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ニュートロンジャマーキャンセラー

にゅーとろんじゃまーきゃんせらー

TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する用語のひとつ。端的に言えば「無効化する装置を無力化」するための装置。

概要

ザフトがかつて『血のバレンタイン』事件の報復として地球へ撃ち込んだニュートロンジャマー

これによって地球連合軍・ザフト共々核分裂を使用した装置が使用できなくなり、モビルスーツの動力はバッテリーに頼らざるを得なくなった。

一方で、将来的な宇宙開発でニュートロンジャマーの影響が致命的問題になってしまう場合を懸念し、ザフト内ではその効果を打ち消す装置も開発された。これがニュートロンジャマーキャンセラーである。

名称が長いため、NJCと略されることが多い。本記事でもこの略称を使用する。

機能

ニュートロンジャマーによる核分裂反応の阻害を無効化する。これによって核分裂炉が再び使用可能となるというシンプルな装置であるが、記事概要にもあるように「無力化するためのものを無力化する」という中々面白い原理となっている。

製造にはベースマテリアルとなる特殊素材が必要となる。

なお、同じくニュートロンジャマーによって引き起こされるものとして電波障害があるが、こちらの無効化はできない。

C.E.世界特有の事象として、世界中がニュートロンジャマーの影響下である関係上、キャンセラーによって起動している核分裂炉もキャンセラーを切ればその瞬間ニュートロンジャマーの影響下に入るため、核分裂炉の即時停止が可能である

作中において

第1期GAT-Xシリーズのうち4機(GAT-X303 イージスGAT-X102 デュエルGAT-X103 バスターGAT-X207 ブリッツ)を鹵獲。ビーム兵器やフェイズシフト装甲などのデータを得たザフトは、それらを用いた次世代モビルスーツ群の開発を開始する。

しかし、採用予定の武装を試験したバッテリー駆動のYFX-600R 火器運用試験型ゲイツ改では、GAT-Xシリーズ以上の威力を持つ武装に対しいずれも短時間の使用でバッテリー切れを起こしてしまった。これにより、ここで試験された武装は廃案か性能を落としての採用が検討される。

しかし、過激な反ナチュラル思想を持つプラント最高評議会議長パトリック・ザラは、開発中の次世代モビルスーツを対地球連合の切り札として圧倒的な力を持たせるべくニュートロンジャマー搭載型核エンジンを搭載することを指示。こうして核動力試験機のYMF-X000A ドレッドノートを建造。ドレッドノートで発覚した一定宙域に機能してしまうという弱点のあるキャンセラーの効果範囲を搭載したモビルスーツのみに限定させる改良を行い、モビルスーツ用ニュートロンジャマーキャンセラー搭載型核エンジンが完成。

これを搭載し、武装の問題も概ね解決した5機のファーストステージシリーズが誕生した。

ザフトは当初これを独占することでMS戦において圧倒的優位を築く計画だったが、ファーストステージのうちの1機であるZGMF-X10A フリーダムが何者かによって奪取され、早くもその計画はとん挫する。

その後ZGMF-X09A ジャスティスパイロットの離反によってザフトを離れ、ZGMF-X11A リジェネレイトZGMF-X12A テスタメントはそれぞれの形で戦後に連合に鹵獲される等、パトリックの思惑は悉く崩れ去っている。

フリーダムを奪取したキラ・ヤマトはこれが世界中に広がった場合の危険性を理解しており、アークエンジェルの船員にはフリーダムのデータを絶対に取らないことを約束させている。

しかしその努力も虚しく、ラウ・ル・クルーゼの思惑によってNJCのデータはフレイ・アルスターの返還を通してブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルの手に渡ってしまい、連合はプラントに向けてMk5核弾頭ミサイルを発射する事態となってしまう(連合内ではNJCを用いて原子力発電を復活させエネルギー問題を解決させる案も出ていたようだが、反コーディネイター思想の強いアズラエルによって強行された)。幸い三隻同盟の尽力によってプラントへ命中することはなく、ザフトに唯一残ったファーストステージのZGMF-X13A プロヴィデンスもフリーダムに撃破され、NJCを使用した大量破壊兵器ジェネシスはジャスティスの自爆によって破壊される。

連合・ザフト間の停戦条約ユニウス条約でNJCの使用は禁止され、世界から核兵器は再び消滅した。

…かに思えたが、この条約と関係のないオーブ連合首長国ではヤキン・ドゥーエ攻防戦で大破したフリーダムを修復した他、そこから得たデータを使用してNJC搭載型核エンジンを搭載したMVF-X08R2 エクリプス2号機が開発されている。リジェネレイトやテスタメントも秘密裏に運用されていたりと、NJCの存在はまだまだ消えてはいなかった。

時は流れ、C.E.73(『SEED DESTINY』)。アーモリーワンでのセカンドステージシリーズ強奪事件の少し後、地球連合は核ミサイルをプラントへ発射ナスカ級のニュートロンスタンピーダーによって全基強制起爆しプラントへの被害は抑えられたが、これによりユニウス条約は形骸化。

アークエンジェルは修復されたフリーダムを運用(既に連合艦ではないため条約違反にはあたらない)していたりと、核兵器は再び表舞台に姿を現した。後にフリーダムはインパルスに撃墜されるが、フリーダムの武力介入により両軍が被った被害は凄まじいもの。皮肉にも2年前の兵器であるフリーダムが戦場において最強とされるなど、C.E.において核というものは凄まじい影響を持つものであることが再び証明された。

ザフトも条約を無視し核エンジンとデュートリオンビーム送電システムのハイブリッドエンジンであるハイパーデュートリオンエンジンを開発。サードステージシリーズへ搭載し実戦投入した。なお、一応世間には秘匿する必要があるため、実戦配備されたZGMF-X42S デスティニーZGMF-X666S レジェンドでは型式番号で核エンジン使用を秘匿している。

ハイパーデュートリオンの技術はターミナルへ流れており、ファクトリーで開発中のZGMF-X20A ストライクフリーダムZGMF-X19A インフィニットジャスティスに搭載される。オーブ国防軍所属となった2機の活躍によりサードステージは撃破され、大戦も終結。この2機は現存するが、再びNJCの存在は影を潜めるのだった。

SEED FREEDOM』ではC.E.75の世界が描かれる。NJCがいずれかの陣営に使用されるのか、注目される。

関連タグ

ザフト ニュートロンジャマー ユニウス条約

ファーストステージシリーズ サードステージシリーズ

ドン・キラー・キラー全く関係ない作品に登場した「無力化するためのものを無力化するためのもの」繋がり。これの登場回はNJCもトレンド入りした