「あたしは世界の美少女、名はカスミ!」
前置き
当記事ではアニメ『ポケットモンスター』に登場するカスミについて説明しています。ゲーム『ポケットモンスター』シリーズにおけるカスミについてはカスミ(トレーナー)を、漫画『電撃ピカチュウ』におけるカスミについてはカスミ(電撃ピカチュウ)を参照してください。
プロフィール
概要
CV:飯塚雅弓
アニメ『ポケットモンスター』シリーズにおける初代ヒロイン。
無印編で主人公・サトシと共に、カントー地方・オレンジ諸島・ジョウト地方の3つの地を旅して回った。
その後も、第2~第7シリーズにゲストとして数回登場している。
旅仲間のタケシと同じく、ゲーム版のジムリーダー「カスミ」がモデル。
初登場時は一般のポケモントレーナーだったが、後にゲーム同様ハナダジムのジムリーダーとなった。
人物
容姿
ローティーンにはありがちなことだが、身長は同い年の設定のサトシよりやや高い。
服装はアニメ用に描き下ろされたもので、へそ出しの黄色い超ミニノースリーブTシャツに、デニムのホットパンツを赤茶色のサスペンダーで吊るのが基本。
ゲーム版の水着姿より幾分露出度が下がったが、それでも10歳の少女の私服としては前衛的すぎるものであり、海外進出の際にアメリカの放送倫理規定に引っかかったため、途中からトゲピーを抱かせて腹部の肌を極力隠すようになったという逸話がある。
靴は赤いスニーカーだが、「靴下が嫌いでいつも素足で履いている」という妙なオリジナル設定が追加されている。当時既に実生活ではほとんど廃れていたファッションであり、かえって新鮮な魅力を感じた子供も一定数いるとか。
その他、『週刊ポケモン放送局』ではチャイナドレスを着ていたりした。
後述の姉たちからの評価に反してモテている描写も多く、あるキャラからは「8年後が楽しみ」とも言われている。ゲームでの成長を考えるとその予測は当たるのだろうが、アニメの時間設定は最後まで停滞したままだったため、それが見られる機会は最後まで無かった(2023年に作品の世界観が変わったため)。
ナツメの超能力によって、この容姿をデフォルメしたような人形(ぬいぐるみ)に変えられた経験もある。
釣りに対しては並々ならぬ自信があるようで、無印編第168話では自分に因縁を吹っ掛けて来たトキオに対してアズマオウフィッシング大会で同点をもぎ取り、決着となるポケモンバトルでは進化前のニョロゾでニョロボンを撃破している。
釣りには自分を模したオリジナルデザインのルアー「カスミちゃんスペシャル」を用いる(無印編第35話から登場、他にもヒトカゲ型、パウワウ型、コダック型、コイキング型ルアーも所持している)。
回を重ねるごとに別デザインのものが次々と登場としており(AGまでにバージョン2、バージョン3、バージョン4が登場)、用途によって使い分けている事がうかがえる。
うちの一つ(バージョン4に似る)をAG編第187話でサトシにプレゼントしており、DP編第34話やめざポケ編第2話で使用している。
また、丸い仕掛け付きのタイプをアローラ地方で知り合ったスイレンにプレゼントしている。
性格
トレーナーとしてはサトシより先輩であるため、精神年齢も彼よりやや高い。
とは言え感情の起伏が激しく、時にはサトシやタケシに容赦なく鉄拳を喰らわす暴力系ヒロインの一面も持つ。初期にはサトシに対するツンデレ的な照れ隠しの一面もあったが、放送の長期化に伴う度重なるサトシの鈍感化によって強気な一面が際立つことに。
また、ミーハーで面食い・家事能力も低いなど彼女自身の女子力も決して高くはなく、むしろ(良くも悪くも)サトシと対等に渡り合えるもう一人の主人公と言った方が適当かもしれない。
歴代ヒロインの中でも、これだけ頻繁にサトシと喧嘩したのは彼女だけである。
放送初期という事情もあるが、歴代ヒロインの中でただ一人、サトシから明確に異性として意識された描写が複数存在する。
ストーリーが進むにつれてサトシに対して家族愛・姉弟愛的な感情も強調されるようになり、サトシが無謀な行動に出る度に最終的に理解を示しつつ人一倍気にかけ見守っていた。
厳しい物言いをしながらも、仲間の危機には身を挺して救おうと奮闘するなどしっかり者で度胸ある人物である。
2人の不足分はタケシが補っており、逆にタケシがお姉さん相手に暴走した時にはカスミがブレーキ役を担うなど、バランスの取れた関係であった。
ちなみにサイドストーリーにて、自分に想いを寄せてくる相手に「誰か好きな人がいるんですか?」と問われた際、カスミは動揺して口ごもってしまった一方、コダックは何やらニヤニヤとしていたが……?
