「君たちはかっこい〜い映画より、コメディが向いてますからね〜。それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!」
「あっら〜、バレちゃいました? 私こそ、この撮影の陰の仕掛け人。ギャングラー一のヒットメイカー、ピッチ・コックです!ウフッ…」
データ
身長/186cm(巨大金庫身長/46.5m)
体重/205kg(巨大金庫体重/512.5t)
犯罪歴/無差別性別転換
犯罪技/アルナイン転換
ルパンコレクション/「ベートーベンをぶっとばせ~Fais rouler Beethoven~」
概要
あらゆる物を性転換させる力で場の混乱を演出するギャングラー怪人。
クジャクに似た姿で、その尾羽を模した独特な形状の装飾品で身体を覆っている他、左腕が鳥足その物になっている。
昭和のテレビ番組の司会者のような喋り方の他、「うひょひょひょ」という笑い方が特徴的。
クジャクの頭を模し、嘴部分が刃になった『ピーコッ剣』が武器で、その先端から「クジャリンパ」と叫んで放つビームを浴びせた対象を性転換させる犯罪技『アルナイン転換』を持つ。(生命を脅かすものではないものの)この技を食らった者は、胸と下腹部をまさぐって「ある!」「ない!」と叫び、多大な精神的ダメージを受ける……しかし技名どうにかならへんかったんか。
また、タイヤのルパンコレクション「ベートーベンをぶっとばせ~Fais rouler Beethoven~」の力で相手を強制的に転ばせる事も出来るが、本当にそれだけかつ、対象が地面についていないとルパンコレクションの力の影響を受けない為、コレクションを有効活用できてるかは怪しい所。
ルパンコレクションを収納する金庫は左肩にあり、暗証番号は「108」。
人間界に潜伏している時は髭を生やした撮影カメラマンを務める男の皮を被っている。この立場を利用して撮影スタジオに潜伏、異世界犯罪者集団ギャングラーを讃えるプロパガンダ映画を製作してドグラニオ・ヤーブンに媚を売りボスの座を譲って貰おうと画策する。
結局やっている事はナメーロ・バッチョと然程変わらない為、デストラ・マッジョからはこき下ろされるも、ドグラニオは映画完成を割と本気で期待していた。
ピッチ自身は演出家を自称しているが、撮影現場を取り仕切る監督になるつもりは無い様子(この事から狙っているのはボスではなくデストラの地位、No.2の立場なのではないかという説もある)。またテンションが上がると、鳥類モチーフな為か無意味にやかましく喋る癖がある。
活躍
自身の潜伏する東快撮影所に国際警察のPR番組を撮るべくパトレンジャーが訪れた為、それを題材とした映画を撮るべく番組撮影に紛れて暗躍を開始。NGテイクを連発する咲也にコッソリと犯罪技を使い女性へ変えるも、監督の判断で撮影は続行。しかし三人の不慣れな大根演技は変わらない上、女体化咲也に圧倒された圭一郎が壁ドン&顎クイされる等、シュールな光景が展開される事に(なお、咲也の壁ドンはどんな相手にも怯まなかったあの圭一郎が悲鳴を上げる程の破壊力だった)。
一方、コグレからの情報でピッチを狙って忍び込んでいたルパンレンジャーは撮影現場を物陰から見ていたが、魁利と初美花がパトレンジャー三人の上記の演技に爆笑した為(「大きな声を出すな!」と咎めた透真も完全に顔は笑っていた)、完全に「デデ~ン♪ルパンレンジャー、全員アウト〜」になってしまった挙げ句パトレンジャーに見つかり交戦。それに少し遅れてピッチも姿を現し、今度はパトレン1号・パトレン3号に犯罪技を浴びせて性転換させる。
2人はひどく混乱し、突撃してくるが、ルパンコレクションの力でルパンレンジャー諸共転ばせ、その隙に姿を消す。
その後は人間態の姿で撮影スタッフに紛れ、性別の変わったパトレンジャーを何食わぬ顔で撮影。さらに監督とカメラマン以外のスタッフ及びエキストラはポーダマンにいつの間にかすり替わっており、それを差し向ける事で自身に都合のいい画を撮ろうとする。
やがてルパンレンジャーまで乱入、ポーダマンを片付けつつここまでの様子を見た両戦隊は、こんな異常な状況にも拘らず撮影を続行しようとする監督こそがピッチの変装と決めつけて包囲、VSチェンジャーを突き付ける。
しかし女咲也が、カメラマンこそが本物のピッチだと看破。『女の勘』(!?)という何の根拠もない代物だったが、潔く認めて化けの皮を破って正体を現し、ポーダマンを引き連れて三つ巴の交戦に突入する。
再びルパンコレクションの力で両戦隊を転ばせるが、転ばせる事しか出来ないのに気付いたルパンレンジャーはワイヤーアクションで空中からピッチを攻撃。空中の相手には転ばせる能力が効かず慌てるピッチを一方的に翻弄し、この隙にルパンレッドが金庫に取り付いてダイヤルファイターで解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。
ならばと犯罪技をルパンレンジャーに浴びせるが、咄嗟にかわされ後ろにいたパトレンジャーに直撃、性転換が元に戻ってしまう。
