【機密事項】
※以下、漫画『アンデッドアンラック』の重大なネタバレを含みます。
「光も無く否定の業を背負わされ 闘う事を強いられた」
「何故能無し共の生を憂う 奴らの命も使え 俺達はそうする」
「そうでなければ••• 不公平(アンフェア)だろう?」
概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する集団・UNDER(アンダー)のボス。その素性は仲間にも詳細不明だったが、第31話(単行本4巻)にて判明する。
その信じられない正体とは―
不可信(アンビリーバブル)な事実だが、UNDER(アンダー)とはメンバー個人の目的が別でも利害の一致で信頼から成り立つ集団とも同時に判明し、仲間の素性は詳細不明ながら活動を続けられる不可侵条約(システム)で問題なくボスの地位にいられる様子。
そんな彼の目的とは―
神殺し
組織とは別の道を進み不公平から公平な世界を目指す。組織のボスジュイスとは別に何らかの経緯で、世界の真実やジュイスが独占している古代遺物の存在を知っており、その不公平な事実が謀反の一端と推測される。
だが目的が判明しても、ビリーの行動には不特定多数の不可解な事情が垣間見え、依然として計り知れない審理・不確定要素がある…。
容姿
組織にいた頃の大きな相違点として、髪降ろしの髪型でサングラスを外している事。
顔つきは組織にいた頃の柔和な雰囲気から一転、何か不機嫌そうな印象のある険しい表情が多い。
その他、組織にいた頃と同様に主武器のリボルバーを両腰に装備している。
ジュイスとUMAスポイルの戦闘で、スポイルの腐化光線を受けてからは右半身が後述の否定能力と拮抗してゾンビ化している。
「あるのは利害の一致による信頼のみだ」
「その方が公平だと思わないか?」
人物
組織にいた頃の愉快な言動から一転、信念を貫く冷徹な言動をする。目的「神殺し」のため、不公平でなく公平な合理主義で、不必要な感情は不干渉に毅然とした態度がみられる。
目的達成のためなら、多勢を犠牲にする不正義な選択をする覚悟、自身を慕っていた少女の気持ちを押し退けても進む強い信条が垣間見れる。それは当然、かつての仲間たちから信用を無くすと同時に、不快を持って反撃に動かれても、それらを独力で跳ね除ける実力を有している所は、UNDER(アンダー)のボスたる真実を物語っている…。
なお組織にいた頃は、目が見えていないかのような言動をしており、裏切り後だとこの言動はみられないようだが…。
「いい能力だ」
「対人には有効だな 使い勝手がいい」
「ありがたく頂こう」
能力
他の否定者から敵視される事でその否定能力をコピーし、「否定能力は一人に一つ」という理(ルール)の公平性を否定する。
ビリーが組織(ユニオン)にいた頃は「不可信」の否定者と登録されていたが、信じられない事に彼の真の能力は【他者の否定能力をコピー】する能力である事が明かされ、この事から登録情報が偽装だと判明。組織は彼の離反後に登録を抹消、及び真の能力の調査を進める事となった。
発動条件が「自身を敵視した否定者のみ」という厳しいものであったため、組織を裏切る事でその発動条件を満たし円卓の否定者達の能力をコピーしようと試みたが、それでも尚自身を敵視しなかったタチアナや風子の能力は最後までコピーできなかった。アンダーのメンバーの能力をコピーしていなかったのもこのためだと思われる。
因みに、本作恒例である能力名フォントのデカ表示がノイズを帯びる特殊演出がされている。
なお、正体を現したのちは「公平(フェア)」「不公平(アンフェア)」という言い回しを不自然なほどに多用していたため、能力名判明前から真の能力がUNFAIR-不公平-ではないかと考察される事も多かった模様。
コピーで使用した否定能力
組織を裏切るまで使用していた否定能力。銃限定で必中効果を付与する事ができ、対象に当たるわけがない的外れな方向に撃つと跳弾などの経緯で確実に的中する。実はコピーした能力ではなく純粋に傭兵時代に培ったビリーの技術。
組織のアンディが持つ否定能力。自己の「死」を否定し、あらゆる負傷が再生される。これにより下記の不停止で起きる欠点(デメリット)がカバーされている。因みにビリーが不死を初めて使った際、アンディが負傷しても平然としているが痛覚は鈍っていない事実を体感し、不死を痛覚のある状態で多種多様な技へ昇華させた事に感心した。
なお、もともと目が見えていなかったのは偽装ではなく事実。ただし本人にとって目が見えていない現状が特に死に繋がるものではないためか、不死をコピー後も視力は回復していない。
