マルタン・アップモント
まるたんあっぷもんと
CV:榎木淳弥
概要
アスティカシア高等専門学園の地球寮の寮長を務める経営戦略科3年生。学籍番号KS223。
ニカ・ナナウラやチュアチュリー・パンランチと仲が良い少年。視聴者の心情を代弁するかのようなツッコミをよくしている。
人物像
優柔不断でやや頼りない言動が目立つが、本質的には寮長に相応しい芯の通った人物。
食事中に現れたスペーシアン女子集団との騒動の後、チュチュがその場に置いていったプレートも含めてその場を片付けるハメになったり、フライトユニットを製作する際に予算の超過を嘆きため息を吐くなど、いわゆる苦労人ポジション。
彼自身も6話で「まずいよー!。ペイル社のモビルスーツは機動力が売りなんだ。まして新型が相手じゃ……」と青ざめたてていた。
スレッタに対しても当初こそスペーシアン故に警戒していたが、ニカの発言からすぐに態度を切り替えて友好的に接する、第7話でエアリアルが解体されそうになった際は「まずいよ、このままじゃエアリアルが……」と心配するなど、入寮して間もないスレッタへの協力を惜しまない姿勢は、地球寮の寮長に相応しい人物と評価できるだろう。
予算表の管理を行っていた際も、アリヤに先月の表の記入ミスを指摘される、音痴であるなど、何かしら強みを持っている地球寮メンバーにおいて何かしらの際立った個性を持ち合わせていないようにも見える。
あえて挙げるとすれば洞察力であり、実際エランとの〈決闘〉においては、グエル戦では「彼の豪快な戦闘によってレゴリスが飛散する」と分析し、スレッタ戦では「彼女の機体が機動力に優れたペイル系に翻弄される事態」を危惧し、ビットステイヴ一基がコラキに捕縛された際に狼狽えていた。
夜のニュース番組でアーシアンのデモが報道された際には偏向報道に嘆き、ヌーノやオジェロと共にアーシアンの肩身の狭さを語っていた。
上記の通り“人の上に立つ者の資質”は幾分欠けている節はあるものの、「自分が寮長だ」と威張り散らさない為、他の地球寮寮生から反発と萎縮を生まさず伸び伸びとできている。
マルタンがミスすれば他の寮生が率先してサポートする=自然と寮生達が活躍できる環境を作っているようでもあり、(結果的にだが)自己主張が弱いからこそ纏め役を担えているという、ある種の「縁の下の力持ち」とも評価出来る(仮にマルタンの性格が苛烈であるならば、確実にチュチュ辺りと不仲になり地球寮の結束が崩壊していると思われる)。
また、他の寮生の手綱を巧く握れていない現状を自覚しつつも、不貞腐れずに寮長を務め続け、唐突な組織樹立にも(挙動不審になる程)真剣に今後の事態を思案し続ける姿から、本質的には生真面目かつ責任感に篤い人物と評価できる。
インキュベーション・パーティでマナーがわからず、ローストビーフを取り損ねていたニカに対して、彼は普通にローストビーフを食べて堪能していた姿から、育ちはそれなりに良い模様。
宇宙船の扱いに関しては、帳簿とは対照的にアリヤの勘違いを指摘しており(血縁や支援者に水夫や宙運会社などがいるのかは不明だが)確実に誇れる点と評価できる。
動向
第1話から〈決闘〉の観戦客で登場しているが、本格的な台詞などがあったのは第2話から。
食堂でニカとチュチュとの食事中にスレッタの推薦企業について検索し、弱小企業ぶりに騒然とする。彼女がグエルと〈決闘〉する事態となり、寮の面々と観戦しながら「ジェターク寮が手段を選ばなければ確実に勝利するだろう」とぼやいていた。
スレッタの地球寮入寮時には「彼女がスペーシアンである」のを理由に不安げだったが、ニカの「スレッタさんは他のスペーシアンとは違うよ。私達を下に見たりしない」発言で安心したのかリリッケ、アリヤとともにその場で握手を交わしつつ自己紹介した。
ミオリネの起業を巡っては、インキュベーション・パーティにホルダーの同伴者として参加するが、食事を堪能していたところにニカとシャディクの密会を目撃してしまう。パーティの出来事をニカと共にチュチュ初め参加しなかった寮生に説明するも気が気でなかった様子。その後ミオリネに他の地球寮生と共に『GUND-ARM Inc.』に強制入社させられ、腹が決まるまでの間挙動不審に陥った。
グラスレー寮との決闘ではガンダムへの搭乗を拒否したが、パイロットの人員不足を解消出来ず、ハンドガンと飛行ユニットを装備した標準タイプのザウォートに搭乗・参戦する。メイジー機の接近に反応してオジェロと共にビームライフルを1発撃ったが、パイロットの技量差もあり瞬く間にやられてしまう。その後チュチュ機を復旧・調整し狙撃体勢を整え、グラスレー戦の勝利に貢献した。
