「"プロフェッサー鏡花"!カッチョいいからそう呼べっていつも言ってるだろ〜?」
演:福田沙紀
概要
10年前に身寄りのなかったスパナを引き取り、超A級錬金術師に育て上げた育ての親である。
10年前の「事件」がきっかけで、腕には未だ癒えない傷跡も残されている。
なお同い年のミナトとは元々同級生で、アルケミストリングの色もミナト同様の赤となっており、錬金術師としての位はかなり高いようだ。
ローブや外套に身を包む他の錬金術師とは異なり、ツナギのような作業着を着た女性。
更に「プロフェッサー」と自称するだけの技術力もあるらしく、ヴァルバラッシャーのメンテナンスに加え、何やら新しいドライバーの作成にも着手している。
人物像
第14話にて興味本位でスパナに『ドレッドライバー及びレプリケミーカードの奪取』を命じており、科学者或いは技術者気質な面が窺える。
しかし、決して冷酷な合理主義者ではなく、奪取命令でスパナに無理をさせたのを詫びたり、力不足に悩むスパナにアドバイスを送りつつ激励したりしている。
上層部にも平気で悪態を吐くほど傲岸不遜なスパナも、過去の恩義もあって敬語を使い穏やかな笑顔で接しており、良好な師弟関係である実態が覗える。
グリオンの存在も認知しており、彼の記憶操作は受けていないのか裏切り者と呼ばれる九堂風雅には好意的で、彼の無実を証明すべくその行方を探しており、娘である九堂りんねへの接触を狙うべく、スパナにりんねの監視を依頼している。
一ノ瀬宝太郎に対しては「お気楽ボーイ」と呼んでいるが、錬金連合関係者の多くが彼を仮面ライダーとして認めない姿勢を見せる中、鏡花は彼を偏見視するようなこともなく初見時から友好的に接しており、第20話以降は恩師であるミナトを失った宝太郎達の先生として支えている。
冥黒の三姉妹陣営に付いたミナトにも、目立った敵愾心を見せずに「ミナト君」と呼ぶなど彼の事情を知っている様子。
「道具は鏡」の信念の持ち主で、愛用の工具は大切に保管するよう心がけている……のだが、机の上の実験器具を片付けられないほどズボラなタイプでもある。
また、上記のズボラさに加えスパナから「鏡花さん」と呼ばれるや否や「カッコいいから『プロフェッサー鏡花』と呼んで」と注意する場面から、呼ばれ方には拘りがある模様。
喉から手が出る程のパクチー好きでもあり、食べ物には手当たり次第にパクチーを乗せようとする程の度が過ぎた愛好家ぶりを見せている(弟子にも「笑えない味付け」と呆れられている)。
また、この手の研究者にありがちな「研究(錬金術)以外からっきし」を見事に体現しており、料理は基本的にスパナに任せている。
第20話ではドライバーの完成とスパナの事を話すためにりんね達に直接会っている。
活躍
(第20話以降のネタバレ注意!)
スパナ専用のドライバーを完成させるべくりんねと宝太郎のドライバーを手に入れるためにキッチンいちのせに赴き店主不在のため留守番をしてたキッチンいちのせ連合の面々と初会合。スパナが彼らに見せる日頃の不遜な態度を詫びつつフォローを入れた。
開発途中のドライバーで仮面ライダーになる片割れでもあるマッドウィールがないこと、ドライバーの持つ強烈なエネルギーによってスパナの持つ黒い炎の力を律せないことを危惧していた。
しかし、鏡花の懸念通りエンジェルマルガムの力で復活された両親を再び目の前で殺害されたことで黒い炎で包まれたスパナは、グリオンの力によってマッドウィールと融合しウィールマルガムとなってしまう。
マルガムの力を手に入れたスパナは鏡花の自宅に侵入し、彼女に自分と彼女が過ごしてきた10年間は全てまやかしだったのかと問いただす。
10年前風雅が連合の裏切り者にされた日の真実…それは、自身の目の前で両親がグリオンに殺された事で「幼かったスパナが怒りと悲しみから不完全ながらその体より黒い炎を発していた」ことだった。
駆けつけた鏡花はグリオンから必死にスパナを隠し、彼が激情のまま発生(錬成?)させた鋭い棘によって負傷したのが未だ癒えぬ腕に残された傷だったのだ。
その後、一流の両親の血を受け継ぐ錬金術師としての紛れもない才覚、しかしそれと同時に持ち合わせる「冥黒の力に染まりやすい危うさ」の二つを取り持つため、スパナの10年前の記憶を消したのだった。
目の前で両親を失ったという恐怖から何度も眠れない夜と蘇る記憶に苦しめられるスパナを献身的に支え、黒い炎の力を悪用されることを危惧してチェスで「感情に心乱されず、常に先を読む」力、そして「戦いの美学」を教え込んだその日々は決して嘘ではなかったと語る。
りんね達がウィールマルガムとの戦闘から戻ってきた際には既に研究室に戻っており、スパナは戻ってくるだろうとドライバーの研究をしながら帰りを待っていた。復讐心と怒りに囚われているスパナからは身寄りの無い自分を育ててくれた事は感謝してるが、戻って来ることは無いだろうと決別とも取れる言葉をかけられてしまう。