家族
「4姉妹の末っ子」という設定であり、オリジナルキャラの姉が3人も登場した。
両親は未登場だが、小説版にて「ジムをやっていけない」と娘たちを残して出ていったという解説がなされている。
姉たちもそれぞれに癖の強い性格(長女のサクラはまだマシだが)で、ジムの副業として水中ショーを始めて収入を得たまでは良かったものの、ジムの方はほとんど放置状態にしてしまい、その水中ショーもカスミ抜きの3人で売り出した挙句「美人三姉妹とその出涸らし」とこき下ろす始末であった。
カスミの性格はこうしたハードな生育環境に起因する部分もあるのだろう。尤も、この生い立ちは小説版独自のものであるので、現在の設定ではどのような生い立ちになっているかは不明である。
作中では
無印編第1話から登場しており、サトシがトキワシティへ向かう道中で釣りをしていたが、断る間もなく彼に自転車を盗られ、雷で黒焦げにされてしまった。
旅に同行した理由は、サトシに破壊された自転車を弁償してもらうため。この世界において自転車は結構な高級品らしい。
最終的には新品の自転車が手に入ったことと、姉3人が福引で当てた世界一周旅行に行くために留守番を押しつけてきたことからサトシと別れるが、その際は名残惜しさすら感じていた。別れ際にサトシにハンカチをプレゼントしている。
なお、この自転車破壊はAG編〜DP編のヒロインが経験する恒例のイベントとなっていた。
現在はオレンジ諸島編で知り合ったケンジの協力を得ながら、全くと言っていいほど仕事をしない三姉妹に代わってジムの運営を行う日々が続いている。その姉たちは(半分雑用係としてではあるが)ケンジを狙っている様子。
ポケモントレーナーとして
ポケモンに対する愛情は強く、バトルで繰り出す際は“My Steady!”を決め台詞としていた。
他人のポケモンであっても放ってはいられず、初対面時ボロボロに傷ついたサトシのピカチュウを見て、その事態を招いたサトシに(事情を訊かずにいきなり)ビンタを食らわせたほど。その後ピジョン相手に相性や実力差を考えず、キャタピーに無茶なバトルをさせた彼を再び平手打ちしており、結果サトシを2度もぶった。
自身が得意とするみずタイプのポケモンには特に愛情が深く、メノクラゲを「可愛い」とまで言い切れるほど。例外的にギャラドスだけは苦手としていたが、それは後に克服して手持ちに加えている。
カメックス、ダイケンキといったゴツめのポケモンからヌオーといった緩めのポケモンまでみずタイプのポケモンの守備範囲は広めで、無類のみずタイプ好きと言ってもいい。
反対にむしタイプのポケモンに対しては拒絶反応が強く、レディバやヘラクロスのように外見が纏まったものや、見た目が可愛いタイプのレディアンやアゲハント、クヌギダマ以外(特に森での遭遇率が高かったキャタピーなどのビードル系やイトマル系)には露骨な嫌悪感を見せてしまう。
SMにて再登場した際はアブリー、アブリボンに対しても同様に怖がっており、新無印編ではスコルピやフシデも対象である事が判明(ブリムオンが見せた幻覚であり、その中にはキャタピーやテッカニンといった過去作で関わりのあったポケモンも見られた。このうちフシデとは後に直接対面している)。
「虫は無視なの~!」
それでも無用なバトルで傷つけることは避けており、最低限の気遣いはしていた。当初は嫌悪していても、自分を助けてくれたポケモンに対しては非礼を詫びることも。
傾向を見るに、現実世界でも好かれやすいカブトムシや蝶、てんとう虫などをモチーフとしたポケモンは平気であり、反対に蜘蛛やムカデ、イモムシなど嫌われやすい虫には拒絶反応が出るものと思われる(アブリーは一見可愛らしい見た目だが、現実の虻は危険生物であることを考慮すればこの反応にも納得がいくだろう)。
こう考えるとカスミのむしタイプ嫌いも無理もない話である。
なお、アメタマやコソクムシといったみずとむしの複合については、デントにシズクモを例に出して聞かれた際「悩ましいところ」と渋い顔で回答している。