ちなみにガンダムへの搭乗を拒否した際は「ガンダムに乗ったら死んじゃうんだろう!?」と口にしており、(中の人つながりで)かつて「パイロット」であったのを踏まえると味わい深い(?)。
無事起業が認められてからは、事業展開の為に動き「GUND義足のPV撮影」に屋上の利用を申請し、その際にマルタンは「グラスレー寮が実際に利用していた」前例を出して力説するが「アーシアンである」からか認めれられなかった。
関連タグ
主要人物
- スレッタ・マーキュリー:後に地球寮として迎え入れた。
- ミオリネ・レンブラン:寮に所属していないにもかかわらず居座り、起業の際に強制的に入社させられた。
ガンダムシリーズ
- ビーチャ・オーレグ/イーノ・アッバーブ:前者は少年団のリーダーで、後者はメンバーの一員であるがそろってパイロット技能は低い。マルタンはポジションはビーチャ、言動はイーノと両者を折衷した風に見える。
- オットー・ミタス:登場当初はこれまでの伝統通り(ドサクサ紛れで)母艦を手に入れ艦長に就任すると考えられていた。芯の強い女性に尻に敷かれている扱いから、今後の展開次第では初期の予想通り彼のような弱気な艦長を務めるのだろう。
- ヨナ・バシュタ:中の人が同じガンダムシリーズのキャラクター。彼がガンダムに搭乗しているシーンもあり、マルタンがガンダムに乗り掛けた際は、視聴者からネタにされていた。
- ウッソ・エヴィン:言動がどことなく似ている。ただし、こちらは主人公であり、立派にガンダムを乗り回した。
他作品
ALERT
警告! 直ちにスクロールを中止しなさい。
※ネタバレ注意!!
※以降から第11話以降の情報のネタバレが記されます! ネタバレが嫌なユーザーはブラウザバックを強く推奨します!
繰り返す、直ちにスクロールを中止しなさい!
ALERT
第11話以降の動向
ミオリネが購入した社用船でベネリットグループ開発プラント「クエタ」への航海訓練が行なわれ艦長役を務めたが、何者かの襲撃に居合わせてしまう。警報に訓練ではないと説明するが襲撃部隊の一味が係留していたドックに迫る。
地球寮の面々と避難するが、マルタンは「寮長として“逃げ遅れた寮生が居ないのかの確認”を」と思って艦内に戻った折り、彼女がテロリストに対して意味深な信号を送る現場を目撃してしまう。
「ニカ……今のは……何をしたんだ……?」
その問いに、ニカは開いた口が塞がらなかった。
マルタンが信号……以前にニカの行動の意味を理解していたかは不明だが、少なくとも交渉や説得などに到底応じなさそうな連中を、艦内のコンソールをいじっただけで退けた彼女に対し、疑惑の眼差しを向けてしまうのは無理も無い。
仮に目撃していなければ、マルタンを含む地球寮の面々は「運良く助かった」と安堵していたのだろうが……。
今まで寮長として目立つ活躍をしていなかった彼が見せた、初めての寮長らしい活躍は苦く、やるせない形となってしまった。
第2シーズン
上記の演出もあってその後が心配されたマルタンだったが、第2シーズン・第13話で他の地球寮のメンバーとそろって登場した。
同13話後半で交わされたニカとの遣り取りから、どうやら彼女の行動は他の地球寮メンバーには内密にしている(恐らくニカを信じたい思いと、寮生間での不和を生みたくないからと推測)。
もっとも、ニカが真実を話そうとしない現状に不安を覚えているのも事実であり、挙動不審が更に酷くなっている風にも見える。
第14話ではニカが一端となったトラブルを地球寮の皆が心配する中、プラント・クエタの秘密を知るマルタンだけは
「ニカは昔から何も答えてくれなかった……。自分の事も……」
と前話での不満を混じえながら漏らしていた。
更に同14話の後半で〈ランブル・リング〉の最中に、チュチュの異変に気付いたマルタンだが、直後にテロリストの介入に遭い、思わず「まさか……!?」と漏らしてしまう。
学園がプラント・クエタの二の舞と化すも、テロリストが撤退し事なきを得た地球寮の一同だが、直後に学園のフロント管理局の人員が現れるや、彼らは「ニカ・ナナウラにテロ等準備罪の疑惑がある。地球寮の生徒も事情聴取のため連行させて貰う(要約)」と宣言した。
その直後、地球寮のメンバーが集うフロアから離れた区画にシーンが変わると、不安の表情を浮かべつつ、携帯端末を強く握り続けるマルタンが居た……(この時の描写を見ると、ニカをフロント管理局に通報した事態が窺われる)。
