概要
CV:緑川光
アニポケ無印編第11話「はぐれポケモン・ヒトカゲ」で登場したゲストキャラクター。青い髪と頭に乗せたサングラスが特徴。
人物
サトシのリザードン(ヒトカゲ時代)の元トレーナーで、(相性からして不利な相手と言える)ニョロモを相手に勝てなかったヒトカゲに対して迎えに来ると嘘をつき、山の中に置き去りにした。言わばアニポケにおいて初となる身勝手な理由でポケモンを捨てた不良トレーナー。彼の会話及びヒトカゲの事情を聞いていたタケシから「迎えに行け! 」と一喝された後、「はぁ?なんだ、こいつ…… 」と話を適当に聞き流し舎弟と共にタケシを追っ払おうとしたが、サトシとカスミが共にダイスケに反論。その後ジョーイさんが仲裁に入り、ジョーイさんはダイスケらに関わらないように注意した。
翌日、サトシ達を足止めしてピカチュウを連れ去ろうとするロケット団(ムコニャ)をヒトカゲが撃退。これを見かけてヒトカゲの前に再び現れ、掌返しでモンスターボールを投げて捕まえようとするものの彼の企みを知ったヒトカゲに尻尾で弾き返される。そこで、「おめぇら、まとめてブッ飛ばしてやる!!」と暴言を吐き、大量のモンスターボールを持ち出して襲いかかろうとするが、ピカチュウの電撃(威力はロケット団の時以上)とヒトカゲの火炎放射を浴びせられるという仕返しに遇い、サトシとは一切ポケモンバトルを行なわずに逃げ去った。
なお彼はポケモンの捕獲に関しては舎弟達が誉めている辺り、それなりに優秀らしいのだが「ポケモンを育てるなんて面倒だ」と発言しており、主に「強いポケモンを大量にコレクションすること」に重きを置くコレクターであってバトルする事は殆ど無い様子。この「ポケモンを育てる」というトレーナーの醍醐味を目の前で否定した事もまた、ブリーダーとしてポケモンを育てる事を生きがいにしているタケシの怒りを買った一因になっている。実際、タケシからはヒトカゲに対する仕打ちとの二重の意味で「貴様、ポケモントレーナー失格だ!」と非難されている。
更にヒトカゲを「バカなポケモンだぜ」と笑い物にしている辺り、ポケモンを人間より下の存在と考えている可能性が高く、彼の舎弟達も同調しているのでダイスケ並に陰湿な連中であるのが分かる。
一方で仲間と認めた人物には友好的でタケシが話に割り込んできた際には舎弟達も加勢しようとしていたが、こういった傲慢かつ怠惰で幼稚な性格ゆえに、逆にポケモンに優しい者は関わるのを避けている。
また、上記の性格および逃走時に「ママ~!!」と情けない叫び声を上げて助けを求めて逃げたが、母親がどんな人物かは不明であるものの自分の子供がポケモンを邪険に扱えば普通は叱る筈なのでポケモンに対して良い感情を持っていない親(悪人かは別として)の可能性が高く、舎弟までダイスケと思考がほぼ同じな辺りタケシのようにポケモンに対する道徳を教えてくれる人間や更生の余地を与える者がいなかったのかもしれない。しかしポケモンを騙して捨てた事が許される訳がなく少なくとも人間性の歪みは元からといえる。
総じて、トレーナーとして当時駆け出しだったサトシにとってはいい反面教師になったとも言える人物である。
その後、ベストウイッシュシーズン2エピソードNの「燃えよリザードン!VSカイリュー!」では、サトシの回想で再登場。なおこの回の回想は新しく描き直されたものであるため放送当時とは表情や髪・眉の色も若干異なっており、かつてよりもイケメンになっている。
また、尺の関係からかこの回想では彼の外道な一面やヒトカゲによる制裁は大分マイルドかつ簡易的に描かれていた。
ちなみに、サトシのフシギダネやゼニガメもかつては身勝手なトレーナーに捨てられた過去がある。オレンジ諸島編においてはサトシの個体ではないがフシギダネをダイスケのような動機で捨てた事がある身勝手なトレーナー(市長をやっているが、フシギダネの仕返しにより自分の統治している町が襲われるようになる)も登場している。
