美空ひばりに次ぐ天才少女として話題になった。
しかし歌手としてはその後がなかなか続かず、女優・タレントとしての活動や、15年以上にわたる地方巡業、レコード会社の移籍など紆余曲折を経て、1979年の『おもいで酒』のヒットを機に再ブレイクする。
また、1990年代後半からは『ポケットモンスター』の多くのアニメ作品やポケモンカードのCMにて歌手として参加しており、子供にもよく知られる存在となった。
さらに、2010年代からは特にインターネットやサブカルチャーとの結びつきが強くなっており、これについては後述する。
代表曲は「おもいで酒」「もしかしてPARTⅡ」など多数。演歌以外にも幅広いジャンルに挑戦している。
歌以外にも女優としても活動しており、1968年にはTVドラマ『青い太陽』で主演およびED主題歌を担当している。
私生活では2011年に事業家の男性と結婚。結婚後の本名は「林 幸子」である。
pixivユーザーの間では初代のポケモン人気を支えた人物として有名である。また、後述の「ガルーラ小林」はポケモン音頭での名義に由来するもの。アニメ『ポケットモンスター』では第34話「ガルーラのこもりうた!」でゲスト出演しており、ガルーラに全く縁がないというわけではない。
人物
美川憲一とは共に古賀政男一門の出身で、親友でありライバルでもある。かつてはこの2人の結婚報道が出たこともあった。
また、都はるみ、水前寺清子、五木ひろしは同期で、現在も非常に仲が良いという。
島倉千代子とは新人のころ、都と楽屋ではしゃいでいたところ優しく注意を受け、以降「母さん」と慕うようになった。島倉が亡くなるまで母娘のように親しくしていたという。
泉ピン子、夏木マリ、先に述べた美川を加えて、低迷期、キャバレーでのドサ回りをしていた頃に苦労を共にした盟友である。
面倒見の良い性格らしく、よく後輩歌手の世話を焼いていると語られている。特に中島啓江や柏原芳恵からは姉のように慕われている。
一方で和田アキ子は(特に紅白における)彼女の衣装やパフォーマンスにたびたび苦言を呈しており、あまり仲が良くないことが報じられている。2000年の紅白に先立ち、和田が記者会見で批判的な発言をした際には「言いたいことがあるなら直接私に言って」と反論したと報じられ、「デビューは私の方が先。言っていいことと悪いことがある。ちょっとルール違反です。」とコメントしている。
あるテレビ番組で台湾に足ツボロケに赴いたところ、「胃」のツボを非常に痛がっていた。本人曰く胃がとてつもなく弱く、アイスを食べてすぐお腹を壊したことがあるという。
衣装
彼女を語る上で外せない(というか外しようがない)のは、その豪華な「衣装」である。
コンサートなどでは毎度のように綺羅びやかな衣装で熱唱するが、その最たるものは紅白歌合戦で披露される、「衣装という名の舞台装置」である。
ワイヤーで吊り上げる、電飾を張り巡らせる、表層パージで二枚目出現…等。
毎年このために億以上の金額を投じると言われており、また使用した衣装は処分せずに保存するため、その維持費もかなりのものである。
一時期は、同じく紅白常連(白組)の美川憲一との「豪華衣装対決」が番組の見所のひとつになっていた。
両者が紅白に出なくなってからは、水森かおりがそれを継承している。
1992年にはコンピュータートラブルで用意した電飾の3分の2が点灯しないという大アクシデントに襲われている。
2004年は故郷で新潟県中越地震が起きたことで被災者への配慮の為に豪華衣装を封じ、大トリとして熱唱した。
2007年に中越沖地震が起きたときも衣装の封印を考えたが、被災者からの「こんな時だからこそ被災地住民に華麗な姿を見せて欲しい」という要望を受け、豪華衣装を披露した。