結果的にマルタンの行動は『ニカをフロント管理局に売った』形になった為、一部の視聴者から非難の声が出ていたが、
- 彼自身は地球寮の寮長の立場にいる(社長のミオリネが不在なので、尚更責任感が生まれる)。
- 「何とかしてあげたい」と思い再三説得したのに、当のニカが何も教えてくれない。
- そんな中でテロリストのガンダムが再び現れた上、学園内で死者を出す程の事件が起こる。
- これ以上ニカの件を黙っていれば、もしニカとテロリストとの繋がりが露呈した時「地球寮全員がテロに関与しているのでは」と疑われるのが免れない。
- 下手すると株式会社ガンダムが解体される可能性もある。
- そもそも、株式会社ガンダムは本来は禁忌とされているGUNDフォーマット並びGUND-ARMを所有する企業であり、社長の実父の認可と庇護があって存続できている上に、まだ世界中には認知されていない。
- 最悪の場合、地球寮全員が無実の罪で逮捕されてしまう(当然アスティカシアを退学処分になる可能性もあり得る)。
等のリスクも否めなかった。
マルタンとしてもニカを信じて真相を話してくれるのを待っていたが、上記の事態の状況から、完全に個人の手には負えないレベルまで陥ってしまった以上、考え抜いた末に『地球寮全員の安全』を最優先し通報したのは、正しい判断だったと評価している視聴者もいる。
第16話では無事にフロント管理局から解放された地球寮一同だったが、疑いそのものが晴れた訳ではないのか、寮生の停学処分に加え、株式会社ガンダムの資材の一部(エアリアルやデミ・トレーナー)が接収されるなどの事態に陥っていた。
その最中、他の寮生から言われなき理不尽を押し付けられる地球寮だったが、マルタンは寮長として毅然に彼等に反論するも、スレッタの登場でその矛先が彼女に向けられた瞬間、マルタンが咄嗟にスレッタを庇い負傷してしまう。
その直後、ミオリネの帰還で最悪の事態が回避できたものの、地球寮にスレッタの母が登場したため、ミオリネとスレッタを除く地球寮の寮生は呆然とするしかなかった。
第17話でも引き続き頭部に包帯を巻いており、スレッタと学園に復帰したグエルの〈決闘〉を見届けたが……
第18話ではミオリネに会いに行こうとする地球寮のメンバーで唯一「負傷しているから」「留守中に他の寮生から悪戯されるかもしれないから」という理由で半ば強引に留守番を任される。
「通話じゃダメなの……?」
ニカの名前が出た際は拳が震えつつも留守番を引き受け、チュチュ達を見送った。
しかし、ニカの真相を抱えている現状やこれまでの事件による心労の蓄積により心身ともに限界が来ていたのか、ひとりカウンセリングルームへ出向き、カウンセラーのハロに悩みを打ち明けた。
「僕は……仲間が罪を犯してると知って、通報しました……罪は罪です。僕は、寮長として仲間を守りたかった……何もおかしくない! 僕のした事、正しいですよね!?」
ハロに訴えるマルタンだったが、一通り言い終えた所で何故かクイズの不正解の如くブザー音が流れ、呆気に取られてしまう。
すると、ハロの奥にある壁からセセリア・ドートが現れ、これまで他人に隠していた秘密を握られてしまうのであった……。
その後、第19話では地球寮にも帰してもらえず雑用などでこき使われながら煽られたが、彼女の説教で自分の行為が「一番じゃないやり方」だったことを自覚。
解放され寮に戻ると、朝食の席で自分がニカの行為を管理局に通報したことを告白し謝罪した。皆マルタンがそうするしかなかったことを理解し(特にヌーノは「自分が同じ立場ならそうしていた」と同情していた)、それほど責められることはなかったが、チュチュには胸倉を掴まれ、ティルには頼ってくれなかった罰として厩舎の掃除を要求された。
第20話では、地球寮のメンバーと和解した事を報告しようとセセリアとロウジを訪ねるが、そこで2人からエアリアルが地球でテロ行為を行った事を問い詰められる。マルタンは『何も知らないので自分達も驚いている』と主張するも尋問は終わらず、悲鳴を上げた。
その直後、スペーシアンを虐殺しようとノレアが暴走し、セセリアとロウジと共に地下シェルターへ避難し、そこで地球寮のメンバーとも合流。デミトレーナーを破壊されて歯痒い思いをしていたチュチュにセセリアがブリオン社の最新鋭『デミバーディング』を貸与され、同時に失踪していたニカと再会。ニカと一触即発になりかけるチュチュを宥めつつ、ニカにデミバーディングの調整を頼み、もう一度話し合おうと約束させた。
終息後、ひとり救助活動をしていたスレッタと合流し、地球寮みんなで救助を手伝った。
ネタバレ関連タグ