第21話では、宝太郎にスパナの目を覚まさせるためにもドライバーの完成のために協力して欲しいと依頼。いちのせ連合の面々とりんね達のドライバーにあるこれまでの戦闘データを元に満を持してヴァルバラドライバーを完成させることに成功する。
その直後にエンジェルマルガムとミナト冥黒の三姉妹からラボへの襲撃を受ける。ミナトと二人きりになるとドライバー完成に協力してくれたミナトの教え子である宝太郎達を称賛しつつあえて敵に回ってまで退学という形でグリオンから宝太郎達を守ろうとしてることを理解し、力に飲み込まれてるスパナの目を覚まさせられるのはミナトしかないと読んで一芝居打ち、スパナが身に宿した力を律して真の意味で仮面ライダーになるための手助けをした。
エンジェルマルガムを倒したスパナが家に帰ってくると二人のコミュニケーションであるチェスを始めた。
第22話ではスパナと一緒にスパナの両親の墓参りに行っており密かに丁寧に手入れをしていたことを明かしている。
またミナトが教え子である宝太郎達を裏切ってまでグリオン達についてる経緯も詳しく知っておりスパナと一緒に宝太郎達の元を訪れていた所でミナトに呼び出され、みんなで実験場に行くとスチームライナーとスパナとりんね以外のカードがミナトに奪われる事態に陥る。
どうにかスチームライナーだけでも戦う術はないかと焦る宝太郎らと打開策を思案するが、それがリスクの大きい禁術であるため、彼の身を案じ制止している。
グリオンの口からミナトに向けて錫屋大輝という人間の名前が出ており、第25話の予告ではミナトと3人で仲良くしているシーンが写っている。
どうにかしてスチームライナーのみで宝太郎を変身させれないか模索していた時に風雅が現れ、彼の力とガッチャーイグナイターの力で何とか禁術で宝太郎を変身させることに成功。
プテラノドンマルガムを倒し、ワープテラを手に入れる事に成功した。禁術の代償で体力を消耗した宝太郎をキッチンいちのせに連れて帰った後、風雅に10年前のことをりんね達に話すべきと促してミナトがグリオンに付き従っている理由として10年前の錬金連合が襲撃された日のことを話した。
当時ミナトには弟のように可愛がっていた若い錬金術師、錫屋大輝という後輩がおり、2人とは大学・大学院のゼミ仲間のような関係性である事を話した。
いつものように3人でランチを取り錬金術の事を話すなど他愛のない日常を過ごしていた時、風雅しか持っていないはずのジャングルジャンがジャングルマルガムとなって襲撃を受ける。ミナトと錫屋がグリオンの元に向かう中当時幼かったスパナの危険を察知しスパナの元へ向かった(この後にスパナの両親の死や黒い炎に立ち会った模様)。
その後、グリオンの元に行った錫屋とミナトの元に戻った鏡花の目の前には、グリオンの手によって殺害された錫屋の亡骸を抱えて罪悪感に苦しむミナトの姿があった。
第26話では料理ではなく原初のケミーであるドラゴナロスとガイアードの情報を手に入れたためグリオンに利用されることを危惧してるとドラゴンマルガムが現れて宝太郎達に連絡を入れている。
第27話で風雅の助言で宝太郎達がウロボロス界に行ってグリオンとやり合ってる頃グリオンの手によって開かれた暗黒の扉が現実世界でも目視され始めており扉を見ていたミナトをやっと見つけた。
10年前の過去の呪いに縛られてる今のミナトに対しては「不器用を通り越して無様だ」と断じると、今の生徒達との思い出や錫屋と同じ思想を持つ宝太郎や今の生徒達の未来へ錬成できると説得しミナトの迷いを断ち切ることに成功した。
その後はラケシスの手を借りつつ、なんとかミナトをウロボロス界へと送り届けた。
第30話にてラケシスをそのまま助手として色々と話を聞くためにも身元を預かっておりアカデミーで作業してた所ラケシスを連れ戻しに来たクロトー/仮面ライダードレッド参式の襲撃を受けるがスパナに救出されている。
第31話では、キッチンカーのローストビーフ丼を食べながらラケシスに暗黒の扉の向こう側の存在の存在について尋ねており、彼女から「冥黒の王」というキーワードを聞き出した。その後、ヴァルバラッシャーを複製した件で怒るスパナに対し「戦力は多い方がいいだろ?」と宥めた。
第32話では、冥黒の三姉妹がホムンクルスであることを知ると実験対象として調べさせてくれと興味津々に近づき、身の危険を感じたラケシスは思わずヴァルバラッシャーを構えられる場面もあった。
第37話で宝太郎達にギギストにマルガム化され、白色化したスケボーズを復活させるために再錬成できないかと頼まれたが、詳しく検査したところギギストにより「撃破されるとケミーの生命そのものが滅亡する」錬金術を施されていることが判明。
さすがに自身の手には負えなかったため、覚悟を決め彼らにその事を伝えた。
