概要
初登場話は、てんとう虫コミックス10巻及び、藤子・F・不二雄大全集2巻に収録。
この道具を使用すると、指定した範囲の天気を自由に変更することが出来る。付属のカード(太陽や雨の絵が描かれている)を挿入すれば、カードの絵に応じた天気に変化する。
天気を変更出来る範囲は屋外に留まらず、室内にも雲を出現させたり雪を降らせることが可能。ただし、屋外の場合はどの範囲まで天気を変更させることが出来るかは、原作版の作中で説明されていない。
TCプラス5巻収録「三月の雪」の作中では、日本全国に雪が降り注いだ際、ドラえもんはお天気ボックスの効果だと思い込んでいた(実際にはお天気ボックスは故障しており、自然に雪が降っただけなのだが、この時点でのドラえもんは道具が直ったと勘違いしている)。その為、少なくとも日本全域を指定することが可能と考えることが出来る。
参考として2012年版「お天気ボックス」の作中では、ドラえもんが「天気の範囲も自由にコントロール出来る」と述べている。
原作版の作中では、晴れ、くもり、雨(TC30巻収録「昔はよかった」)、雪、風、台風(TC41巻収録「恐怖のディナーショー」)のカードが登場している。また、上記の2012年版「お天気ボックス」では雷のカードも登場しているが、他のカードが存在するかは不明。
ただし、付属のカードを紛失した場合は天気を変更することが出来ない。仮に自分で絵を描いたカードを挿入した場合、カードに描かれた絵を模した物が降り注いでしまう。
スピンオフ作品『ミニドラにおまかせ!』の作中では、ミニドラが「ミニお天気ボックス」を使用して雨を止ませようとした際、家一軒分の範囲の天気しか変更出来ない様子が描かれている。
ストーリー
スネ夫、ジャイアン、しずかが明日雨になってハイキングに行けなくなることに心配している中、やって来たのび太は明日は晴れると言い切った。これにスネ夫はテレビでもやっていたと言い返し、晴れになるか雨になるかでのび太と言い争った後、拳骨3発をかけたが、のび太の提案により30発をかけることに。
帰宅後のび太は枕をサンドバッグ代わりにスネ夫を殴る練習を始め、ドラえもんに明日の天気は大丈夫か聞くと、ドラえもんは任せとけと「お天気ボックス」を取り出した。さっそく曇りや雪のカードを入れてみたが、風のカードを入れたことで嵐が起こり晴れのカードがなくなってしまった。
慌てて外に出たドラえもんとのび太は手分けして探すことにしたが、のび太はスネ夫がジャイアンと共にサンドバッグを使って自分を殴る練習をしているのを見て更に焦り出してしまう。そしてドラえもんの方もカードを見つけ出すことができずにいて、帰宅後ドラえもんは晴れのカードを作ることを閃き、カードに太陽のマークを描いて道具にセットしたが、本物ではなかったため描いたマークが大量に降って来てしまった。
更にその時雨も降り出してしまったので、のび太はドラえもんに助けを基め、頭に鍋をかぶせられられたが、それは天気が良くなるような道具ではなく殴られても痛くないようにとのことだった。仕方なくドラえもんは徹夜の覚悟でてるてる坊主を作り始めたが、のび太の情は嫌気がさし眠ってしまった。だが翌日目を覚ますと雨は止んでいて、これはドラえもんが夜のうちに「雲とりバケツ」で雨雲を吸い取っていてくれたおかげだった。
ドラえもんに見送られしずか、ジャイアンと合流したのび太だったが、スネ夫を迎えに行くと彼は殴られる覚悟で頭に鍋を被っていた。だがその頃一方、野比家ではバケツをしまおうとしたドラえもんが、廊下に落ちていたボールに躓いたことでバケツの中の雨雲があふれ出てしまい、家の中がびしょ濡れとなってママから怒られていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版と水田版で各2回ずつ放送されており、放送日は前者が1979年6月20日及び1995年5月26日、後者が2012年1月1日及び2021年7月3日である。
1979年版
- 冒頭にはスネ夫が天気予報を見ていて、雨であることを疑ったが、まるでこちらに話しかけているかのように予報士の男性が嘘ではないと言って笑っていた。またジャイアンは明日の天気が雨だと聞かされた際、責任を取れとスネ夫に掴みかかっている。
- のび太がスネ夫とかけた拳骨の数は10発になっている。
- 雪のカードを使用した際、降らせ過ぎたためのび太は寒がっている。また風のカードを使用した後、ドラえもんは次に何のカードを使ってみるかのび太に聞いているが、本人からもうよくて明日晴にしてくれればいいと言われ晴れのカードを探した際、失くしたことに気付いた。
- のび太は晴れのカードを探した際、ゴミ箱の中も探しているが、先にこれを漁っていた犬の顔に生ごみをかけてしまったので襲われることとなった。
- ドラえもんが描いた晴れのカードはオレンジ色に塗られていて、のび太は手を合わせてお祈りをしている。
- 野比家が大混乱になっている一方で、電車での移動中、殴らなくてもいいと言ってくれたのび太にスネ夫が感謝している描写が追加されている。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんが矢印が描かれたカードをお天気ボックスに入れたところ、本当に矢印が降って来たが、頭に鍋を被っていたので平気だったというものだった。
