この記事では「百獣戦隊ガオレンジャー」のオルグについて記述する。
その他のオルグについては「オルグ」の記事を参照のこと。タグとしては「オルグ」が使われている。
概要
この世の邪気が具象化して、「鬼」のような姿となった者がオルグである。
オルグの存在と活動を放置しておくと、地球が弱ってしまう要因になるということから、地球の意思によってこのオルグを滅ぼすべく「パワーアニマル」およびそのパワーアニマルと共に戦う「ガオレンジャー」が誕生し、長きに渡って(確認できる限り平安時代の頃から)両者の戦いが繰り返されている。学研の図鑑によれば、デーモンやオーガ、鬼と呼ばれるものの正体がオルグだと解説されている。
各オルグには頭には角があり、その数が少ないほど位が高いとされる(尻尾の数が多い方が高位であるジャシンカ帝国とは逆になる)。
後述のハイネスデュークを中心とした共同体を築いているが、明確な組織名は無く、種族名がそのまま組織そのものとして扱われており、この辺りはグロンギやアンノウンなど、平成ライダーに多く見られる明確な組織を持たない怪人群と類似している。
中堅幹部格であるデュークオルグのツエツエ(後半で一度命を落とすが終盤で復活)、ヤバイバが序盤から最終盤まで生き残り、その一方で大幹部格のハイネスデュークがガオレンジャーに倒されては交代するというパターンも異例であった。
オルグ怪人は角を失うと緑色の血を流して死んでしまうが、この世の邪気から生まれる存在であるため、根絶やしにすることは出来ず、時代が変わるにつれて、新たな世代のオルグが誕生するのである。「人間がいる限り滅びることはない」という点は、『忍者戦隊カクレンジャー』の妖怪軍団にも通じる要素である。
ちなみに、アメリカ版「パワーレンジャー・ワイルドフォース」でも「オルグ」という同じ名前である。
第2話では心を持たないという設定が明かされているが、どうも振る舞いは人間臭く、この設定がどこまで活きているかは不明。
なお、ガオズロックにある泉にツエツエが触れた際には苦しんでいたり、お札を貼られて原付オルグが封印されている辺り、聖なるものに弱い節がある。
構成員
首領
オルグマスター |
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オルグを支配すると言われている謎の存在。実は、ハイネスデュークたちがオルグを支配するためにでっち上げたブラフであった。 |
百鬼丸 |
1000年前のオルグの王だったが、シロガネ(後のガオシルバー)によって倒された。 |
センキ(声:郷里大輔) |
シュテン、ウラ、ラセツの3大ハイネスデュークと、ツエツエが作り出した巨大オルグシードを融合させて誕生した、新たなオルグの王。 |
ハイネスデューク
巨大な一本角を持つ大幹部クラスのオルグ。
Quest.48にて、ツエツエと共に3体とも蘇り、ヘルハイネスデュークとなってガオレンジャーに襲い掛かり倒されるが、ツエツエによって、センキへと転生した。
シュテン(声:稲田徹) |
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最初に登場したハイネスデューク。短気で好戦的な性格。武器は斧「ハイネスアックス」。 |
ウラ(声:西脇保) |
シュテンに代わり登場した2代目のハイネスデューク。美を好む。公家のような口調で喋る。武器は扇。 |
ラセツ(声:柴田秀勝、西川宏美) |
3代目のハイネスデューク。配下にプロプラとキュララ、そしてドロドロを持つ。「絶望の王子」と自称し、男女2つの人格を持つ。 |
ラクシャーサ(声:飯塚昭三) |
Vシネマ『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』に登場した、はぐれハイネスデューク。人間の魂を食らい、絶望へと変えることを至上の悦びとする。 |
デュークオルグ
細長い一本角を持つ幹部で、立場的には中間管理職といったところ。
下位のオルグ魔人に直接指揮を執る。
ヤバイバ(声:坂口候一) |
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ピエロのような姿のデュークオルグ。ナイフが武器で、ガオイエローをライバル視しているものの、ガオレンジャー全員からは低く見られている。 |
ツエツエ(演:斉藤レイ) |
人間の女性に似た姿のデュークオルグ。杖が武器。ガオホワイトとは、「小娘」「おばさん」と罵り合いながら戦うことが多い。オルグが倒されると、オルグシードで巨大化させる。 |
狼鬼(声:竹本英史) |
狼に似たデュークオルグ。ウラによって眠りから覚めた。一匹狼的な性格で、1000年前に自らを封印したガオレンジャーを恨むだけでなく、ウラにも従おうとしない。 |
プロプラ |
ラセツに仕えるデュークオルグで、戦闘機のような姿が特徴。 |
キュララ |
ラセツに仕えるデュークオルグで、戦車のような姿が特徴。 |
ドロドロ |