その後、アントルーパーマルガムに対処しようと向かったりんねたちに「無理するなよ!」と声を掛け、万が一に備えてスパナとミナトに事態を報告した。
第39話では、ラケシスにおつかいを頼んでおりその内容が「たこ焼きの材料、調味料、パクチー」である。
第44話ではラケシスのオリジナルとなった人物の記憶を取り戻すために新たなマシーンを開発している他、宝太郎達にラケシスの人間への錬成に関する進捗状況を教えた。
第45話では、前世の記憶を取り戻したラケシスが自分自身の記憶を受け入れたことに安堵しており、2人でスパナ特製のローストビーフ丼を頬張った際には、人間として生きることの楽しさを教えており、ラケシスに対して「恋をするのはどう?」と提案し、「そこにいるスパナなんてどうかな?」と茶化していた。
第46話では、人類がケミーに関する記憶を思い出した原因がガエリヤがばらまいた黒い粒子であることを解明し、その黒い粒子についての解析を進めていたが、突如研究所内に暴徒が押し寄せた。鏡花は彼らが民間人であることを理由にラケシスに手を出さないよう指示したため一方的に蹂躙されることとなり、自身も怪我を負っていた。
第47話では、スパナのケミー放棄宣言を聞いて宝太郎達のもとに行き説得を試みるも、スパナは宝太郎達が所持するケミーカードを強奪後、鏡花に対して「ありがとう」とだけ呟き去っていった。
その後、ラケシスからスパナが冥黒の炎の力でケミー101体との101重錬成でそのまま冥黒王を倒すという彼の禁術に近い行動と真意を聞いた事で、宝太郎達に「スパナの黒い炎は限られた錬金術師が到達できる闇の力と同時にギギストの持つ炎と同類のもの」である事を明かす。その夜、宝太郎と意地と意地がぶつかり合う戦いをした後も帰ってこなかったため、真っ暗な部屋の中チェス盤を見つめながら一人で全部背負い込もうとするスパナに対して「バカ…。」と寂しそうに静かな怒りを込めて呟いた。
第49話では、スパナがギギストに狙われているという連絡を受けて宝太郎達と共に彼の元へ駆けつけた。
その後、自身の冥黒の炎を白銀へと覚醒させ、仮面ライダーヴァルバラド黒鋼に変身してギギストに引導を渡す弟子の姿を感慨深く見守っていた。
しかし、その後ラケシスがグリオンの凶弾に倒れ、死亡。
そのあまりにも悲しい最期に彼女は「ラケちゃん…」と呟くことしかできなかった。
最終話では、仮面ライダーエルドにより解き放たれたドレットルーパー軍式による黄金化光線からスパナを庇って黄金化してしまうも、新たな錬金術の境地によって黄金化が解除された。
最終決戦から数ヶ月後、スパナとチェスに興じており、スパナがアカデミーの新入生の姿を見て「新たな錬金連合のリーダーになる」と宣言している隙を突いてチェックメイトしている。その際に、スパナに対して「ラケちゃんの分まで生きていかなきゃね!」と激励している。
その後、地質調査のためスパナやアカデミーの生徒達、加治木、ミナト達と共に宝太郎が錬成した新たな地球へと赴いている。
本編外での活躍
本作ではスパナやミナト達と共に現代の世界に残り、現代への侵攻を仕掛けてきたドレットルーパー軍式軍団への対策としてワームホールの力を利用してエネルギーを逆流し元の次元へ押し戻すという奇策を提案したりと細かい所で活躍している。
なお、20年後の未来においては既に故人。この時空の宝太郎はガッチャーイグナイターを入手するのが遅れているため、データの問題でスパナへヴァルバラドライバーを作る前に殺害されてしまった模様。
余談
演者の福田女史は、『ウルトラマンオーブTHE ORIGIN SAGA』でアマテを演じており、特撮作品への出演は2度目、仮面ライダーシリーズへの出演は初となる。
また、福田女史はかなりの特撮ヲタクであり『仮面ライダークウガ』、『仮面ライダー555』がお気に入り。
プライベートではスパナ役の藤林泰也氏とともに『仮面ライダー・ザ・ダイナー』へ足を運んだり、Xにて『555』のVシネ作品『パラダイス・リゲインド』を鑑賞した旨の投稿が公式アカウントに反応された際には興奮のあまり語彙力皆無の投稿を連発するなど、そのヲタク度はかなりのもの。
平成ライダーお祭り回の33話でも限界突破オタクな投稿をしている。
『ガッチャード』の脚本担当・長谷川圭一氏は福田女史が小さい頃に鑑賞していた『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』にて脚本を担当した経験を持っている。
長谷川氏もまた、元々『SPEC』の大ファンだったため、その出演者の一人だった福田女史が演じるキャラクターを描けることが感慨深かった模様。
キャスティングは元々制作陣との何かしらの縁があったこともあり、オファーされたとのこと。
ちなみに、劇中の鏡花の部屋にあるチェスは有識者によりWegiel Chess Ambassadorと判明している。