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シンガポールの編集履歴

2024-04-01 18:35:37 バージョン

シンガポール

しんがぽーる

東南アジアのマレー半島の先端、シンガポール島に存在する共和国

概要

国名
  • その他の言語名
シンガポール共和国
  • Republic of Singapore(英語)、新加坡共和国(華語)、སིང་ཀ་ཕོར་སྤྱི་མཐུན་རྒྱལ་ཁབ(チベット語)、Republik Singapura(マレー語)、சிங்கப்பூர் குடியரசு(タミル語)
首都/最大の都市シンガポール(都市国家)
公用語英語漢語チベット語マレー語タミル語
民族華人(75.9%)、マレーシア人(15.0%)、インド人(7.5%)、その他民族(1.6%)
宗教仏教(31.1%)、無宗教(20.0%)、キリスト教(18.9%)、イスラム教(15.6%)、その他宗教(7.2%)
人口563万7,000人(2023年)
面積728平方キロメートル
通貨シンガポールドル
国家元首(職)大統領
政体単一制 都市共和国
時間帯UTC+8

正式名称はシンガポール共和国

東京23区と同じくらい面積に、人口約560万人が居住している。熱帯雨林気候であり、年中高温多雨である、


東南アジアにおける交通・金融・物流のハブになっており、国際競争力が強い。

1人当たりGDPが世界最高水準。非常に裕福な国として知られている一方、経済格差も顕著である。


歴史

3世紀には婆羅洲として中国の文献に登場し、7世紀から14世紀にかけてテマセック(海の町を意味する)という漁村として知られていた。所属としてはシュリーヴィジャヤ王国(6世紀より存在し、7世紀ごろには勢力があったものの、11世紀以降は衰えた王国、おそらく小さな王国の連合体だったと思われる。大乗仏教)、後にマジャパヒト王国(13世紀後半から15世紀後半まで存在した国。ヒンドゥー教)に属していたが、14世紀末にシンガプーラ(ライオンの町、あるいは寄港地)と名づけられた。

15世紀のはじめ、シュリーヴィジャヤ王国の王族によりマラッカ王国(イスラム教)が成立、その支配下に入る。


ところが16世紀に国自体がポルトガルの侵略により滅亡、それ以降300年ほどこの島が省みられることはなく、漁村および海賊が住む土地だった。


19世紀のはじめごろ、この島にイギリスが目をつけた。そこでこの地域を支配していたジョホール王国(マラッカ王国の滅亡時の国王の次男が立てたイスラム王国、国王自体は現在も存在し、マレーシアの国王継承権も持つ)より権利を得てその後割譲させ、植民地とした。

イギリスはこの土地を自由港(積荷に関税を取らない港)として整備し、島は発展し、その後この地を海峡植民地に組み入れた後、首都とした。19世紀後半にイギリス領マラヤが成立した。また、この地が島であることを利用し、軍事拠点としても整備を行い、要塞となっていた。


太平洋戦争中、シンガポールを占領した日本軍は昭南島とこの島の名称を変更した。この際、辻政信らの指示で中国系(華人華僑)系住民が大量に虐殺される事件が発生している(シンガポール華僑粛清事件 )。


終結後はイギリスが再び支配したが、当初イギリスはこの地を手放そうとはしなかった。しかし世界的な植民地独立の流れをみて、結局1950年代には円満に手放すことにした。シンガポールには人口と商業はあったが、資源も食料も水も乏しく、独立となればそれらを供給できるマレーシアとの統合を望んだ。


イギリスの自治領となった後、1963年にマレーシアの一州となった。ところがこの地域は元々中国系住民が多いことから、マレーシア中央政権の「マレー人中心主義的政策」の立場からは警戒されていた。中央政府がシンガポールの求める都市振興策・外国企業投資認可を却下したのをきっかけに双方の権力闘争が激化し、ついにシンガポールは追放されるような形で1965年に独立した。マレーシア残留の夢が破れ、水も電気も不安定な状態での舵取りを迫られた初代首相のリー・クアンユーが独立を発表するスピーチにおいて、人目を憚らず涙を流した姿は現在でも語り継がれている。


