スーパーガンとは主に以下の兵器を指す。
実在する兵器
1980年代後半、湾岸戦争直前のイラクで開発と実装が進められていた超高度・超長射程の巨大大砲の別名。
第二次世界大戦当時にナチスドイツが報復兵器V3として開発していた多薬室砲の派生であり、スカッドミサイルの発射台として運用する予定だったとされている。
口径350mmの小型のものは実際に完成したものの、スカッドミサイルの発射を想定した口径1000mmのものはヨーロッパ各国に発注していた部品の輸入が差し止められたため完成しなかった。
また開発責任者であるジェラルド・ブルも1990年に暗殺されており、以後の研究も途絶えている。
『サイボーグ009』のスーパーガン
ゼロゼロナンバーの8人(001は体格的に装備していない)が使用する銀色の銃。
熱線銃、煙幕銃、実弾の3種に切り替えられる他、後に麻痺光線や破壊光線まで付属している。
平ゼロではフリーザーショット(冷凍光線)やパラライザー(麻酔弾)、エネルギーマグナム(エネルギー弾)などが発射可能な万能銃と描写されている。
『ウルトラマン』のスーパーガン
科学特捜隊のメイン武装であり、テーマソングの『特捜隊の歌』でも「スーパーガンで立ち向かう」と謳われている。
ホルスター収納時は銃身が内部に格納されており、引き金を引く方でロックが解除されて銃身が展開すると持ち運びの面でも工夫されている。
また、各種アタッチメントを装着する事も可能で、劇中では作戦の重要な場面においてスーパーガンが使われる事が多く、最終回でゼットンにトドメを刺したのも無重力弾をセットしたスーパーガンである。
発射する光線には種類があり、通常時の稲妻状の光線の他、グリーンモンス戦で使用した直線のビームや、ギャンゴ戦で使用した威力を絞って弾丸状にして小出しに発射するものなどがある。
実弾兵器ではなく質量がほとんどない光線を放つ銃なだけあり、反動はほとんどないが、スイッチを押すなどの精密操作に使う事もできる。
また、光を照射して身体検査をする機能もある。
設定上の威力は高いものの、怪獣や宇宙人相手にはあまり効果がなく、基本的には牽制射撃程度にしかならない事が多い。
しかし、3丁の銃口を合わせる事で発射可能となるトリプルショットは話が別で、こちらは極めて強力な破壊光線となっており、劇中ではかつてジェットビートルのナパーム攻撃にも耐えた高い防御力を誇る再生テレスドンを、更に最終回のIFを描いた映画『甦れ!ウルトラマン』では強豪怪獣の代表格であるレッドキングを一撃で倒している。
あまりにもトリプルショットが強すぎる為、ファンからは何故毎回それを使わないのかと突っ込まれる事もしばしば。本編終盤で披露された技なので、強力な怪獣の出現に伴いイデ隊員がスーパーガンを改良したのかもしれない。
劇中では科特隊員のみならず一部の科特隊協力者にも支給されており、ゲストで登場した一般の科学者が使い慣れた様子でこの銃を使用し、科特隊員達と共に怪獣に立ち向かう場面も少なくない。
第5話では隊員達が発射時にヘルメットのバイザーを下ろす描写があるが、これは「光線から目を保護する為にバイザーを下ろす」という設定があった事による。以降はこの設定は立ち消えになった。
このように科学特捜隊の武装の中でも特に活躍が多い一方、アラシ隊員がバニラに使おうとした時は(少なくとも劇中では)1発も撃ってないのにエネルギーが切れを起こし(ちなみにこの回は2大怪獣を相手に様々な武器が片っ端から弾切れを起こしている)、更にムラマツキャップがダダに使った時は2発撃っただけでエネルギー切れを起こしているなど、何故か度々エネルギー切れでまともに使えなくなっている。
- アタッチメント
- 特殊風船爆弾
- ピグモンに使用した風船型爆弾。劇中では攻撃が主目的ではなくピグモンの目印として使用した。ピグモンの死後に飛んでいった風船爆弾は、レッドキングの眼前で撃ち抜かれて爆発した。
- SOS信号弾
- 上空に撃って煙を撒く信号弾。
- 超小型核弾頭
- バニラの左目を潰した原子弾。これで倒れたバニラはアボラスの溶解液を喰らって溶けてしまった。
- 麻酔弾・新型麻酔弾
- どちらもスカイドンに使用した麻酔弾。通常の麻酔弾の効果は約10分、新型麻酔弾はそれ以上とされているが具体的な時間は不明。
- UNG麻酔弾
- ゴモラに使用された麻酔弾。6時間眠らせられる効果があるとされていたが、気温などに影響されるためゴモラは想定より早く目覚めてしまった。その後ムラマツキャップがゴモラを再度眠らせようと発注するが、在庫切れになってしまっていた。
- 怪獣探知発信弾
- こちらもゴモラに使用された、発信機を内蔵した弾。地中に姿を消したゴモラの位置を特定した。
- スパーク8
- 無重力弾(ペンシル爆弾)
- ゼットンを葬った爆弾。詳細は記事を参照。
- スタミナカプセル
- 『甦れ!ウルトラマン』で再び現れたゼットンに苦戦するウルトラマンに使用した弾丸。形状は上記の無重力弾と同じ(メタ的には映像を流用している都合)。ウルトラマンのカラータイマーに向けて撃つ事で、カラータイマーを赤から青に回復させた上に金色のオーラを放つほどのすざまじいエネルギーを与え、更にスペシウム光線を強化したマリンスペシウム光線が発射できるようになる。
- 特殊風船爆弾
後の作品での登場
『ウルトラマンダイナ』第41話「ぼくたちの地球が見たい」では、ガゼル号の乗員・朝倉の武器としてスーパーガンに似た光線銃が登場。
効果音やエフェクトなども『ウルトラマン』と同じ物である。
もちろん科学特捜隊がネオフロンティアスペースにあったというわけではないだろうが、奇しくも『ウルトラマンメビウス』でサコミズが被っていた科学特捜隊のヘルメットはスーパーGUTSのものをリペイントしたものだった。
その『ウルトラマンメビウス』の外伝小説『アンデレスホリゾント』ではGUYS保安部の装備として銃身を切り詰めたスーパーガン・コンバットタイプが登場、保安部のヤマナカ隊員が使用している。
『ウルトラマンオーブ』ではビートル隊の武装としてスーパーガンをオマージュしたスーパーガンリボルバーが登場。
ニューナンブM60にスーパーガンの銃身をつけたような光線銃である。
余談
撮影に使用されたプロップは金属の塊から削り出した物であり、その小型な見た目に反してかなり重い。
フジ隊員役の桜井浩子氏曰く「握っているだけで大変だった」との事。
第5話で直線状の光線を発射していたのに対しそれ以外では稲妻状の光線になっていたのは、直線状の光線では銃身がブレて銃口と光線がズレてしまったためといわれている。
2016年には、TAMASHII Labから特殊風船爆弾と無重力弾のアタッチメントが付属し怪獣・宇宙人の鳴き声を収録した「TAMASHII Lab 科学特捜隊光線銃 スーパーガン」が発売された。
しかし、プロップをスキャンしたにもかかわらずプロップよりも一回りほど大きく、更に肝心要の光線の音がスペシウム光線のものになってしまっているという重大なミスがあり、あまり評判は良くない。