ガヴァドンA
がゔぁどんえー
概要
イルカのような流線形で、文字絵で「 (@、)>」と表せるシンプルなデザイン。
なんでこんな見た目になったのかというと、単にムシバ少年の絵描きが下手だったからで、怪獣化する前は友人達からも下手さをからかわれていた。
やることは寝るだけ。科学特捜隊や防衛軍に攻撃されてもオロオロしてばかりで反撃らしい反撃はしなかったどころか、尻尾を切られても特に動じる様子もなく普通に寝ていた。
この造形から、ウルトラ怪獣屈指の『萌え怪獣』に数えられ、生物彗星WoOのモデルにもなった。
ちなみに、見えにくいが腹の下側にはオバQのような小さな足があり、イベントに貸し出された際に伸ばして立っている写真が存在する。
映像作品では『ブレーザー』でのクレーンに吊られるシーンが分かりやすい。
第24話「狙われない街」にて土管に描かれていた。
第3話と5話で、教室の黒板に書かれた落書きとして登場(単行本で、エレキングが描いたものであることが判明している)。漫画版ではそのままフェードアウトしてしまうが、単行本ではおまけ漫画において実体化して周囲の生徒たちを仰天させる様子が描かれている。
第15話「朝と夜の間に」に登場。
プレミア発表会にて、新怪獣達に混ざってガラモン、カナン星人と共に姿を見せ、登場が確定。
スーツは新造であり、『ギンガ』劇場スペシャル以来10年ぶり、スーツ有りでは実に57年ぶりの再登場となる。
その後先行公開された場面写では、Aの姿でブレーザーと戦っている様子が映し出されており、初めてAの姿でウルトラ戦士と戦うこととなったが、Bの姿は登場しなかった。
概ね初代と同じ姿をしているが、目の輪郭がはっきりしておらず、どこか生物感のない不気味さも感じるデザインへと若干のアレンジがなされている(とは言え、大人しい性格と後述の身体の性質から子供達には『可愛い』と評されていた)。
今回の個体も少年の落書き…つまり、人間の妄想から生まれた存在であり、ヒルマ・ジュンの描いた落書きが謎の宇宙線を浴びて実体化する。「ガバっと出てきて、ビルをドーンと壊す怪獣」を略して「ガヴァドン」と名付けられた。
今作のガヴァドンは「描いた絵の大きさに比例して巨大化」するカタチになっており、出現当初はキャンパスノートに描かれた絵と同じサイズで猫の様な小動物程度の大きさであり、目撃者からは「白いツチノコ」や「大きな餃子」などと呼ばれていた。その後いくつもの画用紙を繋ぎ合わせて描いた大きな絵でイルカ程のサイズに変化し、最終的に大人に見つかった事でジュン達が大人に負けないように校庭に地上絵のごとく巨大なガヴァドンを描いたことでブレーザーに匹敵する巨体と化してしまった。
本作では絵(に描いた食べ物)を主食にしていることが判明。ジュンやアラタは「絵から生まれた存在だからかな」と推測している。身体はやはりクッションのように柔らかく、お日様で干した布団の匂いがするらしい。
因みに、ジュンは『怪獣なんだから、もっと角とか付ければ良かったかな?』と考えていたが、アラタの妹のツムギが『こっちの方がフワフワだから良い』と気に入っていた為か、初代と違いBの姿に描き直されることはなく、絵のサイズを大きくするのみとなった。
戦闘能力は見た目通り皆無。
しかし、防御力はかなり高い部類のようで、初代はミサイル攻撃で体中に穴が空いて傷付いたり、尻尾が千切れていたが、こちらでは物理攻撃はその柔らかボディで衝撃をことごとく無効化し、爆撃のミサイルだけでなくチルソナイトソードのライデンズフィニッシュも、背中の突起をアースにして流し無効化してしまった。
本編での行動
最初はクラスメイトの少年・アラタの秘密基地に連れて行かれて描いた画用紙一枚の絵から生まれ、その後せっかくならと何枚もツギハギした画用紙に中サイズのガヴァドンが描かれ、大人に見つかった事で、ジュン達がそれに負けないように地面に大きく描いた事がきっかけで巨大怪獣化してしまう。
ビル街で寝てるだけでもインフラに被害を出し、GGFは住民らを避難させて退治を試みるも弾力のあるボディでミサイルがおもちゃのように散らばり周囲に誤爆、それに驚いたガヴァドンが暴れて二次災害が発生するなど作戦が難航。
更にガヴァドンを説得しようとしたジュンらが攻撃に巻き込まれかけてしまい、モッピーからモニターでその様子を確認したゲント隊長は慌ててブレーザーに変身。チルソナイトソードによる攻撃を無効化したり、クレーンのごとく変形させたスパイラルバレードに運ばれかけるも失敗させるなど、ガヴァドン自体は戦闘行為をしているわけではないものの、(どちらかというと被害の拡大を防ぐためにビル街から連れ出そうとしていた様子だった)ブレーザーを手こずらせることになる。
