名を消した男
なをけしたおとこ
─あと何を失えば、大切な人を守れるのか─
概要
2023年11月9日に発売された『龍が如く』シリーズのスピンオフ作品。
対応機種はPS4、PS5、Xbox Series X / S、Xbox One、Windows、Steam。
『6』のラストで家族を守るため、表舞台から姿を消した桐生一馬が主人公で、『7』までの間の動向、そして春日一番と別れた(『7』本編での東城会と近江連合の解散と、春日との戦闘後に青木遼の次の一手を教えた)後の出来事が描かれる。
また、桐生単独主人公の作品は本作で最後と公式で明記されている。
ストーリーのボリュームは『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』のDLC『海藤正治の事件簿』より多く、ナンバリング作品の半分くらいで、本編の想定プレイ時間は10~20時間程度。今までのシリーズにあったサイドストーリーやミニゲームといった街遊びの要素も用意される。
物語の舞台は、シリーズ皆勤賞だった東京・神室町は登場せず、代わりに大阪・蒼天堀(メインの舞台)と、横浜・伊勢佐木異人町(南側のみ)に加え、ラスベガスのようにカジノが立ち並び、闘技場も併設されている謎の巨大コンテナ船「キャッスル」が登場する。
シリーズ恒例の芸能人ゲストとして、本シリーズと同じくヤクザがテーマの人気ドラマ作品シリーズ『日本統一』の主演コンビで知られる俳優の山口祥行と本宮泰風に加え、歌手のファーストサマーウイカ、さらにフェイスモデルとしてはシリーズ初の外国人ゲストであるキム・ジェウク、本シリーズの大ファンで知られるYouTuberのkson、衣装監修としてバイヤーのMBなどなど、多数の有名人が出演する。
また、春日を始めとした『7』本編のキャラと、桐生の顔馴染みである渡瀬勝や東城会のお三方、澤村遥も僅かながら登場する。そして『ジャッジアイズ』シリーズから海藤正治、東徹、杉浦文也がゲストキャラクターとして登場。
ストーリー
愛する者を守るため自分の死を偽装し人生を捨てた元極道、桐生一馬。
「浄龍」のコードネームを与えられ、大道寺一派のエージェントとなった桐生は、
任務として横浜港の金塊密輸取引現場へ駆り出される。
それは、大道寺の小遣い稼ぎに過ぎない、ごく簡単な任務のはずだった。
東城会四代目にまでのぼりつめた元・極道ゆえ、
大道寺のエージェントの中でも浮いた存在になっていた桐生は、
周囲にひかえる同僚たちのからのやっかんだ挑発に、なかば捨て鉢に力を振るってしまう。
桐生が人生に感じる空虚は、ますます色濃いものになっていくばかりだった。
そんな中……桐生たちの前に現れたのは謎の一団。
外部の者が誰ひとり知るはずのなかった取引は中止を余儀なくされ、
混乱のさなか、奇遇にも謎の一団は桐生一馬の生存を嗅ぎつけてしまったようだった。
そのまま現場から姿を消した彼らを放っておくわけにはいかない。
かくして世を捨てたはずの桐生一馬は、ふたたび裏社会の渦中へ足を踏み入れていくのだった……
(公式サイトより引用)
システム
桐生が一人で戦う話になるため、ジャンルは従来の「アクションアドベンチャー」に戻り、『0』や『極』、『ジャッジアイズ』シリーズのようにバトルのスタイル変更も搭載される。また、『6』『極2』のアルティメットヒートモードも健在。
そして、新要素として「アルティメットカウンター」という『LOST JUDGMENT』のモータルアタックと同じく、ボスの必殺技に対する返し技が使用できる。
「応龍」
シリーズお馴染みの「桐生一馬」としての戦闘スタイル。
「エージェント」
本作から新たに追加された「エージェント・浄龍」としての戦闘スタイルで、以下の四つのガジェットを駆使し戦闘を行う。
- 「蜘蛛」
腕時計に内蔵された極細のワイヤーを射出できるガジェットで、敵を拘束したり巻きつけて振り回すことが可能。