大掛かりで変化する豪華な衣装、そしてそれが披露されるのが大晦日の22時半台という1年の最後の最後という事から、ネット上では「ラスボス」と形容される事が多く、Google画像検索で「ラスボス」と打つと1枚目に彼女の画像が表示されるほどである。
これに加え、「ガルーラ小林」または「オオミソカの夜」とも称される。
pixiv内でも、その豪華な衣装やラスボスをネタにしたイラストが描かれることが多い。
近年の活動
2012年、長年共に仕事をしていた個人事務所の女性社長が辞任。メディアに「社長を解雇した」と書き立てられた。
元社長が作ってきたパイプが切れたこともあり、同年から暫く紅白出場は途絶え、小林はアニメや動画サイトに新たな活路を見いだすことになる。
2013年にはTVアニメ『ダンガンロンパ The Animation』において第4話オープニング(特別バージョン)として「モノクマおんど」なる楽曲を歌い、視聴者を驚かせた。
また、合いの手は本作でモノクマを演じる声優界の大御所・大山のぶ代という、一般にはマイナーと言えるような深夜アニメで大御所×大御所というまさに夢のような超豪華タッグが実現されることになった。勝てるわけがない。
さらに同年、なんとニコニコ動画にて「歌ってみた」動画を投稿。
動画タイトルは「【初投稿】ぼくとわたしとニコニコ動画を夏感満載で歌ってみた【幸子】」。演奏には邦楽演奏集団「杵屋七三社中」を迎え、紅白ばりの舞台装置も披露するなど、初投稿とは思えないハイクオリティな仕上がりとなっている。
2016年10月19日にニコファーレで開催された、ポケモンカード20周年カウントダウンイベントにて(配布限定カードという形ではあるが)ついにポケモンになってしまった。
コミックマーケット86ではCOOL&CREATEとの合同という形でサークル参加。初参加としては異例の壁配置となった。
参戦の一報が出された直後は動揺が走ったものの、いざ当日になったとき、(COOL&CREATEからの指導もあったかと思われるが)周囲サークルへの挨拶を欠かさず、完売後も大行列に対し挨拶に出向き、立つ鳥跡を濁さず定時前に撤収していった。その大手サークルの模範とも言うべき姿勢に「ラスボス」の異名は伊達では無いとコミケ参加者達をうならせた。
コミックマーケット88にもサークル参加を表明。今回は納得のシャッター前配置である。
バーチャルYouTuberとして
2018年4月「バーチャルグランドマザー」としてバーチャルYouTuberデビュー。Vtuber界隈における「親分」ことキズナアイとコラボし、千本桜を熱唱。
バーチャルおばあちゃんと名乗れなかったのは、先駆者が存在したためか……?
このグランドマザー姿で、ドワンゴのスマホアプリ『テクテクテクテク』にも登場している。
今後も、このラスボスの動向からは目が離せない(いろんな意味で)。
Sachiko
ニコニコ動画などでの活躍が話題となっていた2015年、ヤマハ株式会社から、小林幸子の歌声を元に制作したVOCALOIDライブラリ「Sachiko」が発表された。2015年7月にダウンロード販売が、同年8月にパッケージ版が販売開始した。また、これに先んじてMMDモデルも配布されたため、永遠の命を得ることとなり、ますますラスボス化が進んでいる。
ラスボス、紅白に復活
2015年のNHK紅白歌合戦にてド派手衣装を再び引っ下げ、『千本桜』を(※通常対戦ではなく、特別枠での出演)歌唱した。
綾瀬はるか「ラスボスの降臨です!!」
まさかのNHK側の紹介でのラスボス発言。公式が年末、NHKの本気である。
(特別枠ではあるが)紅白への久々の復帰と話題になっていたが、実際のパフォーマンスでは
なんとあのメガ幸子の再登場どころかニコニコのコメントをリアルタイム表示し、衣装の一部や背景、果てはテレビ画面全体にコメントを埋め尽くすという