これで本調子を取り戻したパトレンジャーから鬱憤晴らしと言わんばかりの集中攻撃(パトレン2号が放ったパトメガボーの催眠波で動きを止められた所へ1・3号の銃撃を浴びる等)を喰らって圧倒された挙句、1号の『バイカー撃退砲』に他の二人の銃撃が合わさった一発を撃ち込まれ敗北。
直後、一部始終を見物していたドグラニオは「映画の完成にもう一度チャンスを」と言ってゴーシュを赴かせる(事前にピッチが送って来た予告チラシを名残惜しそうに見つめており、それを見たデストラは映画を本気で見たがっていたのに驚いていた)。
そして巨大金庫を施され「うひょひょひょのひょ〜!これは、面白い展開です!」と言いながら復活。対してグッドストライカーを捕まえたルパンレンジャーはルパンカイザーナイトを繰り出して交戦。これに対してピッチは矢継ぎ早で犯罪技を相手の右手より飛行してきたブレードダイヤルファイターへ浴びせる。
するとその影響か、ブレードダイヤルファイターはハンマーダイヤルファイターへ変化。ピッチを攻撃して牽制(バカヤロウ元に戻せと言ってる様に見えなくもない)した後に再び武器として持たれ、ルパンカイザーハンマーナイトが完成する。
ルパンイエロー「なんかすごいのになった」
ルパンブルー「武器にも性別があるのか?」
グッティ「いや~ん」
この予想外の展開にピッチは「まさかの事態!?衝撃のラスト3分!」とメタ発言を交えつつ無駄にテンションを上げ立ち向かって行く。しかし「いや、3分もいらないな」と冷静に切り返したレッド達の操縦する相手に、ピーコッ剣を弾き飛ばされて圧倒され、「大どんでん返しを期待する!」とルパンカイザーに素手で殴りかかるも、既に相手は必殺技を放つ体制に入っており、キュ荒ブリー顔負けの一撃必殺技『グッドストライカー連打 グルグルぶっ飛べヒットベー』を喰らってかっ飛ばされる。
結局「それでは次回にご期待下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ〜っ!!」と叫びながら上空で爆散、帰り道なきあの世への撮影旅行に旅立った(同時にハンマーもブレードに戻った)。
余談
これはもう言うまでもないだろうが、名前の由来はサスペンス映画界の巨匠、アルフレッド・ヒッチコックと英語でクジャクを意味する「peacock(ピーコック)」を掛け合わせた物(当の回は全編シュールなコメディだったが(笑)) 。
ピッチ(pitch)には『売り込み資料』、コック(cock)は『雄鶏』の意味もあるので、『自分の名を売り込む鳥男』と言う意味合いのネーミングとも考えられる。
ギャングラー共通の骨の意匠は装飾に隠された全身の白いディティールおよび顔で、デザイン画を見てみるとクジャクの顔の様な素顔をしていることがわかる。本編では装飾で分かり難く、背中の背骨部分しか確認が難しい。
金庫の暗証番号の由来は『東映』もしくは『投影』の語呂合わせと思われる。
デザインコンセプトは「鳥かご風の鎧やマントを纏った鳥」で、籠の中の鳥から連想した。
退場時の断末魔の元ネタは、テレビ朝日系列の番組・日曜洋画劇場(現在は日曜プライムに改題)でナレーションを務めた故・淀川長治氏の締め括り文句から(スタッフの話によると断末魔を含め映画に関する台詞の大半が山崎氏のアドリブだった模様)。
淀川長治氏は自身がLGBTであると公表していた事でも知られている。
また人間態を演じた林氏は、実際に戦隊シリーズを撮影するスタッフの一人である。
ルパンコレクションのモチーフは炎神戦隊ゴーオンジャーのゴローダーGT。名前の由来はおそらくチャック・ベリーの同名の楽曲だと思われる。
「ギャングラー一のヒットメーカー」の肩書は、激走戦隊カーレンジャーで多用された「ボーゾック一の○○」という肩書のパロディとも考えられる。
ゴーオンジャーと同じ車モチーフの戦隊である、カーレンジャーの最初に登場したボーゾックの荒くれ者・BBドンパは「宇宙のベートーベン」の肩書を名乗っていた為、コレクションとも絡めてのダブルパロディなのかもしれない。
撮影所でパトレンジャーの3人のアクションシーンの悪役として登場した怪人は、戦闘員クローズのスーツを黒一色に塗った物である。
ちなみにこの回は公式twitterをして『撮影スタッフも震え上がる衝撃の#11!!!!』とまで言われている。ここに建てた病院が逃げた回。(こんな撮影いやだ!!!!)
スーツは後に#23から登場するギーウィ・ニューズィーに改造された。
関連項目
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー ギャングラー怪人
メディアツヨインダベー:前年の映像業界関係者戦隊怪人で、こちらもプロパカンダ放送を強制して作っていた。こっちは胡散臭い業界人キャラのディレクター。
モズマ(キュウレンジャー):同じく前年に登場した久正人氏デザインの戦隊怪人。上半身の装飾品に共通のセンスを感じられる。