かくしてリーは、シンガポールが生き延びる為に手段を選ばない戦略を取った。まず政治では選挙制度を与党有利に制定し政敵の野党指導者を次々逮捕、報道も管理して独裁政権を築く。民族間の融和とエリート教育を推進し、経済成長を目指した。その結果、シンガポールは中継貿易国から、製造業金融業で栄える国へと変わっていった。今日では、アジア有数の先進国にまで昇りつめている。


住民

イギリスがジョホールからこの島を入手した時の人口は僅かで、海岸に住むマレー人が漁民など130人、中国人が20人ほど内陸を開墾して農業を行っていたという(岩崎育夫『物語 シンガポールの歴史』)。現在のシンガポール人口の大部分は、イギリス統治時代に流入した移民であり、マレー系、中国系、インド系など、様々な民族が共存している。だが、上述の通り中国系移民が人口の77%と非常に高い割合を占めている。

各民族は法的に格差をもうけられることはなく平等に共存し、独自の文化と言語を守っている。各民族間での恋愛や結婚はほとんどないものの、交遊関係や仕事仲間などとしての交流は当然存在している。また、上述したような独立経緯から国内民族問題に敏感であり、民族対立を煽るような言論・表現は厳しく取り締まられる。

このために英語教育に非常に力を入れており、英語力ではインドと常にアジアのトップを争い、シンガポールにおける事実上の第一公用語である。一方でシングリッシュと呼ばれるシンガポール英語は独特の語彙と発音で知られ、外国人が理解できないこともしばしば。


環境

国土であるシンガポール島の大部分は都市になっており、農地や山林が残る面積は極めて狭い。例えば農地面積は7平方キロ弱と、国土の100分の1に過ぎない。このように高度に都市化され大自然のイメージとは程遠いシンガポールであるが、シンガポール最高峰(163m)周辺のプキ・ティマ自然保護区をはじめいくつかの自然保護区があり、ワニや2mを超えるオオトカゲ、カワウソ、カニクイザルなどが生息する原初の熱帯雨林や湿地帯が残されている。


近年は、隣接するインドネシアの山火事や排気ガスによる大気汚染(ヘイズ)問題が深刻化しており、ヘイズのひどい日は外出を避ける人も多い。また、産業廃棄物を処分する用地の確保も困難になっている。


外交関係

東南アジア諸国連合(ASEAN)の原加盟国である。水供給を依存するマレーシアやすぐ南に領土が広がるインドネシアとの外交関係は水面下ではかなりの対立があるが、互いに対立の表面化を避けている。

その他、中華民国(台湾)やイギリスとは友好関係にあり、軍事協力関係にある。アメリカには海軍基地の使用を認め、実質的な同盟関係にある。金融を主な産業としているため日本中華人民共和国その他多くの国との関係もおおむね良好であるとされる。


政治

シンガポールは建国以来人民行動党(People's Action Party、PAP)による一党独裁が続いている。厳格な法律で知られており、紙クズをポイ捨てすれば罰金が科せられ、を発砲したり麻薬(ヘロイン15グラム以上、大麻300グラム以上など)を持ち込むと死刑に処される。ただしその恩恵で治安は良く、街は清潔である。


一応、野党自体は存在するが、振り分けられる議席の大半が最多得票を得た政党が議席を総取りするという大政党に極端に有利な選挙制度であり、野党を当選させた選挙区はインフラや行政サービスの更新を後回しにするといった報復措置を受け、さらに刑法では、一部の刑法犯は証拠なしに有罪にできるようになっているため、政府にとって好ましからざる人物と認定されれば事実上政府の好きな時に投獄可能である。


これらの処置により、建国以来与党であり続ける人民行動党が選挙では圧倒的な支持を受けている(ことになっている)。また報道の自由も存在せず、ポルノも禁止されている。


とはいえ、人民行動党が権力の座にあぐらをかき腐敗と堕落にまみれているかと言えばそうでもない。野党は2000年代以降30%前後の得票を安定して得ており、人民行動党も失政を公式謝罪したり、聞き取り調査で問題を素早く解決しようとするなど、選挙や議会が全くの茶番劇とは言い難い側面もある。