状況によってジョーカーとして活躍するコダックがいる為に、トレーナーとしての実力は回によってまちまち(ジムを離れてサトシ達と旅をしているという作劇上の都合もあるのだろうが…)。
特にゴローンを繰り出した優藤聖代(ポケモンゼミの初級クラス生徒)にスターミーを使って負けた事はあまりに有名。
しかし、オレンジ諸島編第93話では野生のゴルダックを上手く使いこなしていた他(ゴルダック本人のスペックも高かった)、金銀編ではみずタイプ限定大会である「うずまきカップ」で決勝トーナメント第三戦で敗退、AG編第45話ではギャラドスにかえんほうしゃを覚えさせておいた事がヌケニン攻略の切り札となったり、サン&ムーン編ではメガシンカを会得(それもかつてトラウマの対象であったギャラドスがパートナーである)、めざポケ編ではニョロトノが「ハナダジムの守護神」と称されるほどになるなどハナダシティジムリーダーを務めるだけあって実力は決して低くなく、諸事情で別行動を取ることになったニョロトノとサニーゴはこころのしずくで蘇ったカブトプス相手にも全く臆する事なく立ち向かっていた事からもそれがうかがえる(『水の都の護神』)。
手持ちポケモン
詳細はカスミのポケモン。
進化前のヒトデマンと、進化後のスターミーをそれぞれ別個体で所有している。
また、実家のハナダジムが引き取ったパウワウ等のみずポケモンも多数存在し、ギャラドスもそこから自身の手持ちに引き入れたパターンである。
トゲピーは後述する大人の事情のため、突発的に持たされることとなったベイビィポケモンであるが、彼女は時に育児を理由とした我儘を通しながらも、しっかりとトゲチックまで育て上げた。ポケモンに対する愛の強さが最も現れたエピソードと言えるだろう。
コダックは抜けたところのある三枚目であり、度々カスミをイラつかせてはいるが、自分から手放した事は一度もなく、デントからも相性が良いとのお墨付きを貰っている。ここからも彼女の面倒見の良さがうかがえる。
彼女の手持ちはバトル以外でも能力を活かして活躍するシーンも多い。
ヒトデマンは劇場版第1作でいわゆるなみのり要員として活躍、タッツーは無印編第40話でロケット団に捕らわれた際には口から吐く墨を道標として残したり、サニーゴはアルトマーレの水上レースでカスミのゴンドラを引き、スターミー、ハリーセン、マンタイン、ホエルコ、シャワーズといったサニーゴよりも素早さの種族値で優っているポケモンを追い抜いて優勝している。
再登場
AG編~BW編
AG編44話「カスミ登場!トゲピーとまぼろしの王国」にて、自身の名を冠して再登場。ホウエン来訪の目的は「トゲピー祭」なる祭典への参加。元ネタとなるゲームのイベントが存在しない、アニメオリジナルエピソードである。
体格に変化はないが、服装は黄色ノースリーブジャケット+赤インナー+黄色スパッツ+黄色ショートブーツという全く新しい出で立ちとなった。このイメージチェンジは「常時へそが隠れるようにする」という目的が主であるが、インナーさえ脱いでしまえば以前と変わらない露出度にすることが可能であり、ジャケットの形状や全体的に黄色い配色もあって、前衛的なファッションセンスは健在であると言える。また、無印では履かなかった靴下も履くようになった。
しかし、AG編134話「オツキミやま!ピィとピッピとピクシーと!」(番外編では2006年配信のWebアニメ『戦慄のミラージュポケモン』)を最後に再び降板し、以後4世代以後の人物・地方との面識は生じていない。
一応DP編ではOPムービー(ポケモン嘘予告)とナレーションで出演した他、カスミ型のルアーが登場しており、BW編では「エピソードN」の回想シーンで声の出演をしたり、オーキドの口から名を聞けたりと、なんだかんだ約16年にわたり出演していた。
だがDP編を最後に降板したタケシもカスミ同様、回想での登場を最後に出番そのものがなくなって久しい。初代同行者2人の皆勤賞記録もXY編で途絶えてしまった。
SM編
SM編42話・43話にて「戦慄のミラージュポケモン」以来約11年の長き沈黙を破り、タケシと共に再登場。無印編3人組の12年ぶりの共演が実現した。