やがて日は暮れ、延々と続いた戦いに疲弊するブレーザーと必死にブレーザーに戦いをやめるよう訴えかけるジュン達だったが、最終的にジュンに「ごめんガヴァドン、痛かっただろ?ガヴァドン、君はなにも悪くない。でも…僕らが君を大きく描きすぎちゃったんだ。もう一緒にはいられないんだよ」と謝られたことで自身の運命を悟ったのか、抵抗を辞め沈静化した。最終的には初代同様ブレーザーが宇宙へと運び、空に輝く星座とする事で決着がついた。
余談
監督の田口清隆氏は既存キャラを新規スーツで作る企画が上がった際に常にリクエストし続けており、今回満を持して登場することとなった。
シネマトゥデイのインタビューにて田口監督の好きな怪獣の一体で同期怪獣であるブルトンは『ウルトラマンZ』で作られていてなんでガヴァドンは作られてないんだろうともやもやしてた矢先、ウルトラマンフェスティバルで販売されてたガヴァドンAのぬいぐるみが売り切れになってて「ガヴァドンAは人気が出るって!」と胸の内にあるガヴァドン愛を滾らせていた。するとブレーザーの企画が始まったタイミングで造形部の親方からこっそりと作りかけのガヴァドンの着ぐるみを見せてもらい、造形部に「他の監督に渡さないでください!」とシリーズ構成の座組でも最初から田口監督の回に入れたと話している。
また、ジュン達が手に抱えられるサイズのガヴァドンと2mサイズのガヴァドンは実際に売られているぬいぐるみを改造したものである。
これまでは、土管や鋼管にガヴァドンの絵が書かれていたのに対し今回は画用紙や学校の校庭で書かれたのは、昨今土管を見ることが少なくなった上に公共の建物に落書きするのがコンプライアンス的に難しいため(ちなみに直接関係はないが、ガヴァドンがクレーンから落ちた場所は土管の積まれた工事現場であった)。よってプレハブをひみつ基地にするというギリギリのラインで演出されている。
最初のすごいスピードで走るガヴァドンはぬいぐるみを操演で動かしており、現場では「ガヴァドンが走ってる!!」と大盛り上がりであった。しかし監督してはもっとやりたいことがあったが、撮影日がシリアスな内容の第14話と同日だったため、もっと時間が欲しかったという感想をこぼしている。
『ウルトラマン倶楽部2』では第1章での雑魚として登場。好戦的で集団で襲い掛かってくる他、第3章ではボスキャラにもなっている(言葉づかいもチンピラのそれで、村に生け贄を求めてくる)が、やっぱり雑魚だった…。
カプセル怪獣としても登場、HPを全回復させてくれる。
なお、2には説得コマンドがあるが3のような効果はなく、説得しても怒らせるだけである。
『ウルトラマン倶楽部3』では名前が「コガバドン」となっている。
敵として登場するが、説得するカプセル怪獣として仲間になってくれることが多い。
HPを1000回復させる。回復アイテムという物や回復させる能力が存在しない本作では非常にありがたい存在である。
原作よりもさらに可愛くデフォルメされて登場。
第1話「ウルトラドミノ」のキーキャラクターだが、原作同様にすぐ昼寝をする為、バルタン星人からよくお仕置きされる。ウルトラマンのオブジェから放たれたビームでドミノから実体化した巨大ガヴァドン(A)と連動しており、制限時間内にゴールしなければならなかったがまたも昼寝を始めた為、バルタン星人に尻尾を挟まれて覚醒。なんとかゴールまで辿り着き、巨大ガヴァドン(A)の体が分解されてぐんぐんカットするウルトラマンの絵が完成、ドミノチャレンジはなんとか成功した…が、ガヴァドンは踏まれたり挟まれたりした事を相当根に持っており、バルタン星人を追いかけ回していた。
最序盤の最も弱いザコ敵として両作に登場する。
因みに1作目ではチュートリアルの敵としての役割りを任せられる。
しかし別に悪い怪獣という理由でもないのに、敵キャラである。
こんな可愛い怪獣にも成分を砂に変えてしまう月光蝶や惑星一個を粉砕させるシューティングビーム等のチート過ぎる技を練習がてらにお見舞いした人は少なからずいただろう。
余談
彫刻家ヘンリー・ムーアの作品がモチーフになっている。
大怪獣バトルでは、技カード『昼寝の時間』として登場。3ラウンドの間、相手のアタックを100下げる効果を持つ。
上半分は山なり、下半分は扁平の白い体が「餃子に見える」とネタにされてきたガヴァドンAだったが、バンダイが2014年6月に発売したガシャポン『3分!簡単!ウルトラクッキングスイング』で正式に『ガヴァドン(A)餃子』をレシピと共に発表し、
調理時間 | 3分 |
---|---|
調理者 | ウルトラマン |
材料 | 土管1本、宇宙線適量、太陽光線適量 |
作り方 |
|
といった内容に加え、食欲をそそる見事な焼き目を付けたガヴァドンAの姿を真面目に再現してみせた。
※補足資料:本当に食べられる『ガヴァドン(A)餃子』の作り方
ウルトラ怪獣シリーズはブレーザーでの登場に合わせて2023年10月21日に発売された。