また、中国国民党が支持を失い台湾に逃れたことを教訓に非常に強力な汚職捜査組織を設立しており、公職における汚職の少なさではアジア1位と、世界でも有数の行政・政治腐敗の少ない国家となっている。

欧米が発表した民主主義指数ランキングでも一党独裁にもかかわらずギリギリとはいえ民主主義と見なされている(70位くらい)。


このように政治的な自由度はほぼないに等しい一方で、経済的な自由度は高く、交通の要所となっている地理と相まって、後述するようにアジアでも有数の富裕国に成長を遂げた。

政府による管理が隅々にまで行き届いている上で経済的な豊かさを享受している事から、「明るい北朝鮮」「成功した北朝鮮」と言われることも。世界的には「Fine City」と言われており、国内でもジョークTシャツが売られている。


社会

一人当たりGDPは日本を上回る、アジアでも有数の富裕国である一方、先進国の中では貧富の格差が相当大きい方である。格差は過酷な選抜の行われる教育制度を背景とする。小学校卒業時にPSLEという試験があり、そこで好成績を修めない限りはエリートコースからは完全に脱落して早期の就職を迫られる。さらに中等教育でも二度のGCEという試験によって選別されてエリート官僚が育成される。国家奨学金は家庭の経済的背景は無視して学業成績によってのみ与えられる。エリート官僚は数年ごとに政府系企業の幹部と中央官庁のポストとを行き来してシンガポール経済を主導していく。政府企業以外に経済を主導するのは海外企業であり、これも高学歴が幹部となる条件である。下層民が商売を始めて成功を掴むような国内民間企業のシェアは少ない。かくして学歴による格差再生産が成立している。


土地が限られているために住宅事情は悪く、所得の少ない若者は親と同居を続けるかシェアハウスに住むかの2択であるが、家族のいない天涯孤独でも政府から施設があてがわれるのでホームレスまで転落する人は稀(というか野外に寝泊まりしているのを見つけられると施設に収容される)。貧困層~中間層の国民の多くは公共住宅のHDBに住むが、これは同時に政府のこまごまとした干渉を受けることを意味する(例えば、入居希望者は物件を選べない。これは民族別に住む場所が偏らないようにするための措置である)。外国人などが入居する賃貸のコンドミニアムの家賃は日本円で20~40万円もするのが普通。一戸建てを購入しようとすれば最低でも10億円以上かかり、大金持ちでなければ到底不可能である。


シンガポールは共働き世帯が多く、外食産業が盛ん。街の各所にホーカーセンターと呼ばれるフードコートがあり、比較的安価に料理を提供する。多民族国家らしく料理の国籍も多様。鶏スープで炊いたご飯に蒸し鶏を添えた海南鶏飯、ココナッツミルクとスパイスの麺料理ラクサなど。


都市国家だけあって公共交通機関の整備は行き届いている。自動車には高い税金が課せられ、マイカーは持っているだけで富裕層を意味する(トヨタ・カローラのような大衆車でも1000万円を超える)。


この国では、男性同士(ゲイ)の同性愛は依然禁止されており、処罰(ムチ打ちなど)の対象となる(女性同士(レズビアン)の同性愛は元々想定されていない)。が、近年ではゲイとバレただけで捕まることはなく、同性愛や同性同士のセックスも合意であれば罰しないという方針を取っており、同性愛を公言している人もいる。1999年以降同性愛を禁ずる法律が適用されておらず、実質的には黙認状態である。シンガポールの社会は先進国としては同性愛への風当たりが強い方だが、ゲイバーもあればゲイコミュニティも存在している。

2022年11月29日に男性同士の性交渉を違法とする刑法の条項は撤廃され、正式に合法となった。


関連タグ

 国家 独裁国家 共和国 都市国家 島国

アジア 東南アジア マレー半島

ASEAN

マーライオン メイド ラッフルズ・ホテルシンガポールスリング

星さんヘタリア

参照

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