ラセツの影の腹心ともいえるデュークオルグで、忍者のような姿が特徴。オルグ忍法を使う。 |
怪人
オルグ魔人 |
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角が複数(2本ないし3本)ある鬼で、本作における「今週の怪人」。デュークオルグに対しては「一本角」と呼んでいる。モチーフになっているのは、日用品や機械などの器物である。 |
戦闘員
オルゲット |
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角ともいえない不完全な瘤を持つ最下級のオルグで、本作の戦闘員。 |
オルグの戦力
鬼洞窟マトリックス
オルグの本拠地で、地下に存在している。
オルグシード
「オルグシードよ、消えゆかんとする邪悪に再び巨大なる力を!鬼は内!福は外!」
ツエツエが手にする杖から発されるピーナッツに似た特殊な豆で、泡と化したオルグ魔人を再生・巨大化させる。
その他、協力者など
オルグ三兄弟
劇場版「火の山、吼える!」に登場したオルグの兄弟。それぞれが3つの次元を支配している。
ゼウスオルグ(声:三宅健太) |
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三兄弟の長男。稲妻状の剣を武器とし、剣から「魔王のイカズチ」を撃ち出す。非常に傲慢な性格で、戦闘力はガオシルバーを追い詰める程に高い。しかし、兄弟同士の絆は硬いようだ。 |
ポセイドンオルグ(声:水木一郎) |
三兄弟の次男。アンコウと津波を合わせた外見をし、武器のトライデントから放つ泡爆弾「ツナミアタック」が必殺技。非常に酒癖が悪い上に、おつむが非常に弱い。 |
ハデスオルグ(声:山形ユキオ) |
三兄弟の三男。非常に気性が荒い性格をし、高速回転して突風を纏う鎌での斬撃「ヘルトルネード」を必殺技に持つ。島民を甚振ることを好む。 |
二の槍候補チュウボウズ(声:岸祐二) |
Vシネマ『忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』に登場した、チュウズーボの弟。生き残ったヤバイバ・ツエツエと暗黒七本槍と手を組んで、ガオレンジャーを捕らえてハリケンジャーを襲った。 |
キングオルグ |
PS版のボスたるオルグの王。第1形態は鬼の腕輪に似た鎧を肩に纏った赤鬼に似たかっこよすぎる姿、第2形態は展開した肋骨に真の顔が隠されており、ここから光弾を放って攻撃してくる。 |
海外版
マスター・オルグ
日本版では単なるブラフであったが、こちらでは本当に存在する。
海外版では友人であったレッドレンジャーの父親であるリチャードの才能に嫉妬したビクター・アードラーという男がジャングル奥地で発見したマスターオルグの種を飲んで変貌した姿として登場。しかしながら、あくまでツノは作り物。
一度はマンディログ(ラセツ)に谷底に突き落とされて死んだかに思われたが、この時に正真正銘のオルグとして覚醒、オルグの心臓を取り込んで究極体の姿となった。
先代のマスターオルグは地中に溜まる邪気から生まれ、体から伸びる蔓(日本版のオルグシードのようなものか)で人類や自然に牙を剥いたとされる。この時にオルグと戦った5人の戦士団(陰陽師的だった原作とは異なり、こちらは騎士に近い)がのちのパワーレンジャーの原型になったという。
ミュートオルグ
ロファング、タカッチ、キレッドのオルグ三人衆。
31世紀の未来で石像に封印されていたが、復活したのちにタイムフォースと対決したミュータント・ランシックのDNAを手に入れて現在の姿に変貌した。
マスターオルグを求めて21世紀にやって来た。
スーツはそれぞれジゴクネジラー、雷針サイマ獣ライマ、闇商人ビズネラの流用。
余談
以下のようにパワーアニマルとオルグは確かに対になる存在ではあるが、地球上の気が何かを真似たという意味ではある種の同族ともいうべき存在である。だからこそ、パワーアニマルはオルグの力の源泉となる邪気の影響を受けて魔獣になるのだと思われる。
パワーアニマル
- 地球上の精霊が動物の姿を模した存在。よって生き物なら持つべき魂の言葉を持つ。
- 見方を変えれば地球に息づく命や大自然の象徴。
オルグ
- 地球上の邪気が無機物を模した存在。よって生き物なら持つべき魂
の言葉を持たない。
- 見方を変えれば人間の欲望のままに進展する文明の象徴。
オルグは邪悪な衝動が力の根源とされているように、人間も心にある「衝動」で自然を破壊し、文明を興したとされる。センキはこの衝動を吸い上げて地球をオルグの星に変えようとした。
人間はある意味でオルグに近しい存在である事がうかがえる(一方で人間は自然から生まれた存在であることも確かな為、パワーアニマルのような自然側の存在に立つ事も出来るのだろう。こうしたパワーアニマルとオルグの対立構造はこうした人間の矛盾した側面を表しているかのようである)。
関連イラスト
関連タグ
アンノウン:ニチアサ同期の敵対勢力。
ロンダーズファミリー→オルグ→宇宙忍群ジャカンジャ