炎御三家は第8世代まではサトシが捨てられた個体を助けてゲットするかメインキャラクターの最初のポケモンに二極化しており、ヒノアラシとニャビーのみが該当しない。しかしヒノアラシはユウジというダイスケとは異なるベクトルの外道トレーナーに狙われていた。サトシ達を見下した態度をとっていた上に同じくヒノアラシを捕まえにきたサトシに妨害(連れているサンドパンに指示)や強奪行為などの陰湿極まりない嫌がらせを働き、カスミやタケシもその悪行や性格にはダイスケの時程ではないにせよ非難的な意見を口にしていた。当然、天罰が下らない訳はなく最終的にはサトシに敗北する。それでも恐喝を繰り返し挙げ句約束を破って襲ったヒノアラシの手により返り討ちにされ逃げていった。だが、ダイスケ等のようにポケモンを捨てた(及び半殺しにした)事はなく、失敗を続けたポケモンを見限ったり、責めるような事をしていない辺り、寧ろダイスケと似たような前科をやらかしたシンジの方がポケモンを酷使していたと言えるくらいである。逆にダイスケはポケモンを捨てる以外の悪事は(少なくともサトシ一行の前では)犯していないので悪辣さのベクトルは全くの別物である(ただダイスケもユウジも少なくとも両者の悪辣さを兼ね備えたスワマよりはマシと思われる)。
因みにダイスケは意外にもたまたま偶然鉢合わせた結果悪事がバレただけでユウジやシンジのようにサトシ一行そのものを直接的に煽るような発言はしていない(態度こそ悪いが)。
ゲームでの「にがす」について
このキャラに関連して取り沙汰されるのが、原作ゲームにおける「にがす」システムである。
ゲームに於いては手持ちやあずかりボックスを操作している際にポケモンを「にがす」ことが可能であるが、この際ゲームにおいては「ほんとうに にがしますか?」の質問に「はい」を選択すると、「(ポケモン)を にがして あげた。ばいばい (ポケモン名)」というメッセージを遺し、ポケモンは跡形もなくなってしまう。
現実において飼育下の生物を野生に帰すとなると、飼育下とはまるで異なる野生環境に適応させるために多大な時間をかけるものであり、また生態系や遺伝子プールの汚染の問題からも非常に慎重になるべき行為だが、こと『ポケットモンスター』というゲーム作品の中でそうした面へのフォローは一切描写されていない。ただ「フォローしていない」という設定も無いので全てはプレイヤーの解釈に委ねられている。
現実的な問題と照らし合わせて「にがす」選択を大変慎重に受け止めるロールプレイをするプレイヤーも多い一方で、ゲームはゲームとして全く気にかけないものや、より凄惨な解釈に基づいて非人道的なロールプレイを楽しむプレイヤーも存在する。
ゲームをどのように楽しむかは人次第であるのだから、価値観が異なるようであればお互い否定せずに距離を取るのが正しい対応である。
演者について
ダイスケを演じた緑川氏は当初、コジロウ(ムコニャの一角)のオーディションを受けていた。コジロウを実際に演じることになったのは三木眞一郎氏である。
また、緑川氏は同期のポケモンリーグ・セキエイ大会の第1回戦に登場するコーム、『ポケモンマスターズ』ではN、リコの視点に登場するパティシエのミッチェルも演じている。
ピカチュウ版
アニポケ無印を意識した作品ゆえに主人公のヒトカゲも元は他のトレーナーのポケモンだったという設定だがさすがに原典のダイスケとのやり取りを再現するわけにはいかず、ヒトカゲを上手く育てられないトレーナーがヒトカゲを野生に返そうとしている最中に主人公と出会い、ヒトカゲを譲るという展開になっている。やや強引な展開なのは否めないがヒトカゲの元トレーナーはダイスケのような悪辣な人物ではなく、ヒトカゲを譲った後の会話ではヒトカゲの成長を喜んでいる。LPLEでは捕まえた数が50匹以上必須になっている。ポケモンXYからはポケモンを捕まえた時でも経験値が入るようになったのだが、「コツコツポケモンを捕まえ続けてそちらで経験値を地道に稼いだ方がいいのでは?」とツッコんではいけない。
電撃ピカチュウ
アニメの反動か、とある事故に遭い傷付いた体でヒトカゲを迎えに来た等アニメとは正反対の善人トレーナーとして登場しており普段は自信家だったアニメとは正反対の気弱な性格である。