1995年版
- サブタイトルが「お天気カード」に変更。
- 今回は、のび太が出掛けようとした際に家のテレビで明日雨になることを知っていて、ミーちゃんのところへタケコプターで行こうとしていたドラえもんは、のび太に足を掴まれて壁に顔を打って怪我をしてしまったので初めはのび太の言うことに耳を貸さず怒っていた。だが雨になるとしずかが不幸になり、その他のキャンプに行こうとしている子供達も同じく不幸になると言われ、しかたなくお天気ボックスを出した。
- スネ夫は明日雨になることをうちの中で言っていて、のび太もここにやって来たので、この後の一連もここでやっている。
- 雪のカードを使用した際、ドラえもんはのび太は雪だるまになって、この後使ったのは雷のカードだっため、2人は雷に打たれて黒焦げになっている。
- 描いた晴れのマークが降って来た後、のび太はドラえもんの絵が下手くそだからだとケチをつけ、ドラえもんも君のためにやってるんじゃないかと反論したが、その時とうとう雨が降り始めてしまった。
- 夜中ドラえもんが外に出て、雲取りバケツでアマグモを吸い込む様子が描かれている。またのび太を両親が見送る場面も描かれている。
- のび太達がキャンプを楽しんでいる様子が描かれていて、その最中でスネ夫は頑なに鍋を外そうとはしなかった。
- ドラえもんはママに言われてバケツを片付けていて、廊下でボールにつまづかず転んでいる。また今回はパパも家にいたため、ママと同じく被害にあうこととなった。
2012年版
- 1995年版と同じくのび太は家のテレビで明日雨になることを知っていて、この時1979年版のスネ夫の時と同じようにテレビに嘘ではないか聞き、本当と返された。だが一方ドラえもんは、天気予報も外れることがあるからと他人事で、ママは祖父が天気予報の名人だったことから、その教えから明日天気になると言っている。
- スネ夫は明日あめになることを空地で話していて、のび太がここにやって来て明日は晴れると言った際は、父親がやっている予報サービスでも明日雨になると言っていたことを主張していた。そしてのび太はどうせ靴占いで天気を決めたんだろと思っていて、拳骨30発はジャイアンが提案している。
- のび太は帰宅後ママに先ほど言っていた天気予報のことを再確認したが、うる覚えだったためドラえもんに助けをもとめた。このため加倉をサンドバッグ代わりに殴る描写はカットされている。
- 雪のカードを使った後、1995年版と同じく雷のカードを使っているが、雷に打たれたのはドラえもんだけだった。また台風のカードを入れたのはのび太で、ドーナツみたいな形で面白そうと思ったからだった。
- ジャイアンとスネ夫は空地でのび太を殴る練習をしていて、10発分手伝わせてくれと言っていた。
- ドラえもんは降って来た荒れのマークを袋にしまっていて、この後てるてる坊主を作った際には、これの一つを顔として使っている。
- ドラえもんが転んだのは庭だったため再び雨が降り出してしまい、のび太は殴られそうになったが、その時庭でドラえもんが無くしていた晴れのカードを見つけセットした。だが濡れていたため天気が晴れ雨を繰り返してしまい、更に拭いている途中で破けてしまい、そのままセットしたが、これによりのび太がいる所が晴、スネ夫がいるところが雨となり、2人は何時まででも晴か雨かで言い争っていた。
- このため、野比家の中が雨で困る様子は描かれていない。
2021年版
- サブタイトルが「変幻自在!お天気ボックス」に変更。
- 冒頭の一連の下りは放課後の学校で行われていて、下校時ジャイアンとしずかが突然の雨で帰れず困っている中、スネ夫だけはタブレットの最新の天気アプリで雨具の様子をチェックしていたため、傘を持ってきていた。そして明日は100%雨になることもこれが予報していた。
- のび太がテレビを見ている最中にママが部屋の中で洗濯もを干す描写が追加されていて、ちなみにこの時テレビにはノン子という少女が主人公の『ノン気の子』という映画が近日公開というcmが流れていた。
- ドラえもんが最初に入れた雲のカードから発生したのは積乱雲で、この後雪遊びをするため降り積もるまでテレビを見て待っていることにしたが、洗濯物が邪魔だったため晴のカードを使用して外で洗濯物を干せるようにした。ちなみにこの時、しずかは出木杉から燕が低空飛行をすると雨になることを教わっていたが、その時天気が急に晴れてきたため驚いていて、一方のジャイアンとスネ夫も同じく驚いていた。
- 風のカードを使用したのはママに降り積もった雪を片付けるよういわれたからだった。
- スネ夫はサンドバッグの他に、地面に置くタイプの物も使用して、野比家の前まで通りかかって練習していた。
- 晴れのカードを探しに行った際、ドラえもんは猫が顔を洗っているのを見つけている。
- 晴れたことでスネ夫はのび太に殴るよう言ったが、晴れたことだしキャンプを楽しもうと言ってもらえ許してもらった。そして食事をとっていた時、やって来た子猫が顔を洗っていたので、のび太はどこかで雨が降っていると予想していた。
- ドラえもんは先ほど作ったてるてる坊主で転んでいる。