るろうに剣心(1996年度アニメ)
るろうにけんしん
1996年1月10日から1998年9月8日にかけてフジテレビとその系列局(FNN)で放送され、人気を博した。
監督は古橋一浩。制作は第66話まではぎゃろっぷが、第67話以降ではスタジオディーンが担当している。 主題歌はJUDY AND MARYのそばかすが有名。
アニメオリジナルの要素が多く、東京編での人情エピソードが水増しされ、完全オリジナルの回もいくつか登場している。これにより原作漫画におけるバイオレンスな描写や人道的に良くない展開(高荷恵の阿片作りの罪を隠ぺいなど)は改変されマイルドな作風になっている。また、原作漫画版の人誅編以降のエピソードは放送されず、京都編終了後はアニメオリジナル長編を放送し最終回を迎えた。
キャスティングにネルケプランニングが関与していた関係で、主人公である剣心役は宝塚歌劇団退団直後の涼風真世に、ヒロインである薫役の藤谷美紀を始めとして、声優業を殆ど行わない俳優や女優の出演も多数見受けられた。また、俳優の無名時代にこの作品で声優を担当していた人物も多い。作者は先行のドラマCD版のキャストを気に入っていたため、キャストの総変更には不満があったという。
また1話の「伝説の美剣士…愛ゆえに闘う男」を筆頭に前半のサブタイトルが強烈で、作者も単行本のおまけでアニメ版にはいろいろと苦言を呈していた。
ただし回を追う毎にクオリティは洗練されていき、京都編からは当時のTVアニメとしては最高峰の作画、成長していくタレント声優達の演技、世界観に合致した名曲を多数生み出した各種BGM(主に京都編以降)、タイアップではあるがこれもまた名曲揃いの主題歌など、語り草となった。人気の低迷も原作に追いついてしまい、オリジナル編が続いたためである。ただしこのオリジナル編の作画は異様に良く、特に動画枚数は気持ち悪いレベル。
声優は全体的に実力派が揃っており、音響監督は本作が初担当となる三ツ矢雄二である。特に斎藤一を演じる鈴置洋孝の冷徹な演技(と藤田五郎時の怪しさたっぷりの演じ分け)は多くの視聴者を虜にした。主演の涼風真世が微妙に聞こえるのも序盤のみで、1クールが過ぎる頃には名だたる名声優に劣らない演技を披露するまでに大化け。斎藤戦やOVA版での冷徹な演技、年齢や時代のよる演じ分け、技を放つ際の技名の呼称や気合の入った咆哮は高く評価されている。なお涼風が一番苦労したのは「おろ~?」だったそうで、また舞台の癖で身体が動くので収録は音のでないシュッとしたパンツスタイルで演じていた。
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 維新志士への鎮魂歌』として劇場アニメ化もされ、複数のOVA展開や新約版となる新京都編の製作も行われた。また、このキャストが各種ゲーム作品やボイスコミックへ、新アニメ版スタートまで引き継がれていた。
2023年の再アニメ化に伴ってか、この旧アニメ版は公式アニメ配信サイトの配信を終了されるなど、視聴する方法がほとんど消滅してしまっている。現在視聴するには未だに残っているレンタルビデオショップか、レンタル落ち、DVD-BOXの在庫など限られてしまっている。
キャスト
【OVA 追憶編】
緋村剣心が「人斬り抜刀斎」になるまでの物語。原作本編の人誅編における過去編のアニメ化。剣心が技名を発するような少年漫画的な演出は排除され、純時代劇風の演出となっている。また凄惨なシーンも多い。
【OVA 星霜編】
原作漫画の最終幕の後の剣心たちの人生を描く。
【OVA 新京都編】
原作の京都編をリメイクした新作OVA。前編は2011年12月に、後編は2012年6月に公開。DVD・Blu-rayも2012年3月(前編)と2012年8月(後編)にそれぞれ発売された。