しかし、『森の中にヒトカゲを置き去りにした』もしくは『森の中にヒトカゲが置き去りになってしまった』理由は不明。
関連タグ
ポケットモンスター(アニポケ第1シリーズ) アニポケ無印ゲスト
反面教師 小悪党 卑劣漢(悪漢) 悪魔 傲慢 怠惰 マザコン DQN
もう遅い(覆盆モノ、ざまぁ):いずれも小説家になろうやカクヨム等のWeb小説サイトで読める作品ジャンルだが、前述のダイスケとヒトカゲのエピソードはこれらに該当するため、ある意味では先駆けとも言える。
カジリガメ:第8世代で初登場したポケモン。ポケモン図鑑の説明文にて本項目で言う所の『ダイスケのようなトレーナーに育成が面倒臭くなったという理由(気性が荒いのも原因だがトレーナーの勝手であるのに変わりはない)で捨てられている』と記述されている。
関連キャラクター
- シンジ(アニポケ):「弱いから」という理由でポケモンを手放したトレーナー。しかしながら彼が手放すのはゲットしたばかりで飼育下に馴染んでいないポケモンである。一定以上育てたポケモンは他のトレーナーに譲っており、ダイスケのヒトカゲのように野生に馴染めなくなったポケモンを放逐するようなことはしていない。彼の姿勢を明確に否定したのもサトシのみでタケシは特に非難していないため、このあたりまでは作中でも「いろんなトレーナーがいる」の範疇ではある様子。最も彼についてはにがす行為以外にもっと大きな問題が指摘されているのだが……話題が逸れるので詳細は専用記事を参照のこと。
- スワマ:同じく「弱いから」という勝手な理由でかつ別れるのが辛い演技をして騙して捨てると言うダイスケの後輩ポジションにあたるトレーナーであり、かつそのポケモンが炎御三家であるという点と捨てたポケモンのその後の活躍を見るなり「戻って来て欲しい」と手のひらを返してそのポケモンから直に報いを受けて逃げた点も共通している(ついでにいえばサトシのことを「冴えないトレーナー」と侮辱した)。ただ彼の場合は上記のユウジのように逆恨みを仄めかすようなを発言をして逃げていった。それだけでなく、スワマはダイスケのような悪事に加えてマトリと同じポケモン泥棒(ユウジとは対象が狙ったばかりのポケモンなのでまだマシであり、スワマのやり方は明らかに犯罪である)という悪の組織同然の悪事も行っており、炎御三家に罰せられて逃げていった。
- クロス(アニポケ):サトシのライバルで「弱いから」という勝手な理由でポケモンを手放したトレーナー。横暴で他人を見下した態度を取るところはユウジを彷彿とさせる他、マトリのようにポケモンに悪事まで働かせており、更にサトシを直接襲うよう指示しているなどダイスケ、ユウジよりも凶暴。そのポケモンが炎御三家であるという点がダイスケと共通する。ただし、クロスは捨てたポケモンが強くなっても手のひら返ししたりしなかった上、様々な出来事やアクシデントを通して改心している。だが、クロスも(全部ではないが)ダイスケやユウジ、そして下記のスワマを連想させる点が多少ばかりあったため、物語の何処かで自分を見つめ直す機会がなければダイスケらではないにせよ彼も非道なトレーナーになってもおかしくなかったため、心を入れ替えただけクロスはダイスケらより救いがあったと言える(ちなみにクロスが捨てたポケモンはダイスケが捨てたポケモンと同一人物もとい同一個体であり、ダイスケはそのポケモンに罰せられたが、クロスは更生の余地があったためかあるアクシデントにてそのポケモンに助けられている)。
ちなみに炎御三家ではないが更に後の新無印にてゲンガーを勝手な理由でかつダイスケと同じ手口で捨てた名無しのゲストが登場(ただしリザードンもゲンガーもメガシンカとキョダイマックスするポケモンである)。一応、ダイスケ等のように掌返しはしてあらず既にトレーナーではない模様。
しかし裏を返すとダイスケとスワマはポケモンを道具扱いしても成果を出せばポケモンを認めたのに対して、元トレーナーはポケモンを完全に害獣扱いし差別をしている事になり、加えてトレーナーの世界から逃げた辺り性格もダイスケ以上に陰湿かつ怠惰で、ゲンガーを侮辱までしている。後にクズな本性がバレで罰せられた。