概要
てんとう虫コミックス36巻及び、藤子・F・不二雄大全集15巻に収録。
このペンで輪郭を書いてその中に任意の名前を書くと、そこに本物があるかのように見せかけることができる。ただし実体がないので触れることはできない。
ストーリー
のび太はつい、バレーボールを居間にあった壺に当て割ってしまった。洗濯ものを干していたママにこの壺のことを訪ねてみると、本物の柿右衛門の壺で何十万だか何百万かすると聞かされる。これに慌てたのび太は急いでドラえもんに相談するが、ドラえもんは無言かつ無表情で触っても通り抜けてしまった。するとそこに本物のドラえもんが帰って来て、それはどら焼きを見張るために、みせかけ落がきペンで書いたものだと説明される。
のび太は試しにこのペンで「どらやき」を書き、効果を実感するが、本題を思い出しドラえもんに改めて相談する。急いで復元光線で壺を復元しようとするが、故障中で上手くいかず、更に騒ぎを聞いてママがやって来たため、ドラえもんがママを食い止めている間にのび太が机に「カキエモンのツボ」と書き、何とかバレずに済んだ。そして今度はタイムふろしきで復元を試みるが、のび太が一日十円でスネ夫に貸していたため、ドラえもんに怒られ急いで回収しに向かう。
その後向かう途中で空地にいたジャイアンから面白い話があると言われるが、「そんなもん聞いている暇ない」と言ったことで怒りを買い、追いかけられるはめになってしまった。そこで壁に自分の落書きをして分身を作り、ジャイアンがそれに気を取られている隙にスネ夫の家に向かった。しかしタイムふろしきはスネ夫のママが借りていて、しかも外出中だったため、帰ってから持ってきてもらうことになってしまった。
そしてのび太が帰宅すると、ママが壺を拭こうとしていたため、のび太は自分が磨くからとママを部屋から追い出し、スネ夫にも電話をかけるが、まだタイムふろしきは帰って来ていたなっかた。更にパパも壺の持ち主の男性と共に家のすぐそばまで帰ってきていたため、のび太は玄関に「ブロックべい」と書き、玄関を隠して時間を稼ぐことにした。
何とかこの場はしのいだものの、割れた壺はママに見つかってしまい、問い詰められるが、ドラえもんが修理した復元光線で壺を復元してくれたため、のび太は叱られるのを免れることができた。安心した2人は机に書いた落書きを消し、全て丸く収まったかに見えたが、玄関の落書きを消し忘れていたため、パパ達は玄関を見つけられず、家の周りをヘトヘトになりながら歩き続けるのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1986年7月18日に、水田版は2024年1月27日にそれぞれ放送している。
1986年版
- のび太は庭の塀に向かってサッカーボールを蹴っていて、これが壺に当たってしまった。またのび太が来た時、ママは台所で皿洗いをしていて、壺はパパが知り合いの骨董屋から預かっていたものだった。
- のび太はみせかけ落がきペンに気を取られ、本来の目的を忘れかけていたが、ドラえもんに「どうせママに叱られるようなことじゃないの」と聞かれ、壺のことを思い出した。
- のび太が壺の破片を隠す描写は直接描かれておらず、のび太は最初「カキレモンのツボ」と書いてしまい、ママには柿とレモンにしか見えなかったため、ドラえもんから柿右衛門だと指摘され、書き直した。
- しずかはのび太がジャイアンを通り過ぎてからやって来ていて、落書きののび太と本物ののび太を見て、「のび太さんが二人?」となっていた。
- ママは壺を磨こうとした前に、アイロンがけをしていた。また、のび太は「自分が拭くから」と言ってママを部屋から追い出し、その後弁償しようと貯金箱を壊してお小遣いも数えていたが、到底足りるはずもなくバカらしいと諦めた。
- ドラえもんは階段の影に隠れながら復元光線を壺に当てている
2024年版
- 扉絵をリスペクトしたサブタイトル画面では、のび太は口を閉じていた
- のび太が持っていたのは黄色いボールで、これを塀に向かって投げ、何度もキャッチに失敗し、ついに壺に当てて割ってしまった。
- のび太が壺のことを聞きに来た時、ママは買い物から帰って来たところで、壺はパパが知り合いから預かったものだった。
- のび太は壺の破片を机の下に隠していた。
- ジャイアンは落書きののび太に昨日の夕食にかつ丼が出たことなどを話していて、その後落書きに殴っていたのは、こののび太が無表情で返答もなにもしてこないことに腹を立てたから。
- のび太は2回スネ夫に電話をしていて、2回目はしつこいとキレられてしまった。
- ドラえもんは壺を復元した後、タイムふろしきも早く返して来てと、のび太に念を押している。