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概要

1997年3月8日公開。藤子・F・不二雄は本作の執筆中に亡くなったため、遺作となった。映画ドラえもんで制作総指揮として藤子・F・不二雄と表記されるのは本作が最後となった。

漫画版では62頁の途中で絶筆した(勘違いする人も多いが、ペン入れではなくネームの段階)。藤子氏による完成品は漫画版の表紙、扉絵、冒頭のカラーページにあたる。それ以外は生前残した下書き、原案を元に、むぎわらしんたろう他藤子プロのスタッフによって作画が行われた。芝山努監督はこの映画に限り原作完成前に話の大筋を教えたりするなど遺作になることを分かっていたかのようだったと語っている。

本作はF監修の作品では最後となるためか、『ドラえもん』世界の根幹にかかわる設定が明かされている。それと対照的に、敵キャラは『宇宙小戦争』に並ぶ歴代最弱候補となっているが。

ストーリー

「生命のねじ」により命を得たのび太のウマのぬいぐるみ「パカポコ」。思いっきり走らせたいが、そんな場所は無く、夜に空き地で走っていた。

ある日、スネ夫の自慢話にのび太は「牧場を持っている」と嘘をついてしまい、何とかならないかと考えていると、ドラえもんが22世紀から福引の小惑星引換券を持ってくる。そこに牧場や町を作ろうと思い、「どこでもドア」で片っ端から星を調べるが、ハズレ券なので使いものにならない星ばかり。しかし、最後に残った星の番号をドアに告げると、ドアの先は大自然の広がる美しい星に繋がっていた。

ドラえもんたちはこの星に各自が持つおもちゃを持ち込み、パカポコと同様に生命のねじで命を吹き込んで開拓を始め、おもちゃの町「ねじ巻き都市(ねじまきシティー)」を作り上げる。

しかしこの星で原因不明の雷雨など、不思議なことが次々に起こる。

そんなある日、1人の脱獄囚が野比家を通りかかって見つけたどこでもドアをくぐってねじ巻き都市に忍び込む。その凶悪犯・熊虎鬼五郎は、偶然落ちていた「タマゴコピーミラー」で自らのクローンが生み出されると、彼らを率いて都市の乗っ取りを目論む。ドラえもんたちはその事態に気づかないまま、高度な知性を備えた状態で生まれたおもちゃ・ピーブたちとともにより良い町づくりを進めていく...

ゲストキャラクター

ピーブ

声 - 佐々木望

Pと書かれた赤い帽子を被るぬいぐるみのブタ。落雷によって高い知能と言語能力を得た最初のぬいぐるみでぬいぐるみのリーダーを務めるようになる。

プピー

声 - 白川澄子

ぬいぐるみのブタでピーブの妹分。ドラえもんが人工的な雷を使って知能を得るが、人工製ゆえか少々幼く多少呂律が回らない感じである。

パカポコ

のび太が「生命のねじ」で命を吹き込んだウマのぬいぐるみ。

アイン・モタイン

声 - 菅原正志

ぬいぐるみのウシ。落雷によって高い知能を得た学者。環境に配慮できる技術に取り組んでいる。

レオナルド・ダ・ヒンチ(漫画のみ)

ぬいぐるみのウマ。アイン・モタインと共に落雷によって高い知能を得る。

トーマス・メエージソン(映画のみ)

声 - 塩沢兼人

ぬいぐるみの羊。アイン・モタインと共に落雷によって高い知能を得る。上記レオナルドの代役。セリフの「め」の部分を「メェー」と伸ばす癖がある。

ウッキー

声 - よこざわけい子

「生命のねじ」を使って命を吹き込まれた、しずかのぬいぐるみのサル。いたずら好きで、命のネジを勝手に持ち出し、更に「どこでもドア」をくぐって地球に行き、いくつかの物体に命を吹き込み、ねじ巻き都市に連れてきた。

ゴジちゃん(漫画)、ティラ(映画)

声 - 茶風林

ジャイアンにより命を吹き込まれた赤い恐竜のぬいぐるみで彼に弟のように愛される。普通のぬいぐるみだったが中盤では二階建て程の体格へと成長した。

熊虎 鬼五郎(くまとら おにごろう)

声 - 内海賢二

前科百犯脱獄囚。コミカルな描写は多いが、死人が出ることも構わず放火を行うなど、(しょっちゅう強盗空き巣が出てくる)『ドラえもん』世界の現代において恐らく1,2を争う大悪党。偶然入ったのび太の部屋の「どこでもドア」に入りねじ巻き都市のある星へ迷い込む。クローン達にオリジナルである自分が率いるものだとして「社長」と呼ばせている。皆同じ顔なため途中から帽子を被るようになった。

中の人は『のび太の恐竜』のドルマンスタイン役。また初代しずかの中の人の夫。

ホクロ

声 - 松尾銀三

熊虎鬼五郎のクローンの1人。しかし、本物と違って優しい。

鬼五郎の中の人とは『きかんしゃトーマス魔法の線路』でも共演している。

黄金の大魔神

星に住む、正体不明の怪物。鬼五郎達はおろか、ドラえもん達にも襲い掛かる。決まった形を持たず、大蛇や巨大カブトムシ、戦車と自由に姿を変えられる。

この怪物にはとある秘密がある…

ウッキーにより命を吹き込まれた物体たち

小便小僧

水で鎮火する。

骨格標本

ホクロにかみつき怖がらせる。

パンダ(映画のみ)

声 - 青木和代

パンダの乗り物。パンダの形の部分が独立して命を得た。

ザンダースおじさん(漫画のみ)

カーネル・サンダース像に似た人形。鬼五郎一家をチョップで打ちのめした。

「○野□三」の選挙ポスター(漫画のみ)

空中を舞いながら選挙の呼びかけ文句を叫ぶ。

舞台

宇宙(ねじ巻き都市)

小惑星帯のどこかに築かれた植物の星。カモフラージュの作用が働いていた為、本来なら地球に認知されないようになっている。しかしのび太がカード番号を読み間違えてドアに入力した為、本来とは違うこの星に空間が繋がったことで行き来できるようになった。

登場するひみつ道具

タイムマシン

外れくじ

どこでもドア

テキオー灯

生命のねじ

エッグハウス

タマゴコピーミラー

自家用衛星

ビッグライト

タケコプター

人間機関車セット

通りぬけフープ

スペアポケット

とう明ペンキ(原作のみ)

石ころぼうし(映画のみ)

カメレオン気球(原作のみ)

ヤミクモガス(映画のみ)

フワフワ銃 - 前作に出てきた物で、記念に貰った。

フエルミラー(原作のみ)

タマゴ逆転装置

植物の素(原作のみ)

主題歌

オープニングテーマ「ドラえもんのうた」

作詞 - 楠部工 / 編曲·作曲 - 菊池俊輔 / 唄 - 山野さと子(コロムビアレコード)

エンディングテーマ「Love is you」

作曲 - 矢沢永吉 / 編曲·作詞 - 高橋研 / 唄 - 矢沢永吉

関連タグ

大長編ドラえもん 映画ドラえもん

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