ド肝を抜く演出で視聴者にインパクトを与えた。
ラスボスの名は伊達ではなかった事を人々に再認識させたのであった。
ラスボス、ラスボスになる
2021年秋公開の『スーパー戦闘純烈ジャー』にて、敵の首領「女王フローデワルサ」役で出演した。
紅白さながらに巨大化し、目からビームも放つという気合の入りよう。しかも部下は過去の東映作品でヒーローや強敵役を務めたイケメン揃いとなっており、本人も「巨大化に違和感がない」と語っているほど。つまり、名実ともに彼女はラスボスとして君臨なされたのである。
永遠の命を手に入れ、正真正銘のラスボスと化した彼女に恐れる者は何もないだろう…。
実のところ東映特撮に出演するのはこれが初ではなく、キカイダー01にてゲスト出演した事があった。
代表曲
ウソツキ鴎
64年に出し20万枚を記録したデビュー曲。当時10歳であった。
美空ひばり2世と呼ばれるスーパーガールとして話題になり既にラスボスへの片鱗を見せていた。
おもいで酒
ウソツキ鴎の頃から伸び悩み続けた79年に出し、200万枚突破の大ヒット曲となった名曲。
紅白出場も決め、レコード大賞など複数のビッグタイトル獲得に至り、小林幸子の存在を確固たるものにした一曲。
後述の「風といっしょに」と並ぶ代表曲で、小林幸子と井端珠里のデュエット(さち&じゅり名義)で発表された。
「風といっしょに」よりも発表は前である(1997年に初めて放送された)。
子供達の未来への夢や大人たちの子供時代への懐古を描いた曲であり、大人になると歌詞の味わい深さに気付かされる一曲。過ぎ去った時の重さを感じさせるどこか暖かくて、どこか残酷な歌詞の為、聞く人によってはこの曲がトラウマになったという人も。
「幼少時代という冒険の終わり」という切なさを連想させるのは、当時、アニポケが最終回を想定して作られたコンテンツだからなのかもしれない。
風といっしょに
確固たる地位を築き上げた98年にポケモン映画の記念すべき1作目ミュウツーの逆襲のエンディングソングとして出した。ポケモントレーナーやサブカルファンの間で小林幸子の代表曲とも言える名曲。この年は紅白20年連続出場となった
インタビューによると当時はポケモンもよく知らなかった為、担当者に何故起用してくれたのかと尋ねたら「10代から80代までみんなが知っているから他に考えられなかった(意訳)」と返されたらしい。
オーケストラと共に歌う曲の為クラシック声楽のボイトレに励んだとの事。
2019年のリメイク映画では中川翔子とのデュエットという形でセルフカバーした。
該当映画ではボイジャー役としてゲスト出演している。
元気でいてね。
2001年のクレヨンしんちゃん映画オトナ帝国の逆襲のエンディングソング。なお小林幸子は前年の嵐を呼ぶジャングルでも主題歌を担当している。前年の映画同様に名義はこばやしさちことなっておりこれはしんちゃんくらいの子供でもわかるようにという本人の配慮。
オトナになった自分が両親に対して感謝と元気でいてね。と伝える名曲。
ちなみに、嵐を呼ぶジャングルではペガサスというビーム砲の役で出演している(しかもご丁寧に発射するビームは紅白を連想させる赤白)。どう見てもいつものラスボスです。本当にありがとうございました。
他にも紹介しきれない沢山の名曲がある。その歌唱力はラスボスと呼ぶにふさわしい力強く美しく心に響く歌となっており、ぜひ聴いて欲しい。
関連イラスト
関連タグ
バーチャルさんはみている:バーチャルグランドマザーとして出演。
ベルガスV5 ガーネット 小城美夜:いずれもこの巨大衣装の再現をしたキャラ
宇多河原せん子:モンスターストライクに登場した、どう考えても彼女をモデルとしたであろうキャラ。声は大島忍が担当したが、そっくりの演技を披露している。