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概要

藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品「ドラえもん」に登場するひみつ道具の一つ。初登場回はTCプラス6巻収録『そっくりペットフード』。

箱に入ったビー玉大の粒状のペットフードで、この餌をペットに与えると、そのペットの顔(というか頭部)が餌を与えた人物と全く同じ顔に変化する。厳密にはドラえもんが取り出した道具ではなく、のび太タイムメールで注文して入手した道具。ドラえもんは最初に送られてきたチラシを「くだらない、人間の顔したペットなんて気持ち悪いよ」と一蹴してゴミ箱に捨てたが、その後のび太が興味本位で勝手に発注していた。

作中ではしずかが飼っているカナリヤ(わさドラ版アニメでは文鳥に変更されている)のピーちゃん(のび太は「逃げ出した時に飼い主がわかりやすくなる」と考えた)や、スネ夫が自宅の池で飼っている鯉(スネ夫がこれで人面魚としてテレビに売り込もうと考えた)をそれぞれしずかやスネ夫の顔に変化させた。ピーちゃんや後述のジャイアンたちはそっくりフードを与えた人物と全く同じ顔になっているが、スネ夫の鯉だけはなぜか鼻や耳がなくて肌も白いなど、若干人面魚っぽい顔になっていた(メイン画像参照)。

また、前述のピーちゃんはしずかが「キャー、気持ち悪い!元に戻して!」と怒ってのび太に詰め寄った弾みで鳥籠を倒したことで驚いて逃げ出してしまい、捕まえて元に戻すためにドラえもんとのび太がタケコプターで飛んで探し回るのだが、その際にドラえもんがそっくりフードの箱を持ったまま飛び回ったため、知らずにそっくりフードを町中にばら撒いてしまう。その結果、道端を歩く野良犬や散歩中の飼い犬が食べた際はもちろん、塀の上を歩いていた野良猫、果ては大あくびをした所に偶然そっくりフードが落ちてきて口に入ったジャイアン、さらにカラスやゴキブリなど、町中の動物がことごとくドラえもんの顔になってしまった。

それだけでなく、そっくりフードは動物園にまでばら撒かれており、ゴリラや鰐など動物園の動物たちもことごとくドラえもんの顔になっていて、テレビのニュースではドラえもんの顔になった象が「変面動物」として報道されていた。それを見たドラえもんとのび太がお互いに「君のせいだ!」「自分がばら撒いたくせに!」と言い合いながら取っ組み合いの喧嘩をするというオチで終わっている。

効果を消すには、掌サイズの瓶に入った「復元フード」という粒状の餌を食べさせるようになっている(なおわさドラ版アニメでは、3日経つと自然に効果が消えることも述べられていた)。作中では、未来デパートの集金係が代金を取り立てに来たことでのび太が勝手にそっくりフードを注文したことを知ったドラえもんが購入し、前述のピーちゃんを元に戻すために使用した。

余談

  • このエピソードは、のぶドラ版(1991年2月1日放送『そっくりペットフード』)とわさドラ版(2016年1月22日放送『そっくりペット大集合』)で1回ずつアニメ化されている。アニメ版ではドラえもんの顔になった動物の種類がさらに増えており、蟻、雀、亀、猿、キリン、アシカなどが出てくる。
  • わさドラ版アニメでは、冒頭にのび太が架空生物について書かれた本を夢中で読んでいるシーンが追加されている。またドラえもんの顔の動物が大量発生した事態に、のび太が「別にいいじゃない顔くらい、3日で元に戻るんだから」と完全に他人事のような発言を連発。これにキレたドラえもんがもう一箱そっくりフードを購入してのび太に上空からばら撒かせ、「自分そっくりの顔の動物が大量発生することの恐ろしさ」を身を以てわからせようとするという展開が追加されており、その結果一旦ドラえもんの顔になったジャイアンや犬、猫、兎、亀、ハムスターなどが今度はことごとくのび太の顔になるというさらにカオスな展開になっている。そして購入した復元フードで動物たちを元に戻して回るが、その後で落としたそっくりフードが動物園や海にまで流れていたらしいことが判明し、テレビでドラえもんの顔になった鯨や象が報道されるというオチになっていた。

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