服装は無印時代に戻っているが、水着(ゲーム「赤/緑」版の水着と同じタイプ)のインナーが垣間見えるようになり、同じみずポケモン使いであるスイレンと水着姿を披露した。
むしポケモン嫌いは相変わらず。またロケット団からは「元祖ジャリガール」と呼ばれていた。
落書きプリンが再登場した際、手持ちのヒトデマンは水晶部分に☆を描かれていた。
更にメガシンカをも会得しており、43話では改装されたハナダジムでマオのアママイコとスイレンのアシマリ相手にコダックで変則的な前哨戦を行い、サトシとはギャラドスを使って久しぶりの全力バトルをする。
実は、これまでカスミに懐くあまりにバトルを拒んだり、戦うにしても相手がトゲピーだったため全く本気を出せなかったりしたピカチュウが、全身全霊でカスミと激突した初のバトルである。
結果サトシが勝利し、サトシにとってはハナダジムでの20年越しの初勝利となった(無印編ではロケット団の乱入で決着がつかなかった)。
キーストーンはヘアゴムの飾りとして身に付けているが、取得経緯は不明。ゲーム「赤/緑」と同じポーズでメガシンカさせている。
メガシンカ時の詠唱は「強く雄々しく美しく、私の青いスイートハート!メガシンカ!!」。
アローラスクール組の帰国時にはブルーバッジのレプリカをスイレン・マオ・リーリエにプレゼントし、サトシと今度はアローラで再会することを約束。
その言葉通り、102話にてタケシと共にアローラへ来訪。服装はセパレートタイプのキャミソール&スカートスタイル。
次回予告ではスイレンに当てた手紙感覚で読み上げていたが、本編で文通のやり取りをしていたと明かす。ジムは姉たちに任せてきたらしく、コダック・ギャラドス・サニーゴが同行している。
モアニの店へ立ち寄り、アローラサンシャインへ赴き、マンタインサーフにも挑戦している。せっかくのバカンスの邪魔をし、マンタインを連れ去ろうとしたロケット団を撃退した。
新無印編
新無印編では132話にて顔出し出演。
ハナダジムで一泳ぎしていたようで、SM編でも披露したゲーム版の水着姿で登場。
コダック、ギャラドスと共にサトシとピカチュウのWCS決勝戦を見守っていた。
そして、実質最終話となる136話のEDではゴウと初対面。みずタイプ好きを遺憾なく発揮し彼のインテレオンに抱きついていた(因みにこの時の服装は無印版のもの)。
めざせポケモンマスター
最終章である『めざせポケモンマスター』第2話にて再登場。サトシがWCS決勝戦で戦う姿に触発され、姉3人にハナダジムを任せて旅に出たことが語られた。
旅先でサトシと偶々再会し、釣り上げたウデッポウをかけて勝負し見事勝利。ウデッポウはカスミのポケモンになったが、サトシのヘイガニに特訓をつけるなど「試合に勝って勝負に負けた」ような結果となってしまう。「ゲットした意味が無い」と嘆いたものの、ウデッポウとヘイガニが親しいことを機にまたサトシの旅に参加した。
今回はむしタイプであるサトシのハハコモリと顔を合わせているが、見た目が可愛いからか特に拒否反応は起こしていない。反面、第3話で蜘蛛モチーフのバチュルに遭遇した際は嫌がっている。
因みにカスミの新規ポケモンゲットは、2005年のルリリ以来実に17年越しとなった。また、「ある水ポケモンをめぐってポケモンバトルをする」という2話の構成は金銀編のワニノコ争奪戦回のオマージュであり、狙ったのか同話のサトシの手持ちにもワニノコが入っている。
タケシへの制裁は後任のグレッグルと共に敢行しており、初披露された第5話以降恒例行事となっている。ある意味夢の共演。
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アニポケ ポケットモンスター(アニポケ第1シリーズ) めざせポケモンマスター(アニポケ)
マノン(トレーナー):サスペンダーの後輩のヒロイン。SM編でカスミの服装が無印時代に戻ったため、4年連続でサスペンダーヒロインが登場したことになる。