前述の通りUMAスポイルの能力で体が常に腐り続けている状態のビリーは、この不死で強引に腐敗を相殺している。そのせいか、再生のスピードは元の持ち主のアンディより遅いようだ。
組織のトップが持つ否定能力。自己の「停止」を否定し、目にも止まらない高速移動が出来る。難儀な停止条件「体の形状が著しく変化する」は、上記の不死能力による再生でカバーしている。
組織のジュイスが持つ否定能力。他の「正義」を否定し、強制的に「己の信じる義」とは逆の事を実行させる。ビリーが不正義を初めて使った際、否定能力の妙からか「ヒトの…心が見える」と、意味深な言葉をもらした。
組織の重野力が持つ否定能力。他の「動き」を否定し、視界にある対象の動作・重力といった物理法則を無視して、その場に停止・固定させる。初使用は、目の前でいざこざを起こそうとするリップとクリードを「動くな」と睨み付け二人を制止した。
ビリーは目が見えていないが、物を音で見ると解釈しているため発動可能。それどころか、物陰に隠れた物の動きまで否定できる。
ある建築家が持つ否定能力。他の「均衡」を否定し、建築物限定で物理法則を無視し有り得ない方向へ傾けさせる。これは手で触れるだけで発動し、高さは634.0mで重量4万8千tの人工建造物をいともたやすく傾ることさえ出来てしまう。
組織のジーナ*が持っていた否定能力。おそらくジーナの死後に発生した新規の不変の否定者からコピーしたと考えれられる。
物の形が定まることを否定する能力。コピー元不明。
ルインの否定能力。コピーできなくなった不死の代わりにコピーした。
前述の通り不死をコピーしても視力は回復していないが、不滅をコピーした際には視力が回復しているような描写がある。
Twitterのボス
公式Twitterでは本誌連載・関連情報の他、登場人物たちが低頭身(ミニキャラ)になったおまけ漫画(ラフイラスト)などの配信(ツイート)もあり―
- 組織を裏切った時点のスーツ姿で登場。表情を変えず静かにヒゲメガネ風子の不可信(あんだろうな)に応えた。ビリーがビリっと(小並感)
- 23000フォロワー突破記念【#アンデラ アイコンプレゼント!】で、髪降ろしのサングラスを外したUNDERのボスver.で登場。なんともビリビリした表情のビリー。
pixivのボス
pixivならば、上記の容姿・性格の特徴に当てはまる関連作品へ本記事の『UNDERのボス』をタグ付けしたり、説明文(キャプション)に関連事項を記述するなど、もう一つの人生「ビリー(アンデラ)」と区別化する工夫をすれば絞り込み検索の助けになる。
関連項目
何も見たくねえ…:あんまりにも突然な正体開示に読者が抱いた感想の一端。
藍染惣右介:味方サイドの仲間たちを裏切った事、その事で自身を慕っていた少女を不信にさせた事、別の集団で首領(ボス)と似た経緯がある。
マーシャル・D・ティーチ:仲間を裏切った事、(恐らく能力により奪う事で)他者の固有能力が使える、別の集団で提督(ボス)、底知れない闇のような思惑があると共通項が多い。
クロロ=ルシルフル:不道徳な集団の団長(ボス)、自身の特質な能力と複雑な制約により「盗む」事で他者の固有能力が使える、能力の制約には「盗む対象」が生きている事も条件といった類似項がある。
更なるネタバレ
「闘うべきでない子がいる」
「生きることで精一杯の子がいる」
「なら」「僕だけが嫌われ」「一人で闘えばいいと思ったんだ」
そんな彼の真意は、自らが悪役を被り神殺しを成す事だった。
すなわちこれまでの冷徹な態度は演技であり、同時に前述の不平等の条件を果たすためでもあった。
本来の彼は組織にいた頃に見せたようなとぼけていながら心優しい人物で、神を殺すという目的のために無理に悪役を装っていたのである。
本心では風子たちの不条理な境遇を代われるものなら代わってやりたいと思っており、タチアナのことは「うちの娘」と呼ぶほど大事に思っている。(なお演技をしていた時の言動をタチアナに詰められた時は激しく焦っていた)
しかしスプリング編にてアンディとの激突の末にその本質を悟られ、ルインの介入やラグナロクへのカウントダウンを以て裏切りを止めて組織に力を貸す事を決めた。
101回目のループ時の回想によればこのループでは紛争中に不平等に覚醒し、部下達を喪った後にジュイスのスカウトを受けた模様。
しかしその頃には既にUNDERを立ち上げており、トップ達のような娘と年の変わらぬ戦場にいるべきでない子供が戦っている姿を見てこの方針を決めた模様。このため当時からのメンバーだったテラーとクリードも真意を知っている。
「弱者を守り強者は苦しむ」
「そういう世界でいいんだよ」
「強い奴が耐えればいい」
「それでやっと」「公平(フェア)なんだ」