- 「蛍」
タバコの形をした小型爆弾のガジェットで、PVでは吸ったふりをして後ろ向きに投げ、多数の敵を爆破した。
- 「蛇」
靴に内蔵されたジェット噴射が可能なガジェット。他のガジェットと組み合わせることで、高速移動しながら攻撃することも可能。
- 「蜂」
AIによる自立飛行型のドローン。その名の通り、蜂のように次々と敵に纏わりつき、攪乱や行動の妨害が可能。
登場キャラクター
- 桐生一馬(きりゅう かずま)
CV:黒田崇矢
物語の主人公。かつて「堂島の龍」の名で恐れられていた伝説の極道で、元東城会四代目会長。
『6』ですべてに決着をつけ、自らの死を偽装して姿を消した後、昭和のフィクサー・大道寺稔の弟子達が寺院を装って活動する秘密組織「大道寺一派」に所属し、戦後100人目の僧として修行に励む傍ら、組織のエージェント「浄龍」として秘密裏に任務を遂行している。
- 鶴野裕樹(つるの ゆうき)
CV:山口祥行
八代目近江連合直参「渡瀬組」若頭。
組長の渡瀬勝に忠誠を誓っている。
モデリングされたキャラクターの一人。
- 獅子堂康生(ししどう こうせい)
CV:本宮泰風
八代目近江連合直参「渡瀬組」若頭補佐。
「渡瀬組の切り札」と呼ばれる武闘派。
モデリングされたキャラクターの一人。
- 三代目西谷誉(さんだいめ にしたに ほまれ)
CV:キム・ジェウク
八代目近江連合直参「鬼仁会」会長で、「西谷誉」の名を渡世名として受け継いでいる男。
圧倒的なカリスマ性と殺しの腕で若くして近江の大幹部まで上り詰めた実力者。
モデリングされたキャラクターの一人。
- 赤目(あかめ)
CV:ファーストサマーウイカ
蒼天堀でなんでも屋を営んでいる女性。
「赤目ネットワーク」という、ホームレスたちを用いた独自の情報網を敷いている。
モデリングされたキャラクターの一人。
- 花輪喜平(はなわ きへい)
CV:東地宏樹
桐生の仕事の管理を担当している大道寺一派の一人。
世捨て人となった桐生にとって唯一といえる外界との接点。
各章
章 | サブタイトル |
---|---|
1 | 臥龍 |
2 | 城塞都市 |
3 | 知り過ぎていた男 |
4 | 笑い男 |
5 | 名を消した男 |
評価
評価の高かった本編の『7』同様今作も高い評価を受けており、付き合いの長かった大吾や真島、冴島との再会や、花輪の計らいによりエピローグにて実の子のように大事に育てていたアサガオの子供たちの成長した姿をカメラ越しで再会させるなど、『6』では報われなかった桐生に対して救済が与えられており、シリーズで桐生と共に過ごした往年のファンたちにとってのファンサービスのような作品である。
また、作中の端々に過去作のオマージュが散りばめられており、『7』本編が「『初代』の原点回帰」を意識しているのに対し、今作は「桐生一馬の集大成」を意識して作られたといえる。
余談
- 本作は、シリーズ総合監督・横山昌義氏曰く「やはり桐生が『龍が如く8』に至るまでの経緯を描く必要がある」と、ナンバリング最新作である『8』を製作する過程で誕生し、声の収録も『8』の後に行われた。
- 本作のクリア後に『8』のスペシャル体験版がアンロックされる。この体験版は、製品版にはない桐生視点でのストーリーが描かれる。
- また、本作は『8』と地続きの作品のため、いつものナンバリング作品ではラストに「完」と表示されるが、本作では「続」となっている。
- ゲームセンターに収録されるゲームに『デイトナUSA2』があるが家庭用初移植となる。ただし大人の事情により『セガレーシングクラシック2』名義での収録となっている。
- なお、本作はクリア後の最高難易度の追加やクリアデータを引き継いでの周回プレイは不可能となっている。
関連動画
ティザートレーラー
ファーストトレーラー
セカンドトレーラー
オープニングムービー